『鏡』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
鏡に映し出されるものは、本当に真実なのか。
もし、偽物を映し出す鏡があったとしたら、なにを信じればいいのだろうか。
醜いなあ
黒い言葉を吐けば吐くほど
闇に染まっていく顔
気味がいい
吐き続けた言葉はどこへ向かったのか
君は誰だ
壁の前でふと
自分の顔を触った
フィルターを通した
その薄い壁一枚を隔てた向こうにいたのは
僕だった
『鏡』
『鏡』
床に叩き付けられて砕け散る鏡を
私はまるで他人事のように眺めていた
衝撃で宙を舞う欠片はキラキラと輝いており、
時折写り込む私はというと見るに堪えない
醜悪な表情を浮かべていた
私は私が嫌い
だから私の生き写したる鏡も当然嫌いだ
どれだけ取り繕ったっていずれ本性は明かされる
鏡に写る私が本物の私だ
皆のいう他人に無関心な私なんて何処にも居やしない
苛立つ心に埋め尽くされる破壊衝動
そんな顔で私を見るな、と私は私自身を壊した
偽物の私は本物の私を殺して高らかに嗤う
また私は嘘を一つ重ねる
それを知るのはきっと、粉々に砕けた私だけ
「死んだ人間が霊になって
生身の人間に害を及ぼす」
などという霊的な物事について
私は興味を示したことがなかった。
私、寂しくて仕方がなかったのよね。
この世の光が闇に飲み込まれてから
ドアをノックする音が聞こえ、
階段を登る足音が聞こえ、
貴方が誘っているのかもと思った。
だから、私は--
午前3時ぴったりに鏡の前で
何度も、何度も、何度も礼をした。
その間も、毎日真っ黒な塩を変えた。
でも、貴方は来ていない。
私、貴方のこと大好きだったから
全て、覚えてるのよ。
ドアをノックする音、
廊下を歩く足音、
それらの速さとか、強さとか。
--ずっと、待っているわね。
--鏡の前で。
【鏡】#20
鏡
殴る
こんなのは俺じゃない
映すな
やめろ
お前なんか知らない
みたくもない
でていけ
何度も殴る
真実を語る鏡は嫌いだ
頼むから俺を見せないでくれ
折角作り上げてきたんだ
鏡が砕けた
手の滴りより自分が死んだ快感に消される
気持ちがいい
小さい頃の話。鏡の魔法を信じていた。
病弱な私は病室からほぼ出られず、忙しい両親に会えなくて寂しくて毎晩のように泣いていたとき。
鏡の向こうから少年が声をかけてきた。同い年くらいの、おっとりとした少年。
寂しさに耐えかねていた私はすぐにその少年と仲良くなった。いろいろなことを話して、そしてそれを少年がうなずきながら聞いてくれる。
そんなある日のこと。少年が願い事を叶えてあげると言い出した。私は嘘だと思ったが、両親に会いたいと願ってみた。
するとどうだろう、忙しい両親がやってきて私の頭をなでて1日そばにいてくれたのだ。
本当でしょ?と得意げにする少年の事を、私はすっかり魔法使いだと信じた。
それからたくさんのことを願ったのだ。健康な体、愛情、友達、失くした宝物…
そのすべてを彼は叶えてくれた。ただ一つを除いて。
私の願いが叶うたび彼は傷つき、痩せ弱っていく。心配した私に彼は言った。
鏡の向こうはすべて逆の世界。決して交わらない逆さ合わせなのだと。
せめて願いを叶えてよと、貴方と共に生きたいという願いを。
しかし貴方はそれを拒んだ。僕は君からもらったものを返すだけだと。
そして貴方は溶けるように消えていった。本当に魔法が解けるように。
私はそれ以来、あなたが現れるのをずっと待っているのです。
35.『鏡』
23/8/18 ♥300over ありがとうございます
鏡。
鏡に写ったかのような
妹。
今日は
久しぶりに
お化粧道具を
買ったから
鏡に写った
私が楽しみ。
鑑
そちら側は
美しいですか…?
こちら側は
薄汚れてます…
そちら側は
楽しいですか…?
こちら側は
狂っています…
そちら側は
満ちてますか…?
こちら側は
苦痛な時です…
貴方は誰なの…?
私は貴方です…
私は貴方なの…?
そう… 私です…
其では
入れ換わりましょ…?
