『静寂に包まれた部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
静寂に包み込まれた部屋
耳を澄ますと
色とりどりの
音が聞こえる
誰にも築かれずに
そっと1粒の涙を流す
涙の味はしょっぱくて
すごくせつないけど、
その奥底には生きてる味がした――
静寂に包み込まれた部屋
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ー静寂に包まれた部屋ー
「あはははっ、おいマジかよ」
「おーーいここここ!」
「よっしゃあ、」
「強すぎるだろ」
「あーーっ」
「ヤバいヤバい」
何をしているのだろう。
窓を開けたらそこにある。
同級生が
何のためでもなく
ただ騒いでいる。
私はただ四方壁に囲まれた
人につくられた部屋に籠って
人に書かれた本を読んで
ショウライのためにと
人に教えられたことを学ぶ。
何も誰も
自ら動こうとしない
静寂の部屋で
私を動かしてくれる
誰かを待っていては
部屋の壁より
私の心の壁が高くなって
自分が出ることも
誰かが入ることも
出来なくなるのだろう。
親から家を追い出され、一人公園で、このままどうやって生きていこうかと悩んでいた頃。夜だというのに一人の少女がやってきて、やつれた俺に声をかけた。
「おにーさん、一人でどうしたの?」
「……親から追い出されちまってね、『いい加減働け!』って」
「うーん……わたしも!おかあさんに追い出されちゃったの!『あんたの顔なんて見たくない!』って」
「こんな時間に……おまえ、それはぎゃくた……」
「おにーさんとわたし、仲間だね!」
「……」
きれいな声をしていた。傷だらけだが、かわいい顔をしていた。だがそれも些細なこととなるほどには、『仲間』と言ってくれた少女のくれた優しさは温かかった。
それだけが、俺が初めて恋をした理由だった。
「俺のこと覚えてるよね、あの公園の」
「え、誰ですか……離してください!」
「……覚えてない?15年前の7月30日、夜の北公園で仲間になった」
「誰?! 15年前って……北公園は近所にあったけど……」
「…………覚えて…………ない?」
「いっ……痛い! 離して!」
15年なんて月日が経てば、恋が愛に変わるのもたやすい。少女とはその間会うことはなかったが、また会えるその時のために定職に就き、アパートの2階に部屋を借り、少女に似合いそうな家具を選び、少女といつでも二人で幸せな生活が送れるように。俺はそのために生きた。
だが。少女は。俺のことを、覚えていない。
途端に愛は憎悪に変換される。何だ、覚えていないとは。俺はおまえに救われたんだ。何だ、顔の傷が全部治って。あの時の弱々しい笑顔はどこに。愛してる、愛してたのに!
気付けば、アパートに少女を連れ込んでから、1ヶ月が経っていた。少女をストーキングして、家を特定し、同居していた男を包丁で刺して殺した。お前もこうはなりたくないよなと脅し連れてきてから、1ヶ月。
連日報道されるニュースだけが、部屋に音を響かせる。少女の声を、もうずっと聞いていない。カーテンの閉じた部屋の隅で、ひたすら虚ろな目をする少女。
『調べによりますと、1ヶ月前に殺害されたとみられる男性は、出血性の』
「タカフミ……」
テレビを消した。途端に、部屋は静寂に包まれる。少女の表情は動かない。タカフミ、と知らない名前を呼んだその口のまま、動かない。
タカフミ。もちろん俺の名前ではない。少女の呼んだその名前は、俺の殺したあいつの名前。
どれだけ家具を揃えても、どれだけ金を稼いでも、どれだけ少女を憎んでも、愛しても。15年間育んだ愛は、誰かも知れない男に負けた、負けた、負けた!
