『香水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【香水】
秘密の時間を彩るのは、かすかなオーデコロンの甘さ。
あの人に不満はないけど退屈なのだから仕方ない。
彼と会うのは長くても二時間。香りが消えるまでの約束。
だから、これは浮気なんかではなくただの遊びなの。
「おかえり。今日は遅かったね」あなたが微笑む。
淹れてくれたコーヒーを飲むと、平和だなって思う。
この穏やかな時間を守りたい気持ちは本物。
だけど少し、ほんの少しだけ刺激が足りない。
友達と遊ぶと伝えて出掛けた日、私は彼に会っていた。
オーデコロンを手首に吹きかけ、香りを確かめる。
柑橘系のすっきりとした爽やかさが鼻をくすぐる。
いつもの花の甘さもいいけど柑橘系も悪くないな。
大学生の頃から香りを纏うのが好きだった。
オーデコロンからパルファムまで、いろんな濃度を。
花や果物、ムスクにバニラなど。いろんな甘さを。
彼からのプレゼントが一つ増えても気づかれない。
「なんか、良い匂いがするね。柑橘系って珍しい」
好きな香りだと呟いて、あなたは頬をほころばせる。
他の男が選んだものだと知りもしないで嬉しそう。
「またつけるね」あなたの前ではないかもしれないけど。
永遠よりも時間に限りがあるほうが気持ちは高まる。
あの柑橘系のオーデコロンをつけるたび、彼を思い出す。
つい声を聞きたくなって、電話したのがいけなかった。
廊下で物音がして、部屋を出たらあなたがいた。
穏やかな日々に飽きてしまうのは退屈に思えるから。
そんな退屈を幸せだと思えないのは、私が悪い。
裏切りを知っても手放せないらしい。あなたは沈黙する。
何も知らない顔で、「良い香りだね」って微笑んでいる。
とても鼻が効くんだよ
室内なら、5分前にいた人の
匂いも嗅ぎ分けられると思う
だから香水なんてつけた人が
クローゼットとかベッドの下とか
隠れてもわかるから
アリバイ作りに香水は使っちゃダメだよ
荷物になると置いてきたのは
上履きだけじゃなかったみたい
二度と戻れないあの青い日々
熱気の籠った廊下に響く声
夢呟いて 待ってた
当たり前の日々は写真にはなくて
くだらない出来事さえ宝物だと
気づかなかったくらい全力だった
カウントダウンが終わるまで
忘れぬように
大人になったらあれがしたいと
それぞれの未来思い描いてた
自分の道が上手く分からず
目を逸らした先には青い空
ためらわずに 進め
当たり前の日々に名前はいらなくて
毎日が楽しいってことだけでいい
生き急いでいて大事なものを
いつの間にか見落としていた
単純でいい 焦らなくていい
昨日よりも少しだけ進んでいればいい
自分らしく 楽しめ
当たり前の日々は写真にはなくて
くだらない出来事さえ宝物だと
気づかなかいくらいに全力でいこう
カウントダウンが終わるまで
忘れぬように
【香水】
なんのにおいだろ。
なんかつけてる。でもアルコール臭くない。鼻はいいはずなんだけどな。なんか落ち着く墨みたいなにおい。
スンと鼻を鳴らすと、ちょっとびっくりしたみたいに、目を見開く。多分他の人には分からないくらい些細な反応。最近やっと分かってきた表情の変化。近くにいる自分だけの特権みたいで嬉しい。でも秘密にしてるみたいだから、気づかないフリをする。
「いいにおいがする」
「うん?」
ほら目尻が下がった。いいにおいがするから、少しくっついてみるね。
金木犀の鮮やかな香りがした。
その香りは君を思い出す。
懐かしく、でも少し寂しい気持ちになる。
#香水
お題「香水」
正直苦手
普段あまり嗅ぐことがない分
出会ってしまうと
慣れない香りは強く感じてしまう
シャンプーのあのほのかな香り
あれくらいが安心する
シトラス。
フローラル。
オリエンタル。
私が惑わしてきた香り。
私を惑わしてきた香り。
「あなたと一緒がいいから、私も買ってみたの」
「○○のために、自分もこの香水を買ったんだ」
そこに愛情なんてない。
全てはお金目当て。
そんな目的をもくらませる、刺激的な香りがもっと欲しかった。