鏡って昔から嫌いだったなー。
自分が映るからさ。
鏡があるとさ、自分の顔が良くないことがどうしても見えちゃって、いつもいつも消えてしまいたかったことを覚えてるんだよね。
はー…整形したはいいけど気に入らなかったし…
って自慢って事じゃ…
はぁ、また行っちゃった…
何で私、こうなんだろ。
鏡で自分の姿を、1日にどれぐらいチェックするだろうか。
もはや、1回も見ないことすらあるだろうか。
私が鏡を見るのは、
朝のヘアセットと、夜の風呂上がりの化粧水塗りたくる時ぐらいだろう。
それ以上に見ることは、私にとっては必要以上だと感じる。
なぜか----。
鏡とは、そのまま自分自身を写してくれるものだ。
自分自身を写してくれる。
それは便利でもあるが、時に見たくもないものも写してしまうこともある。
今この世の中は、
自分の見たい情報を「選択」して見ることが可能だ。
見たくないものには蓋をすることが、ある程度はできるのだ。
ただ、鏡はどうか。
髪の毛のチェックをしているのに、
肌荒れが無性に気になってしまったことはないだろうか。
コンタクトレンズを入れたいだったのに、
髭がボーボーで醜いことに気づいたことはないだろうか。
そう、鏡は便利なもので、だが時に残酷な現実を突きつけてくる。
鏡は、現実をありのままの状態で示す。
その示された現実を、
見る「選択」をするかどうか。
見る「勇気」はあるかどうか。
鏡を見る回数は、
自分の理想と現実のギャップの多さに反比例するのかもしれない。
私に、「鏡を見たい」と思える日はくるのだろうか。
『ただいま。』
誰もいない部屋に向かってそうつぶやく。子供の頃から親にただいまは絶対に言いなさい、と躾られてきたから。靴を脱ぎ、電気をつけてゴミの日が来るまで家に置いてあるゴミ袋などで溢れかえった狭苦しい廊下をそろそろと歩く。
荷物を置いて、洗面所に向かう。私は自分の手に集中して自分の疲れた顔なんか見ずに手を洗う。うがいも済ませ、一度部屋に戻る。
そして私は、あらかじめ部屋干ししておいた洗濯物を取り込む。今日着る下着だから畳まずそのままカゴに入れておく。
『よし、始めるか。』
私はおもむろにメイクポーチを机の下から取り出し、会社用のメイクをサッと落とす。それからタブレットを開いて加工付きのカメラアプリにログインする。
そこで私は、加工付きではあるが家に帰ってから初めて自分の顔を見る。
私は配信用の顔に急いで仕立て上げる。加工付きのカメラアプリで何度も顔を確認しながら。メイクを終えると、服を着替えていざ配信。
リスナーのみんなは私のこの顔が加工なしのノーマルカメラだと思いこんでくれている。まぁバレるわけないけど。
『コメントありがとう〜!』
ゲームの休憩中、コメントをだらだら読むことにした。可愛い、好き、メイク上手い、そんなコメントを見てはニヤついて。でもひとつ気になるコメントが来た。
『メイクどこでしますか?』
鏡は使わない。そう答えると、コメントを流れる速度が1.5倍くらいになった。
鏡は見たくない。なぜなら、鏡は自分の顔を悪くした【偽物】が映るからだ。なんと言われようがそうしか答えようがなかった。その【偽物】を見るのが怖くて怖くて。私は一生鏡を見ないと決めた。
仕事場の御手洗の手を洗うところでは下を向いているし、窓とかにもその【偽物】が映るから極力周りを見渡さないようにしている。メイクも、加工アプリを通して鏡にならないようにしているし。それから…。
『洗面所の鏡はガムテープでぐるぐる巻きだし。』
さっきまであんなに早かったコメントがほんの数秒止んだ。
【偽物】が、私の前に現れるようになったのは
親が私をブスだと言った日からだった。鏡には顔が歪んだブスが。みんなで撮ったノーマルの集合写真には目が豆みたいになったブスが私の顔に映り込んできた。
私は金輪際こいつと会いたくないと決めて、集合写真の日はマスクをして、眼鏡をかけて。
友達と撮るときは加工アプリで加工をつけてから撮った。
それでも家に帰って鏡を見るとブスがいる。もう見たくないと思った私はホームセンターまで夢中で走ってガムテープを買い、【偽物】とおさらばするためにぐるぐる巻にした。それからというもの、【偽物】を見る回数は減った。
でも、私の本当の顔を見る機会も減った。そして表情を作るのが苦手になり、メイクも相手から見て変だと言われることが増えた。
