『雫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雫
汚くなったこの体に、心に、脳みそに
雫を浸して洗いたい
どんな涙が降ってても
私の心は満たされない
汚くて、穢れてて、煩悩と利益に侵された精神を
浸して浸して浸して浸して浸して
誰の雫も届かない
私の雫は深海にこびりついている
わたしはきたない
私は、お風呂に入ると、思考が止まらなくなる。これが何故起きるのかは分からないが、自分の全てを曝け出す、唯一の時間だからだろう。
考える時は、雫を見る。雫は、下へとゆっくり落ちて行く。
壁に張り付いた雫。
天井から底に落ちる雫。
シャワーから出ようとした雫。
鏡に自分の姿を映そうとする雫。
私の身体をなぞる雫。
権力のある者に張り付く人間。
頂点からどん底に堕ちる人間。
自分の殻から出ようとした人間。
目立ちたがりな人間。
私を助けようとした人間。
全てが鬱陶しい
雫
ぼたぽたと落ちる雫に目が惹きつけられる
少しずつ大きくなり、限界を迎え下に叩きつけられる
そして弾けている
今の会社に揉まれ、だんだん食事する気力も無くなり
働きすらしなくなったわたしと
どこか似ている
コーヒーを淹れる時のポタポタ落ちる雫
が好きです。
お湯を注ぐとコーヒーの良い香りが立ち上り、
ポタポタと次から次へと雫が生まれて落ちて
いく...。ずっと眺めていても飽きません。
想像していたら、なんだか無性に美味しい
コーヒーが飲みたくなりました。
〜お題『雫』〜
雫
嗚呼泣かないで。
お願い…。泣かないで…。
お願いだから…。そんなに泣かないで…。
君の雫を拭え無いから…。
もう君から溢れる雫を拭えるのは、僕じゃないから。
だからそんなに泣かないで…。
もう貴方に会えない。
この涙を拭ってくれる人は、もういない。
分かっている。
分かっているはずなのに、止まらない。
嗚呼…。誰か助けて…。
幼稚園の頃…
私はいわゆる「ど田舎」という場所で野生児として、のびのびと育っていた。
全校生徒7人なんて冗談みたいな人数の分校に通い、自由気ままに幸せな幼少時代を過ごした。
ただ…雨の日は別だった…
寂しく1人、山あいの道を歩く…
途中には墓地…木々がしげりトンネルのよう…古くて墓石も割れていた。
昔はビニール傘などなく、たった1人で
赤い布傘をさして歩いた。
どんどん雨が強くなる…一番怖い墓石の前に来た時、布傘は耐えきれず私の肩に雫を落とした…「ぎゃ〜!」一粒の雫は私を恐怖のどん底につき落とすには十分であった(笑)
【雫】
強い雨が窓に打ちつけるような荒天が好きだった。明瞭なはずのガラス越しの景色が歪んで曖昧になる、その様を眺めるのが好きだった。よく飽きないものだとあなたはよく呆れていて、わたしはそんなあなたの声を聞きながら、窓のそばに座り込み、嵐が過ぎ去るのをじっと待っていた。
そういう日々を、思い出す。やってきた嵐に耐える窓ガラスの上を、数えきれないほどの雫が滴っていく。不意に泣きたくなったのは、そうやって眺める景色の寂しさと空しさを知ってしまったからだ。わたしひとりで眺める荒天の世界は物悲しく、いつだって言い表せない不安に満ちている。ぽつり、ひときわ大きな雨粒が床に落ちた。背後からあなたの声は、聞こえない。
雫(6月4日)
雫って言葉、字が個人的に好き
思いつかなかった...
まるで雫のようにポタポタとこの手からこぼれ落ちる
ものはなんだろう
とても愛おしく思っていたのに
少しづつ僕の手から減っていく
あぁ...
