『雨に佇む』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雨に佇む
ある少女がいた。その子は雨がきらい。でも雨の日をずっと待っている。
小さい頃から一緒にいた大好きな男の子の幼なじみ。中学生の時、突然消えてしまった。その日が雨だった。
それからか雨の日はずっと、自分でも分からないうちに傘をさして外にいるようになった。
高校生になった今でも。
そしてきらいな雨の日を、いつしか望むようになった。大好きな彼が戻ってくることを願って。
桜樹組、それが俺たちの家だ。
雨に佇む少女
空を見上げて 母を待つ
図書館内に戻り LINE
「ママ 迎えに来て〜」
こういう時は頼ってくる娘
はいはい、今から行くね!
と迎えに行く
そんな 何気ない日常
雨に佇むと
不思議と泣けてくるものだなぁ。
きっと誰にも見られない
安心感に抱かれるのだろうね。
街灯も届かない、雨の音しか聞こえない
路地裏のような場所で
建物の隙間から漏れる繁華街の灯りを
ただぼーっと眺めては雨に佇む影が一つ
闇に紛れるように黒いフードをかぶり
薄っぺらい本を一冊、傘代わりに開いていた
それは心の中そのものを書き溜めたある男の物語
名作とは程遠い、所詮自己満足の殴り書き
それでも一番大事だった
ページをめくるたび、
濡れて、破れて、溶けて排水溝に流されていく
誰にも知られる事もなく、誰の記憶に残る事もなく
この体も一緒に溶けて流れてしまえと思った
濡れに濡れて冷えてそれでも
雨はこの体を弾いていく
熱を作ろうと震える鼓動が雨の音よりうるさくて
もういいよ もういいからと
握りつぶしてしまいたかった
生きようとするこの体が
うっとおしい
綺麗に流れていった心が
羨ましい
でも、
どうせ諦めても消えないなら
どうせいつでも流せるなら
せっかく雨に流したのに
ほら、また元通りだ
空っぽになったはずの心の中が
また疼きだす
一つ書きたい物語ができてしまった
次は誰かの心に残るような綺麗な物語を
「雨に佇む」
立ち止まって耳を澄ませてみれば、話し声が聞こえてくる。
その声は一つ一つ違って、内容も違う。
話し声は大きくなったり小さくなったりしながら、次第に止まっていく。
話し声が止まった後には、きらきらと光る彼らの思い出。
話し声は私を落ち着かせ、思い出は私を元気付ける。
彼らの話が終わるまで、私は彼らの聞き役だ。
雨に佇む君を遠くから見てる。
付いてこないでって君は言ったけど、
ついてきちゃった。、、
僕は悪い人。
「 雨に佇む 」
早朝 5:00
天気は今日も雨
草木や花々、樹木から、雫が零れ落ちる
ぽたぽたと
こつこつと
一人の少女がやって来た
まだ幼い少女
歳は九つぐらいだろうか
白くてふわりとしたワンピース
黒くて艶のある長い髪の毛を赤いリボンで一つに結んでいた
雨のように透明で雪のように真っ白な肌によく似合っている
少女は尋ねる
- 雨さん 雨さん どうして泣くの
雨はしとしとと降るだけ
みずたまりが泡沫を唄う
- それなら 私が 安心するまで そばにいてあげる
少女は歩き出す
みずたまりを飛び越え
それはやがて川になり
そして木となる
雨を
陽射しを
雷を
全てを受け止める寛容な心を持て
雨に佇む ───
023【雨に佇む】2022.08.27
今日は土砂降り。そんな日にかぎって病院の予約がはいってて。ただでさえ気が重い体の上に雨合羽を着て、原付にまたがり、エンジンをかける。
交差点のはるか手前では、首周り、手首周り、足首周り、全方向から侵入してくる雨滴の容赦なさに耐えながら、一心に青信号を待って、雨に佇む。
そこは、路地で。隣で、排ガスをふかしているのはワンボックスカーで。そうでなくても、肩身が狭い思いをしていのは、原付なのに。道沿いの民家の壁ギリギリにむかって、上半身ごと車体を傾けた。
帰りにも、また、同じ路地で、同じように。濡れそぼつことになるんだろうか。
のろのろと動きはじめた車の列に足並みをそろえながら、わざわざそんなことをかんがえている。うらぶれた気持ちが、加速していくだけなのに。
雨に佇む
しとしと しとしと 雨が降る
命の恵みでもある 空のしずく
今日は どこにも出かけられないなぁ、と
ぼんやり 空を眺める
くすんだ空 どんよりした顔してる
灰色の雲が 空を目隠し
明日は その手を 離してくれるかな
洗濯干しは 室内で
シーツは明日、洗おうか
買い物は 明日にしよう
そんなことを つらつらと 考えながら
空のしずくに 耳を澄まし
今日できることに 心を向ける
雨に寄り添うわたしの時間
その日 その時 できることに
