風花

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6/14/2024, 3:09:32 PM

『時はピンクと青の狭間』


よくわからないの
貴方の言っている言葉

一緒に過ごした日々が全て嘘で
貴方が本当に愛していたのは私じゃなくて…

どうしてと訊いても
曖昧な台詞が吐き出されるだけ

私そんな
空っぽの言葉を聞きたかったわけじゃないわ

ピンクと青の混ざった
夕の空

その下に黒のシルエット
私と彼

夕焼けチャイムにかき消されて
貴方の声がよく聞こえないの

だから別れようだなんて私の聞き間違え
そう思いたかった

6/11/2024, 1:18:37 PM

『街が消えた日』

どかーん、と
爆発一つ、二つ、三つ…

真っ暗闇の空から光の雨が降り注ぐ
それが家や地面にぶつかって

どかーん、と
爆発一つ、二つ、三つ…

昨日まで確かにあった
僕の家も
学校も
人も
街も

ぜんぶ、ぜんぶ

どかーん、と
爆発一つ、二つ、三つ

簡単に吹き飛んで消えていった
僕らの3月9日東京




6/9/2024, 1:45:12 AM

『気ままに旅人』

のんびり気ままに歩いていたら
目の前にある道、ふたつ。

どちらに行こうか考えて、
心のままに道と道の間を
真っ直ぐ歩いてみる。

草をかき分けちょっと傷だらけ
だけどそれでいい。

ちらり横みて左
きれいな石畳のくねくね道

ちらり横みて右
荒れ果てたまっすぐ道

そして戻って前は草の壁
少しかき分け歩いて、またかき分ける

大変な道だけど、ほら。
きれいな花を見つけたよ。

気のゆくままに歩いて行けば
どんな道でも、道でなくとも
不思議といいことはあるもので。

だから僕は気ままに旅人。






3/29/2024, 5:04:32 AM

『わたしをみつめて』

誰かは言った。
見つめられると
怖くなる。

誰かは言った。
見つめられると
嘘がつけなくなる。

誰かは言った。
見つめられると
ちゃんとしなきゃと思う。

誰かは言った。
見つめられると
嬉しくなる。

あなたの見つめる先には
どんな人がいるんだろう。

そう思いながら
わたしはあなたを見つめる

11/10/2023, 10:33:16 AM

『朝露』

さらさらと
少し冷たい風に押されて
細く長い尾を風に靡かせる
ススキの群れ

ゆらゆらと
揺れるくすんだ金色は
いつまでも変わらない
秋の景色

ぽろぽろと
項垂れた姿に伝う雫が
小さく朝焼けの渦をうつしては

静かに、落ちた。



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