あなたがいたから今の私がいる
だけど友情も卒業するときがあるのです
いつまでも互いにおなじではいられない
サヨウナラ
友よ
感謝と惜別を込めて
あなたに最後のあいさつを贈ります
どうかもう二度と私に関わらないで下さい
沈む夕日を眺めながら家路を急いだ
今日はあいつが来るはずだから急いでいた
夕日は心臓みたいに大きくて赤くて主張が強かった
細切れの雲が家来みたいで薄ピンク色に染まっていた
わたしは一日中働いていたのだ
もうクタクタで帰ったらすぐにベッドで眠りたい
だけどそうはいかないだろう
あいつと結論を出さなければならない
薔薇色になった天国みたいな西の空に向かって大きな口を開けて息を吸った
それから何かを吐き出した
さあ、家に帰ろう
あいつが待っている
君の目を見つめていると力が注ぎ込まれて来る気がするんだよ
こんな僕でもまだやれることがあるんじゃないかと
とにかく明日は電車に乗ってあの街まで行ってみるよ
それは僕にとってとても勇気のいることだけど
君の目を見つめていると
何だかできるような気がするんだよ
ベルの音が鳴って全員が着席した。
起立、礼、着席。
号令を掛ける声が好きだった。
言えなかったけど。
好きは表に出さずにずっと心に秘めたままでいいと、教えてくれたあなた。
だから今でもわたしはきれいな気持ちであなたを好きでいられる。
何も変わらない。
ベルの音が聞こえる。
起立。
凛としたあなたの声があざやかに耳に残っている。
昨日観たネット動画に影響されておでんを作った。動画では5種類くらいしか具材を入れていなくて、シンプルでいいと思ったのだ。上品に小さな土鍋に入れて煮る。金色のだしが美味しそうに見えた。とにかく小さくて少ないのがいいと思った。
どうしてか自分の作ったおでんは大鍋に沢山の具材がひしめき合っていた。それは動画とは違って、いつもの我が家のおでんだった。
美味かった。
だけどやはりいつものわたしのおでんだった。代わり映えのないおでんだった。
とりとめのない話だ。