「 雨に佇む 」
早朝 5:00
天気は今日も雨
草木や花々、樹木から、雫が零れ落ちる
ぽたぽたと
こつこつと
一人の少女がやって来た
まだ幼い少女
歳は九つぐらいだろうか
白くてふわりとしたワンピース
黒くて艶のある長い髪の毛を赤いリボンで一つに結んでいた
雨のように透明で雪のように真っ白な肌によく似合っている
少女は尋ねる
- 雨さん 雨さん どうして泣くの
雨はしとしとと降るだけ
みずたまりが泡沫を唄う
- それなら 私が 安心するまで そばにいてあげる
少女は歩き出す
みずたまりを飛び越え
それはやがて川になり
そして木となる
雨を
陽射しを
雷を
全てを受け止める寛容な心を持て
雨に佇む ───
8/27/2022, 2:51:15 PM