この人とも駄目だった
【雫】
#雫
仄暗く重だるい 苦い過去
思いやって欲しいなんて考えてなくて
ただ少し楽になりたくて打ち明けた
無理矢理作った励ましや憐憫はなく
いつものあなたがそこにいる
私を潤す一滴の雫
雫一粒の落ちる音が、寺の朝の静けさを表すのです。
雫
最近よく泣いてしまう
昔は涙目で
泣きたくても泣けなかった
ということは
今の方が
辛くないってこと
確かに今の方が幸せだ
いつの日からか
涙線が壊れてしまった
目の前が雫で溢れて
止められない
私の雫を拭ってくれる
人と出会えるかな
_雫
空から溢れた涙も
僕の心の器が砕けて溢れた水も
僕を救うには力が足りなかった。
雫が零れて頬を伝う。
違う。これは涙じゃない。雨だもん。
泣くなんて、私らしくないじゃない。
別に大丈夫。私には友達、沢山いるから。寂しくなんてない。
別にあんた一人くらい、いなくなったって大丈夫。強がってるわけじゃない。だから早く行ってよ。
「…本当は寂しいくせに」
うるさい。寂しくなんてないって。だから早く。あんたの親が待ってるんでしょ。
「…わかった。また連絡するから」
あいつが乗った車のエンジン音が、雨音の中離れていく。
…最後まで、素直になれなかったなぁ。
全部わかってる。これは私の涙だって。本当は寂しいんだって。本当は、離れたくないんだって。
でも、あいつに囚われるつもりはない。
過去に囚われたくないし、過去を呪いたくない。
私もあいつも、今を生きてる。
またいつかの未来で、再開することがあれば…。
『雫』🧡
先輩にアドバイスをもらったとき。
コソコソと陰口言われたとき。
自分のミスで失敗をしたとき。
僕はたくさんの後悔をする。
そのたび1粒の雫が落ちる。
でも、この雫は。
僕を強くする成長への証。
【雫】
その一雫が
水溜りを作り
川へ流れ
海へ辿り着き
空へ昇ると
雲となり
また雫となって
ここへ戻ってくる
髪のカーテンに囲まれ目の前には君の歪んだ顔、目からは涙が雫のように僕の頬に落ちてくる。
ああ……嗚呼!!
なんて綺麗なんだろう!!他人の泣き顔は嫌悪感が凄かったが君のはとても素敵だ!笑った顔よりも泣いている顔のほうが綺麗だなんて気づかなかった。早く気づけばよかったな……。これからどうやって君の泣き顔を見ようか楽しみだ。
---ああ。
今日、貴女の心にひとしずくの言葉が落ちました。
「私は今、幸福なのだ」と。
そうです、貴女は幸福です。
俺が生きていた時代のように、命の危険に日々晒されるわけではない。食べるものも着るものにも不自由しない。毎晩温かい寝床でぐっすり眠れる。優しく見守ってくれる多くの縁者や友人がいる。
貴女は気づいてくださったのですね。この時代に、この家系の家族に生まれたことこそが、俺たちからの何よりの贈り物だったということに。
【雫】
午後三時、さて、そろそろ出かける時間だ。
今日は朝から小雨の天気、今の空模様はどうかなと窓から外を覗いてみれば。どんより曇ってはいるけれど降ってくる雨の雫はもうなく、すでにやんでいるみたいだ。良いタイミング。
「行ってくるよレディ・グレイ、帰ったらディナーにするからね」
ルームメイトの猫にハグとキスで挨拶し家を出る。雨上がりのほどよく湿った空気が心地良い。
ライオンのようにやってきた春もすっかり羊に身を変えて、のどかで穏やかな今日このごろとなった。暑くもなく寒くもないパーフェクトな気候。川沿いを歩くと風にあたるけれど、やさしく撫でられているような感じでうっとりしてしまう。なんとなしに歩調をゆるめてまわりを見渡せば、薄暗い曇り空ににじむほのかな街灯の光や、ポツポツと点在する店の明かりがロマンチックな雰囲気を醸し出してくれている。そして川沿いに等間隔に植えられてあるドッグウッドの色鮮やかな赤い花。どれも今が満開で、灰色の風景にとても引き立って咲き誇る姿に目を奪われる。青空も悪くないけれど、こんな雲一面の空にも大いに心惹かれてしまう。無彩色だから色んなものが映えて見え、いつもとほんの少し違った世界にいるような気分になれるのだ。上機嫌で空を眺めていると、馴染み深いあるものがモワモワと頭に浮かんできた。なんだろう……?――そうだ、レディ・グレイ!彼女をルームメイトに決めたのは、彼女の全身を包むフサフサした長い灰色の、今の空と同じ色の美しい毛色に一目惚れしたからだった。考えてみると今の自分の状況は、好きなもの、心地良いもの、素敵なものばかりに囲まれている。なんて最高な巡り合わせのお出かけだろう!気づいた小さな幸せにほっこりし、レディ・グレイの不興を買わない程度にゆっくり寄り道して帰ろうと決めた。
春の日の、罪のない誘惑の悪戯である。
恋人の涙を、飲んだ。
毎日一緒にいるのに、「寂しい」と言ってあまりにも泣くから。
その雫を、指ですくって、
唇につけた。
恋人は、最後の雫を落として一瞬固まり、やがて状況を理解したのか真っ赤になって、また固まってしまった。
かわいいな、と他人事のように思って自分の唇をなめた。思ったよりしょっぱくなかった。
【雫】