『開けないLINE』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『開けないLINE』💚
先輩には送れる文章が
あなた相手だと
手が震えて打てなくなる。
僕に興味なさそうだから
これ以上変なことして嫌われるより
今の話せる関係のままがいいって。
そんな事は誰にも言えず、
また一人、LINEを見つめる。
開けないLINE
開けなければ良かった
さっさと開けて良かった
怒りをぶつけてしまおうか
未読のまま消してしまおうか
こんなに悩むのだから
離れた方がいいのだろう
でも愛されたかった
どうしても執着してしまう
私はどうしたいんだろう
どうなりたいんだろう
私のメガネはボロボロで
もうあなたの顔さえ
まともに見えないんだ
今日1日、うっかり寝て過ごしてしまった
何となく、スマホに圧がある
メンヘラ彼女の留守電とスタ連がステータスバーから確認できる。
表示は999+となっている
僕はそっと彼女をブロックした
ー開けないLINEー
「開けないLINE」
まさしく!
やらないからね。
今日、同性の好きな先輩にラブレターを渡しました(事実)
『ゆっくりでいいのでお返事れると嬉しいです』
そう書きました
渡した時間から4時間。
今だに先輩のLINEは昨日のLINEのまま。
来ても見たくない見るのが怖い
(開けないLINE)
[開けないLINE]
貴方とLINEをしたくて開こうとしたLINE
だけど、…なぜか開けない…
貴方が他の人とLINEをしているのを想像すると、
開けない、私だけ見てよ…、
それから挨拶や話をしようとしても…
なかなか開けないLINE…
〚開けないLINE〛
ある一つのLINE。
僕とあの人との通話とメッセージが残ってる。
その人はかつて、同棲もしたことがある。
でも今は僕が逃げ出したせいで。
家自体が消えてしまった。
想い出も付き合うまでの想いも全て。
逃げ出した理由なんて、一つ。
それは僕と彼が同じ同性の男だったから。
そのままで良いさ
分かっているから
開けないLINE
【開けないLINE】
彼氏からのLINE
トーク画面を見る
彼氏〘どこにいるの?〙
彼氏とデートしてる
なんて、言えるわけない。
「開けないLINE」とかけまして
「黒くて小さくて動くもの」と解きます。
その心は「無視/虫」だと思われるでしょう。
「好きです」の
通知画面に
鳴る鼓動
スマホ伏せつつ
頭の中は白
またね。
いつも通りのやり取り…
また、明日もこんな日が続くんだと
思ってた、
3日前、彼から連絡があった
そこにはたった一言
こう、書かれていた
゛好きな人が出来たから、もうやり取り
は辞めよう゛
こうして、彼とのやり取りはそれきり
以来、そのLINEは開けずにいる
開いたら、色々思い出しちゃうから
開けないLINE/夜凪
【開けないLINE】
「うーん、どう解釈するべきか……」
「なにかお悩みですか、わが寛大なる教授」
「おお、わが聡明なる助手よ。君ならこの言葉をどう読むかね」
「ん?んー……ひらけない……LINE?でしょうか?」
「なんと!私は“あけない”と読んでしまった!ここからして齟齬が生じる、難解な言語よ!」
「しかし教授、あけないもひらけないも意味は大して変わりませんよね?」
「ニュアンス的な違いはあるんだが、まあ良しとしよう。だが意味をどう取る?君が読んだ“ひらけないLINE”は、どんな状態を伝えていると思うかね」
「そう……ですねえ、主語がないのでなんとも……直感的に言えば、なにか支障があってひらくことができないLINE、ということでしょうか……」
「なるほど、ひらくことが不可能だと言いたいのだな。ら抜き言葉であるな」
「そうですね!ら抜きじゃない“開けられないLINE”とあればもう少し解りやすかったと思います」
「だがもしら抜きでなければどうか?」
「それだと意思になりますか……?ひらこうとしない……?」
「そうだな、例えば誰かに“開けないのか?”と聞かれたときに“うん、開けない”と返答すればそうなるな」
「んーー、そうなると……」
「そうなると…………」
「…………」
「…………」
「もう……どうでもよくなってきますね」
「ああ……もうはっきり言って飽きてきた、真面目に考えるのが」
「じゃ、もうこの問題はうっちゃってカフェにでも行きましょう、教授。コーヒーを飲んで頭をすっきりさせることをおすすめします」
「そうだな、ついでに甘いものも頂いておこう。脳細胞の疲労を回復せねば」
✜ ✜ ✜ 結論・日本語って難しい ✜ ✜ ✜
きみはまた自然消滅だなどと言うのでしょう
そう思いながらブロックを押す
20240901.NO.40.「開けないLINE」
ふとスマホを弄ってたら、画面の上からバナーが出てきた。彼氏からのLINEだ。
『話したいことがあるんだけど、時間ある?』
しばらくバナーが消えるまでぼうっと眺めた。正直、どう返信すればいいのか、すぐに既読をつけたくもないくらい気が重い。彼と大喧嘩して1週間経つ。きっかけはほんの些細なこと。それが今まで蓄積した不満がお互いに爆発して沢山酷い言葉で傷つけあってしまった。終いには「あんたなんか消えちまえ!」って怒鳴ってた。
数日経って冷静になれたけど、どんな顔を向けて謝ればいいのか、プライドが邪魔をしてズルズルと今日まで連絡も出来ずにいた。だから、話したいことは別れ話なのだろう。今まで沢山迷惑を掛けてるから、愛想を尽かされてもおかしくないくらいだ。別れたくないけど、そんな都合よく事態が良くなるわけないのは承知だ。
