『閉ざされた日記』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
本音を込めた日記
私の日記
私だけの日記
だから、誰にも知られちゃいけなくて。
でも、そんな私に君は言ったんだよ
「君の本心じゃなくても、人に優しくできるのはいい人だよ」
って。
でもね、
君のそばにいたいと思ってしまった私は多分
いい人じゃないよ。
閉ざされた日記を開くと、思いも寄らない言葉の数々。
あんなに明るく振る舞っていた人がこんなに悩んでいたのか。
表の顔と裏の顔両立させながら生きていく。
白紙のページに書き足す。
「全て含めて好きでした」と。
アイツは毎日日記をつけていた。
うれしいこと、楽しいこと
悲しいこと、いろいろ書いてあった。
アイツは自殺した
キレイなまんま、旅立った。
アイツの日記は閉ざされた
だから私が日記を書く
誰よりも長生きして
どんな人生だったか
アイツに自慢するのが
私の夢だから
櫂の力強い走りは小舟を動かす
小舟は初めて水面を走る
それはどちらか一方でも欠ければ出来ぬこと
小舟だけでは水面を走れず
櫂だけでは走り出す事もままならず
小舟を運ぶのは櫂である
櫂を運ぶのは小舟である
閉ざされた日記
今日
嘘をついたこと
あなたをなんとも
思っていないと
閉ざされた日記には
あなたが
好きと書いて
閉まった
なな🐶
2024年1月18日244
中学生の頃から、日記をつけている。
ほとんどは紙ではない。スマホのメモアプリに書いている。
目の前が暗くなっていく中、私は一生懸命に文章を綴った。
“ほんとうは君の手をとりたかった”
さよなら。私の意識は、血溜まりの海に沈む。
昔と違って今は心を閉じてしまいました
今は少しずつ開いてます
過去にいろいろあって辛いことが沢山ありました
これからは良いことが来るらしいです
自分はそれを祈ってます
その為、いろいろまた一から頑張っていかないといけないです
今の世の中嫌い
心閉じてしまいガチ
自分らしく生きていくよ
現実では生きづらい 苦しい
できることを増やしていこうと思ってる
心が弱いのよ 自分は
強くなりたい 楽しく生きたい
楽しく生きようとすると悪いことが起こるし
嫌な人生だわ
前世の自分は何やってんだが
ちくしょー!(怒)
次はどこで生まれてくるかな
生まれ変わりたい
頑張れ!自分!
また転生してこの世に戻ってくる頃には
世の中は少しだけでもいいから良くなっててほしいな
簡単には難しいけど
片思いの人の事が書かれた日記。
あの人がこんな事話してた。
あの人が笑ってくれた。
あの人が辛そうだった。
あの人が幸せそうだった。
あの人は私の手の届かない人になってしまった。
私の苦しい気持ちが書かれた日記は、思い出と共に奥の奥にしまってあり、もう、日の目は見ないだろうけれど、捨てることもできない日記。
一人暮らしのアパートに帰ると、部屋いっぱいに、見慣れた顔をした子供と懐かしい猫がいた。
どれも同じ子供、同じ猫。子供の年齢と猫の大きさには差異がある。
これはみんな、ぼくと、ぼくの猫だ。
昨日は久しぶりに日記をひもといて思い出に浸っていたから、うっかり日記をしまっている箱に鍵をかけるのを忘れてしまったようで、思い出が勝手に出てきて遊んでいる。
「あーあ」
苦笑しながらもしばらくの間、懐かしく眺めて、それから。猫と子供の首根っこを掴んで一組ずつ箱に押し込むと、日記帳の一ページ程度の重量しかない彼らは、抵抗もなく箱の中に消えていく。
それを何度も繰り返し、部屋の中には泣きはらした顔で膝を抱えてうつむく少年と自分しかいなくなった。
その姿から、その仕草から。
彼の猫は、彼の心に穴を開けて空へとのぼったばかりだとわかる。
他の子供よりも年かさの彼の頭をそっとなで、顔も上げずに一点を見つめ続ける少年を、他の子らと同じように箱にしまって、最後に鍵をかけた。
箱を置いて、ぎゅっと胸を押さえる。
猫があけた穴は猫でしか埋まらないという。
僕の心にも彼とそっくり同じ形の穴がある。真新しい彼の穴とは違う、縁の固まった古い古い穴だ。
「新しい子をお迎えしようか?」という言葉に首を振り続けていたから、同じ形にずっと開いたままだった。
「……友達が、子猫を拾ったらしくてさ。すごくやんちゃなんだって。もらい手がどうしても見つからないって、いうから」
箱に貼られた写真に触れる。猫を抱えた子供が笑っている写真。思いでの中のぼくと、ぼくの猫。
「もやもやした染みみたいな模様があるから大きくなったらお前みたいなぶちになるかもなあ……」
机の上には真新しい日記帳。
これに明日からの子猫との日々を綴っていく。
私の日記には
