『雪を待つ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ここらへんの地方では、真冬でも雪があまり降らない。
でも、いや、だから、たまに降る雪が、
私は好きだ。
今年も、この冬は。
雪を待つ。
『雪を待つ』
外はどんどん寒くなる。
天気予報だとまだ初雪はまだ先のようだ。
窓越しに空を見上げる。
急に雪も降りそうにない晴れた空。
私は雪が好きだ。
雨と違って左右に揺れながらゆっくり落ちていって、
しんしんとして静かになる空間。
そんな景色を見ながらあったかいココアを飲むのが
最近の楽しみ。
あかぎれとか乾燥とかのケアが大変だけど...
雪が好きだと友達に話すと学校が無しになって
帰れると言うからとりあえず合わせてるけど...
ばばくさいと言われるのが目に見えてるから
これでいいと思う。
窓を開けて思い切り息を吐く。
白い煙になって空に消えていった。
寒いのはわかってるけどそれほど雪が降るのが待ち遠しい。
さすがに寒いので窓を閉めてコタツに潜り込んだ。
語り部シルヴァ
雪を待つ
雪を待たない
雪は来ない
雪の都合があるし
雪に任せるしかない
待っても来ない
いつかの為のカケラを
ただ、持ち続けるよりも
カケラのそのままに日を過ごしている
カケラが欠けて
ガラクタになっても
無くなったりはしない
形が捉え難くなってしまってるだけで
カケラを仕舞ってはいても
その手にあるカケラは消えない
人に見せびらかす為のモノじゃないんだよ
雪を待つ
君の横顔見ていたら
忘れたはずの
苦しみ感じて
そっと背けた
僕の目に映る初雪
枯れたはずの
気持ち感じて
慌てて目を閉じ
全てを無かったことにした
僕の心は
凍えるほど可哀想
雪を待つ…
そう、いちごシロップを握り締めてっ!!!
無数の白色が積もる中、
はしゃいでいたあの頃を思い出す。
手が真っ赤になるまで遊んでいたんだっけ、
今年も雪だるまはひとつだけ。
「雪を待つ」
12月の街中を一人で歩いてる。
街は何だか皆忙しそうで、少し浮かれた雰囲気もあって。
誰かの為のプレゼントを抱えてる人。
待ち合わせに急ぐ人。
家族の元に急いで帰る人。
そうでない人も居るかもしれないけど、私の目からは皆が、幸せそうに見える。
そんな中、私は一人で歩く。
昨日までは、貴方と一緒に居た。
多分、周りの幸せな人達と、同じ位幸せだったと思う。
でも、今日は、今日からは、一人。
外では泣きたくないから、我慢して、歯を食いしばって、歩く。
せめて、家に帰るまでは、泣かないでいたい。
でも、涙が溢れてしまう。
雪が降らないかな?
そしたら、雪が涙を隠してくれるから。
皆も、雪を見るから、涙を見られなくて済むから。
雪が、私の存在を隠してくれるから。
きっと今日は、冷たい雪が、私にとっては一番優しいと思うから。
うちのアパートは
猫の通り道になっていて
気付くと
窓の外に猫が通る
寒そうにしながら
外に敷かれている段ボールに
猫が座った
オスの虎猫
ここら辺では
あまり見かけない顔だった
私と目が合った
なんだよ
と言わんばかりの
顔である
ごめんね
そっと覗き込むのをやめた
ここも雪は積もる
寒いけど
何故だろう
雪を待つ私である
「雪の降る頃に戻る」
と貴方が言ったから、私は縁側で何度目かの冬を越しました。
その間、雪は一度も降らなかったけれど
私はなんでも良かった。
貴方が帰って来てくれるのなら。
私の心はダクダクと音を立てて、歓びに満ちることでしょう。
しんとした庭に独り言が落ちた。
郵便屋のスッとした声が庭の石を弾いて、玲瓏と響く。
「旦那さん、帰ってくるといいね」
郵便屋が帰りがけに呟くように言う。
期待していない声だった。
私は今日も、雪を待つ。
「ただいま戻りました」
初雪を期待しないで待ちながら空気が肌を刺すに任せる
雪をまだ
これくらいの寒さがちょーどいいって思ってる。
