『雪を待つ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『雪を待つ』
れっきとした殺意を持って山深い場所へその人を呼び出し、背中を見せたときに急所を狙って包丁をえぐりこんだ。血泡を吐いて息絶えたその人を見てすうと胸がすく。
平野では霜も降りず、氷も張らなかった今年の冬は際の際になって雪を降らせるという。急激に下がった気温は土を凍らせ、倒れるその人の体温も同化を始めている。あとは降るのを待つばかりだ。この山ならひと足早く雪も積もるだろう。
「春が来たら見つけてもらえるといいな」
「またあの子窓の外見てるよ。」
「天気予報に雪マークがあったからね。」
「ねぇ、まま!!雪まだ?」
可愛いあの子の声がする。
もう少しじゃない?
なんて言うとあの子は
ワクワクしながら雪を待っている。
その姿が可愛くて、思わず私は写真を撮る。
今年も雪が降るといいね。
─────『雪を待つ』
『雪を待つ』
『今日の夜、雪が降ったら、そこの公園へ行ってあげる。そこで一緒にお酒、飲もうよ』
そう言って僕の頭を撫でて帰っていった彼女と交わした約束。学校帰りに寄ったコンビニで買った、あの人が好きなハイボール。僕はそれを持ってそこへ行く。いつか一緒に触っていたベンチに腰をかけ、僕はあの人と雪を待つ。
______やまとゆう
肌寒くなり
秋の面影もなくなった
あとは世界を白く染め上げる
雪を待つ
雪を待つ
しっかりと
冬を深めて
締めの月を渡る
いつもより雪は
のんびり
やってくるから
今のうちに
乾いた寒さを
肌に伝わらせて
雪の温かみを
ほんの少しだけ
忘れさせてしまおう
白い世界の訪れは
誰にも告げずに
やってくるから
いつもの景色を
いつものままに
目に焼きつけておこう
一度降ってしまえば
春まではまた
白いままだからね
今日はかなり寒い
雪が降る事が期待できそうだ
そう思いながら空を見上げる
分厚い濃い灰色の雲が
空一面に広がり
空が低い
夜になってやっと雪が降ってきた
辺り一面が白くなり
誰も歩いてない所を
わーい雪だー叫びながら
キュッキュッと音を立てて
歩く事の楽しさ
お爺ちゃんがお椀を持ってきて
車に降り積もった雪の上っ面を取り
砂糖をかけて食べる
かき氷みたいだね
私も恐る恐る一口食べる
皆が寝静まる頃
窓を開けて雪を眺める
外は静まり返り
しんしん しんしん
国語の教科書に出てくる擬音語が
頭の中に響き
明日の朝には溶けて
この世界はなくなってるんだろうな
寂しい気持ちになる
私の住む地域は
滅多に雪が降らない
天気予報で雪の予報
でも降らない事が多い
子供の頃
雪が降るのを待っていた
だから…
肌感覚や視覚
雪が降る条件
自然とデータを
自分なりに分析してた
今思い出すと
子供の頃の私って
無邪気で可愛いな
好きな事に
好奇心旺盛だったんだって
今からでも遅くないよって
教えられるんだ
[ #46. 雪を待つ ]
「冷たくなってる」
冬の部屋の中
私の体に 毛布と貴方の体が包む
雪が降る空の下なら
貴方の温もりをどう伝えてくれる?
「雪を待つ」
雪がこんなに億劫な存在になったのは、私が大人になったということなのだろうか。地面は凍って歩きにくいし、電車も遅れる。ノーマルタイヤの車は使い物にならない。
この地域で滅多に降らない雪は、子どもたちの目を輝かせる。年に数回、またとないこの機会を逃すまいと、無邪気に駆け抜ける。
億劫な気持ちの後には必ず、懐かしいあの頃の気持ちが蘇る。薄く消えかかっているあの頃の高揚感が。
周りに染まった今、何色にも染まらない雪と純粋な子供たちを、待っているのかもしれない。
雪を待っている。
冷たいけれど、キラキラしていて、世界を白く埋め尽くしてくれる雪を。
――だって、いくらなんでも12月だっていうのに暑過ぎない!?
昨夜――12月15日の夜の都心の気温を知ってる? 20℃だって。12月の夜の気温じゃないよ。実際、夜に少し出歩いていたんだけど、まるで春のような温かさだったよ。
温かいのは好き。
でも、そうじゃない。今は冬だから。冬には冬の良さがある。
外では雪が積もり、それを眺めてからこたつに潜って、夕飯の鍋を美味しく感じる。たくさんの行事も待っている。
そんな時季が来たんだよ。って、告げてくれる雪を待っている。
『雪を待つ』
寒いね、
寒いこの季節でも楽しみがある
【雪を待つ】
「雪を待つ」
いっそ全て
白く塗りつぶしてほしい
黒いトラウマも隠れるくらいに
雪を待つ
甘い香りが部屋を満たす
期待を込めて待つ子どもたちの眼差し
さあいよいよお待ちかねの最後の仕上げ
少し高い位置から「とんとんとん」と
まるで雪を降らせるように粉砂糖を丁寧にふりかける
「うわぁ〜」小さな感嘆がもれる
雪のようなお化粧を施したスイーツの出来上がり
お待たせしました
どうぞ召し上がれ!