楽しかった事、嬉しかった事
読み返せば顔が綻ぶような
幸せな思い出が書き連ねてある
誰が見ても幸せな私がそこにいる
嫉妬 悲哀 憤怒
激情が蔓延る私の心は
誰にもバレないように
誰にも気付かれないように
深く深く底に沈めて、固く鍵をかけて閉ざす
"幸せな私"に見えるようにと
偶像だけでも繕うの
ほろ苦くて真っ黒な私の過去を紙の上に並べる。
どれも二度と見たくないくらいに残酷で、思い出したくもない。
だから二度と見なくて済むように、鍵付きの日記を焼却炉にぶち込んだ。
これで私の過去が消えたとは思わない。
だけどこの過去を知っているのは私と、この閉ざされた日記だけ。
それがなんとなく、友達ができたみたいで嬉しかった。
_____________
あの人との思い出は
もう振り返らない。
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Theme:閉ざされた日記
「日記を歩く」
本棚を整理しながら
数年前の日記に
手が伸びた
カラフルなペンで彩られた
行間の間を歩く
目が覚めるだけで
胸いっぱいに
しあわせが
広がっていた朝があった
好奇心の向かうまま
やりがいに燃えた昼があった
ヒールを履いて
るんるんと
駆け出す夕があった
ときめきが
色とりどりに
舞っていた
懐かしい友人に
出会ったように
きゅうと心が締め付けられる
わたし少し
卑屈になりすぎたかもしれない
開かれた日記
もう鍵を閉めることがないように
#閉ざされた日記
「閉ざされた日記」
私は誰かに絶対知られたくないことは口にも出さないし、書き記したりもしないと心に決めている。
リスクを犯してまで書こうとは思わない。
もし書いてしまえば、きっと気が気じゃいられなくなる。
誰かに見られてしまったんじゃないか。
知られてしまったんじゃないか。
誰にも言ったことない秘密。
あの期間の事。
それだけは誰にも言えない。
例え命を掛けてでも話すつもりは無い。
と、強気では言ってみたものの実際に脅されれば言ってしまうかもしれない。
でも、きっと話してしまえば私はきっと今のままじゃいられない。
昔は思い出す事さえ出来なかった。
頭を過ぎるだけでパニックになっていた。
頭が真っ白になって何も考えられなくなる。
頭に音が響く。身体が震える。
怖くて、辛くて、苦しくて必死に祈る。
無責任に祈ってしまう。
祈る、縋ってしまう。
己の罪だというのに、酷く醜い。
私は逃げている。あの期間から。
必死に背を向けて、見えないふりをする。
例え、どんな理由があろうとも、してしまったことには変わりない。
結果が全てなのだ。
その過程なんて誰も目を向けてくれない。
罪は一生消えてくれない。
罪は重りとなり、手足の自由を奪う。
私はそれを一生背負っていかなければならない。
傷跡と共に。
時計の音
無音
話し声
人
暗い場所
1人
怒鳴り声
叫び声
叩く音
泣き声
割る音
重低音
殴る音
苦しい声
呻き声
全部あの日から。
あの期間の事は今でもたまに思い出す。
昔よりは良くなったが、思い出すと苦しくなる。
でも、私は加害者でも被害者でもない。
だから私が助けを乞う事は出来ない。
私にその資格はない。
辛いと嘆くのも、こうして話すのも本当はいけないのだと思う。
それでも私はあの日のことを時々、呟いてしまう。
私は私の贖罪を果たさなければ。
それまでは死ぬことは許されない。
それまでは死ねない。
生きてこの罪を背負っていかなければいけない。
罪を負う事と死ぬ事は同義じゃない。
死ぬ事は逃げだ。
死んで罪を償おうとする私に、あの人は言った。
自分から命を落とす事は生きることより楽だと。
死ぬのには計り知れない決意が必要だが死ぬのは一瞬だ。
でも、生きる事は一瞬では済まない。
何十年も様々な困難に立ち向かっていかなければならない。
確かにそこには楽しい事や嬉しい事も沢山あるかもしれない。
けれど生きている限り何が起こってもその問題に立ち向かっていかなければならない。
立ち向かっていくことは勇気も覚悟もいる。
一筋縄ではいかないことも沢山ある。
罪を背負って生きていくこと自分の運命から逃げない事、それこそが私が果たすべき贖罪だとあの人は言った。
その日から私は罪も傷も背負って生きていくと誓った。
閉ざした記憶と、あの人と話した日の日記とともに。
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*無理やり感が否めませんが悪しからず。
「日記だから見ないでね」
そう言っていつでも書けるように
新しいページを開いて置いている
それだけで僕はもう見れない
