『香水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
香水。それは人によって好き嫌いが分かれるものである。多くの人は匂いをつけることでいい匂いと感じるがその匂いで体調不良に陥る人もいる。私は体調不良に陥るタイプだ。だから香水をつける時は少し考えてつけてほしいと常日頃思っている。
僕が好きなあの子はいつも金木犀の香りがする
甘くてでも、どこか儚げな香りが。
君はいつも僕に言う
「私、金木犀みたいな女性になりたい。謙虚でおしとやかな金木犀みたいに。」
そんなことを言う君が好きで。
今日僕は君に金木犀を渡すよ。
君との未来のために。
ずっときみを愛するってここに誓うよ。
いつか
叶うものならば
夢も見続けていましょう
いつか
届くものならば
想いも抱き続けていましょう
いつか
何かが変わる日が
必ず来ることを
遠い気持ちで待ちましょう
いつか来る
その日を信じて
いまは
時に流されて行きましょう
☆ いつか… (262)
香水
香水をつけるのをやめた。
いい香りでいることより、いい香りの場所にいたいのだと気づいたから。
部屋にアロマを焚いた。
オレンジ、ベルガモット、サンダルウッド、ローマンカモミール。
和香油もいくつか試した。
紫陽花、蓮、水、桜、桃、柚子。
ああ、やっぱり。
私がいい香りでいるより、いい香りの場所を身近に作っておくことの方が気持ちいい。
甘い香りがした。
「あれ、なんか今日はいつもと違う匂いだ」
「ふっふーん! よくぞ聞いてくれた!」
彼女は、今日の私はいつもと違うんだぞ!と自慢げに胸を張る。
その動作ひとつで、ふわりと香る匂い。いつもの彼女とは違う匂い。
「今日はね、香水を付けてみました」
どうやら、調香師の元へと赴いてオーダーメイドで作ってもらったらしい。
何故わざわざ……とか、高かっただろうに……とは思うけど、今日のために準備してくれたことが只純粋にうれしかった。
「だって、特別な日だからさ。今日くらいは許されるかな~って」
「あはは、そうだね」
なんたって、今日は僕たちの初デートの日だ。
「あーあ、きみも香水付けてみたらいいのに。匂いが違うと雰囲気も変わるんだって、調香師さんも言ってたよ~」
「それ、いま言わなきゃダメ?」
もっと早くに言ってくれれば僕もちゃんと準備できたよ? と髪をいじくりながら唇を尖らせる。そんな僕を見て、彼女はひどく可笑しそうに笑った。
ああ、僕はしあわせものだなぁ。
「仕方ないなぁー、次行くときは一緒に行こっか。きみも絶対に楽しめるよ!」
「そう? ……じゃあ期待しとこうかな」
「うんうん!」
それじゃあ行こうか。
僕たちは、柔らかくしっかりと手を繋いで、少し歩いた先にある映画館を目指した。
▶香水 #1
イイニオイがした。オレはアルファなのでつがいのみにおいかもしれない。匂いのほうに歩いていくとうっそうとした森を通り木々が開けた瞬間、そこは崖で僕は落ちていった
香水
シオンノーレ、オスマンティウス、金木犀の香り。秋の香り。
フランス、マルセイユを思い出し、美しい少年達の愛の物語。
ジルベール。
「風と木の詩」
同性愛、虐待、迫害、全てが衝撃的で夢中で読んだ。
ジルベールの美しさに魅了された。
ジルベールの香水、シオンノーレ。秋の金木犀の香り。ジルベールの香り、、、。
先月、祖母が亡くなった。
私は葬式にも出なかった。
どころか、ここ数年会ってすらなかった。
容態が悪いということは聞いていた。
私は不孝者である。
記憶すら曖昧で、どんな顔だったか、どんな景色だったかも思い出せない。
大した思い出すらない。
強いて挙げるなら、何かの拍子に匂った時、それが祖母の家の匂いと同じ時に、同じと気づくことが出来るくらいだろうか。
祖母の家の匂いは何によるものか、名前を知らない。それが分からないほど幼い頃しか会っていない。ただ、その匂いがあればすぐ気づく、というだけの話。
香水、ではなかったろうとおもう。
香水は名前のある匂いだから。
名前があって、付け替え自由な匂いだ。
祖母の家の匂いはいつも祖母の家の匂いとしか言えない。
こんなことしか思い出せない。
ねえ。
────。
香水
匂いがしない。なんで?
母は顔をほころばせ、
ずっと洗ってなかったから洗濯したのよ〜
悲しくなり本音をボヤく
えー、いい匂いだったのに
母は恥ずかしいような、照れくさいような
声色と表情で
1ヶ月くらい洗ってなかったんだよ〜?
と呟きながら台所へ戻る
薄くなった母の香りが鼻にかすかに残っている
仕方がない、
また いっかげつ 待つことにしよう
洗濯しないでねー!
