『風邪』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
兄弟の中で僕だけが健康だった。
小さい頃は服薬が羨ましいなんて思っていた。
風邪も引かない自分は仮病なんかして愚かだった。
母は自転車で遠くまで薬を何年も買いに通っていた。
働きながら家事に子育てもして母の鑑だ。
今は自分も少し病気となり心配だろう。
孫の顔も遅れた日本ではまだ難しい。
それでも「あなたが幸せになってくれたらそれで良い」と言ってくれる。
貴方が母で良かったと誇りに思う。
【風邪】
朝晩は冷え込み、昼間との温度差が10度以上ある日が連日続いていた。
「ぶえっくしょ!!」
俺は盛大にくしゃみをする。時節柄、マスクは常時着用しているため、あまり飛沫は飛んでいないはずだが……
「ちょっと兄ちゃん、風邪? うつさないでよー」
妹があからさまに嫌そうな顔をする。
俺はズズッと鼻をすする。
「あらやだ、本当に風邪? この間薬使いきっちゃってないのよ、ちょうどいいわ、薬局で適当に薬買ってきて」
母が何食わぬ顔で二千円を差し出してきた。
……え?
日が暮れるのも早くなり、夏場だと明るい18時でも、ずいぶんと暗かった。ちゃっかりパシりにされた俺である。
薬局はそんな中、煌々と明かりがついていた。
店内は外と比べて暖かい。
よくわからないが、薬売場をうろついてみる。
「何かお探しですか?」
ぼーっと眺めていると、いきなり声をかけられた。
白衣に身を包み、店員であることはすぐにわかった。
いや、それよりも……
(かっ、可愛い!!)
めちゃくちゃ可愛い、小柄で清潔感のある黒髪、目も大きく奇抜すぎないメイク。これが本当に大人なのだろうかと疑う程のかわいさである。
「風邪ですか?」
あまりの可愛さに見とれてしまい、次の言葉で我に返った。
「あ、その……熱はなさそうなんですが、くしゃみと鼻水がダラダラと出てきて……」
「最近寒暖差が激しいので、寒暖差アレルギーの方が増えてるんですよー、お客様もそれと同じようなので、まずは免疫力をつけて下さい」
親切丁寧に説明されるも、やはり終始上の空の俺。
風邪をひかなければ、この人にもであえなかったし、たまにひく分には、風邪、いいなぁ……
風邪。
本当に
こんなに寒いと
風邪ひくよね。
こないだ
推しちゃんが
風邪をひいてたのか
喉が
痛そうだったし。
今は乾燥してるから
推しちゃん達が
風邪をひきませんように。
『迷惑な演奏会』
始まりはピアノでカプリチョーソ
コホンと喉が鳴る
自由なリズムで喉を鳴らす
鼻から水が垂れてきて
ズズッと吸えば少し汚いカバサの音
寒気が走って
カチカチなる歯はアッチェレランド
そのうち咳はアジタート
ヒリヒリ痛い喉からは
鼻の詰まった間抜けな歌声
盛り上がる演奏にくるくる目眩
それに加えて体が熱る
風邪引きの演奏会は
まだまだ続きそうである
お題《風邪》
柑橘の透きとおった香りと蜂蜜の夢心地の甘さのお茶を飲んで、月明かりの夢に抱かれて。
今夜は眠ろう。
悪夢は現実において。
今だけは。
【風邪】
先週、風邪ひいた
鼻水ズルズル、咳はコンコン
辛い頭痛
翌日からハチミツレモン飲んでビタミン摂取
そのおかげか、咳は和らぐ
喉も楽になる
ビタミンCはがんに効く(らしい)
たまたま本屋に行ったらその本が売っていた
ビタミンに関する知識は少ないけれど
教養はあった方が身のためだ
コロナ禍となり
初めてひいた風邪
インフルエンザも流行っていると聞く
用心棒は身体の免疫力
睡眠も大切にしよう
風邪____
