「私とあなたじゃ住む世界が違う 第三話」
零也は悩んでいた。オリジナル曲を制作するのだが、やり方がさっぱり分からない。その事に付いて澄は、
「作曲者さんを探して、イメージを伝えて曲を作って、歌詞を自分で考えて、絵師さんと動画編集者さんを探して、イメージを伝えて、PV(プロモーションビデオ)を作ってもらう」
と、言っていた。将生は、
「オリ曲作るのって、メッチャ難しい…」
と、凍り付いていた。
「まず、オリ曲作んねーと、戦う武器や呪文が無い状態じゃ戦えないからな」
零也は、学校の課題もしないといけないのもあってか、頭の中が両者でせめぎ合っていた。
「…斎藤か。頼む、移り気はしないでくれ!」
志那は、動画のチェックをしていた。
「何よー!歌い手としての投稿、ココん所全く無いじゃん!…あ、個人の動画メインの可能性もあるか…」
志那は、零也が少し心配になった。歌い手辞めるのでは無いかと。
「…あ、パズルとコラボしてる。林檎王子とコラボして欲しかったな。でも…よく考えたら、林檎王子は忙しすぎて無理か」
志那は、空想の世界に入った。
「林檎王子のラピスもシトリンもローズもアンバーもアメジストも、みーんなセラフィの事が好きなのかな?あ、アメジストは脱退したか。セラフィはパズルのスカーレットと接点でもあるのかな?両方ともヒヨコ飼ってるし。動物飼ってると言えば、パズルのスノーもうさぎ飼ってたな…」
零也は悩んでいた。
「コッチから斎藤に話しかけるか?でも、そんな事して、向こうは気がなかったら、完全に自滅だろ?魔性と言う名の魔剣に突き刺さったままの地獄の奴隷は天界の天使に笑われるぜ…」
零也は、しばらく考えていると、
「零也、掃除手伝ってくれんか?」
と、父に呼ばれた。
「境内の掃除だろ?あ゛ー!せっかく歌詞考えてる最中だったのによー!」
志那は、自分の将来について考え始めた。
「私って、何か特技あったっけ?趣味は…林檎王子の追っかけ。ソレ、趣味じゃ無いじゃん。私って、何にも無い人間?!」
志那は、自分が無個性な現実を突き付けられた。「進路、どうするんだよ」と。
「ミーハーだから、出版社の記者や編集って所かな…?私の学力、そこまであるのかな?悲しくなって来た…」
志那は、自分の愚かさを悔いた。
「あ、LINEだ」
LINEに由里からのメッセージが届いた。
「明日、ジャニーズのコンサートがあるから一緒に行こ?」
志那は、しばらく考えた。
「気晴らしに行ってみるか。たまには顔の見えるアイドルも良いのかも知れないね」
一方、梨々華は
「私が、零也の秘密を知らないとでも思ってるの?志那に現実見せてやろうかな?」
と、何か企んでいた。
8/27/2022, 10:38:22 AM