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【雨に佇む】短編⑥
ポツポツと降り始めた雨は

今の私の気持ちを代弁するかのように
ますます激しくなっていった

ひたりと頬にかかった水の粒は
冷たくてやけに、しょっぱかった

しょうがないから
少しでもましな所へと
木の下に逃げ込む

空を見上げればまだまだ
雨は上がりそうになかった

誰も居なくなった街で
 
ひとり 雨に佇む

8/27/2022, 10:36:44 AM