2022/12/16 小説日記
〈12/15・夜〉
夜になると私はおかしくなる。誰だって自己嫌悪をしたり反省をする時間。それが寝る前や夜の人がほとんどだろう。昨日の夜、正確には今日の深夜、
ずっと寝れなかった。
寝ようとしている自分も
気を紛らそうとしてYou Tubeを見る自分も
自分が嫌で泣いている自分も
起きている自分も
過去の自分も
今の自分も
全部気持ち悪かった。
今すぐこの体から抜け出して何者でもない“何か”になりたくてひたすらベッドの中でうめく。そんな自分も気持ち悪い。
〈12/16・昼〉
結局全く寝た気がしなく目が覚めた。一時間ってところか。受験生ならみんなが不安で睡眠時間はそれぐらいなのかも知れないけど。周りが同じように辛いのに私だけ甘えてはいけない。そう思った。ダメもとで手をおでこへ当てたけど寒いからか何も感じ取れなかった。
目がカピカピになっていたけれどどうしてそんなに自分が気持ち悪かったのかは覚えていない。いつもそうだ。何に苦しんでどうして泣いていたのか。全く覚えていない。
学校へ、行く。
「あれ、面白い?」
前の席のひかりが挨拶を通り越して違うことを聞いてきた。あれ、というのは彼女に一昨日貸してもらった小説だ。
「うーん、微妙かな〜」
「やっぱそうだよね〜、私もあの話よくわかんなかったもん」
話はわかったのだが一章まで読んでみたもののただの恋愛話にしか私は読み取れなかった。人間関係もとてもシンプルでまるで現実味がない。
私は買ったばかりの「人間みたいに生きている」という本を思い出した。最近はそれを読んでいたのだがひかりに「マジで誰がだれたがわからんくなるよw。貸してあげる〜」と言われせっかくだから貸してもらうことになった。本当は今読んでいる小説を読み切ってから借りたいのだが、そんなワガママは言えない。
唯一、1日の中で好きな朝読の時間はありきたりな恋愛話を読む退屈な時間へ変わってしまった。
「気持ち悪」
無意識だった。いつもは急に変な声を出したりビクッと体がはねたり歌を歌いだしたりいろんなことをしてその言葉を抑えていた。なのに、今日はその言葉をいうのが息をするのと同じぐらい普通に声となった。
「なにが?」
隣にいた親友が問い掛ける。
「…あれあれ、いちのすけの使い果たしたティッシュのせいで教室のゴミ箱溢れてんじゃん」
「え!!あれ、いちのすけの鼻かんだティッシュだったのー!!」
「そうだよ笑」
「うっわー、あつい自分で持って帰れよ」
危ない。危なすぎる。上手く話題を変えたけど、危機一髪だった。すぐにいちのすけのことを思い出してよかった。私達は手を洗い少しダベったあと急いで教室へ戻った。
もう、その後昼に何か起こることはなかった。強いて言うならいつもより過去の嫌なことを思い出す回数が増えたぐらいだ。
〈12/16・夜〉
私は、昨日の夜書いた日記を読んだ。だけど、それはとても読める字ではなかった。ただひたすら自分の悪口を書いているだけ。パニクっていたせいか誤字脱字も酷く後半はほぼ「気持ち悪」という言葉で埋め尽くされていた。私は怖くてその日記をスマホのメモ帳の中から消した。
覚えていないのが余計に怖くてこのままだと二重人格になりそうでどうすればいいか分からなかった。
風邪をひいて 身体が辛くて
心細いとき
いちばん会いたくなるのは誰?
その人とその気持ち 大切にしよ
ココロまでこじらせないように
#風邪
『風邪』
寒気がして
それからあがっていく
熱を何度もはかるのに
ワクワクしちゃう
私
少し変わった
病いびとです
『風邪』
君が風邪をひいたらすぐかけつける!