心を向けよう 傾けよう
雨に佇む。
なんて美しい響きだろう。
連想されたのは、ポツンとした静寂。
誰もいない、静かだ。
そういう場所が、私は好きなのかもしれない。
雨に佇む。
遠くの空のどんよりとした雰囲気。
少し冷たさを混ぜた、湿った風が吹いて。
不規則な強さの風の中に、雨の気配を感じる。
もうすぐ、雨が振りそうだ。
しばらくぶりの雨は、夏の暑さで灼かれた街を。
涼しく潤してくれるだろう。
風が、空気を運んでくれたら、
程よく湿度を飛ばして、過ごしやすいが。
さて、今日はそう上手くいくだろうか。
夏の雨は、突然降り出して厄介だけれど。
それが久しぶりだと安堵する。
晴れでも、雨でも、あんまり続くと嫌になるものだ。
かと言って、不安定な天気には文句ばかり言うが。
ポツポツと、雨音が響きだして。
あっという間に、目の前が覆い尽くされた。
アスファルトに、屋根に、植木に。
色んな場所に、落ちる雨で、色んな音がする。
普段は気にもしないが、案外雨音を聴いてみると。
おもしろくて、どこか、たのしい。
通り雨は、しばらくしたらいなくなる。
少しぐらいのんびり聴いていようか。
雨が降る、束の間の休息。
あなたがまち合わせ時間になっても現れないから何してるんだろうと思い雨の中一人佇む私。
連絡しても繋がらないし来る気配がないから周辺を散歩することに。しばらく歩いていると、ある二人の男女が目に入った。公園で雨に濡れながら二人抱き合ってキスを交わしている二人、それは彼であると気づき何が起きているのか分からなくて頭が真っ白になり佇む私。
これはフィクションです。
「雨に佇む」
卒業4 ~雨~
雨の日は必ずと言ってもいいほど泣いてしまう。
雨を見る度に思い出す。あの、卒業式を。
「もう、5か月もたってしまったのか」
月日が流れる。
その度にあの時から遠ざかってしまうような感覚に陥る。
そうなってしまったら、少しでもあの時と近づこうとして微かに残っている記憶を探る。
そして、思い出す。
涙が溢れる。
その時は、もう一度貴方に会えた気がする。
だから私は雨に佇む
<雨に佇む>
雨の日の風景が好きだ。
葉を、花を、土を、空から零れ落ちた雫が濡らす。
雨音が余計な雑音を遮断し、狭まった視界に見えるのは草木と水が描く線のみ。
普段は苦手だが、雨の匂いに混ざってほんの少し香る煙草の匂いは嫌いではない。
見上げれば予想通り捉えた人影。
雨に佇む君はいつもとは違う儚さを纏っていて。
薄暗い世界に溶けてしまいそうな彼は、広がらない煙を見届けると人工的な灯りが照らす室内へと戻っていった。
今日も雨は嫌いになれない。
【雨に佇む】
「雨に佇む」
私の住んでいる地域では 数ヶ月に1度 天気雨が降る
私は天気雨が好き。 何故か落ち着く 亡くなった祖母が 「天気雨は狐の嫁入りと言うのよ 」と教えてくれた そして祖母は 天気雨が降った時 絶対に 傘をささなかった 天気雨は 何処か 暖かく 何かに 包まれているような 感じがする だから 私は 狐が嫁入りした時 自然と 雨に佇んでいるのかもしれない…
ぴちょん
ぴちょん
葉の先を伝って
雫が現れ、
落ちて
現れ、
落ちて。
葉の先を伝って
落ちてきた雫が
ぼってり
かっぱを着た私の頭に着地する。
冷めた体が冷めていく。
冷めた体が冷めていく。
湿った木。
ぼってり落ちて、
何事も無かったかのように
私に馴染んで消えてゆく雫。
無数の白い線。
黒い空をうつしだした水溜まりに
飛び込んでゆく水。
私は
雨に佇んでいる。
「雨に佇む」
「雨に佇む」
雨に降られたまま
ただ ただ
その場に佇んでいる人を見ても
決して傘を差し出そうとは
思わないで下さい
それは私かもしれません
ただ ただ
降る雨を見上げて泣いているかもしれません
雨で涙を誤魔化すなんてダサいかもしれません
それでも
雨と一緒に泣きたいのです
洗い流したいのです
傘を差し出さないで下さい
甘やかさないで下さい
そんな事言うと
人の親切心を無駄にしてしまう非情な女に聞こえるでしょう
それでも構いません
私が待つのはただ一つの傘
だけど
差し出される事はないかもしれません
雨が止むのが早いのか
それとも待ち人の傘が早いのか
私は分からずに
ただ ただ
雨に佇む
雨が降れば虹が出る。
そうやって人生は進んでいくものだと思っていた。
何をやっても上手くいかない。どんなに考えても反対され、前に進めない。進みたい気持ちは十分あるのに。 雨の日は何だか孤独な自分が窓に移る。雨の音で何をすべきなのか気付く。
雨に佇む。
出かけたくても
出かけられない時は
雨に佇む。
遊びに出られない時は
家にいるなら
雨に佇む。