配信画面は加工をつけて着るから不自然に思われないけれど、みんなの目にはきっとまだ【偽物】が写っているのだろうと考えて、その時いた彼氏の顔をガムテープでぐるぐる巻きにした。彼は泣いて叫んでいたが、口まで塞ぎきった時、心臓が動いていなかった。
私には画面の向こうにみんながいるから。
今もなお安らかに生きている。臭くなり虫が湧いた彼の隣で。
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もっと上手くまとめられたらなぁと思いつつも
だいぶん疲れたのでこれで完成にしておきます。
ただいまと言いなさいと言い聞かされていたっていうのも、親の言うことが絶対だという伏線…というか、
例になるようにしてみました。
もっとわかりやすい方が良かったかもしれません。笑
親にブスと言われたぼくは鏡が見るの怖くなって、
もし少し違った道を歩むとこうなっていたのかなぁと
恐怖を感じたり。(僕は女です)
もう少しインパクトが欲しかったんですけど、ガムテぐるぐる巻きがいちばんシュールかなと思いまして。笑
ここまで見てくださった方ありがとうございます。
本当に僕の趣味なので、ご趣向に合わなかったらすみません。
鏡それは
自分を見直す物
鏡それは
他者を移し自分を映す
鏡それは
光り輝き深淵を表す物
鏡それは
可愛いを
美しいを
かっこいいを
面白いを映す物
鏡それは恐ろしいくて守ってくれる物だから大切に
大事に扱う物
鏡よ鏡、鏡さん。この世で一番、醜いのは誰?
人を嫌っているのは?
まず、相手を疑ってかかるのは?
自分の人生を呪っているのは?
誰かを「殺したい」って、少しでも考えた事があるのは?
人に責任を なすりつけようと画策した事があるのは?
人を、ことごとく愛しているのは?
人が好きで、好きでたまらないのは?
「少しくらい」なら、たとえ騙されていても
信じているのは?
日々の生活を怨み、愛しているのは?
大好きな人に、殺されてもいい。って感じた事があるのは?
人を、愛しすぎて憎んでしまうのは?
鏡よ鏡。
あなたが写すのは表裏一体。
「愛憎」ってヤツさ。
鏡よ鏡。
両の極端 は、いつも隣り合わせで
ヒリヒリしてる。
鏡よ鏡。
偽善者であり、人間くささ。
嗚呼、鏡よ。
こたえは分かっている。
つもりさ。
「お前だ!」
--だろう?
鏡に映る姿は嫌い
愛想笑いも出来やしない
鏡に映る姿は嫌い
鏡に映る私は
自分のイメージと全然、違う
ありのままから壁をいくつ重ねてるの?
(2023.08.18/鏡)
自分を写すもの
昔そんな話題で、考えさせられた
其の時、彼はこう言った
「字じゃないかなぁ」と
其の時、でも私は、違うと思ったの
「いや鏡でしょ、どう考えたって」
「ん〜?まあ確かにそうだね
でも、字ってどの人が書いたのかなんとなく雰囲気でわかるもんだよ?
丁寧な字、乱暴な字、かわいい字
人の癖とかも、その人の書いた字が、その人を写してない?」
「貴方の考える『写すもの』といえば?」
私は「鏡」
彼は「字」
どう思考するか、それすらも鏡に写されてる気がした
_2023.8.18「鏡」
もひとつどうぞ
「自分の顔直で見れねぇのマジ腹立つんですけど〜」
「いやまあ確かにな、分かるけどな、…テッテレテッテテ〜!カガミ〜!」
「いやうちカガミ嫌いなんだがwウケるw」
「え嘘なんで?」
「だってぇーなんかー、自分の汚いとこ嫌でも見せられるじゃーん」
「あーね。それはガチ共感。でも仕方なくね?汚いとこ含めて、ああっ!自分って、なんてキレイ〜〜!!なのっ!? って思わないと」
「ちょ、鼻水飛んだw w」
はぁ…たった一人だけの友達と、憧れを真似したくて、ライン使ってるんだけど、
…わたし、インキャだしなぁ〜
それに付き合ってくれてる友達には申し訳ないよ
あ、どうも、ギャルになりたい高校生です
_2023.8.18「鏡」
「鏡」
私としてただ生きている時には気づかない、
私を客観視できる唯一の時間。
日常に溶け込んでいるけれど、
たまにふと我にかえる瞬間をくれる。
現実って見えているようで、
実は見えていないんだな。
#26
《鏡》
【世界で一番美しい女王がいた】
鏡よ、鏡。
世界で一番美しい者は誰?
