『飛べない翼』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私が初めて夢の中で空を飛んだ時、
背中には翼が生えていた。
当時小学生だった私の翼は、桃色の立派な翼で、
さらには表面に宝石だとか音符だとか、
そんなものがついていた。
私はその翼を使って、初めて飛んだ。
しかしそれは、地面からたった数センチ浮いただけの
粗末な飛行、もはやただのジャンプだったと言える。
私の翼は重すぎて、ただの飾りとしての機能しか
持ち合わせていなかったのだ。
それから幾度も飛ぶ夢を見た。
翼を腕に添わせて羽ばたいてみたり、
箒、時にはちりとりを使ったりすることもあった。
そうやって、色んな方法を試して辿り着いた答えは、
翼を使わないことだった。
水中のようにふんわりと浮かび、
壁を蹴り空気をかいて、空を舞う。
そうすると、いとも簡単に私の体は浮き上がるのだ。
翼は、飛ぶのには向かなかった。
私たちは空を飛ぶことを想像する時、
つい翼を広げる姿を考えてしまいがちだ。
けれど、それに囚われる必要はなかったのだ。
空を飛びたいなら、好きな方法を探せばいい。
固定観念やルールから外れることは、
必ずしも失敗ではないのだ。
そうは言ったものの、
私は翼で飛ぶことに憧れている。
それに向けて試行錯誤するのも、
また自由なのだろう。
題 飛べない翼
今日もまた曇った瞳で、窓の外を眺める。
見れば外にはきゃらきゃら、と楽しそうに笑い合う声がよく聞こえてくる。
あぁ、羨ましい。耳障りだ。羨ましい。
その明るい声を聞くだけで、あんなに楽しそうな声がとどくだけで、彼の内はどろどろと煮えたぎり、暗くおどろおどろしいモノが渦をまく。
瞳に映る人たちは、みんな己の体を包み込めるほど大きな翼をもっている。
力強く羽ばたいて、空を翔る。いいな。いいな。
みんなに等しく与えられた翼。
それなのに、どうして。どうしてなの。
何故、己の翼はこんなに小さいの。
ろくに体を支えられない頼りない翼。みんなみたいに飛べやしない。
どうして、どうして。
神様はみんなに優しいんだよね、祈れば叶えてくれるんだよね。
ねぇ、神様。どうしてなの。
※違うバージョンの案
生まれつき両足がない、又は動かない子
※愚痴
図書館行きたかった、行けなかった
堕落論借りたかった山田美妙、直木三十五さんの小説借りたかった。
【スーパーヒーロー】
ある日朝起きたら、"あー、今日学校に行きたくない"って思った。
本当に、突然のことだった。
今まで普通に学校行って、勉強もなぁなぁで、授業中はたびたび居眠りして、部活して。
他の人たちに比べたら、全然頑張ってない日常。
なのに。
僕は今日学校を休んだ。
1日休んだら次の日、そのまた次の日。
どんどん伸びていく僕の連休。
いつも畳んで整頓していた布団も、ここ1週間は敷きっぱなし。
起床時間は陽の光を浴びてない影響でみんな仕事や学校に行った後になり、ほとんど動かずじっとしているから就寝時間は余裕で日を越した。
暗闇の中に浮かび上がる液晶の光。
僕は夜が好きになった。
誰にも邪魔されない1人の時間。
みんなの寝息や寝返りを打つ音が静かな家の中では大きなBGMになる。
今起きているのは僕だけ。
世界が静かになったみたいで、昼より断然落ち着く。
夜が本当に大好きだ。
朝ぼんやりと目を覚ますと、みんな起きててバタバタしてる。
寝ぼけているけど、耳は鮮明になっている。
『今日も悠人休みなの?』
『しょうがないじゃない。もう言わないで。ただでさえストレスいっぱいなんだから。』
『いいなぁ、、』
『1日何もせず家でゴロゴロして、、ブタになるよ?』
『あ、もうなってるか。』
『私の育て方が悪いの?!』
聞きたくなくて耳を塞いだ。
毛布にくるまった。次第に体が震えた。
学校休むのって、大罪なんだ。悪いことなんだ。
風邪とか病気じゃない限り、休めない。
『だめ、、休んじゃダメ、、』
頭の中で永遠に反芻するダメという言葉。
じゃあ、もう、、
『死ぬしかない。』
休み始めて2週間。
