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「雪を待つ」


12月の街中を一人で歩いてる。
街は何だか皆忙しそうで、少し浮かれた雰囲気もあって。
誰かの為のプレゼントを抱えてる人。
待ち合わせに急ぐ人。
家族の元に急いで帰る人。
そうでない人も居るかもしれないけど、私の目からは皆が、幸せそうに見える。

そんな中、私は一人で歩く。
昨日までは、貴方と一緒に居た。
多分、周りの幸せな人達と、同じ位幸せだったと思う。

でも、今日は、今日からは、一人。
外では泣きたくないから、我慢して、歯を食いしばって、歩く。
せめて、家に帰るまでは、泣かないでいたい。

でも、涙が溢れてしまう。

雪が降らないかな?
そしたら、雪が涙を隠してくれるから。
皆も、雪を見るから、涙を見られなくて済むから。
雪が、私の存在を隠してくれるから。

きっと今日は、冷たい雪が、私にとっては一番優しいと思うから。

12/15/2024, 10:23:16 AM