バナーをタップしてLINEのトーク画面が映る。文字を入力している時間が、いつもより長く感じる。どう返信しようか悩む必要なんてないのに悩んで、ようやく文ができた。私は送信ボタンを押す。
『いいよ。通話で話さない?』
シュポンッと鳴った瞬間に既読がついた。「あっ」、気づいた時には着信画面に切り替わっていた。待っていたんだ。身体の強ばりが和らいだ気がして、躊躇わず応答ボタンをスライドさせた。
開けないLINE
グループLINEに招待されてから
個人に送ることはない
個別に届いたら返事をする
ただそれだけ
グループLINEも必要な連絡で
ほぼ終了
ふいにきみの声が聞こえる
楽しそうなきみの声
グループLINEでつながるきみ
きみのLINEを知らないぼく
きみと目があったその瞬間
ぼくはきみとつながる気がする
『害獣駆除(がいじゅうくじょ)』
いつもの東京、少し梅雨明け、雨上がりでまだ湿気が人々の心に侵食し始めない頃。
午前三時の鬱屈としたような空の下、たった一つの端末を見る。
「''午前四時、次の仕事は××××だ''」
「……」
薄暗く、血の臭いが微かにする路地裏で、いつもの依頼を確認。
つまらない日常、いつも通りだ。
「それにしても、午前四時ね…まぁ、普通の仕事としての時間としてはちと早いよな」
いや、嘘だ。普通の仕事だったら大分早い。
こんな早い時間からの仕事はブラック企業ぐらいだろう。
「あー後一時間かぁ。適当にパンでも買って朝食にするか」
昨日の仕事が遅れたおかげで、朝食のパンにジャム塗ることできねーじゃねぇか。
「少しは休ませろって話よなぁ」
そんな小言をグチグチと誰かに言いながら、
その誰か御用達のパン屋でクロワッサンを買う。
「あっま。なーにこのクロワッサン…昔ばあちゃんが作ってくれた梅シロップみてぇ」
少々甘すぎるクロワッサンに悶絶しながら、
タイムリミットまで残り四十分を指しているスマホの時計を眺める。
「あ、そういや明日って俺の誕生日だっけ。仕事終わったらケーキでも買いに行くか」
LINEを整理していたら、仕事関連のグループLINEで「''綾瀬の誕生日!''」とイベントに書かれていた。綾瀬とは、自分のコードネームだ。本名じゃない。
「いやでも確か十一時辺りにも仕事入ってたっけな。んーじゃあケーキはなしか」
ケーキなしという事実に眉毛をしゅんと下げながら、またLINEの整理を再開する。
ーー仕事です。仕事です。あと三分でタイムリミットです。
スマホに搭載されている仕事お知らせ補助音声、
略して''SIHO''が仕事の時間を伝えてくれた。
SIHOは勿論俺が''改良''したものだ。元からあったものではない。
「ふ~ふふ、ふんふ~ん…あーこれなんだったっけ曲名」
仕事場まで歩きながら、昔母が教えてくれた歌を無意識に歌っていた。
「ふんふん~ふ~あ、着いた」
さっきの路地裏とはまったく違う華やかなパーティー会場に着いた。
「そこのお方、ドレスコードはご確認になられたのでしょうか?」
「あ、すみません''end beginning''のものです」
「あぁ、enbyのお方でしたか。すみません。お仕事、お疲れ様です」
「いえいえ、あーでもこの格好だとバレやすいですかね」
「よかったら、お召し物お貸しいたしましょうか?」
「すみません、頼みます」
どうやらドレスコードがなっていなかったらしく、使用人に注意を受けた。
だけど変わりに服を貸してもらったので、結果オーライだ。
「えっと、今回の対象者は…あ、あの人か」
仕事で依頼された対象者の特徴を書かれたメモを読みながら会場にいる全員を見ていき、対象者を見つける。
「確か情報によると面食いだっけ?まぁ、自分イケメンだしいけるっしょ。性格はーあーチャラ系ね。うーわ久しぶりにやるわチャラ系とか…んっんんっ…よし」
コツコツコツ……
「ねぇねぇお姉さん。これ、落としましたよ?」
「え?あ、ありがとうございます!」
反応を見るに、タイプぴったりっぽいぞ
「あ、そーだ。俺、ちょっと道迷ってんすよねぇ。案内してもらってもいいっすか?」
「え、も、もちろん!!」
コツコツ…
よし、ここら辺でいいかな
「ねぇ、お姉さん。ちょっとこっち向いて?」
「へ?な、なn」
ドッ
「…うん。死んでる」
頭を肘打ちで一発。大抵の女はこれで死ぬ。案の定このお嬢さんも。
ピロンッ
「今回結構ラク…ってもう次の仕事かよ」
人の気持ちも考えずによ……
「まぁ、あいつらが人の気持ちを考えるわけねぇか。依頼内容は…」
「''次はお前の____''」
「!」
俺は、その前文だけで全てを察した。
「あーあ、ついにきちゃったかぁ。俺にもこの依頼が……」
そう呟いて、亡くなったお嬢さんに花を手向ける。
「ごめんな。俺もやりたくてやってるわけじゃねぇんだ」
白色だったカーペットに染まる赤が美しい。
「じゃー早く終わらせちゃいますかぁ」
はは…と軽く笑ってスマホを持つ男から見えた深い悲しみと愛の色。
そしてスマホの
「''親を殺せ''」
梅雨明け関係なく、彼には今日も雨が降る。
決して上がることのない、慈愛に満ちた雨が。
お題『開けないLINE』
※鬱屈(うっくつ)=気分が清々せずに、塞ぐこと。
※御用達(ごようたし)
織川より
めっちゃギリギリセーフです。久しぶりの休日です。明日と月曜日のも書けそうです!
