『雫』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
生まれた時私から溢れ出ていった物。
それを見て周りの大人は笑ったらしい。
幼稚園でいじめられていた時。
ひとりで人形と遊んでいたら、
気づいたら零れていた。
小学校低学年みんなで歌を歌った時。
合唱が好きなのは変なんだって、
みんなと違うのは怖くてまた零れた。
小学校中学年で習い事を始めた。
同じところに通ってた子が意地悪で、
トイレに閉じ込められて静かに零れた。
高学年にもなると人前では零さない。
辛くても悲しくても明るく振る舞って、
家に帰ると勝手に溢れ出てきた。
中学校では恋をした。
すぐに失恋して引きずって病んで、
もう目からは溢れなかった。
高校辺りで溢れることも無くなった。
それは私にとって都合のいいことだったけど、
ただただ空虚で、ひたすらに乾いていた。
何を見ても聞いても感じても、
もう何も出てこなかった。
もう何もかも分からない。
ふと頬を雨が濡らした。
空は晴れていたはずだった。
【雫】
ポタポタと落ちる雫が集まって悲しみの海になる。
#雫
硝子の向こうの世界は
寒くても
暑くても
冷たくても
熱くても
ボヤけてる
モヤモヤと
モヤモヤと
流れていく
モヤモヤと
モヤモヤと
心が晴れていく
少しずつ
少しずつ
向こうの世界が見えてくる
ポタポタと
ポタポタと
足音聞こえたら
顔を上げて
硝子の向こうの世界は──
きっと、キラキラと輝いているはずだから
終(雫/2023.04.21)
雫
寒くて凍えそうな時…
あなたは優しく声をかけて
くれたの…
だいじょうぶ?
さむくない?
そう言って、
自分の着ていた上着を
脱ぎ…わたしに覆って
くれた
そして
あなたは
その場から立ち去った。
あなたの優しさが
忘れられず…
涙の雫が溢れ落ちた
ありがとう…
ありがとう…
何百回もあなたを
想って感謝したの。
散リ雫・・・
愛しさの刹那
鼓動は弱く
締め付けられる想い
闇世の中嘆き
聲を響かせ
問い掛け続けた言葉
記憶と瞳に
刻まれて
止まら無い
叶わぬ雫
「私ノ 無力・・・」
そっと優しく
抱き締め
聲枯れる迄 ずっと・・・
小さな躯の姿
口付けて
私の想いを ずっと・・・
捧げる私の髪
祈り続け
残した感覚 ずっと・・・
せめて無力な・・・
私の掌で・・・
私の温もりで・・・
「夢を視ながら・・・」
海星(ヒトデ)が
哀しみの重さに
耐えきれずに
海に落ちた
星だとしたら
わたしが落とした
涙の雫も
あなたの胸の中で
いつか 何かに
変わることが
出来るでしょうか…
# 雫 (114)
✢ ✢ ✢ ✢ ✢ ✢
お互いが お互いを
気遣いすぎた
そのために
身を寄せあって
温め合いたいとしながらも
そうなれない二人の距離に
苛立ち
病んだ心は
無茶苦茶に
手にした愛を
振り回すから
思わず
相手を傷つけてしまう
あなたも
そして
わたしも
いま
愛は
哀しい凶器に なる
✩ いま 愛は (113)
『雫』
ほほ濡らし
流れ落ちてく
ひとしずく
誰を想いて
月夜に願う
「なになに?どうした?大丈夫?」
よく母に言われるひとこと
でも自分でもよく分からない
どうした自分 大丈夫か自分 なにがあった
分からない
ただ すごく考え事をしていたんだと思う
悩んでいたんだと思う
悩み出したら止まらないのは最早特技
どうしようもない事 悩んで 考えて
つい目から零れた
–雫–
‐雫‐
𝓛𝓸𝓿𝓮 𝓲𝓼 𝓹𝓪𝓼𝓼𝓲𝓸𝓷
昨日のつづき
今日と云ふ日
命のつづき
私と云ふ子
革靴はゐて
學校いつて
體操着きがへて
運動したり
勉強に運動