私だけを見つめてくれるような香りが、本当は欲しかった。
〜香水〜
叔母さんが昔、海外旅行に行って買った香水を母に寄越した。
母が手首の裏に付けたのを嗅がしてくれたが
匂い云々以前に、そのキツい香りでむせてしまった。
母も余り好みではなかったようで、さてどうしようとなり
結局見た目のよさで、トイレの窓辺に飾っとくことになった。
恐るべきことに、ただそこにいるだけで匂いを放ち
芳香剤的な役割を担っているようだった。
それから半年以上経ったある日、兄夫婦が家に来た。
車で2時間以上かかる距離の為、着くなり二人とも
トイレに行った。
その後しばらくしてから私もトイレに入った。
いや、トイレの扉を開けた瞬間
「ガハッ!ゲヘッ!ゴホッ!」
兄も義姉も消臭剤と思い、大量に撒いたらしい。
トイレに飾られたのが余程不本意だったのか…
半年以上も経って、香水から恐るべき報復を受けた。
『香水』
香りを纏う。
少しの私が隠れる代わりに、私の好みを周囲に知らせる。
花の香りは益虫を呼び。
ハーブの香りは害虫避けに。
これは一つの選別なのだ。
私にとって益となる人。
私にとって害となる人。
私と嗜好が似た人を、香りを纏って惹き付けるのだ。
【香水】
満員電車の中、ふと香水の香りが鼻をかすめた。知っている匂いだ。
匂いは、簡単に記憶を引き出す、形の無い鍵のようなものだ。もう二度と開けたくなくて厳重に封をしたつもりでも、そよそよと流れてきたかと思うと、いとも簡単にその箱を開けてしまう。厄介な存在だ。
マコトは顔をしかめた。脱サラして以来、めったに満員電車には乗らない。こんなのに毎日乗って出勤していたという事が嘘のように思える。誰もが屠殺場に送られる家畜のような顔をしている。男性たちは痴漢の冤罪に怯え必死に両手を上げ、女性たちは中年男性に挟まれるとあからさまに嫌そうな顔をする。小さな子が騒ぎ、母親が肩身の狭そうな表情を浮かべる。電車でのマナーを知らない外国人が大声で会話しているのを聞くと、なぜか内心ホッとしていた。
なぜわざわざこんな時間に電車に乗っているかというと、午前中で完売してしまうというパン屋のスコーンを買いに行くところだからだ。脱サラして開いたカフェはコーヒーだけでやっていこうと思っていたが、特にバリスタの大会で賞を取ったとか、そういう「箔」がついてないと厳しいようだ。それで、何か軽食を出そうと思案、情報収集している。
(香水の匂いは苦手だな…)
それも、満員電車が嫌いな理由の一つだ。一つ一つはいい香りなのかもしれないが、複数の香りが混ざってしまうと地獄になることがある。
(しかもこの匂い…)
目を閉じると、嫌でもあの人の姿が思い浮かぶ。華奢で小柄な体つき。お嬢様育ちで世間知らず。弱くてどうしようもない人。
ちょっと胸が苦しくなりかけた時、アナウンスが聞こえた。降りる駅だ。
人混みにもまれながら電車を降り、駅を出る。目的のパン屋は徒歩10分程度だ。近くまで来ると、焼き立てのパンの匂いが辺りまで漂っている。マコトは少し立ち止まってパンの匂いを肺の底まで吸い込んでから、店内に入った。
店内にはところ狭しとパンが並べられている。今日の目的はスコーンだが、マコトは他のパンもいくつか買っていくことにした。サンドイッチにできそうなバケット、子供の頃から好きなメロンパン、イングリッシュマフィンにクロワッサンもある。店内にイートインのようなスペースはない。
パンの焼ける匂いは人間を幸福にすると思う。子供の頃、母と姉が何度か作ってくれたバターロールを思い出す。妹はまだ小さくて、いつも手をベタベタにしながら食べていたっけ。それをティッシュで拭いてあげるのはマコトの役目だった。そんな妹も今は大学生だ。
マコトは店から出て、紙袋の中を確認した。
(ちょっと買いすぎたかな)
顔がニヤけてしまう。
(近くのカフェ探してコーヒー飲んでから帰るか。)
もう、あの香水の香りを思い出すことはなかった。
「香水」
棚に香水が置いてある。
手に取る。水色とピンクの淡いグラデーション。
どうしても、欲しかった、あの香り。
君のことを、思い出した。