僕の目に初めて宿ったやる気だった。
みんな家から出て行った。
1番手頃な死に方は飛び降りか首吊りらしい。
僕は飛び降りるために空きビルを検索した。
目深までフードを被った僕はただ死だけを目標に家から出た。
鍵なんてかけてない。
かけても意味ない。
『どうせ、終わりなんだ。』
僕に残された道はこれしかない。
これ以外にない。
今日で死ねなかったら明日も明後日もこの先もずっと光のない日々だ。
日の本には出られない日々だ。
『はぁっ、はぁっ、、』
着いた。空きビルは当然の如く人っ子1人おらず、錆びた外階段が放置年数を物語っていた。
カン、カンと鉄製の階段を登るたびに足音が響く。
いよいよだ。僕は死ぬんだ。死ぬしかないんだ。
『はっ、はっ、はっ、はっ、はっ』
呼吸がみるみる浅くなる。
死にたくない。それはかき消されて、頭の中には死ななきゃいけない。という気持ちが洪水のように流れる。
空きビルから見下ろした街並みから、昔のことが走馬灯のように流れてきた。
"僕は街の平和を守るスーパーヒーローだ!"
"誰かを守るヒーローになりたい!!"
"ヒーローはカッコいいんだ!空をヒューンって飛んで、ドカーンって!"
今思えば、ヒーローになりたいだなんていかにも幼稚園児らしい子供じみた夢だと思う。
でも、あの頃の方が僕は幸せだった。
『飛べるかな。』
そうだ。スーパーヒーローになって空を飛ぼう。
足を一歩、踏み出した。
飛んでる。
空中でスーパーマンが飛ぶように右拳を突き出す。
飛びたかった。
ぐしゃ
「飛べない翼」
鳥なのに飛べない生き物。
祖先からの遺伝子が変換されまくったのだろうか、羽だけ残して。生き物に関しては知識が浅はかだから、なんで羽が残っているのか、何の意味があるのかなどは完全に無知だ。
いらないなら私にちょうだい、と言いたくなる。
私も飛んでみたい。
飛んでどこかに行ってしまいたい。
飛べない翼
ああ、
翼があるのに
この空を飛べないなんて…、
わたしはペンギン、
地べたをヨチヨチ歩く。
空を飛ぶ鳥達が
旅の素晴らしさを
教えてくれるの、
だからわたしは
この空を見上げる
いつか 飛べる日を夢みて…。
ペンギンは飛べないけど、泳ぐことができる。
ダチョウやキジは飛べないけど、走ることができる。
翼があっても飛べない鳥にも、できることがある。
何もできない生き物なんていない。
それぞれの生き物には特技が必ずあるはずなんだ。
もちろん、人間にもね。
飛べない翼
15才、不登校になった
16才、落ちこぼれになった
17才、自殺を失敗した
18才、たまり場に行った
19才、運命に出会った
20才、運命に捨てられた
何をやっても誉められた
天才なんだと思ってた
馬鹿にしていた大人になって
軽蔑される立場になった
大きな翼でこの世のすべて
見下して生きると思ってた
飛べない翼に気づいたけれど
夜中にこっそり練習してる
21才、人生を諦めた
22才、小さな夢を見る
23才、おばあちゃんが亡くなった
24才、もういちど恋をした
25才、平凡を受け入れる
26才、家族遊戯をやってみる
閉じてた翼を自分で切った
必要ないって思ってた
これが幸せなんだと信じ
汚れてみにくいオバサンになる
飛べない翼がムズムズしてる
家族を捨ててもかまわない
飛べない翼を羽ばたいてみる
やっぱりわたしは、自分を生きる
幾つになっても自分を生きる
あなたが応援、それならいいな
飛べない翼は行くだけで、誰にも興味を持たれない。
君のために私は翼をさずけよう
君は前に進もうとしている
けれど君の翼は折れてしまっている
私が君の翼になるよ
何処までも連れて行く
たとえ私の翼が折れたとしても
君が前に進めるのならいくらでも私を使って
もし2人の翼が折れて進めなくなった時
地を這ってでも一緒に前に進もう
お前と一緒なら
飛べない翼でもいい
夫の一言にデレる私
私も夫と一緒なら
飛べない翼でもかまわないよ
一緒に地上で生きてゆこう
空を飛べなくても貴方と一緒なら
幸せだから
———人間ってのはね、天界から何らかの理由で降りてきた天使なんだよ!
