『静寂に包まれた部屋』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
静寂に包まれた部屋で、白い布を顔に被せられた貴方と、半月ぶりに、再会しました。
静寂に包まれた部屋
二人が向き合っているまま
30分が経っている
しかし、口元には微笑みがある
指先はずっと動き続けている
声が無くても会話はできるのだ
指先の魔法、手話でね
胸の真ん中の部屋達がゆっくりと働きを止める
冷えていく世界は孤独に固まった
(静寂に包まれた部屋)
『親友』
『花鳥風月』
『わたしの名前』
あの子が描いてくれた習字
貰ってからずっと部屋の壁に飾ってある
あの子は「適当に書いた」と言うけれど
紙の上で強かに踊るあの子の字が
一人暮らしの静かな部屋を照らすので
-静寂に包まれた部屋-
あなたのすすり泣く声さえ
静寂に溶け込み聴こえなくなった。
日暮れの終わった青い世界に
あなたの幻想を見る。
「静寂に包まれた部屋」
辺りの家の灯りが消え、街が静まりかえる頃。
まだ私の部屋の窓からはオレンジ色の温かい光がこぼれている。
涼しい風とカーテンが肌に掠れる感覚、もの淋しい雰囲気。
1人部屋で静寂に包まれながら、窓辺で冷たい炭酸水を口に含む。
パチパチと弾ける音が耳に伝わり、体全身に広がる。
何だか“生きている”という感覚がした。
何気ない毎日があることはなんて素敵なのだろう。
今日はもうそろそろ布団に入ろうかな。
明日も何でもない特別な1日が待っているのだから。
【No.2 #静寂に包まれた部屋】
静寂に包まれた部屋の隅で
電気を消して、ただただ縮こまる
息を殺して、貴方が迎えに来るのを待っている
待ってる
でも、知っている
貴方は来ない
理解っている
だから、独り泣き止んだ私は貴方を
心の奥底に閉まって仕舞うのだ。
もう貴方が誰にも害されない様に
貴方を誰も奪わない様に。
出来るだけ早く迎えに来てね。
僅かな呼吸が 耳に届く
窓を叩きつける風の音
雨を吸った木の香り
すーっと差し込む 仄暗い月明かり
今はただ
この空間が 好ましいのだ
/静寂に包まれた部屋
今日も眠れない。
いや、眠らないだけ。
なんとなく、外をぼーっと見ておきたいんだ。
電気を消したら真っ暗な部屋。
布団と机しか無い質素な部屋。
もう何日寝てないかな。
薬を飲んでも寝れない。
あ、今日満月だ。
綺麗だなぁ…
いつか僕もまた、満月のように輝ける日が来るのだろうか。
静寂に包まれた部屋
ぐしゃぐしゃのプリント。
書きなぐられたノート。
ボロボロの枕に、割れた写真立て。
パソコンのキーボードには乾いた涙の痕。
いつだかお気に入りだと言っていたカーペットに落ちた黒は、元々何色だったのだろう。
静寂につつまれた部屋。
大人は、その時まで何も、知らなかった。
ー反転ー
ぐしゃぐしゃの脅迫文。
書きなぐられた懺悔。
ボロボロの手に、割れた爪。
皺の刻まれた頬にはまだ乾かない涙の痕。
色違いで揃えたカーペットを濡らす水分は透明なのに、赤く見えるのは夕日のせいか。
静寂につつまれた部屋。
子供は、その後の事など、知りもしなかった。
『静寂に包まれた部屋』2023.09.29
俺が脚本を書くときは、必ず自室に籠り、音楽もかけないで執筆している。なぜならば、そのほうが自分の世界を展開できて筆が進むからだ。
まだ書き始めて間もない頃は、音楽をかけたり、子どもたちのにぎやかな声を聴きながら作業することもある。
しかし、締め切りが差し迫ってくると、自室から子どもたちを遠ざけたり耳栓をしたり、時にはわざわざホテルをとってそこで執筆している。
どちらかと言えば、俺は無音のなかで執筆するほうがいい。
余計な雑音が入るのが嫌というのもあるし、静かなほうが筆が進むというものある。
だが、前述したとおりに、俺には俺の世界がある。
セリフを書くたびに、脳内ではやつらが喋っている。あてがきがほとんどだから、当然である。
物語を展開させる一方で、セリフを再生する。
外部でなにかしらの音が鳴っていると、それに邪魔をされてしまうので、書きたいものが書けないのだ。
静寂に包まれた部屋は、俺の劇場。
目まぐるしく場面が展開し、セリフが聴こえ、音楽や効果音が鳴っている。
静寂であって静寂でない。
それが、俺の執筆スタイルだ。
【静寂に包まれた部屋】
昨晩もろくに眠れないまま東の空が徐々に白んで、夜が明けてしまった。
何度目かの溜め息を吐き、電気ケトルに水を汲みスイッチを入れる。
―――こんな朝を迎えるのも、もう三日目だ。
半月程前から、恋人と連絡が取れなくなっている。
携帯に掛けてみても留守電で、メッセージを残してもリターンがない。LINEも無視。一昨日の夜からはとうとう繋がらなくなってしまった。
仕事が忙しいのかも知れないという一種の諦めにも似た理解と、別れ話を切り出せず自然消滅でも狙われているのだろうかという不安が今、私の中でごちゃ混ぜになって渦巻いているのだ。
どちらかと言えば普段は彼の方がマメに連絡を取りたがるのに、こんなに音沙汰がないのは初めてだったから。
だからと言って、家族でもない自分が騒いで捜索願なんておかしな話で。
心当たりは毎日探しているのだが、正直共通の友人知人がおらず彼の現況が全くと言っていい程判らない。
心配だが彼も大人だし……そう自分に言い聞かせて、彼からの連絡を待っていた。
だが、そんな強がりもそろそろ限界にきている。
一体、どこで何をしているの?
