『雨に佇む』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
“雨に佇む”
雨に佇んでいる君は
ぐっしょりと濡れて
身体の芯まで冷え切っている
そんなとき
僕は僕の傘で君にかかる雨を遮るよ
ぎゅって抱きしめて温めてあげる
その代わり君は
雨に佇んでいる誰かに出会ったら
その人に寄り添ってあげてね
そうやって優しさの輪を繋げて
雨に佇む人がいつかいなくなるといいね
今日の幸せだったこととか
楽しかったことを書けば
あなたと話したことや
あなたがしてくれたこと
あなたとの想い出で
埋まってしまう
私の日記帳
(昨日のテーマ)
好きな人ができると私はいつも佇んでしまう。
なにか興味がある人やものができると誰でも佇んでしまう。
これは、私の夢の話だが、、、。
『 雨に佇む 』
昔むかし、とっても会いたい人がいて
その頃は、携帯電話なんて無いから
すぐ会えるわけではなくて
一度だけ、何も伝えずに
会いに行ったことがあった。
お家電話もその時初めてかけて
でもお留守で
あきらめて帰ろうかとバス停に
パラパラ雨が降り出し
そこから、ザーっと激しくなって
傘もなく
ただただ雨に佇む。
今思うと、そんな自分にゾッとする。
雨に濡れても、打たれても
起きた事をなかった事には出来ないし
誰かが喜ぶわけでもない
それを知っているのに
あの子はずっと佇んでいる
今、私が言葉をかけても
一滴の雨音にも及ばない
今、あの子の中には音が流れている
それが鳴り終わる時
顔を上げ、また前に進める
あなたの心
わたしのこころ、、
雨に佇む私たち
同じ傘に入ろう
肩が触れ合うだけで
それだけでいい。
雨に佇む
傘を忘れボロボロな僕は雨に降られている。
雨宿りする場所なんてない。
何もかも流してくれるかのような、雨に佇む。
土砂降り
天気予報では雨が降る確率0%だったのにな…
あそこで雨宿りできるかな〜
そう思っていたら先客がいた
「あ、ごめんなさい」
と言って他のところに行こうとした瞬間
「待って…!」
え?
「…あなたもここで雨宿りしない?」
お題 雨で佇む
雨に佇むは
あの日の楽しかった幻影か
お別れした後ろめたさか
泣くに泣けない日曜日
「日曜日に雨」を聴いて
打たれ跪いてまた前を見る
『ちょっと一息ついて、立ち止まろうか』
って事じゃない?
そんな日があっても、いいんじゃない?
「雨に佇む」
雫の声を聞き その場で心踊る 君の隣で 一緒に唄おうか メロディは雨が奏でてくれる 雫の声と君の声を受けて 僕も全身で 全力で この声を この声を あなたへ届けたい
僕は雨の中一人で佇んでいる
傘もささずに立っている
さっき公園で振られた
それが悲しくて虚しくて下を向いている
いつになったら立ち直れるだろうか
とても静かな時間が過ぎていった
―私の日記帳―
日記はないの
だって私がいるじゃない。
今日は災難だった。
スマホを家に忘れ、電車には置いていかれ、
好きだった子には彼女がいることを知った。
終いにはこれだ。天気予報なんて当たりゃしない。
靴下はもちろん、通学バックの中身まで濡れた。
課題のプリントをファイルに挟まなかった事を悔やむ。
私のも、と押し付けられたプリントも犠牲になった。
後に降り掛かる報復は恐ろしいが、気分はいい。
家に帰ったら、このプリント含め二人分の課題を
こなさねばならない。ただでさえ内容量が多いのに。
あいつは今も男の家にいる。
この雨を利用して。私を利用して。
今この時も、男と楽しんでいるのだろう。
いつかの映画で見たように、
このまま雨が振り続けてくれたら。
学校も家も水没して、あいつらも溺死すればいい。
この足首を濡らす不快な泥水が首上まで来ることを、
看板の下で一人、虚しく望んだ。
雨に佇む/
たたず-む【佇む】
しばらく一ヶ所に立ちどまる。
「私とあなたじゃ住む世界が違う 第三話」
零也は悩んでいた。オリジナル曲を制作するのだが、やり方がさっぱり分からない。その事に付いて澄は、
「作曲者さんを探して、イメージを伝えて曲を作って、歌詞を自分で考えて、絵師さんと動画編集者さんを探して、イメージを伝えて、PV(プロモーションビデオ)を作ってもらう」
と、言っていた。将生は、
「オリ曲作るのって、メッチャ難しい…」
と、凍り付いていた。
「まず、オリ曲作んねーと、戦う武器や呪文が無い状態じゃ戦えないからな」