君は、いつも、あの香りを身にまとっていた。
歩くときも、走るときも、笑うときも。
なにもないようなときにも。
だから、あの香りが鼻をかすめば、君だ、と分かるようになっていた。
いつか、君に訊いた。
『どうして、いつもその香水を付けてるの?』
君は、ちょっと困ったように、でも、嬉しそうに答えた。
『綺麗だから』
そのまま、押さえきれないように、笑いだした。楽しそうに。
何が綺麗なのか、何が面白いのか、僕には分からなかった。
それから、君がいなくなって、どのくらいの時間がたったのだろうか。
適当にショッピングモールに入った。
前のように、同行者は居ない。
ボーッとしたまま服を見て、買い物を済ませる。
本を見て、時計を見て、カフェに入って。
でも。
なにかが足りない。
『ねぇ、次はあそこに行こうよ!』
嬉しそうに店を指し、グイグイと腕を引っ張っていった君。
笑いながら、楽しそうで。
迷惑だったけど。だけど。
でも、それが「楽しかった」と思ってしまう僕がいる。
いつの間にか、香水の店の前にいた。
なかに入り、香水を手に取る。
この中に、君の好きだった香水もあるのかも、しれない。
「どうぞお試しください」
そう看板に書かれている。
手に取った香水をワンプッシュする。
使わない、知らない香りが鼻をくぐった。
他の香水を試す。
色々な香水の香りが混じり合い、変な匂いへと変わる。
どうしても、見つけたかった。
ショッピングモールを出る。
結局、見つけることはできなかった。
君は、どこであの香水を見つけていたんだろうな。
どうして、それがほしいと思ったのかは分からない。どこで売っているのか、どの香水なのかすら、知らないのに。
ため息を吐いて、家路に入る。
もうすぐ家に着く。
ドアを空ける寸前。風が吹いた。
あの香水と同じ、香りがした。
夏が過ぎ去り、秋へと移りゆく頃の風が僕の頬を優しく撫でる。
土曜日の街角広場には、子供達が駆け回り、道行く人達の笑い声が響き、優しい陽の光が差す。
向こうから、褐色のトレンチコートに身を包んで、洒落た小ぶりのバックを肩にかた綺麗な女の人が、黒いハイヒールを鳴らして歩いくる。
上品なサイズのフープピアスは歩く度に揺れ、褪せたルージュの唇がクールでアンニュイな人。
ただすれ違うだけだった。
懐かしい香りがほのかに僕の鼻を掠めた。
その時に風さえ吹かなければ、気づかなかったかもしれないと、少しだけ風を恨みたくなる。
大好きだったあの人の香りは、今でも胸のどこかに染み込んで、忘れられない。
_香水_
【香水】
高校生にとって香るものといったら制汗剤とかハンドクリームの、ブランド物に較べたらなんだか素朴な香り。ああそれと…もう一個あった。
少し前を歩いていく君の、あまい柔軟剤の香り。
思い出しちゃうなぁ。
彼が迂闊にも送ってきた結婚式の招待状。
彼がくれた甘い香りを吹きかけて。
行ってやろうと思ってる。
馬鹿なあいつが自分の結婚相手に。
同じ香水を贈っていなきゃいいけれど。
まあ私には関係ないわよね。
【香水】
わたしは香水を付ける人がキライ。
ちまたで人気のあると謳われているものは、どれも品がなくてただきついだけ。
香るという概念を知っているのかと思うほどにおいがきつい。
ほんとうに、香水なんて大キライ。
でも。
それもこれも、すべて言い訳。
一昔前はわたしだって香水を集めていたし、ちまたで人気のものにも何本も手を出した。
蝶の飾りのあるシリーズがスキだったな。
ボトルが花の形をしている華美なデザインの季節限定のものもスキだった。
それもこれもあなたのせい。
あなたに近づきたくて、わたしは香水を集めだしたし、スキになった。
香りなんて、スキになるものじゃない。
昔誰かも歌っていたでしょう?
「街中ですれ違う香りに貴女を思い出した」なんて。
あれが痛いほどわかる。
わたしも、ムスクの香りが流れてくるたび、スキだったあなたを思い出して――吐き気がする。
/『香水』8/31
目と目で通じ合う。
別に色っぽくもないけど、少し気恥ずかしい。
だって同じ顔がそこにあるんだもの。
(あなたは今、何を思っているの?)
