『雪を待つ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ゆきふらばわがつみがゆるされむ
室生犀星の詩だっけ?
いつ聞いたかも覚えてないのに、なぜか忘れられない。
雪国生まれではないから、
たまの雪には純粋にはしゃぎたくなるんだけど、
降り続くうちに世界が真っ白になっていくのは怖い。
外界が見えなくなるぶん、自分の心に意識がいってしまうのかな。
雪のニュースに浮かれてたことが嘘みたいに、心がとつぜん静かになる。
言えないこと、忘れたふりをしていたこと。
雪が降る日は、妙に思い出してしまう。
雪を待つ
朝起きて
窓から外を眺めた
真っ白な雪達が輝いていた
寒いけど、冷たいけど、輝く雪の力に
なんだか、パワーをもらえた朝。
パワーをもらえたから、待ったかいがあった。
さぁ、今日も雪に負けず輝いて頑張ろう
★ぴゅあれい★
雪を待つ
待ち合わせの時間はとっくに過ぎていた。
時計の針は約束の時間から二周近く回っていたが、それでもまだ君のことを待ちたかった。
久しぶりだから、と張り切って着てきた服もすっかり冷えきって、手袋をしているのに指先がかじかむ。吐き出した息が白い。
だんだんと空には雲が立ち込めて、雪が降るかもしれませんね、と今朝のニュースキャスターの言葉が思い出さされる。
なら、雪が降るまでは、君のことを待とう。
早く雪よ、降れ、なんて体は訴えるのに、頭が、心が雪なんて降るな、なんて考えるから、思うから。自分でもバカだなぁ、なんて思う。
だから、君が来るまで待とうなんて、もう思わない。ただ雪が降るのをずっと待っていた。
雪を待つ
今年最初の雪が降ってきた。
雪国ではない街で育った私は、大人になった今でも
雪が降って嬉しくなってしまう。
ニュースによると、この街で雪が降るのは4年ぶりらしい。
次もまた4年後なのかな、と考えながら
今日も一日過ごすのだった。
雪を待つおじいさん。
いや、服を着て下さい。
元気なのは良い事ですが。
テーマ:冬を待つ #33
※この物語は#20からの続編です
月日が経つのは早かった。
僕はラクラ・クームとして生きていた。色んな場所へ行き、色んな人を見た。
この国の現状を知り、変えなければならないことも多くあることを実感する。いつもミデルは、僕の隣りにいてくれた。僕のことを信頼してくれていて、僕も彼女のことを同じく信頼していた。
「ねぇ、もうすぐで一年が経つね。私達が出会ってから」
ミデルはそう言って枯れ葉のカーペットを歩く。
「私、ラクラとこんなに仲良くなると思っていなかったよ〜」
ふふふっと笑うミデルは、いつにも増して上機嫌だった。なぜなら待ちに待った冬が来るからだ。
ミデルは、一年前見たイルミネーションが忘れられないそうだ。イルミネーションは冬にしか見られない。
「そういえば、ラクラ言ってたね。私に嘘ついていることがあるって」
「え?」
僕はミデルを見た。
「ほら、あの小屋に行ったときのこと。まぁ、言いたくなかったら言わなくてもいいんだけどさ〜」
僕は思い出した。そうだ、あの時。僕は自分の本当の正体をミデルに言おうか迷ったのだ。
そして事実を言うことができなかった。
それから一年も経ってしまった。そういえば、最初の頃は僕を探して色んな人が動いていたそうだ。
ラクラ・クームとしての僕じゃなく、ラック・クラームの僕を。
しかし、最近では動きも静かになったようだ。王宮のものを見かけることは少なくなった。
ふと、リオのことや母上、父上のことを思い出した。
元気だろうか。心配になった。
ミデルに本当のことを言ったほうがいい。そう思った。でも、あと少しだけ。この冬でラクラ・クームとしての仕事は果たせそうなんだ。
だから、少しだけ時間が欲しかった。
「ミデル、その話もう少し待ってくれるか? ちゃんと話すから。……冬が始まる頃に話すから」
ミデルは、目を丸くして僕を見ていた。そして
「わかった」
そう深く頷くと指を絡ませた。
「冬を待つよ。待ち遠しい」
『雪を待つ』
赤と黒の吹き溜り
罪業に潰される嗚咽
遠く響く哀悼の鐘
如何に美しく
如何に醜いか
知らしめるだけの無音
私、雪を見た事がないの
ほんとだよ
はやくはやく見たいの
見たことない世界を
この目で確かめたいの
多分私は、今この世界で
1番ワクワクして
雪を待ってる
窓から外を眺める。
ガラスに息がかかり
結露で曇っていく。
今か、今かと待つ君は
子供のように無邪気で
とても可愛らしい。
ホワイトクリスマスまで
あと何時間……?
