『香水』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
サッとふりかけ、少し背伸びをした。
伏目がちに髪を片方耳にかける。
ふとした時に手首から香る甘いけど、爽やかな香り。
鏡に映る私は頬が緩んでいる。
まだまだ、子供かもな。
うわ、来るよ
どこ通ったかすぐ分かるもんね
鼻、バカになってんじゃねーの?
教えてあげなよー迷惑だって
(嫌がらせに決まってんじゃん)
『香水』
香水
暖かい腕の中
ポカポカと香る、
まるで太陽のような、温かく、どこか微睡みを誘う匂い
その中にいると、
安心して、眠れたんだ。
君が長いこと帰ってこなくなり、
寂しい時も、布団から香る匂いが慰めてくれた。
日が経つにつれてだんだんと匂いは薄れていき、
胸に開いた穴がどんどん深くなる。
早く、早く… そう思いながら目を瞑る。
ようやっとその腕の中に包まれた朝、
初めて、眠りについた気がしたよ。
君の匂いのするものを持っている訳でもない
君が近くにいる訳でもない
なのに君の匂いがする
でもふとした瞬間の1回の呼吸だけ
君の匂いが濃く香る
君のその匂いに香水に依存してしまっているね
#香水
何年も前に別れたはずなのに
あの匂いだけは鮮明に覚えてる。
まだ幼い私が、初めて香水をふりかけた瞬間、少し大人になれた気がした。
自粛期間中に何故か流行ったあの歌。
リビングのソファに座り、パソコンとにらめっこしている君の目の前で、何とはなしにハミングしてみる。
すぐに君は「懐かしいな」とクスクス笑いながら鼻歌を歌い出す。
アナログ時計の秒針の音をメトロノーム替わりに、ハミングと鼻歌で上手い具合にハモってみたりして。
あの散々な日々を今、こうやって二人で笑いあうことが出来る幸せを噛み締めながら、サビに突入。
キャッチーな最後のあのフレーズはユニゾンして、歌い終わった後で二人してカラカラと笑った。
ホントなんで流行ったんだ、あの曲、と。
テーマ「香水」
香水
「香水つけてる?」
「うん」
「ドルガパ?」
「男ってみんなそれ言うよね」
「主語がデカすぎる」
香水を鼻歌で歌う君。冷蔵庫からウイスキーを取り出すその横顔はキザな男そのままなのに、その実君は香水を知らない。
「何年前だっけ、それ」
「えー、そっか。もう年単位で前なわけだ。そりゃ歳もとるよねー」
「おばさんって?」
「違うから笑」
そのまま彼は私の横に腰を下ろす。広いソファーベッドと無駄に大きいテレビが、部屋の中に鎮座している。
「結局その香水なんなの」
「LANVINの、MY SIN」
「ふーん」
「聞いといて興味なさすぎる」
リモコンを手に取る君に、香水をワンプッシュ吹きかける。
「あげる」
「……ねーさ、人は同じ匂いの人に性欲抱かないんやって」
「へー、試してみる?」
トン、と肩を押されてソファーにもたれかかる。君の吐息を近くに感じて目を瞑った。
「香水かけた意味なかったじゃん」
「きみのせいだよ」
一人の男性とすれ違った時ふわっと甘い香りがして、思わず振り向いたら、初恋の人だった。
私の初恋のひろくんと出会ったのは今から10年前の高校一年の時だ。ひろくんは優しくて正義感が強くて
笑顔が爽やかで甘い香りがした。
私は思わず、「その香水どこの?何の香り?」とひろくんに聞いた。ひろくんは「DIORの、んーと、忘れちゃった」とはにかんだ。
私はひろくんが好きになって、もっと近づきたくて、DIORの香水を買った。
ひろくんに振り向いてもらえるかなと期待したら、別の男子が告白してきた。
なんだかんだ私はその彼と付き合うことになって、10年経った今は家族になってて子供もいる。
でもやっぱり私は、ひろくんが好き。