何のとりえもない
ふつーの子
きみに戀して
友達といつしよに
泣いて笑つて
昨日の續き
ふつーの子
「雫……しずくなぁ?」
丁度「雨」のお題を見越して書いたストックがある。
某所在住物書きはメモアプリを開き、書きかけの短文を見て、ぽつり呟いた。
「やっぱりこのアプリ、空関係のお題で書き貯めときゃ、どこかのお題でいつか引っかかる説」
問題は俺がそうそう大量生産できる頭も文才も無いってハナシな。ため息ひとつ吐く物書きは、しかし折角の機会だと、雨の物語の書きかけをコピーして……
――――――
最近最近。都内某所の某アパートに、人間嫌いと寂しがり屋を併発した捻くれ者が住んでおりました。
どこで何の世界線がバグったか、捻くれ者の部屋には、週1〜2回、不思議な不思議な子狐が、不思議なお餅を売りに来ます。
ひとくち食べると少しだけ、ふたくち食べるともうちょっと、心に溜まった毒がお餅にひっつき抜けていくような、不思議な不思議なお餅です。
低糖質から甘味まで、主食もおやつも何でもござれ。バリエ豊富にコスパ最高で1個200円。現代人の、腹にも懐にもありがたいお餅なのです。
その日もコンコン子狐が、防犯強化の叫ばれる昨今、唯一扉の鍵を開けてくれる捻くれ者のアパートに、たったひとりのお得意様の部屋に、お餅を入れた葛のカゴと小さいハスの葉の傘を持って、ざーざー降りの雨の中、やって来ました。
「あーあー。何も、この雨の夜に来なくとも」
玄関の前でぶるぶるぶる。体を振って水を飛ばしても、まだびしょびしょのコンコン子狐。
小さいハスの葉の傘では、カゴの中のお餅は守れても、カゴを持つ体までは覆えません。雨に濡れた子狐は、まるで洗濯直後のぬいぐるみです。
ぽたり、ぽたり、雨の雫が滴り落ちては、嫌なところに当たるのでしょう、また体をぶるぶる振ります。
「ドライヤーは?大きい音は、怖いか?」
大きいバスタオルでポンポンポン。捻くれ者は、子狐を優しく叩き拭いてやりました。
「ドライヤー、怖くないもん。かかさんが、ととさんを叱ってる時の方が、もっと怖いもん」
「かかさん?」
「かかさん、ととさんがお肉焦がすと、怒るの。ドライヤーより静かなのに、ドライヤーより怖いんだよ」
「つまりドライヤーも怖いんだな。分かった」
「怖くないやい。怖くないもん」
きゃん、きゃん。怖がり疑惑に子狐が抗議します。
捻くれ者はポンポン構わず、ある程度体が乾くまで、バスタオルで拭き続けてやりました。
「雨が止むまで居ろ。また濡れたくないだろう」
「平気だもん。濡れたってドライヤー怖くないもん」
「分かってる。分かってるよドライヤーは使わない」
「怖くないやいっ!ホントに、怖くないもん!」
「はいはい」
歪んだ硝子窓の向こうで
アカシアの若木が雨に煙っている
細い枝が風にしなる
一筋の雫が窓をつたう
それを白い指がこちらからなぞる
軋む縁側の廊下の床に
裸足の足指
羽織った藤色の絹の振り袖
そんな幻がこの家には今も
住み憑いている
【雫】
ふと目に入った 葉の上の雫を見て
すべてが眩しくて楽しかった
子どもの頃に見えてた世界を思い出したんだ
テーマ
雫
雫は下に落ちることは、他の世界では当たり前ではないかもしれない。
空気中にプカプカ舞ったり、上に勢いよく飛んでいっちゃったり。想像さえもつかなかったり
けれど、わかればそれで解決でいいじゃん。
なんでみんな拒否するんだろう。
まあ、怖いのはわかるけど。
怖くなかったら、宇宙飛行士にでもなってるよ。
きっと。
…いや。
別にそんなのきにしなくっても、当たり前にした下に落ちている。「それは上だ!」って言われても。
彼女を庇って飛び出した先
僕はトラックに飛ばされた