なんてことを真剣に話す君を見て、僕は笑った。
本当だもん!と眉間にシワを寄せて怒る君。
でも、僕は話の内容に笑ったんじゃない。
自分では気付いてないだろうし、これからも教えるつもりはないのだけれど、君ってさ、熱が入ると鼻がぴくりと少し動くんだ。
それが僕はとても好きだ。
その無意識に動く鼻が、可愛らしくてとても好きだ。
君の話が本当だったとして、僕は天界から降りてきて良かったと心の底から思う。
だって君が人間だということは、天界に君はいないというだろう?
君がいない天界はさぞかしつまらないだろうね。
———もし神様が目の前に現れたとして、君を天界に戻してやろうと言っても、僕は丁重にお断りするよ。
僕は君の隣で、飛べない翼を持った天使でいたい。
【飛べない翼】
飛べない翼
ペンギンとか鶏とかフラミンゴとかその類の動物が空を飛んでいるところは見たことがないしペンギンに関しては空じゃなくて水中飛んでるし。飛べなくても翼があるってことは飛べなくても翼がある理由があるってことだとおもう(?)翼ないと鳥類にも入れてもらえないしじゃあ何類?みたいになるもんね笑笑翼あるほうが見栄えもいいし。この前TikTokで背中に翼のタトゥー入れてる綺麗な女の人の動画見たけどかっこよかった。私も飛べなくても翼があったらもっといい女になれるかなー、
飛べない翼ということは翼は飛ぶもの、持っているなら飛べることが当たり前、飛べない鳥は失格、ダメなヤツそんな感じなのでしょうか。飛ばなくても生きていくすべがあるとか、飛ぶよりも翼で体を温めるなど違う役割があるとか子供たちを守る為に進化したとか?飛べないと飛ばないでは意思があるかないかと言う大きな違いがある。自分は翼があったかどうか分からないけどちょこちょこ飛ぼうとして来たと思う。飛べるかどうか考える前にいつも飛んでた。飛んでから失敗に気付いたり不時着してケガしたり飛んでもいないのに飛んだ気になってたり。だから振り返って反省はとてつもなく押し寄せるけど、やり残した後悔は無い。今の私を例えるなら、とんでもない翼もどきの人でなしと笑ってやろう。
飛べない翼
「飛べない鳥ってなんで飛べないの?」
「いつも以上にざっくばらんとした質問だな、後輩」
「あ、キーウィも飛べないの? かわいい」
「かわいいの好きだね、姉(あね)さん」
「飛ばなくてもいいから止めたんだよ。でも、ペンギンは泳ぐため、ダチョウは走るため。空飛べなくても奴らにとって必要不可欠なものってのには変わりねーぞ。馬鹿にしないように」
「キーウィは?」
「あいつは完全に羽が退化してるから飛ばない。ないし飛べない」
「外敵がいないから空を飛ぶ必要がなくなったんだって本で読んだ気がする。そのせいで絶滅危惧種になったっても書いてたような……」
「ドードーの二の舞にならないといいな。飛べなくても、姉みたいな奴が守ってくれるからなんとかなるんだろ」
「鳥じゃないけど蚕も飛べないんだよね? それはそうとお蚕様も白くてふわふわでかわいい」
「飛べないからかわいいって思うの?」
「かわいいから飛ばなくたっていいんだろ」
飛べないのか、飛ばないのか。理由はなんであれ、臨機応変っていい言葉と姿勢だよねって思う。空を飛ばなくても大事な役目を果たせるならそれでいいんだよ。
話のオチ? どっかに吹き飛ばされてなくなっちゃったよ。読んでくれた君の肩の力が抜けたなら、どんな小話だって意味あるんじゃない?