これ以上は遠慮したいと思う。
end
外に命が灯らない頃
無音の交響曲が開く時期
内で生命をせかせか起こし
静かに生きる活気たちよ
忙しい時代に終わりを告げ
安寧という業務を開始する
ふと目をやる死んだ外に
いつか夢見た白銀の世界よ
――サメの言うことにゃ、
雪を待つ
てのひらにふわり
あなたのまつ毛にふわり
優しくふりつむ
優しくキスする
終わらない夏はない
短い秋を楽しんで
今は雪を待つ季節
………雪を待つ
「寒くなってきたね〜」
妹はそう言いながらこたつでみかんを食べていた。
「ねぇ!今年も雪降るかな!?」
妹は雪が降って欲しいみたいで、この時期になると雪が降っていないかいつも外を眺めている。
私は雪は降って欲しくない。なんせ道路が雪で満たされてしまい学校に行くのが困難になってしまう。
電車ならまだ遅延で許されるだろう。しかし私はバス通学だ。バスに遅延なんてない。
雪のせいで遅れたと言っても遅刻扱いだ。
「私は雪降って欲しくないな…」
「なんで!?雪が降ると楽しいじゃん!! 」
妹は信じられないと言った顔をしてこちらを見ていた。
「雪だるまとかも作れるし、友達と雪合戦もできるし…色んなことできるじゃん!!」
そう楽しそうに話す妹を見て「犬」みたいだなと思った。
だとしたら自分は「猫」なんだろうか…
そんなことを思いながら私はみかんの皮を剥いた。
雪を待つ
朝、目が覚めると、隣で寝ていたはずの彼女がいないことに気がついた。
階段を降りて、リビングへ向かう。
そこで窓に張り付いて、外を眺める彼女を見つけた。
「何してんの?」
鼻声の俺に顔を向け、ニット笑って答えた。
「雪を待ってるの」
「雪?」
「そう、雪。」
そういえば、空はワタのような雲で覆われている。確かに今にも雪が降り出しそうだ。
「天気予報でもこれから寒くなって行くっていってたからさ。もしかしたらもうすぐで降るかなぁって、そう思ったら寝てらんなかったの。」
いかにも楽しげに話す彼女。
「ふーん、でもなんで雪?去年そんな楽しみにしてたっけ?」
コーヒー片手に彼女と同じように窓の外を眺めた。俺の質問に彼女はなぜか赤面した。
「?どしたの?」
俺が聞くと、彼女はスッと幸せそうな顔になった。
「ほら!去年、北海道に旅行に行ったでしょ?そこで雪合戦したり、鎌倉作ったりしたじゃん。それがさ、なんていうか、凄く楽しくてさ、、」
彼女の言いたいことが分からず、小首を傾げて続きを促すと、
「私、雪って今まで好きじゃなかったんだけどね。寒いし、冷たいし、歩きづらいし。でも、あんな楽しいの知っちゃったら、好きにならないわけないじゃん。だから、また去年みたいに遊びたいなって。」
太陽のような笑みを浮かべ、俺を見る彼女。
「ふーん、そっか。」
俺はあえてそっけない返事をし、そっぽを向いた。赤くなる顔を見られたくなかったのだ。
「雪、まだかな。俺も、待ち遠しくなっちゃったよ。」
もう北海道とか、東北とか、関東でも雪が降っているらしい。雪とは無縁の生活を送る僕からすれば、雪ダルマを作って、雪合戦して楽しそうと思うくらいだが、豪雪地帯の人にとってはふざけんなという感じなのだろう。
待っても待っても来ない。雪なんて、滅多に降らないから。だから、数年前から待つことを諦めた。雪が振らないからといって支障は何もない。晩飯は美味しいし、勉強は捗るし、ゲームも楽しい。でもね。何か、寂しいんだ。物足りないような。やっぱり、冬にはサンタと雪がほしい。そのどちらもここ数年、見ていない。だから、冬が嫌い。他の季節に比べて暗いから。冬らしい事なんて、暫くしていない。
十年に一度レベルの寒気らしい。冬に受験を控えている人は風邪を引かないように。豪雪地帯の人は、無理しないように雪掻きを頑張ってください。
【雪を待つ】
YouTubeとかだとたくさんの雪が降って
遊んだりしてるのを見たことがあるけど、