零也は、学校の課題もしないといけないのもあってか、頭の中が両者でせめぎ合っていた。
「…斎藤か。頼む、移り気はしないでくれ!」
志那は、動画のチェックをしていた。
「何よー!歌い手としての投稿、ココん所全く無いじゃん!…あ、個人の動画メインの可能性もあるか…」
志那は、零也が少し心配になった。歌い手辞めるのでは無いかと。
「…あ、パズルとコラボしてる。林檎王子とコラボして欲しかったな。でも…よく考えたら、林檎王子は忙しすぎて無理か」
志那は、空想の世界に入った。
「林檎王子のラピスもシトリンもローズもアンバーもアメジストも、みーんなセラフィの事が好きなのかな?あ、アメジストは脱退したか。セラフィはパズルのスカーレットと接点でもあるのかな?両方ともヒヨコ飼ってるし。動物飼ってると言えば、パズルのスノーもうさぎ飼ってたな…」
零也は悩んでいた。
「コッチから斎藤に話しかけるか?でも、そんな事して、向こうは気がなかったら、完全に自滅だろ?魔性と言う名の魔剣に突き刺さったままの地獄の奴隷は天界の天使に笑われるぜ…」
零也は、しばらく考えていると、
「零也、掃除手伝ってくれんか?」
と、父に呼ばれた。
「境内の掃除だろ?あ゛ー!せっかく歌詞考えてる最中だったのによー!」
志那は、自分の将来について考え始めた。
「私って、何か特技あったっけ?趣味は…林檎王子の追っかけ。ソレ、趣味じゃ無いじゃん。私って、何にも無い人間?!」
志那は、自分が無個性な現実を突き付けられた。「進路、どうするんだよ」と。
「ミーハーだから、出版社の記者や編集って所かな…?私の学力、そこまであるのかな?悲しくなって来た…」
志那は、自分の愚かさを悔いた。
「あ、LINEだ」
LINEに由里からのメッセージが届いた。
「明日、ジャニーズのコンサートがあるから一緒に行こ?」
志那は、しばらく考えた。
「気晴らしに行ってみるか。たまには顔の見えるアイドルも良いのかも知れないね」
一方、梨々華は
「私が、零也の秘密を知らないとでも思ってるの?志那に現実見せてやろうかな?」
と、何か企んでいた。
【雨に佇む】短編⑥
ポツポツと降り始めた雨は
今の私の気持ちを代弁するかのように
ますます激しくなっていった
ひたりと頬にかかった水の粒は
冷たくてやけに、しょっぱかった
しょうがないから
少しでもましな所へと
木の下に逃げ込む
空を見上げればまだまだ
雨は上がりそうになかった
誰も居なくなった街で
ひとり 雨に佇む
雨に佇む
買い物を終えスーパーを出る。
昼過ぎたというのに今朝からの雨が、まだ止まない。
荷物を抱え車の方へと歩き出す瞬間、自分は一体何をしてるのだろう、と立ち止まる。愛する家族のため?
40年前、キャリアウーマンになるはずだったのよね?
店先に傘もささずに、暫し佇む。
雨に佇む
濡れた心
雨に佇む日々…
先の見えない不安に
怯え…涙溢れ…
辛い気持ちを隠し
不安に耐え
1人
雨に佇む
「どうしてそんなところで突っ立ってるんです」
雨がコンクリートとぶつかりザアザアと音を立てる中、歩道橋の上で傘もささずに佇む少女の姿があった。
ずぶ濡れになりながら俯く彼女にそっと無地の傘をかかげ、優しく声をかける。私の声などはなから聞こえてはいないのか、それとも雨音でかき消されてしまっているのか。
彼女はそこに突っ立ったまま体をピクリとも動かさない。
「風邪をひいてしまいますよ。
どこか屋根のあるところへ行きませんか」
「……雨が止むのを、待ってる」
はらり、と落ちた長い髪の隙間から、黒く憂いに染まった瞳が見えた。
私は思わず後ずさった。あまりにも空虚で何も映さないその瞳が、以前失踪した私の知り合いにひどく似ていたから。
雨に佇む.
たまには
カラフルな傘をさして
公園にでも出掛けようか
公園に行くのは
晴れた日だけの特権じゃない
雨の日だって
雨の日なりの
楽しみかたがあるはず
例えば
いつもは笑い声絶えない
滑り台だとか
ブランコが
まるで
『今日は一回お休み』と
言わんばかりに
静かにたたずんでいる
それを見ながら僕も
雨で濡れてしまって誰も座れぬ
ベンチの前にたたずみ
君と過ごした日々を思い出す
雨がぱたぱたと傘をたたく
雨に佇む僕を見て
きっと君は心配する
風邪を引きやすいからと言って
早く家に帰りなさい、と。
そして僕はちらりと
空を見上げ、歩き出す
もう君の『お帰り』が
響く事のない家へ
#雨に佇む