11月、
世話になっている
ディーラーに電話をかける
北国では恒例の
タイヤ交換の予約のためだ
12月、
小さな子ども達は
ソワソワしてくる
Xmasプレゼントを
サンタに期待しているからだ
そうやって
大人も子どもも
『雪を待つ』
まー
雪を待つ
いま、12月だよね!?
20度超えの今日(昨日)、生ぬるい強風の中
コートを脱ぐのが面倒で汗をかいた。
雪が散らつく気配もない。
これで年内に雪が降ろうもんなら
身体が付いていけない。
雪はもう少し先でいい。
雪がうっすら積もったら
白うさぎでも作ろうか。
子供のころ
雪だるま作りたい
雪積もったら
雪だるま 作る
指が痺れる冷たい
でも 嬉しい
「雪を待つ」
僕は明け方の朝日を見ながら必死に景色を描いていた。
手はかじかんでる。
今にも雪が降りそうな寒い朝焼け……
専門学校で作品を提出するために僕は毎日早起きをして描いている。
でも何かが足りない……
何枚描いても何枚描いても……
絵の中に吸い込まれそうな絵を僕は描いたい
でも僕が描く絵は何かが……
眠い……とても眠い……
もう既に描く事しか考えられなくなる
無心で描いていると
痛覚も感覚が無くなっていた
極限状態で描いた僕の作品……
無事最優秀賞することが出来た
タイトル「冬を待つ」
白い雪聖夜に降ると素敵そう
私の街は
白い銀世界は無理だけど
雪国の大変さにも無縁…
だが銀世界の雪ぐらい
降り落ちたら
コンクリートに雪が積もっても
直ぐにとけ アスファルト道は
雨あがりかのようで黒く 時に水たまりが黒く薄く氷る
だが 街中にクリスマスツリーが 輝かしく大きい
飾られてさは素晴らしい感動を
くれれ 街中のツリーが
つい眺め足がとまる
そこに まして聖夜に白い雪が 舞い降りたら
ワクワクするだろう
銀世界とはならないが
雪の結晶たちが
街中に降り落ちて
ツリーをみるのが
恋人繋ぎカップル
子供連れ家族なか
少し 羨ましいになるかも
私は1人クリスマスかもだから
彼と ぎくしゃくしているから
どうなる、やらで
白い雪が舞い散るなか 街中ツリーを
1人でもかまわない 綺麗と
魅力を満喫はしたい 彼とぎくしゃくしてるならなお 手がか かじむ冬の寒さに雪がふればいい
私と君の束の間が
終わりなら 寒さで考え込んだり
しないように
やはり聖夜に
ツリー街中に
今は少し不安定な気持ちでも
1人でも切なさ抱えていても
楽しもう
やはり 雪待ち望んて
しまう クリスマスツには
雪は 降ればいい 冷たさを
受けとめ 彼とのこと 整理できる
だろう 雪の結晶がクリスマスツリーをさらに 彩り 悲しみは瞬間
綺麗とみとれている間は
忘れられるだろう
重い布団を持ち上げてひんやりとした炬燵に足を滑り込ませる。電源を入れたばかりのそれはぬくもりの記憶を裏切っていて、たびたび新鮮な気持ちになることを以前の冬ぶりに思い出させられた。すっかり温められた安心感に包まれるのも良いが、じわじわと熱で解けていくのを楽しむのも趣がある。
日によっては氷点下を記録することも増えたというのに、まだ私の住む地域は初雪を迎えていなかった。その代わり雨は降る。現に今も窓の外は細い雨粒が地を叩いていたのだが、いっそ雪になってくれやしないか。
別に雪が好きなわけではない。そもそも寒いのは嫌いだし、雪が降っていると余計寒い気がしてくるし、足元が滑るのもブーツやズボンが雪にまみれるのも嫌いだ。
ただ待っているだけ。それだけなのだ。
『雪を待つ』
雪が降る。
銀世界は綺麗だ。
迷い込んだら抜け出せないような
抜け出したくないような夢の世界
ねぇ、きみはどこに居るの
帰ってくると言ったのに
私を置いてどこに行ったの
今年も一緒にいようと約束したのに。
君は冬だけいなくなってしまう。
雪に隠れてしまっているように
どこを探してもいないの。
ねぇ、出てきてよ
ひとりだと冬はとても寒いんだよ
何もかも
覆い隠して
泥水と一緒に
溶けて流れてく
雪を待つ
もう
僕には
それしか出来ない
君というピースを
無くしてしまったから
僕の人生のパズルは
永遠に完成しない
昨日のあの子は
少しだけ
君に似ている
でも
パズルにはハマらない
君の形じゃないから
涙を拭ってくれた
その手で
また僕を抱きしめてよ
ねえ
許して
許してよ
もう僕なんか
見えてないみたいに
他の奴と
抱き合ったりしないで
お願いだよ
お願いだから
夏のジャケット
無造作に
僕をポッケに入れたまま
寒くて君は
暖かいコートに
変えてしまった
来年の夏には
僕はきっと
カラカラに乾いて
ボロボロの
屑になってる
ポッケの中で
君の
思い出の中で
「雪を待つ」