『香水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
すれ違いざまにあの香りが鼻腔をくすぐると、あの人を思い出す――なんてこともなく、あの人がつけていた香水も、もう何だったか忘れてしまった。
でも、香水で思い出す人もいる。香りじゃなくて、あの歌だ。あの歌で思い出せる人がいるのだ。すごいな瑛○。
香水をつけていたあの人の香りは忘れてしまったけれど、季節の変わり目や雨上がりのアスファルトなど、香りというものは結構記憶に残るものだ。でも、音楽というのも同じくらい記憶に残るものだと思う。昔みんなで踊ったり、ライブで盛り上がったり。耳にするたび、いつでもあの青春の日々が思い出せるのだ。
横で流されると思い出す。そのメロディのせいだよ。
『香水』
少し背伸びをして
マリリンみたいに
眠る前に数滴纏う
想像より強かった
ヒールを切るのは
流石に出来ません
モンローウォーク
狼には気をつけて
今夜はまあるい月
好きな香はきっと
好きな人に似てる
幸せな朝を迎える
記憶は香る仄かに
『香水』
跳
ば
そ
う
と
し
て
跳
ば
せ
な
い
現
実
の
味
列
車
が
か
い
た
香
水
と
汗
【香水】
机の片隅に飾られた香水瓶。もう何年も使っていない、ただの置き物と化したそれを捨てることすらできずにいる。
香りというものは、纏う人間によって微妙に変わるものらしい。私がいくらこの香水を使っても、君の香りをなぞることはできなかった。むしろ似て非なる香りのせいで、記憶が上書きされていく。君との思い出が消えていく。その感覚が恐ろしくて、私は君の遺していった香水をただの飾り物にした。
君を抱きしめるとほのかに香った、涼やかな甘さのラストノート。私の愛した人の香り。
(忘れないよ、絶対に)
何年、何十年経とうとも。君を愛した気持ち、君と過ごした時間、その全てがこの香りに結びついているのだから。
記憶の中の香りを思い返しながら、私は小さな香水瓶の冷ややかな表面をそっとなぞった。
「香水」
この香りどこかで嗅いだことある
どこだっけ?
すごく馴染みがあるような・・・
うちのトイレの芳香剤だ
香水
高校生の頃、安いメンズ用の香水をあっちこっちタップリ塗りたくって学校に行ったら、おぶすな女子から臭いからそんなの着けない方がいいと言われた。教師も皆は若いから香水も化粧も必要ないと言っていた。
それでも僕はドイツ製の柑橘系のオレンジ🍊から出来た、ちょっと値のはる奴を買ってきて、ちょっとだけ着けて学校に行った。今度はキョンキョンの妹募集の最終選考まで残った可愛い友達の女子にうけた。その子はハワイ土産の高級な香水をほんの少しだけ着けていた。うなじか手首に少しだけ着けるといいと教えてくれた。
その数年後、僕は色々研究してオレンジ🍊の香水を作れるようになった。
買ってきたのと、まるっきり同じ香りがした。
僕の好きな女性の香りは、もちろん何も着けない自然の香りもいいけれど石鹸系の香水がいいな。とか言ってたら高校生の時に他の友達の女子からルートコ(当時逆読み)が好きなの?と茶化された。プロは無臭だよ。
今は何も着けず、専ら服とか靴に消臭剤かけたり、たまに香水代わりに体にかけたり、時代かな?!
それにしても男は少々汗くさいかチンコくさい方がもてるじゃない?
ちょっと男くさい 徳博
香水と共に呼び起こされる記憶、
それは現実のあなたではなく
記憶の中のあなた
記憶の中のあなたは幻想。
香りと触感、記憶と感情は密接に結びつき、
私たちの観念を形作る。
では、今ここで実際に感じられるものは何でしょう?
あなたが通ったその時に柔軟剤がふわっと香る。
それが好きだった。
いつの間にか私は君を待っているようになった。
いつもの時間にあなたは私の前を通った。
いつの日かあなたから
ふわっと香る柔軟剤の香りがしなくなった。
香水を付けるようにしたみたい。
なんで香水を付けるようにしたんだろう?
