風花

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『冬の待人』


白くなった窓ガラスに人差し指を一本

軽く押し当てて優しく引く

一本の指の軌跡は

少しだけ向こう側を見せてくれる


空は冬の分厚い雲を纏って

白を落とすか迷っている


そのうちツンとした冬の空気が

部屋の暖かな空気とぶつかって

小さな軌跡をまた曇らせていく


だけどこっそりと窓の雫が静かに落ちて

向こう側の続きを見させてくれた


そこからそっと覗き込んで待ち続ける、

空の白を待ち続ける、


私はそんな冬の待人。






12/15/2022, 12:58:09 PM