kinako

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歪んだ硝子窓の向こうで
アカシアの若木が雨に煙っている
細い枝が風にしなる
一筋の雫が窓をつたう
それを白い指がこちらからなぞる

軋む縁側の廊下の床に
裸足の足指
羽織った藤色の絹の振り袖

そんな幻がこの家には今も
住み憑いている

4/21/2023, 11:14:22 AM