でも私は変わってしまった彼の香りも好きだった。
少し大人っぽくて爽やかで
彼をよりかっこよく見えるような気がした。
私も匂い替えてみようかな
─────『香水』
中学3年生の妹への誕生日プレゼントに香水を選んだ
ちょっと早いかなとも思った
でも彼女は少しおマセな子
スズランとイチゴが香る
NANAのハチ子のような、
paradise kissのみわこのような、
セーラームーンのうさぎのような、
"まるでおマセなヒロインの香り"を選んだ
妹はどちらかと言うと、
NANAのナナのようで、
paradise kissのゆかりのようで、
セーラームーンのレイのようで、
そういう印象を纏う子だけれど
私から見た彼女はこの香りが特別似合う女の子なのだ
-香水-
抱きしめるとふわりと香る。
あまくて、せつなくなるようなムスク。
思わず顔をうずめた。
ベルガモットが胸いっぱいに広がって、苦しくなるほど、いとおしい。
それぞれの体温で変わるなら、これはあなただけの特別だ。
どうしようもなく、息が止まるほど。
あなたのすべてが、香りに記憶されていく。
もっと強く
細胞に刻んで。
「香水」
決定打
すれ違いざまに香る決め手は
シトラスでもバラでもなく
醤油
※香水
僕はかつて存在しなかった。例えば路上ではたと足を止めて、名前も知らない花を見つめているこの心の及ぼす影響とは何なのかと自問するような時には、いつもそのことを考えた。例えば都市を行く君が、名も知らない君の姿が、僕のわきをすり抜けるでもなく、遠くにその姿が認められるでもなく、声が聞こえるでもなく、あるいは思考の面に浮かんだわけでもないのに僕の心の面をよぎって行ったような感触が残されて、何度も感動のふるえを握りしめるような折にはいつもそのことを考えた。僕は花びらの水滴に映り込んだ、無言の愛を目にしたのかもしれない。僕は砂漠を横断する旅人の脳裏に閃いたものと同じ、時間の構造を託されたのかもしれない。けれどそのことを忘れてやっと踏み出せる歩みが、僕の今日をも失わせる。僕は存在しているということは限りのないことだと思う。それはもしかしたら、存在しないということをこの宇宙において考えるために必要な限定性が、限りのない存在という願いの名においてしか実現し得なかった珍しい例なのだろうか。忘れてしまっても、狂ったりすることもなく生きていけるのは、そのおかげかもしれない。僕はかろうじて「こころ」と呟いてみる。その意味が消失してしまうまで、唇にそのかたちをとらせておく。存在しないためのことば、存在しないためのうた。心がそれを知っていればよかったと思う。あまりにも笑顔は素敵だから、帰る場所はいつもあるんだ。
#香水
香水
あの時の香り
よくあるよね
香りだけで全てが思い出される
苦しくなる
切なくなる
懐かしくなる
涙が出そうになる
でも、「今」もまた
いつかのあの時になるんだろう
「今」にはどんな香りがあるんだろうね
過ぎ去ってから初めて気付く「今」の香り
暖かな懐かしさを感じられたらいいな…
あきかぜ
土曜日の朝
ある土曜日の朝のことだ。
ケイリー・ゴートゥベッドは目を覚ました瞬間からひどい自殺衝動に襲われた。
全身が鉛のように膠着し、なかなかうまく動かせないことに気付き、「もしや金縛りでは」と考えたが意識は確実に覚醒していたし、そもそも心霊的なものを彼女はいっさい信じていなかった。
彼女の身体は、いたって健康的だった。
毎週土曜日と日曜日は朝少し早く起きた後、近所をウォーキングするのが決まりだった。
でも、その日は違った。
なんとか上体を起こし、布団をはね除けると、ベッドの隣の小さな棚の一つから大量の睡眠薬と吐き気止めのシロップを取り出す。
睡眠薬はもともと不眠症を患っていたことでちゃんと医者からもらったものだ。
『ゴートゥベッド』なんて苗字で不眠症だなんて。
と、ケイリーは苦笑したのを覚えている。
医者は彼女のジョークを全く笑わなかった。
彼女は数十にもなる睡眠薬をすべて口に含むと、シロップで一気に流し込んだ。
これですべてが終わる、と彼女は再び布団をかけて眠ろうとした。
最初の数十分間は、あれこれ「私が死んだら家族は悲しむだろうな」とか「大学のレポート、まだ提出してないや」とか考えていたが、やがて意識が朦朧としてくると、彼女は眠ってしまった。
もうどうでもよかったのだ。
彼女はただ、静かに眠っていたかっただけだから。
土曜日の朝は、誰だって遅くまで寝ていたいもの。
あの香水が好きだと私は言ったけど、何がいいの?なんて
言われちゃうもんだから、困る。
そりゃ、私も自分の意見を押し付けたらダメなのは分かっています。でも、嫌いだからって、押し付けていいのかな。
嫌い。その嫌いにはどんな感情があるのかな。
色んな気持ちが混じっているよね。
私も思い出が、あったり、嫌なことがあったりしたら。
嫌いになります。
好き?何が?って思うのは私も思うのでほんと分かります。
でも、好きな人だっているんだってこと忘れないで欲しいな
歌が下手なのはわかる。でも、私はそう思わない。
人それぞれよね。
上手いか、下手か、。
でも、響くか。響かないか。
人それぞれよね。
それでいいのに。なんでみんな一緒じゃなきゃいけないの。
香水って意味も、香水ってことも分かってないやつがいうから、全く意味ないんだけど。
嫌いも、好きも。
みんな違ってていいと思う。
うん。良いと思うな。私は。
【香水】香水の効果を使って、君を誘惑できたらいいなー
とか密かにおもったりもしている。それはできない
けれど、私の印象を残すことができたらなーとは思う
ので、いい匂いを探し中。香水の効果について勉強中。
やはりあの匂いがいいかなー。今度会うときに
つけていこう。匂いをつうじて、私の想いよ届け!