鏡の向こうの自分に問いかける。
/8/25『向かい合わせ』
心の健康、とは。
きっと私にとって、するすると手が動くとき。
気持ち的に落ち込んでいるときでも、こんなふうに何かしらアウトプット出来ているのなら、まだ大丈夫。ぎりぎり。
それすらも出来なくなるのなら、それはあぶないとき。
趣味を少しでも楽しめるのなら、もう少しだけ元気な証拠。
/8/13『心の健康』
抱き締められた後だから、まだ密かに残ってる。
あなたの香水の香り。
ぶどうの歯磨き粉
ヘルパーとのお姉さんが大好きな三つ編みをしてくれた(#^.^#)♫
ヘルパーさんのお姉さんとドラッグストアで、カワイイボトルのキレイなピンク色したヘアーオイルをテイストで、
塗ってくれた〜(*´∀`*)花が咲いたみたいな気分になった。それだけなのに、レベルが上がったよう気がするの。
お姉さんは、魔法使いかな〜(#^.^#)私の何時も足りない所わさり気なく埋めてくれる。
『あんずちゃん、自信を持って頑張ってネ♫(#^.^#)』と、遠回しに言ってくれているとようで……(´;ω;`)
ちょっとだけ、高いから私は、テイストだけで充分です。
昨年の私のお誕生日に、ヘルパーさんのお姉さんは、そのピンクのヘアーオイルをプレゼント🎁をして下さいました〜(#^.^#)
心の中で、うわあ~と、感動が広がっていくーー。
ヘルパーとのお姉さんは、ちゃんと私のことを想ってくれていたんだ……(´;ω;`)
頼りないあんずで、ごめんなさい🙏(´;ω;`)もっと、しっかりとしていたらと、私、迷わないのに(´;ω;`)
ーー、もう、タラレバしかありません(´;ω;`)
ありがとうございます❤ヘルパーお姉さん、何時も私のことを想っていて下さりありがとうございました😢大好きでした。
何時も、お姉さんのかけてくれる魔法は、私に、自信をくれました。
ヘルパーさんのお姉さん今日は、夜空に、スーパームーンが見えるらしいです(#^.^#)🌛お姉さんに、メールで、昨年なら、『ピンクムーンが見れるヨ(#^.^#)🌛』と、
メールをしたり、天月さんのライブの配信をメールで、『ナウ❢』なんて、付けて、メールをしました〜_φ(・_・私は、こんなことが出来るのはお姉さんが初めてだったから、超、
嬉しかったな〜💛(#^.^#)♫場所は、違うけれども、同じ時を分けているようで……。私は、母に、手を繋いでもらい、外に出てピンクムーンを見ました。当たり前だけれども、シーンとした夜の風景の貌をしていてなんだか神秘的でした〜🌛暫く、輪郭のあるこうこうと光るお月さまを私は、見惚れていました〜。🌛お姉さんも、ピンクムーンを見ているかな〜、なんて馳ながら……。ヘルパーさんのお姉さんのことは、私、忘れないヨ〜(#^.^#)♫『ダメな私ですが、私なりに自分を信じて頑張りたいで〜す(#^.^#)💙本統に、いっぱいいっぱいに、ありがとうございました💛(#^.^#)私は、お姉さんのことが大好きでした〜(#^.^#)💛』
入院している時は、ちょっとだけ何時もと、違う歯磨き粉だった。甘〜い、ぶどうの味の歯磨き粉だった。
ちょっと、何時もと違うことをするだけで、違うわになれる。イケメンの看護師さんも、オンとオフを分けるためにコロンをつけてはったのかな〜(#^.^#)♫
また、何時かお会い出来たらいいのにな〜💛あんずの迷いなんて白紙になるのにな〜💛(#^.^#)♫
ーーラミパスラミパス、ルルルル〜♫♫♫もう、戻れないんだネ〜。
なにわ男子の『ダイヤモンドスマイル』の歌詞で、『好きな自分、嫌いな自分。素直になれたいいね〜♫』と、あります。
本当に、私もそう想います……。そしたら、ほんのちょっとだけ、私のことを理解ってもらえるような………。
ぶどうの歯磨き粉から、何時ものミントの味の歯磨き粉に変わったように、また、何時もの私に戻らなくちゃ、ネ(#^.^#)♫
また、この香水買ってしまった。
しかし、なぜ買ったのかがわからない。
たいして使わない。香りも好きじゃない。
けど、手にとってはお金を払って。
いや、なんとなく、
机の片隅で独りでいた香水が
可哀想に思えただけかもしれない
君と同じ香水。
君と同じ匂い。
毎日、挨拶のかわりに愛を確かめ合う。
でも君は最近私を愛してくれない。
他に好きな女の子がいるの?
どうして私だけじゃないの?
どうして?
どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
君は ___
噎せかえりそうな甘いバニラの匂い
「香水臭い女は嫌いだ」
「違うでしょ?」
「は?何が違うんだよ」
「香水じゃなくて私の事が嫌いなのよ」
「…本当に面倒な女だな」
そうやってすぐ逃げようとする
どうしてこんな男すきになったのかしら
「兎に角、もう別れてくれ」
「あら あの娘の所に行くの?」
「……何処までも執念深い女だな もう行く」
彼の背中に香水をかける
「おい!!なにしやがる!…」
私が手に持った香水を見た途端彼の顔色が変わる
「それは…」
「あの娘が持ってたのよ、貴方があげたんでしょ」
「お前………」
「そっちには居ないわ」
「居るのは此方」
クローゼットの方を指差す
「貴方も入れてあげる
2人の時間を邪魔しないわ」
ーーー
ーー
噎せかえりそうな鉄の匂い
鼻つまみながらクローゼットに
香水をひとふり
「ほんと」
「貴女って悪趣味」