/ 閉ざされた日記
予期せぬ旅から帰ってきた君は
いかにも凛々しくて
忘れ去られていた野性で
じっと僕を見ている君はもう
かつての飼い慣らされた猫ではなくて
まるでどこか遠くの森で
蝶や鳥を追いかける美しい生命で
それが君の本当の姿なんだと
そう気づいたら
僕はやっぱり
君の下僕にしかなれない
「これ、誰?」
君は、そういった。
「その人は高校で同じクラスの人、たまに遊びに行ってたんだよ。三人で,」
言えなかった。君の恋人だよって···
その人はもういない。でも記憶がない君はその人が君の恋人だってこと、もういないことを知らない。
二人の交換日記、あの人から私に任された最後のお願い。
日記を燃やして君の記憶から恋人を消す。
日記はもうない。記憶にも、もうない,
閉ざされた日記は開かれない
持ち主は帰ってこないから
埃の積もった日記
誰かに開かれる音がした
閉ざされた日記
押し入れから段ボールを引き出す。なんの印も付けていないので、いつのものが入っているのか分からない。しかし、何重にも貼られたガムテープを剥がして中を見れば一目瞭然だった。
しわくしゃのプリントや表紙の擦れたノート、なぜ残そうと思ったのか不明なあれやこれやが、懐かしさというより子供のあどけなさに対する慈しみに似た感情を起こさせる。まるで他人のようだ。転がっていたガラクタや書き込まれた文章を見ると、ところどころ古い記憶と結びつきはするのだが、セピアのベールというかアクリルの壁が彼我の間にあって、不思議と手触りがないのだった。
そのまま乱雑な箱の中を物色していると、文庫本くらいの大きさの手帳が見つかった。日記帳だ。そういえば昔、まめに毎日記録していたのだった。
どうして書くのをやめたんだったか、と思い出そうとしつつ手帳を開こうとする。が、表紙だけめくれて以降がめくれない。本文部分は全ページくっついていて、板のようになっている。よくよく見ると、部屋の蛍光灯を反射しててらてらと光っており、どうやらのりで固められているようだった。
中身を見るにはどうしたものかと考えかけて、ぞくりとした。かびたミカンに触れてしまったような、思いがけない嫌な感触が背筋を走った。なぜ、と思う。何も心当たりがない。しかし、手帳をこんな状態にしておいて何の心当たりもないことが、最大の恐怖だった。
我に返って、段ボールの中身に視線を落とす。つい先程までごみくずに見えていたあれこれが全て、生臭いなにかを包み隠しているように思えてくる。
わけがわからなかった。頭の中が真っ白だった。一刻も早く封じ込めなければならないという焦燥に駆られるままに段ボールに詰め直し、ガムテープで徹底的に封をした。その段ボールを押し入れに仕舞い直しながら、その光景の既視感にぞっとした。
前に取り出したのはいつだったか。
その段ボールは、知らぬ間に親が捨てるかなにかしたようで、もう行方はわからない。
2023/01/19
短い小説 『閉ざされた日記』
一度だけ、恐ろしい日記を見たことがある。
他所さまのペットの世話をするバイトをしていた時のこと。
何回か行っているが、少しばかりやんちゃな性格で毛や排泄物が所々ついており、なかなか大変であった。
ある日、部屋を掃除している時、タンスにぶつかり、中のものが全部出てきてしまった。
一つ一つ拾い、戻していると、落ちたものの中から高価そうな日記が出てきた。
日記は鍵付きだが、鍵は掛かっていなかった。
飼い主さんの日記…?
少し興味が湧き、中を見てみた。
“○月○日、
ウチに可愛いコがやってきた!
緊張してるのかな?ぷるぷるしてて可愛い~💠
名前何にしようかな?超可愛い名前にしよ!”
最初の数日間は微笑ましいことが書かれていた。
だが、日記のテンションは徐々に下がっており、絵文字も少なくなっていた。
その後、筆圧が強すぎたのか、一部破れており、殴り書きで書かれているページがあった。
そのページは、読みにくかったが、こう書いてあった。
“✕月✕日、
誰も分かってくれない。
誰も気にかけてくれない。
私のことがどうして分からないの??
分かってくれない奴らは皆まとめてツブス”
まだページはあったが、これ以上は見なかった。
帰ってきた飼い主さん。ニコニコしているが、よく見ると髪が乱れていた。
飼い主と少し雑談したが、多分私の声は震えていたかもしれない。飼い主さんは終始ニコニコ。このニコニコが本物だとしたら、あの日記は嘘か他の誰かの日記だろう…。そうであってほしいものだ。
今はバイトを辞め、接点も完全になくなった。
あの家のペットの世話は他の人がやっているようだが、あの飼い主さんは幸せに暮らしているだろうか。ぜひとも幸せであってほしいものだ。