「アリサです」
嘘を仰い。この世界で一番美しいのは私に決まっているでしょう…?信じられないわ。
「いいえ、アリサが一番美しい」
もういいわ私が一番なんだから…
あなた達、アリサという女を殺して来て?
アリサは死んだ。
鏡よ、鏡。
世界で一番美しい者は誰?
「ヨルです」
…
ヨルを殺せ
女王様は繰り返した
聞いては殺し、聞いては殺し
女王はもう美しくない。
鏡は、とうに限界を迎えている
「貴方が一番美しい」
そうとだけ言って鏡が割れた。
"鏡"は覗いた人の心、考えがそのまま表れる
初めから自分の美しさを信じていたら、
鏡のことなんて信じなければ、
未来は変わったのかもしれない。
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい
嫌いにならないで
怒らないで
私から離れていかないで
もうひとりにしないで
私の隣を離れないで。
でもごめんね。
この言葉も嘘なんじゃないかって怖くて言えないの。
“大好き、愛してる”って。
もう何がほんとかわかんないの。私が綴ってる言葉が誰に向けてかもうわかんなくなってきてるの。
ごめんなさい
だからもう離れていかないで。
私から離れないで、ずっと一緒にいてよ。
寂しくなるのはもうやだよ
1人はやだよ
私は鏡を見る
[この鏡不気味だなぁ]
部屋へ戻ろうと鏡から目を逸らそうとした途端
黒い何かが通った
…?なんだ、?今の…
まぁ、部屋に戻ろう
………何かが ′′居る′′気がする
シーンとした空気が流れる
[ブー ブー ブー]
!!! びっくりした ただの電話であった
スマホがない
バイブ音だけ聞こえる
音のする方に自然と進んでしまう
意識が遠ざかっていく気がした
スマホは…鏡がある場所にあったのだ
[あれ、?ここに置いたっけな]
扉が急に閉まる
[え、]
開けようとしてもあかない
鏡から黒い影が出てきた だんだん近づいてくる
[やめて、やめて!!来ないで!!!]
突然視界が明るくなった
ベットの上にいた
[はぁ…はぁ、夢…か、]
心の底から安心した
でも。 やけにリアルだったな
この件があってから 鏡を見ることをやめた
皆様のご自宅にも鏡があると思います
気をつけてください 背後に、何かが′′居る′′かもですよ?
decn夢小説
ふと、坂口の視線が揺れる……、その先に鏡がよくあることに気づいたのはいつだったかは、コナンは覚えていない。
鏡。姿見のような大きなものもあれば、鏡というよりは単純に風景が映りこんだだけの板の場合もあった。どちらにしても手持ちぶさたの坂口がふとなにかに気づいたように視線を動かしてそれをみる。真っ正面に、横目に、じっと、ちらりと。濃い色眼鏡越しに涼しげな夜桜じみた色彩の瞳を動かして、自分をみている。ふとした時に、その場から坂口がひとりだけぽつんと抜け落ちても誰も気づかないような、ひっそりとした間に。
「坂口さん」「先輩」「おい、坂口」「安吾さん」……、と。
誰かが声をかければ、彼はその瞬間には視線をこちらに戻して、何事もなさげに口を開く。小さな小さな隙間をぬうようにそらして見つめていた自分自身などお構いなしに、捨て置くように。どうでもいいもののように。
それが気になって仕方なかった。
彼には何が見えているのか、しりたくなったのだ。
その場の流れに戻っていく坂口をちらりとみてから、彼が視線をやっていた鏡をみたことがある。なんの変哲もない鏡は、これまたなんの変哲もなくポケットに手を突っ込んだ色眼鏡の男を映していた。
いつもとなんら変わらない、江戸川コナンがいる坂口安吾が、そこにいるだけだった。