10年の時を経て、私はひろくんに告白するため走る。結局ひろくんは見失ってしまった。
あれは幻のだったのか、いやあの香水はDIORのあの匂いだった。
ベッドにもぐり込むと、まだきみのにおいがたちこめていて、すべてのことがくるしい。昨日をあいしても意味がないということ、脚の指の一本一本にキスしてくれたくちびるの輪郭だけ思い出す。もうそこにはすでにきみはなかった。
香水
高校生の弟が、ある時香水をつけ始めた。
もともと、柔軟剤やその人の匂いで大体友達を見分けられる犬のような弟なので香水に興味をもつこと自体に違和感はなかった。
私は弟が香水をつけた後に部屋に残る甘ったるい香りが苦手だったので、香水は苦手なのだと思っていた。
けれど、所謂推し活のために初めて買った、柑橘や薔薇の甘すぎない爽やかな香りの香水。
使ってみて、後が残らずしつこくない香りであれば好きなのだと気づいた。
たまには、食わず嫌いしていないかどうか確かめてみるのもいいかもしれないと思った。
桜帆先輩が後ろを通り過ぎると、後からフワッとイイ香りがくすぐる。
見えなくても存在が感じられるって偉大だ。幸せだ。
ある日何気なくフワッとを目で追うと、
えッ、誰?
桜帆先輩どこ行った?
いつから???
香水
こちら!なんと!フルーチェアンドバーナーナーの香水でございます!
見た目はフィリピン産のバナナ!
中身はフルーチェのようなベタつき!
一度付着すると、二度と取れません!!
万が一付着した場合は舐めて洗浄し、かかりつけのネイティブにご連絡ください。
ご使用方法
1.まず枝からバナナをもぎ取って下
さい。
2.ちょっと眠いんで寝ますね〜!w
3.安全に十分留意してご使用くださ
い。
#香水
ある時から君の香水の香りが変わった。
あれだけ柑橘系は苦手だと公言していたのに、いつの間にか柑橘系の香水を使い始めていたね。
気づいてたよ。言わなかっただけ。
きっと君はあの頃から浮気をしていたんだろうね。
ゆるさない
前まではなかった香水の香り。
前まではなかった整髪料の香り。
私が知らない間に大人になっていく貴方。
もう手が届かない存在になってしまったんだね。
柔軟剤の香りがする貴方が、
サラサラの髪の毛が顔に落ちる様子が、
そんな貴方が好きだった。
今はあの時とは違う。
あの時の貴方はもういない。
そう思わないと、また、私は貴方に恋をしてしまうから。
「なんかお前、匂い違くね?」
『あ、わかる?彼女が最近くれたんだよ』
『このローズの香水』
「へー、いい彼女じゃん。それ高いやつだろ?」
『そうそう。ほんとありがたいわ』
………。
《え、あいつそんなこと言ってたの?》
「…そうだけど……どした?」
あいつの彼女の〇〇。
〇〇とは幼馴染でこうしてよく話している。
《……いや…》
《確かに…前、誕生日の時香水あげたけどさ…》
「…けど?」
《………私があげたのって》
《ローズじゃなくてラベンダーの香水なんだよね》
ー香水ー
香水
嬉しくて懐かしい匂い
そんな匂いが
君たち9人から、ずっとしてくるんだ
ボディーソープやシャンプーじゃなくて
柔軟剤でもない
君たち愛用の
香水の匂い
みなさん!!
今日もお疲れさまでした!
おやすみなさい
私は香水が苦手
だけどあなたの優しい匂いは好き
香水 いつかはつけちゃうんだろうけど
その優しさが溢れてる
鼻をくすぐる柔軟剤の香りは忘れないからね
うちもキミも
お気に入りの香水1つくらい決める年頃だよ
香りは一生覚えてるから 適当はいかんね。
_ ₁₁₄
香水の匂いであなたを思い出したい
そんな距離にいたい
香水の匂いも良いものだけど
人間臭いのも現実味があって良いと思う
目の前の人が、確かに存在してることを実感出来るから
「香水」