とか言ってみたいな
風邪
今の私は風邪をひいても絶対学校は休まない
それは君と会えなくなるから
だから私は絶対学校を休まない
体が頑丈で風邪を引かなくても
心も頑丈とは限らない
心の不調は風邪なんかより厄介。
…
俺、風邪引いたことないんやった
「風邪なんか」とか言ってごめん
風邪をひいたのですが誰もいません。
寂しい夜です雪の降って滅んだ星で。
「羞恥」
羞恥のハードルがかけ離れている人に
人は心を許しにくいと思う。
つまり、何を恥ずかしい(みっともない)と感じるか。
○ケーキ屋でケーキを一個だけ買うこと
○人前で歌うことや踊ること
○ビキニでプールに入る
○大きな声で話すこと
ちなみにマナーやエチケットに関わることや、他人に迷惑をかける内容は考えない。
反対に、何を見栄と感じる(執着している)か。
これは友達とあまり似ていないほうが穏やかに過ごせる。
○見た目をすべてお洒落に固めること(特にお洒落の方向性が似ている場合)
○資格を沢山持っている
○人脈を多く持っている
これがぶつかる相手とは、ライバルになることが多いので、踏み込み方を間違えると
「気に食わない相手」となる可能性が高い。
また「キャラ被り」状態になる可能性もあるので
利害関係が発生しやすいコミュニティには沢山いないほうがいいというのが私の見解である。
そうは言っても、思い通りにならないのが
この社会である。
『風邪』
あんなサカ
こんなサカ
まサカ
一番怖いのは
「まサカ」
って誰かが言ってた
あなたに出会ったのは
「まサカ」な日だった
あなたの横顔
あなたの笑顔
髪をかきあげる仕草
笑った時に見える
八重歯とエクボ
熱にうなされているような
ふわふわしている
密かな恋
まサカ
親友が告白するなんて
まサカ
あなたがはにかみながら
受け入れるなんて
祝福するフリしながら
背筋が凍る
意気地無しの私に
怒りで体温が上昇する
片想いなんて
風邪みたいなもの
熱が下がれば
なんてことなく日常に戻る
だから今はもう少し
まサカの風邪に
うなされて
とことん苦しむことにする
あなたと彼女
二人の熱が
早く冷めますようにって
願いながら
風邪
えっ…風邪?
大丈夫?
熱でもあるの…?
心配…
いますぐ…そばに
いってあげたいの…
いてもたっても
いられないよ…
早く良くなってね
…
《風邪》
もう何年も風邪を引いていない
風邪を自分でコントロールできたらいいのに
なんてたまに思う
健康が第一なんだろうけど
学校に行きたくない時
仮病を使うのは心苦しいから
本当に熱が出ちゃえばいいのにと願う
微熱が出ると寂しくなる。
高熱が出ると君が恋しくなる。
何歳になっても風邪には慣れないし
大人になってからは君に毎回迷惑かけてしまって
私は毎回君に聞く
「無理してない?なんで、こんなにしてくれるの?大変じゃない?」
君は
「大丈夫だよ。僕は好きでやってるし、君が大好きだで大切だからね」
と言い寝るまで傍で頭を撫でてくれる。
それは本音だろうか
負担になっていないだろうか
嫌われたりしないだろうか
不安ばかり募り涙がこぼれる
甘える私は今日も君に言う。
「ここにずっと居て」と、
【風邪】
風邪
風邪をひくと、お母さんがおでこに冷たいタオルをのせてくれるの。
風邪をひくと、いつもはだめって言われてる美味しいゼリーが食べれるの。
風邪をひくと、いつもは冷たいお姉ちゃんが心配してくれるの。
でも、風邪ってしんどいからなりたくないなあ。
でも、みんなが優しくしてくれるのは、嬉しいなあ。
嫌な予感はしていた
ここ数年感じる事のなかった気怠さ、節々の痛み
唾を飲み込むたびに刺さるような痛みが走る
それをグッと堪えゆっくりと息を吸う
はぁ、重いため息は心の中だけに留めた
ずるずると鼻も鳴り出した
弱気になって涙がこぼれ落ちそうになる
なんでこんな時に1人なんだろう