朦朧とする意識の片隅で
周囲のどよめきがうっすら聞こえる
手元の気配が動き出す
彼女が僕の顔を見下ろす
閉じた瞼の隙間から
花びらのような紅が滴る
彼女のそんな顔を見るのは初めてだった
きっと僕はもう助からない
彼女はすぐに悟ったのだろう
今までずっと見開いていた
眼球のない赤い眼孔は
今は穏やかに閉じられて
口元に笑みを浮かべていた
僕の顔に雫が落ちる
癒えない傷を慰めるように
絶えゆく命への手向けのように
白く細い手に撫でられながら
僕は明けない夜を迎える
昨日は彼女の誕生日で、
僕は彼女にハンカチをプレゼントした。
プレゼントしようとした。
でも君は受け取ってくれなかった。
君は素直な人であり、
その行動は僕の考えと異なっていた。
君は冷めた顔だった。
僕のまだ見た事のない顔をしていた。
何もいらない。
僕の口からは、
その君の言葉に対し、
ハンカチが可愛くなかったかな、
なんて言葉が出てくるけど、
そう出ないことは明らかであり、
きっと僕も分かっていた。
君の何もいらないは、
何にもいらないって意味で、
あなたも、いらないって意味だったんだと思う。
僕の何が悪かったのか、
本当に分からないけど、
君は素直な人だから、
きっと冗談でもなんでもないんだろうな。
「何もいらない」
「書く習慣っていうアプリやってる人おいで!!!!」
っていうオプチャの管理人です!!
ぜひ来てください!!
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あの木から採れる密は、
病気をなんでも治し、
さらには運動能力を著しく向上させ、
寝なくても良い体になれる、
素晴らしいものなのです。
そこで、私たちはその蜜を、
神の雫、と呼んでいるのです。
その雫の事が、いつ知られたのかわかりませんが、
ある日から他の土地の者が見に来るようになりました。
けが人がきたら私たちはいち早く飲ませてあげました。
そしてその者たちが元気に動く様を見て、
大いに喜びました。
しかし、
その者たちは私たちの神の雫を、
自分の物にしたいと言い出し、
その強靭になった肉体で、
私たちに向かってきました。
私たちは、神の雫はあれど、
特に戦いの術は持っていなかったため、
話し合いで解決しようとしました。
そうしたら、その者たちは攻撃をしない代わりに、
大量の雫を、毎月送るように言いました。
私たちは困惑しました。
ですが、私たちの平和には変えられません。
私たちは、もう神の雫を舐めることはできません。
しかし、私たちの神の雫なのです。
私たちは神の雫を守ったのです。
「雫」
涙が雨のように止まらない。
どうして泣いているのか自分でもよく分からない。
何をしたいのかも分からない。
でも、雫が落ちる度。
私の心は軽くなる。
お態 雫
【雫】
待ち人は来ず
花雫に濡れて待ちぼうけ。
花の盛りも過ぎて
落ちる花びらが肌に付く。
目に映る景色は美しいはずなのに
雫が頬を伝うせいで世界が歪む。
それでも期待を捨てられずにいる
私をどうか笑ってください。
雫
雨上がりの草木の雫。
太陽の光が差してきて、キラキラ光る。
小さな雫たちは、
葉っぱの上で揺れ動きながら、
街の景色を映し出していた。
雫が小さな葉っぱにとどまる時間は短い。
その瞬一瞬が永遠に続いているような気がして
とても鮮明に残った。
自然の小さな瞬間に感動を抱くことで、
生活をちょっと豊かにできるのかもしれない。
保育園がいちばん楽しい。何もかもに置いて楽しい
以上
落ちた波紋に広がる息吹
沈黙にひとつ
蝶のつながりで茂り
砂時計を逆さまに
薙いだ波紋に広がる言霊
沈黙にふたつ