是非、楽しみにしてくれていたら嬉しいです。この作品お気に入り登録してくれてる人しか見られないかもですね。ギリギリなので
開けないLINE
初めて彼女が出来た。
向こうから告白してきて
その時まで気づくことも出来なかった。
太ももが震えた。
元々友達としてLINEは交換していたが
付き合いはじめてから初の連絡だった。
『色々話そ?』
なんて返せばいいか分からなかった。
周りのヤツに聞いてみて
やっと開くことが出来た。
「今までモテとか意識してなかったよな。
そんなお前を好きになったんだから
何も考える必要は無いだろ」
思い出していく
言葉を血肉にして
指を動かした
大学2年生になった私は1つ年上の彼氏の喧嘩をしたばかりだった。彼氏は私のキレやすい性格を理解してどんな時も寄り添ってくれた。そんな彼と喧嘩したのは初めてで意地を張って謝ることができなかった。
私からしなくてもきっと彼の方から謝ってくれるだろうと思っていた一昨日の私を恨む。優しさに甘えすぎていたな、と今冷静になって思った。
どうしよう。あんなに優しい彼を怒らせてしまった。
今日は私から謝らないと。でも、もう、遅いかもしれない。引かれてたら…もう会ってくれないかな…
そんな思いを振り切ってLINEを開こうとしたけど手が震えて。
早く彼に謝りたいと思う。だけど体がそれを拒否きている。開かないLINE。いや、開けないLINE。
「開けないLINE」
いつか開こうと思った君のLINE。
どうしても、開けなかった。
これは、あの日、君が送ってきたものだったから。
携帯を見ていた。
特といってすることもなく、ただ寝転がっていた。
LINEを開いて、一件通知があることを確認する。
毎日のルーティーンだ。いつから始めたのだったか。
否、それははっきりと覚えている。
あの日。
君がいなくなった次の日からだ。
「ごめんなさい。…」
そう、通知が来ていた。
君には、誰にも言わず、失踪した。
家族にも、クラスメイトにも、僕にも。
だれも何でいなくなったのか、何処へ行ったのかすらわからなかった。
警察も介入してくれたが、一向にして行方は分からなかった。
学校でも、いじめはなかった。
それは僕が一番知っている。
だからこそ、意味が分からなかった。
なにも、分からなくなった。
どうして僕に言ってくれなかったのだろう。
なぜ消えてしまったのだろう。
君から、LINEが来ている。
それを知ったのは、何も信じられなくなって、不登校気味になっていたあの日からだ。
誰か、何か言ってくれないだろうか。
確かに、君の失踪のせいでクラスLINEは荒れていた。
だけど、そんなことはどうでもよかった。
ただ、ニュースとかになっていないか、それだけが知りたかった。
そんな時、君から通知が来た。
「ごめんなさい。…」
長かったからか、そこからは読めなかった。
開きたかった。
開けなかった。
君は僕に何が言いたいのか。
もしかしたら、何か重要な事を言っているのかもしれない。
でも怖かった。
もし、何かあったら。
それだけで、開かないことを決めていた。
今は違った。
もし、僕に行方が届いていて、それを隠しているように見られたら。
僕のせいで捜査が難航しているように思われたら。
それすらも怖くなっていた。
なぜか、今日は、今は開きたいと思った。
君の送ってきたものを知りたかった。
何故だかは分からない。好奇心が膨らんだ、だけかもしれない。
ただ、押すだけだった。その操作すら、怖がっていたのに。
今日はしたくなった。
震える指で、押す。
画面が変わり、内容が開かれる。
長めの文章を、目で追い続けた。
「ごめんなさい。急にいなくなって。
家族にも、君にも言わず。
どうしても、いなくなりたかった。ただ、それだけだったのかもな。
理由ぐらいは誰かに言ってもいいかもしれない。
そうも思った。
でも、ごめん。いえないな。
ただ、『ごめんね』としかいえない。
でも。
また君に会いたい。」
そう、綴られていた。