母に駆け寄った
香水
この香水は苦手だ
僕の未練をよみがえらせる失恋の香り
すれ違いにまた香る
あなたの匂いをかき消すものか、あなたを彩る香辛料か。
香水
彼のつけている香水は元カノが置いていったものらしい。つけないでなんて言える訳もなく、それをいいことにずっとつけている。私はこの匂いが嫌いだ。私があげた香水は箱に入っているのをちゃんとみたことがある。社会人の彼は会社で大切なプレゼントとかかがある時だけ私があげた香水の匂いがする。そういうところが嫌いでもあり、好きなところ。だから近々サプライズという名の婚姻届を渡すが結婚は考えてない。と言われるのはまた、別のお話。
香水
10:54
スマホの待受画面を確認すると、十一時半の待ち合わせまで少し時間があった。
(早く着きすぎちゃった。三十分もあるな……)
これから女友達とランチに行くつもりだから、今は何も口に入れたくない。
コーヒーショップは却下して、時間を潰そうと駅に直結しているデパートに向かった。普段行くのは郊外のショッピングモールとかだから、デパートに行くのは久しぶりだった。
週末の昼前のデパートは人が多かった。
いつものショッピングモールとは客層が違っている気がする。華やかな店内を弾むような気分で歩き、案内図を見てから、二階の化粧品フロアに向かう。気になっていたブランドを覗いてみると、香水のテスターがいくつか並んでいるのが見えた。
(新しい香水、欲しいな。でもあんまり甘い香りは苦手だし)
そう思って眺めていると、店員さんがにこやかに笑いかけてくる。
「良かったらお試しください。こちらユニセックスでお使いいただけます」
「あ、どうも……」
美人だ。上品な言葉遣いと物腰に何となく気圧されてしまう。店員さんに愛想笑いを返しながら、一つ手近なものから試してみた。ムエットに吹き付けると、ほろ苦さのあるさっぱりとした香りが広がる。
(いい香り、でもこれは違うな)
甘すぎるのは苦手だけど、全く甘さがないのも物足りない。
一つ目のテスターをそっと戻して、二つ目はうっかり手首に一吹きしてしまった。
(あ、これって……!)
思い出してしまった。思い出したくなかった。少しだけつき合った人がつけていた香りだ。香水の名前さえ知る前に別れてしまったのに。
紹介で知り合った人だった。高望みなんかしていないし、できれば好きになりたかった。でもどうしても好きになれなくて、散々悩んだ挙げ句にひと月前にこっちからお別れした。
後悔はしていないつもりだ。それでも一人は寂しい。
(もう、最低!)
引きつった顔をしていたのかもしれない。店員さんが怪訝そうにこちらを見ている気がする。慌てて頭だけ下げて、早足でその店から離れた。追いかけるように手首から香りがする。纏わり付く香りが、本当にあの決断で良かった?と問いかけてくるようで苛々する。ムエットで試せば良かった。
(私が何したって言うのよ……!)
世界が自分に意地悪をしてくるみたいだ。泣きたいような気分で唇を噛む。私は早く手首を洗いたくて化粧室を探した。
香水は雰囲気を崩すものでもある。
いくらかっこよくてもかわいくてもその雰囲気にあった香水でないと雰囲気を一気に崩してしまうものである。
となりの席
好きな子
気づいて欲しくて
金木犀の香りの柔軟剤で香水をつくった。
気づいて欲しくて
「初恋だと」
君から香るニオイはいつも香水ではなく、柔軟剤のニオイだった。
だからなのか私は、香水の香りがゴテゴテしているように感じる。
いいニオイなのは間違いないがどこか人工的そんな風に感じる。
香水
洗練された。
美しい小瓶で
煌めく香水ですら
敵うものはなく。
どんな、香水よりも
あなたの首筋から香る
あの匂いに、私は溶ける。
【お題:香水】
すれ違いざまにあの香りが鼻腔をくすぐると、あの人を思い出す――なんてこともなく、あの人がつけていた香水も、もう何だったか忘れてしまった。
でも、香水で思い出す人もいる。香りじゃなくて、あの歌だ。あの歌で思い出せる人がいるのだ。すごいな瑛○。
香水をつけていたあの人の香りは忘れてしまったけれど、季節の変わり目や雨上がりのアスファルトなど、香りというものは結構記憶に残るものだ。でも、音楽というのも同じくらい記憶に残るものだと思う。昔みんなで踊ったり、ライブで盛り上がったり。耳にするたび、いつでもあの青春の日々が思い出せるのだ。
横で流されると思い出す。そのメロディのせいだよ。
『香水』
少し背伸びをして
マリリンみたいに
眠る前に数滴纏う
想像より強かった
ヒールを切るのは
流石に出来ません
モンローウォーク
狼には気をつけて
今夜はまあるい月
好きな香はきっと
好きな人に似てる
幸せな朝を迎える
記憶は香る仄かに
『香水』
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ば
そ
う
と
し
て
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ば
せ
な
い
現
実
の
味
列
車
が
か
い
た
香
水
と
汗