『静寂に包まれた部屋』2023.09.29
俺が脚本を書くときは、必ず自室に籠り、音楽もかけないで執筆している。なぜならば、そのほうが自分の世界を展開できて筆が進むからだ。
まだ書き始めて間もない頃は、音楽をかけたり、子どもたちのにぎやかな声を聴きながら作業することもある。
しかし、締め切りが差し迫ってくると、自室から子どもたちを遠ざけたり耳栓をしたり、時にはわざわざホテルをとってそこで執筆している。
どちらかと言えば、俺は無音のなかで執筆するほうがいい。
余計な雑音が入るのが嫌というのもあるし、静かなほうが筆が進むというものある。
だが、前述したとおりに、俺には俺の世界がある。
セリフを書くたびに、脳内ではやつらが喋っている。あてがきがほとんどだから、当然である。
物語を展開させる一方で、セリフを再生する。
外部でなにかしらの音が鳴っていると、それに邪魔をされてしまうので、書きたいものが書けないのだ。
静寂に包まれた部屋は、俺の劇場。
目まぐるしく場面が展開し、セリフが聴こえ、音楽や効果音が鳴っている。
静寂であって静寂でない。
それが、俺の執筆スタイルだ。
9/29/2023, 12:10:34 PM