気付けば、包丁を持ち出していた。俺も、少女も静かだった。物音一つ立てなかった。声なんて一言も出さなかった。
愛の終着点とは、憎しみの最上級とは、なんと静かなものだろうか。このまま少女は、苦しむ声も上げずに、その腹に刃を沈めて、俺の腕の中で息絶えるのだろうか。俺はその後を追って、静かに自らの喉を刺すのだろうか。ならば、この静寂は、俺が少女にかける思いの、最大の、表現。
静寂に包まれた部屋
静寂に包まれた部屋、とはまさに今現在のこの部屋の事を言うんだろう。ちゃぶ台を挟み、我が家のトップ、じいじと弟が向かい合う。じいじは齢八十を過ぎても矍鑠としており、真っ直ぐな姿勢も相まって威厳、貫禄は充分だ。対して弟はすでに背を丸め、後ろめたいことがございますと言わんばかりに身を縮めている。
「で、庭の盆栽が折れてるんだが、本当に知らないんだな?」
「っ知らないって。大体、いつ折れたかなんて分かんないだろ」
「見くびるな。毎日世話しとるわ。昨日までは枝も異常なかったわ」
お前が庭でボール遊びしていたことも知っとる。
決定的な証言を突き付けられ、弟の目がこちらを向く。裏切り者、バラシタな。そんな言葉が聞こえそうな、恨みがましい視線に肩を竦める。
バカだねぇ、じいじ相手に悪事を誤魔化すなんて無理だ。ならばさっさと正直に謝った方がいいのだ。俺も何度、往生際悪く言い訳をしてどやされたことか。
「そうだ、タマだよっ」
唐突に弟は声を上げる。
「タマが、盆栽倒してた」
「…ほう」
突如として容疑者にされたタマがのそりと起き上がる。
本当にバカだねぇ。我が家の愛猫タマを一番可愛がってるのはじいじだし、タマが一番懐いてるのもじいじだ。そんな二人の絆を崩すような発言しようもんなら
成り行きを理解しているワケではないだろうが。濡れ衣を着せられたタマは力一杯弟の手を引っ掻く。
静寂に包まれた部屋に。弟の絶叫が響き渡った。
静寂に包まれた部屋
その静寂は本物かい?
部屋を空にしようよ
まだ声が聞こえる。
テーマ「静寂に包まれた部屋」
ことん、とマグカップを置く。中のコーヒーはもう冷めきっていた。
YouTubeを開き、好きな歌手の音楽を流す。
静寂に包まれた部屋になんてずっといるのは
つまらない
静寂に包まれた部屋
とても静かで
何も聞こえない
だんだんと意識が遠のいてきた
そしてついにはゆっくり瞼を閉じる
追伸
皆さん最近更新できなくてすいませんでした😭
夜中に、はっと目が覚める。
隣にはあなたが静かに眠っている。
目が覚めた理由は、壁の向こうにいるお隣さんの赤ちゃんが泣いているから。
私のお腹に来てくれた4人の赤ちゃんたちはみんな死んでしまった。
心臓もピコピコ動いていたのに。
小さな小さな人間の形をしていたのに。
確かにあの子たちは生きていたのに。
なぜ私たちの赤ちゃんは生きて、産まれてきてくれないの。
でも、私たちは待ってるから。
ずっと、ずっと。
また、私のお腹に帰ってきてくれて、いつの日か
この手で抱きしめられる日を待ってるからね。
静寂に包まれた部屋で、
今夜も私は、静かに枕を濡らす。
♯静寂に包まれた部屋
静寂に包まれた部屋
心の平穏とあらば
なんて贅沢な時
この静寂を破るのは‥?