なーんてね(笑)。
3年後のpure
香水
別にいいんじゃない
どうでもいい
悪くはないと思う
前に貰って使ってはみた感じ
買ってまで使いたくはないけど
匂いって割と外で感じる
花粉とか食卓の準備など
煮物、揚げ物、焼き物
なんの料理かなってちょっと考える
歩いているし風は流れてる
だから過ぎてゆく
考えの途中のまま忘れてしまう
なんだったのか結局は判らない
煙草やお酒は臭いってさ
香水も充分に臭いと思ったりもする
そう思うだけで特に害はない
電子タバコは害がありそうだけど
それでさえどうしようとも思わない
これまでの経験と印象で
あとは個人の好き嫌いではないかと
知ってないと何の匂いか判らないからね
香水
私はよく、おばあちゃんとお母さんに「可愛い」と言われた。
そうやって褒められるのが本当に嬉しくて嬉しくて、よくおしゃれをしていた。
その度に「可愛い」と、2人の優しい声で褒められるのが嬉しくて、何よりの自身でもあった。
でもある日、私に転機があった。
それは5年生の夏。
休日に、お菓子を買いに行こうとコンビニへ行った。
その時雑誌コーナーを通った時に、たまたま目に入ったのが、ショートボブにTシャツ、ズボンといういかにもボーイッシュな格好をした女性が表紙を飾っているファッション雑誌だった。
私はその自分らしい格好をした表紙の女性に心を打たれ、気付けばその雑誌を購入していた。
_________________
今日は珍しく母より父の方が早く帰ってきた。
父が帰ってくるなり私は、今日買った雑誌を手に持って
「私もこんな女性になりたい」と言った。
するとさっきまで穏やかだった父の表情がどんどん厳しくなり、そして初めて私に向けて怒鳴った。
突然の事にわけも分からず呆然としていると、父さんに雑誌を奪い取られ、ゴミ箱に雑誌を突っ込まれてしまった。そして父はこう言うのだ。
「お前はせっかく可愛い女の子に生まれたんだから、女の子らしく生きなさい」と。
また気付けば私は自分の部屋の姿見の前に立っていた。
肩甲骨辺りまでの髪をポニーテールにして結んだ髪に、紫色のスカートに服。
お手本のような【女の子みたいな服装】。
父にさっき言われた【女の子らしく】という言葉が脳裏に蘇る。
【女の子らしく】はいいのに、【自分らしく】はダメなの?
【自分らしさ】は殺さなきゃなの?許してくれないの?