(いつもの3人シリーズ)
全て言葉にしてしまうのは野暮だ、と思う
面白みのない人だ、と
たくさんの言葉は飾るためにある
でも私の言葉は他の人からは
めんどくさいらしい
わたしのなかで1番の言葉は。
私だって貴方の様に直球でストレートで
分かりやすく話せたら
と、思わなくもない。
ー飛べない翼
海中で自在に、
飛ぶように泳ぐペンギンの姿を見た。
飛べなくたって良い。
説明書通りに生きなくても良い。
君には君の、使い方があるんだね。
人間のくせに頭が悪い?
non non 物事には色んな面があるのだろう。
このIQはさて、どこでいったい使い道があるんだろう。
神様教えて。
〈飛べない翼〉
I'll write it later.
お題「飛べない翼」
飛べない翼。
飛べない翼で
どこに行こう。
12月まで
逢えないから
せめて
時空でも
飛ぼうか。
ピンク色の
翼で。
お題「飛べない翼」(雑記・途中投稿)
飛べない鳥ならペンギンなりアホウドリなりドードーなりいるんだけど。
ちなみに鶏は、飛ぶ。
近年はタンカー座礁での石油流出事故(で油まみれになる鳥)とか見なくなったなぁ。
今回は絶滅動物の話でも。……あんま思い浮かばないけど。
ドードーが思い浮かんだのは、童話「不思議の国のアリス」のコーカサスレースで出て来るドードーが作者ルイス・キャロルこと本名チャールズ・ラドウィッジ・ドジスンの名前から着想された本人の代理だからに他ならない。
親に「なんかお勧めの本貸して」と雑に頼んだら出てきた「強力伝」という短編集の中に、離島の調査に行った二十名ぐらいの調査団の話が載っている。
調査団で飼っている猫を襲った狼が出て来るんだけど、最後から二行目ぐらいに「三年後に絶滅した」とかってさらっと書かれてて、そこまでニホンオオカミって発想が全く出て来なかったからびっくりした。確かに日本が舞台で野生の狼なんだからそうだよね。
なぜかリョコウバトを思い出した。鳩の一種なんだろうけどそれ以外全く知らない。
ニジマスが見つかった時だかにWikipediaで調べたら「密漁者の間でニジマスがいるという情報が共有されていた」みたいな文章が載ってて笑った記憶。おい密漁者。
絶滅といえばマンモスもなんだけど(一応初期人類の乱獲がトドメを刺したと言われている)
氷漬けマンモスの解体肉を犬にやったら食いついたという話がマンモスを発掘した時の話に載っていて、一度食べてみたいなぁと思っている。いやそもそも象って美味しいのか? は疑問だけど。ありとあらゆる肉は食べてみたい性質。人肉は女性の太腿が美味しいんですってよ。(絶滅とは無縁の生き物)
ニホンカワウソだかが目撃情報ないって言うけど、吉野の山奥とか手入れできていない山を探したら何匹か出て来るんじゃない? 感。
鳥といえば多分飛べるやつなんだけど、企業がバブルの頃に作って維持できなくなって荒れた、長崎辺りにある人工島が天然記念物の鳥(種類は知らない)の繁殖地になっているらしいと昔聞いた。島は一億円で売りに出されているそうな。
天使が堕天すると、その輪と翼は穢れた黒に染まる。
もしくは、輪と翼を失って、死の概念を持つ人間にされる。
そうして、どこかに封印されたり、行く宛てもなくさ迷い続けたり、息絶えたり…悪魔の仲間として寝返ったりするのだとか。
沈められる時はまだ白かった私のも…きっともう、とっくに黒くなっちゃったかな。
けれど、光のほとんど届かないこの場所で、私がそれを確認する術はない。
…確認できたところで、何ができるわけじゃないし。
悪魔を庇って、仲間を見殺しにした、天の裏切り者。
そんな私は罰として、枷を付けられて…深い深い湖の底に沈められた。
堕天したとはいえ天使の身体のままだから、溺死もしないし、餓死もしない。
暗くて、冷たくて、静かで、ひとりぼっち。
ずっとずっと、このまんま。
(「天死の湖」―黒白 入鹿―)