自分の好きな音を少しずつ
加えて空間をデザインしてみよう
自分を見つめ直すことに
繋がりそうだ
旅行に行くといつも中々眠れない。昔から修学旅行とか、誰よりも一番遅くに眠り、誰よりも一番早くに起きる。よく枕が変わると眠れないというが、まさにそのタイプ。環境が変わると眠れないのだと思う。
瞼を閉じても一向に眠気は来ず、辺りは静寂に包まれる。誰かを起こしはしないかと寝返りを打つのにも気を遣う。眠れない者にとって深夜は闘いだ。
しかしほんの少しでも眠れればこっちのもの。目を覚ますと窓の外がほんの少し明るくなっている。誰かを起こさない様そっと起きてカーテンの間から外を眺める。ここから徐々に明るくなって旅行2日目が始まる。静かな朝。わたしだけの時間だ。
「静寂さに包まれた部屋」
元々は楽しい部屋だったのかもしれない。
人の努力が詰まった部屋かもしれない。
ご飯を食べる部屋だったかもしれない。
大好きな人と一緒にいた部屋かもしれない。
そんな部屋が集まった家かもしれない。
今は一旦休憩中。
静寂に包まれた部屋
パシャパシャと音がする。音の主は未だに名前を覚えられない種類の亀で、調べたところ原産国はアメリカらしい。当初の予定より大きく育ったのだと君が嬉しそうに話すから、亀のことはよく分からないけれど愛されて育ってるんだねと話し掛けることから始めた。
人間のことが大好きらしいこの亀は、人間が動くと一緒になって動くから。寝ている君を起こさないようにとせっかく静かに起きたのにパシャパシャと音がする。
「ね、シオちゃん、しーだよ」
小声で話し掛けてみてもパシャパシャと水をかくだけで一向に大人しくはなってくれない。しょうがないか、亀だもんね。
独りごちて、薄暗い部屋の中をそっと移動して仕事着に着替える。昨日は遅くまでゲームをしていたから、きっと朝のお見送りはない。起こしたいわけでも起きてほしいわけでもないから、どうかそのまま眠っていてと心の中で話し掛ける。
玄関まで来ればさすがに亀だって大人しくなって、部屋は静寂に包まれる。ワンルームのアパートだから玄関からでも亀の水槽は見えるのだけれど、亀からは見えていないらしい。かわいいね。
ここは君の部屋で、自分は今のところただの訪問者だから。教えてもらった場所から鍵を取って、外から鍵を掛けたらドアの郵便受けにそっと落とす。カランという音が響いて少しだけ心がざわつく。
起きないでね、君の邪魔にはなりたくないから。
深呼吸
静かに
その音に集中
頭を巡るものを
全て
手放してみよう
静寂の中で
「わたし」に
還ろう
静寂に包まれた部屋
学校の文化祭まであと2週間。そろそろ自分たちのクラスの出し物を決める時期だ。
「えー。次に出し物についてですが、今年は何をやるのか意見がある人はいますか」
学級委員長が夕方のホームルームで司会を進めながら文化祭の出し物についての話し合いがされていた。
文化祭での出し物として人気があるのは、
カフェなどの飲食系。お化け屋敷。作品の展示。演劇。バンド活動。ダンス。ゲームなどの体験系などがある。
隣のクラスと被るのはイヤだし、超大作なことをする時間もない。
「何か意見はありますか?」
なかなか進まない議事に委員長の声にも苛立たちが見え始めていた。
「演劇はどうてすか?今年で高校生活も終わるし、記念になることがしたい。」
「えー。出来ないよ。」
「青春って感じ〜。」
「恥ずかしいよ〜。」
「いいじゃん。思い出作りしようよ」
あちらこちらから賛成や反対の声が上がりホームルームは、収集がつかない状態となっていた。
ダン!
委員長が黒板の前の教卓を両手で叩いた。
「静かにして貰っていいですか。私たちは話し合いをしています。意見があるなら、まず挙手をする。はい。水野さん。」
「演劇でいいんじゃない。実際に役者?やるのは数人であとは衣装とかセットとか音楽とか、それぞれ得意なもの作ればみんなでやれるしさ、面白いそうだよ。」
「そうだな。俺、セットとか作るならやってもいいぜ。」
「なんの劇やんの。」
「衣装は布から選びたいよね。ねえ、裁縫得意。一緒にやろうよ。」
一瞬引いた波は再び収集がつかない状態になっていたが、どうやら文化祭の出し物は演劇できまりそうだった。
「では、出し物は演劇とします。このあとは演目をきめてから役割分担を決めていきます。それぞれ立候補して下さい。」