分からない、分からないよ。
数分後、
私の右手に握られてるのは、開きかけたハサミに、そのハサミに絡まっているのと辺りに散らばっている髪。
私は姿見の前にしゃがみ込んでいた。
姿見に移るしゃがみ込んだ私の姿は、少しだけ長めでガタガタとしたショートボブの姿。
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最初に私のこの姿を見つけたのは、祖母だった。私の部屋を開けた途端この惨状だったからさすがにびっくりしたのだろう、すぐ母に連絡をしていた。
それから間もなく、母が家に到着した。
母は私の姿を見てびっくりはしていたが、怒ることも無くただ抱き締めてくれた。
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母side
仕事中、おばあちゃんからひとつの連絡が入った。
それは、娘が少しだけ大変なことになっているとの事だった。
私は上司に言って、直ぐに家に帰った。
__________
リビングには誰もいなかった。もしかしたら自分の部屋にいるのだろう。そう思いリビングから出ていこうとした。
そしたらゴミ箱の奥底に何かがあった。
取り出して見ると、それはファッション雑誌だった。
表紙にいるのはボーイッシュな格好をした女の人。
……まさかと思い私は娘の部屋へと急ぐ。
そしたら案の定、姿見の前に座り込んでいる娘の髪は、ショートボブ程の長さになっていた。
………今日はいつもより、お父さんが早く帰ってきたから、これを見せたら捨てられてしまったのだろう。だいたい想像が着いてしまった。
でも私は娘のしたことを否定をしないし、口出しもしない。その思いを込めて私は娘を抱き締めた。
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あれから2年後の中一、私の髪は少しは長くなったが、格好はボーイッシュのまま。
それから、おばあちゃんは病気を患ってしまい、寝たきりの状態になっしまった。
私はおばあちゃんのことが、大好きだから毎日のようにおばあちゃんの元へお見舞いに行っていた。
ある日、おばあちゃんの容態か急変したらしい。私とお母さんはすぐに家を飛び出して病院へ向かった。
お母さんたちは話し合うことがあるらしく、おばあちゃんと一緒に待っててと言われた。
2人きりになった病室に、静寂が訪れた。
何か話す話題はないかと必死に考えていると、おばあちゃんが急に私の手を握った。
びっくりして思わずおばあちゃんの顔を見ると、その顔はとても穏やかで、優しいものでした。
そしておばあちゃんは私にこう言いました。
「今の自分らしく生きているあなたはとても素敵で、綺麗で、それでいてとても可愛いし、どんなあなたも好き。
でも忘れないで、あの日より前の可愛かったあの時のあなたもあなたよ。あなたは何になろうと、私にとっては可愛くて可愛くて仕方がない孫だよ。」と。
それを最後におばあちゃんは、静かに息を引き取りました。
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おばあちゃんが無くなってから、私は再度可愛い服を身につけるようになった。
短かった髪も前の肩甲骨辺りまで伸ばして、ポニーテールだけだった髪型もハーフツインやツインテール、ハーフアップなど色んな髪型でするようにもなったし、スカートにも足を通すようになった。
更にはあまり好きでない香水も着けるようになった。
【嘘をつく時にはほんの少しの真実を混ぜると、
その嘘はより真実味を増してくる。】
どこかで聞いた、そんな言葉。
きっと、今の私に一番似合う言葉だろう。
嘘の部分は、この身なりをしていて、そして嘘をついている私の姿。
真実の部分は、この香水が好きでないという本心だろう。
でも私は、これが嘘だとは信じない。
何故なら、大好きなおばあちゃんが好きと言ってくれた私だから。
「先輩ってなにかつけてます?」
「んえ、別になんもつけてねえけど」
「でもなんか匂いが……」
「あーつけてるって香水のことね。んー……あ、ほらこれじゃね」
昼休みの廊下、人がまばらに行き交う中、偶然見つけた影をとっ捕まえて面白くもつまらなくもない話を駄弁っていると突然デリカシーが微妙に欠けたことを言い出した。
内ポケットから薄紫の液体が半分ほど入ったガラス小瓶を取り出すと不躾にヒトの体臭を嗅ぐぺちゃんこな鼻に制裁としてそれを噴射させる。
「うわっぺっぺっ!口に入っちゃいましたよ!」
「アホみたいに口開けてんのが悪いんじゃん」
「あ、でもいい匂い…。いいなあ、私もお金貯めて買おうかなあ」
「▓▓▓▓ちゃんにはまだ早いんじゃない?」
「私先輩と一個しか離れてないんですけど」
「一個もだよ」
じっとりと睥睨するがお世辞にも怖いとは呼べない、小生意気でかわゆい表情だ。
「先輩はいつから香水つけてるんですか」
「一年の時から」
「じゃか全然早くないじゃないですか!」
「うるせえなあ……オラ!」
「ぺっぺっぺっぺっ!やめてください!」
「ギャハハッ、▓▓▓▓ちゃんは赤ちゃんみたいな匂いさせときゃジューブンでしょ」
「乳臭いってことですか?」
「ミルクみたいないい匂いってこと」
オレはぴちぴちと暴れる小さな身体をぬいぐるみのように持ち上げ、その首筋に鼻先を埋めるとすぅっと一つ大きく深呼吸した。
#香水
それは、あなた達の印象を動かすモノではなく
あなた達が自ら印象を動かすのです。
"香水"