田舎となると雪が降るのは、
年に一度、降るか降らないかなんだよな。
去年の冬は、雪が一度降った記憶があるな。
朝にカーテンを開けると、雪が降っていて
急いで外に行って雪を触ってたな。
今年の雪は、どんな雪か、または
どんくらい降るのか、何回降るのか。
そう思って雪を待つ。
雪を待つ、貴方には、怖くなっていく、古い記憶
溢れ出す、貴方は、また、期待をして待っている
何も叶わない事を知らぬまま、ただただ時間だけ
過ぎていく、忘れずに、過ぎていく、けれども、
貴方には、幸せを噛み締めたいあまりにも、醜い
醜態を晒してでも手に入れたいもの、雪の中から
見つけてみたい、貴方の、身体の一部に、欲しい
忘れずに、また、探し出す、知らぬ間の夕暮れに
"焦がれて焦がされ何も残らないのが、寂しいな"
それを言ったら終わりだか、
何も忘れられずにいられるよりかはまだマシかな
【雪を待つ】
思えば、あなたを想い続けてきた人生だった。
晴れの日も、雨の日も、曇りの日も。
悲しくても、寂しくても、楽しくても。
私にとってあなたは全てだった。
あなたの力になりたいと願い続けた。だから、この結果は本当に私のせい。
「ありがとう」
目の前で美しい花が咲く。それは、私が育てて、別の誰かに摘み取られた花。手間をかけただけ、その笑顔はかえがたいものとなってそれが酷く私の胸に突き刺さる。いっそ、見なかった振りをしたい。
けれど現実は残酷なまでに目を逸らさせてくれない。
「あなたのおかげ。大好きだよ」
「ずーっと」
「友達でいてね」
それは世界で1番可憐で、そして私のみを傷つける刃物だった。
初めは、ただの友達だった。
いつしか窓際で微笑む君を見て目が離せなくなり、恋だと気づくまでそう時間は要らなかった。けれども彼女は友達しか必要としていないみたいで、だからこそ唯一の男友達だった私を信頼してくれた。特別感に酔っていて、将来君のとなりにいるのは自分だと信じていた。
だからこそ、『自分だけ』で君を寂しくさせる時間があってはいけないと思って男友達の輪に入れたり、逆に女子の輪に友達を連れて一緒に遊びに行ったりした。独りよがりではなくて、君も嬉しそうに楽しそうに笑っていた。
独りよがりでは、本当になかった。だからこそ。
「好きな人が出来たの」
何を言っているか分からなかった。いや、君から1番聞きたくなかった言葉だからこそ最も理解していたが、耳に入れたくなかった。
「君の友達の𓏸𓏸くんなんだ。ね、親友、協力してくれる?」
私が見た事のない、ラズベリーの笑顔。
私以外に向けられているその笑顔を、それでも私は守らなければならない、とそう思った。まだ思っていたのかもしれない。必死に君のために頑張れば、私の良さに分かってもらえていつか告白してくれる、なんて。
皮肉にも私には仲人の才能が有り余るほどにあった。
何より周囲の人間は、憎い友達も含めて良い人間だった。だから恋心を知って身を引こうとしたそいつを説得し、全力で友達のために動いた。涙が零れていた。ああ、人のために動くのがとてもとても素晴らしい。
「君がいたから、僕はここまで来れたよ。人を好きになれるようになった。ありがとね」
イタズラげで、照れ隠しで、それでも感謝だけは痛いほど伝わってくる言葉を原動力に私は、止まれなかった。
その結果が。
彼女と別れた帰り道。冬が体にしのびよる夕方。
どう答えたか、なんて記憶に残っていない。
ただ、精一杯の愛想笑いと激励でその場をやり過ごした。きっと私の人生の決定的なハイライト、観客が涙するほどの名演だろう。その観客は開幕から終わりまで一人しかいないのだろうけれど。
そう考えると笑いが込み上げてくる。口を開けると堰を切ったように喉の奥から感情が込上がってきた。
灰色の空に独つ、その狂ったような声がいつまでもいつまでもひびき続ける。
私は、雪を待つ。
きっと降って私のか誰のか分からない足跡を消してくれるまで。