それから2週間は怒濤のように過ぎ去っていった。誰もが休み時間も昼休みも放課後も、そして休日も返上して演劇の練習に取り組んでいた。
そして文化祭当日。
「ああ、緊張する。」
「私が演劇やってもいいって言ったから、みんなに大変ことばかりさせてゴメンね」
「水野さんせいじゃあないよ。大丈夫だよ。あんなに練習したから」
「そうだよ。みんなで作ったセットに衣装、音楽もすごい完成度だし、楽しかった〜。」
「今度は役者の水野さんたちの番。楽しんできて。」
クラスメートに送り出され、教室の中に作られた舞台にあがる。狭い教室の中では舞台と客席が近く、お客さんの顔が見える距離だ。舞台の幕が開く少し前の静寂に包まれた部屋の空気が、一気にに熱をおび開演へと動き出していく。
クラスメートたちは控え室となっている隣のクラスで円陣を組む。
「成功させるぞ!」
「おお!」
もう一度耳鼻科に行くべきか……
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【静寂に包まれた部屋】
『静寂』なんて言葉と縁がなくなってからどのくらい経つだろう。
耳鼻科で異常はないと言われ。薬で一度は落ち着いたものの、すぐにまた再発した耳鳴り。
昼間はまだいい。
何かをしていれば気も紛れる。
寝ようとする頃には、部屋が静かであればあるほどその耳鳴りが気になって仕方がない。
静寂に包まれた部屋が、私には喧しくて仕方がないのだ。本当に、煩わしくて、不快で。
仕方なく、音楽を流す。誰かの声を聞く。
耳鳴りに集中してしまうのをやめることで。
やっと、どうにか。
今の私にとっての『静寂』が訪れる。
静寂に包まれた部屋で
私は眠る
暗い中とても静かなのは
みる夢に心が囚われているから
人間がこびとのような子供を生む夢
目に見えないくらい小さな子
でも大人になると普通の人
そして年寄りになると
だんだん小さくなる
年寄りのこびとだ
子供も年寄りも
とても愛らしい
目が覚めて夢の事を思っても
不思議に怖くない
いったい昨日何かあったか
思い出せないけれど
肩にある重みに痺れが出て、青年はゆっくりと目を開ける。重い方に視線を送ると恋人が寄りかかり、定期的な上下の動きをしていた。
青年は思考をめぐらせる。彼女が帰る前に疲れに負けてベッドにダイブしたところまでは思い出せた。
時計を見ると自分が意識を手放してから、数時間が経っていた。恐らくその後に彼女も帰ってきて、同じようにベッドに飛び込んだのだろう。
青年は体勢をずらして、起こさないよう最新の注意を払いながら彼女の頭を枕に乗せる。定期的な吐息を見るに、起きる気配はなくて青年は安心した。
すいよすいよと眠る恋人の表情はあどけなさも残っていて、でもその唇は大人っぽさも感じられて青年の心臓は高鳴った。
ほんの少し前まで、ここは静寂に包まれた部屋だった。
彼女の寝息。
青年の心臓の音。
本当は音のないはずなのに、内側から音が鳴り響く。
青年は腕を伸ばして彼女を抱きしめる。
余程疲れているのか、起きる気配はない恋人。
抱きしめているうちに、青年の心臓は落ち着きを取り戻していく。すると愛しい温もりと共に睡魔が襲ってきた。
青年は抵抗することなく意識を手放す。
そうして再び、恋人たちの寝室は静寂に包まれた。
おわり
一三六、静寂に包まれた部屋
静寂が聞こえる。
#静寂に包まれた部屋
ボロボロになったキーケースから
外した鍵をテーブルに置いた
あたしがいなくなったら、君は
この部屋を静かだと思うかな
帰ってこない君を
一人待つ時間は ただただ静かで
あたしはこの部屋を
少しずつ嫌いになった
バイバイが響く部屋は
無機質で冷たい
空っぽになった棚の中には
君が使うシャンプーをストック
それらがなくなったら、君は
自分で買い足したりするのかな
待つだけだったあたしが
君だけに送った 独りよがりな愛
君はそれに少しも
気づかないままでいて
バイバイは届かないよね
君は戻らないから
大好きだったの
カーテンやソファの色
朝日が差し込む窓も
君のうたう鼻歌が響くバスルームも
大好きだったのに
【静寂に包まれた部屋】
「こんなに好きなんだけどな」
いつも誰を好きになってもこう言った
あの人の隣にいれたなら
あの人と自分が出会えていたら
後悔ばっかでいつも泣いてた
ならせめて誰かに見てほしい
思うようにいかないからどうもできない
静かな部屋でまたひとり
誰かを好きになってまた零す
「こんなに好きなんだけどな」