Seaside cafe with cloudy sky

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【開けないLINE】

「うーん、どう解釈するべきか……」
「なにかお悩みですか、わが寛大なる教授」
「おお、わが聡明なる助手よ。君ならこの言葉をどう読むかね」
「ん?んー……ひらけない……LINE?でしょうか?」
「なんと!私は“あけない”と読んでしまった!ここからして齟齬が生じる、難解な言語よ!」
「しかし教授、あけないもひらけないも意味は大して変わりませんよね?」
「ニュアンス的な違いはあるんだが、まあ良しとしよう。だが意味をどう取る?君が読んだ“ひらけないLINE”は、どんな状態を伝えていると思うかね」
「そう……ですねえ、主語がないのでなんとも……直感的に言えば、なにか支障があってひらくことができないLINE、ということでしょうか……」
「なるほど、ひらくことが不可能だと言いたいのだな。ら抜き言葉であるな」
「そうですね!ら抜きじゃない“開けられないLINE”とあればもう少し解りやすかったと思います」
「だがもしら抜きでなければどうか?」
「それだと意思になりますか……?ひらこうとしない……?」
「そうだな、例えば誰かに“開けないのか?”と聞かれたときに“うん、開けない”と返答すればそうなるな」
「んーー、そうなると……」
「そうなると…………」
「…………」
「…………」
「もう……どうでもよくなってきますね」
「ああ……もうはっきり言って飽きてきた、真面目に考えるのが」
「じゃ、もうこの問題はうっちゃってカフェにでも行きましょう、教授。コーヒーを飲んで頭をすっきりさせることをおすすめします」
「そうだな、ついでに甘いものも頂いておこう。脳細胞の疲労を回復せねば」

✜ ✜ ✜ 結論・日本語って難しい ✜ ✜ ✜

9/1/2024, 10:04:27 AM