『雪を待つ』
『冬の待人』
白くなった窓ガラスに人差し指を一本
軽く押し当てて優しく引く
一本の指の軌跡は
少しだけ向こう側を見せてくれる
空は冬の分厚い雲を纏って
白を落とすか迷っている
そのうちツンとした冬の空気が
部屋の暖かな空気とぶつかって
小さな軌跡をまた曇らせていく
だけどこっそりと窓の雫が静かに落ちて
向こう側の続きを見させてくれた
そこからそっと覗き込んで待ち続ける、
空の白を待ち続ける、
私はそんな冬の待人。
雪を待つ
冬と言えば、雪だるまとか冬にぴったりな事したいな。
まずは雪が降るのを待つ事だろうね。
雪を待つ
雪が降ったら、雪合戦をする。
雪が降ったら、雪だるまを作る。
雪が降ったら、ちょっと触れてみて
「冷たいね」なんて言ってみる。
子どもみたいに、雪が好きな私。
雪をまつ
いや、待ちたくない
子どものときは、鎌倉作ったり、雪だるま作ったり
雪で楽しんだ
最近はそこまで雪が降ることなくなったけど、
雪が降ったら大変。
きれいなのは積もって直ぐだけ。
交通網は麻痺するし、溶け出したらベチャベチャで
汚いし
だから雪は待ちたくない
風情はないかもしれないけど
安定した天候が一番だよ
去年は 楽しかった
大雪が降っていたからだ
関東では珍しく雪合戦ができた
あぁ 今年も雪が降らないかな
ずっと待ってるのに
さっき席を譲ったキャベツがバスを降りるとき「どうもありがとう」とお辞儀をした。
ぼくは「いいえ、うんと甘くなってください」と言い、キャベツは「うんと甘くなってきます」と答えた。
雪待ち畑へ歩いていくキャベツを、ぼくはバスの窓から見ている。
雪を待つ
クリスマスに、雪が降ってくれたらいいのな
時々貴方達が羨ましくなる。
私の愛してやまないあの人に
切り刻まれて
睨まれて
地獄の底に叩きつけて頂けるなんて。
雪を待つ
生まれ育った町では雪は滅多に降らない
でも今年は違う
物珍しさが寒さよりも勝る
雪が降ったら、唇が紫になるまで遊び尽くしてみたい
降る可能性なんて
かなり少ないけど
僕は寒空見つめながら
窓越しに外見てた
部屋と外の温度の
差を感じるばかり
白くなった窓に
僕は落書きして見た
冷たい窓は
僕の指も冷たくする
だけど僕は
作ってみたいなって
思いながら
雪だるま描いてみた
雪だるまさん
雪だるまさん
寒がらないように
マフラーも描きましょう
だけど
溶けないで
溶けないで
皆を笑みにする
優しさそのままでいてね
雪を待つ
育った街は、たくさんでは無いけど雪が降りました。内陸で底冷えして、雪が降るんです。
少しの雪で雪だるま作って遊びました。
大人になり、結婚して住んでいる大きな街は滅多に雪は降らないので、楽ですね。
もうあの雪の降る感じ、忘れてます。
雪が降り始める前の、匂いってわかりますか?ありますよね。ピーんと張った空気の匂いみたいな。氷の匂いみたいな。
あの匂いがすると、何だか嬉しくて、雪を待ってました。
雪の降る感じ、思い出してます。