風花

Open App
2/16/2025, 4:50:46 PM

『月日』

絵が上手だねって褒められた
かけっこで一番になった
テストで百点を取った
僕は凄いやつなんだと思った
このまま凄い大人になれると思った
はやく大人になりたかった

自分より絵が上手い人がいた
かけっこで世界を目指す奴がいた
テストで満点なんて取れなくなった


自分より上が沢山いた。


もしもこのまま大人になったら、
僕の優れてるところなんて
何一つ無くなってしまう。


だから時間よ、

止まれ。止まれ。止まれ。


これ以上失わないように。

止まれ。止まれ。止まれ。

6/14/2024, 3:09:32 PM

『時はピンクと青の狭間』


よくわからないの
貴方の言っている言葉

一緒に過ごした日々が全て嘘で
貴方が本当に愛していたのは私じゃなくて…

どうしてと訊いても
曖昧な台詞が吐き出されるだけ

私そんな
空っぽの言葉を聞きたかったわけじゃないわ

ピンクと青の混ざった
夕の空

その下に黒のシルエット
私と彼

夕焼けチャイムにかき消されて
貴方の声がよく聞こえないの

だから別れようだなんて私の聞き間違え
そう思いたかった

6/11/2024, 1:18:37 PM

『街が消えた日』

どかーん、と
爆発一つ、二つ、三つ…

真っ暗闇の空から光の雨が降り注ぐ
それが家や地面にぶつかって

どかーん、と
爆発一つ、二つ、三つ…

昨日まで確かにあった
僕の家も
学校も
人も
街も

ぜんぶ、ぜんぶ

どかーん、と
爆発一つ、二つ、三つ

簡単に吹き飛んで消えていった
僕らの3月9日東京




6/9/2024, 1:45:12 AM

『気ままに旅人』

のんびり気ままに歩いていたら
目の前にある道、ふたつ。

どちらに行こうか考えて、
心のままに道と道の間を
真っ直ぐ歩いてみる。

草をかき分けちょっと傷だらけ
だけどそれでいい。

ちらり横みて左
きれいな石畳のくねくね道

ちらり横みて右
荒れ果てたまっすぐ道

そして戻って前は草の壁
少しかき分け歩いて、またかき分ける

大変な道だけど、ほら。
きれいな花を見つけたよ。

気のゆくままに歩いて行けば
どんな道でも、道でなくとも
不思議といいことはあるもので。

だから僕は気ままに旅人。






3/29/2024, 5:04:32 AM

『わたしをみつめて』

誰かは言った。
見つめられると
怖くなる。

誰かは言った。
見つめられると
嘘がつけなくなる。

誰かは言った。
見つめられると
ちゃんとしなきゃと思う。

誰かは言った。
見つめられると
嬉しくなる。

あなたの見つめる先には
どんな人がいるんだろう。

そう思いながら
わたしはあなたを見つめる

Next