忙しいなら忙しいでいい。もし他に好きな人でも出来て別れたいのならせめて言って欲しい。
極端な話、無事を確認したいだけなのだ。
コーヒーを淹れる前にひとまず顔を洗おうと、ユニットバスへ向かう。
「―――酷い顔」
独り言が静寂に溶ける。
鏡に映る自分の顔を見て、自嘲気味に頬を歪めた。
肌はボロボロにくすんでいたし、眼の下の隈などはもうメイクで隠せるレベルではない。
溜め息を吐いた時、ふと眼に入った二人分の歯ブラシ。
これだけじゃない。二人分のタオルや着替え、食器。彼が手ぶらで訪ねて来ても、数日は不自由無く生活出来るくらいのものは揃えていた。
どこを見回しても、この部屋には彼の気配がする。
会いたい。声が聞きたい。
彼に出会う前までずっと独りで暮らしてきたはずなのに、今はここに独りで居るのが辛い。この部屋の静寂が怖い。
自分で想像していた以上に、心の中に彼が居るのを自覚してしまって、泣きたくなって困る。
だから用が無くても外で過ごす事が多くなった。極力この部屋に居たくない。
そして今日もまた、何だかんだ理由を付けては出掛ける事になるのだろう。彼の声、匂い、面影を求めて。
静寂に包まれた部屋
相思相愛でした
でも、友達以上の関係にはなれないそうです。
どうすればいいか分からないそうです。
情けないです。大っ嫌いです。
でも、初めてあなたに好きと言われました。
諦められません。そんなこと言わなくていいのに
今日はもう忙しいらしく、返信もないです
静かな部屋で1人です。
ばーか
家族がいなくて静まり返った部屋まるで自分以外の人間がいなくなったような気にさせた。
いつもなら綺麗に見える夕焼けが異様な雰囲気を醸し出していて不気味に思えた。
何故か家よりも外の方が安全な気がした。
ついに自分しかいない部屋に耐えきれなくなり外に飛び出した。
外の蛍光灯の光がいつもより優しく感じた。
2歳の初めてのお留守番。
『静寂に包まれた部屋』。
ここに、あなたがいたならば。
静寂に包まれるのは、落ち着いて良いとは思うけれ
ど、あまりにも静かだとかえって不安になる。
この世で、たった一人になったような。
秋になり、虫の声が聞こえてくる。
少しの音があった方が安心する。
「静寂に包まれた部屋」
薬の脱け殻が手に触れた。
白い月が窓に浮かんでいるけれど、あなたは夜の深さばかりみている。ビー玉をはめ込んだ、その瞳。
縫い糸を切ればそれっぽくなる。
乾いた唇には水をさす。
季節のはずれたミモザの香水。
むせかえるほど、あなたの髪に残っている。
壊れたものを繕うのに
静寂に包まれた部屋がいたく心地いい。
それは、あるような、ないような。
ふと気づくと、そんなことになっている時がある。
別に、意図したわけじゃない。
ただ何となく、本当に何となくだった。
それがそうと理解できる時もあるし、できない時もある。
それがいつ訪れるのかは、解らないけれど。
”静寂に包まれた部屋”は、いつだって曖昧な境界線のようなものだった。
静寂に包まれた部屋
静寂に包まれた部屋
シーーン
無音だ
何か環境音があるわけでもないし
とにかく目立った音がこの部屋からは鳴らなかった
オナラの音はだせないし
時計のチクタクという音すら鳴っていない
テレビはもう電源がついてない
本当に何もかもがダンマリだった
しかし、俺の耳が聞こえなくなったわけじゃない
唯一聴こえるのは自分の鼓動だった。
バクバクと鳴っているのが尚更ヒヤヒヤする
もっとうるさくなる前に鎮める
今は目を瞑り、精神を落ち着かせる。
平常心を保つんだ。
あれから1時間
だいぶ、緊張がほぐれた
心臓の音は落ち着いていた
あとはこのままの体勢で時間を稼ぐだけだ
でも、いつまで経っても進展がない
しかしお腹が痛いな
あっ…そういえば今日、朝食抜いたんだった
お腹に力を入れて我慢…
ぐぅうううう〜
しまった
目を開けると目の前には
顔が裂けた化け物がいた
やはり音で獲物を感知するタイプだ
二人の恋人が静かに部屋で過ごしていた。外は雪が降っていて、部屋の中は静寂に包まれていた。
彼女は彼の腕の中にいて、彼の胸の鼓動を感じながら、彼の体温であたたかく包まれていた。彼女は幸せな気持ちになり、彼に対してますますの愛情を感じていた。
彼は彼女を見つめ、彼女の美しさに心を奪われていた。彼女は目を閉じて、彼の腕の中でほんわかと微笑んでいた。
二人は言葉を交わすことなく、ただ静かに過ごしていた。しかし、その静寂の中にも、二人の愛情が溢れていた。
外はますます雪が降り続けていたが、二人にとっては、この静かな時間が一瞬たりとも終わらないように感じられた。
静寂に包まれた部屋で、二人はただお互いを感じ合っていた。これが、二人の愛の深さなのだろう。