『鏡の中の自分』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
日に何度も鏡を見ては
無いものねだり
褒められても
喜べず
愛されても
信じられず
自分以外
全て美しく見える
人の痛みは愛せるのに
自分だけ愛せない
「鏡の中の自分」
鏡の中の自分に
声をかける
「自分らしく生きているか」
と問い、
「これくらい大丈夫」
と励まし
「頑張ってるね」
と認める
そうやって毎日を
乗り越えてきた
題「鏡の中の自分」
『鏡の中の自分』
──カタカタカタ
『チー牛がwww顔真っ赤にしてマジレスwww乙www』
そう最後に書き込みパソコンの画面から目を離す。
今日も十分に楽しめたし、この辺で良いだろう。
尿意をもよおしたのでトイレへと向かう。
俺の趣味はネットで誰かを煽る事だ。
適当に相手の気を逆撫でる事を書き込めば、必死になって食い付いてくる雑魚は一定数いる。
誰かを苛立たせている臨場感。
誰かの感情を自分が握っている優越感。
誰かが大切にしている矜恃を踏みにじる高揚感。
……あぁ、なんて楽しいんだろう!
ネットの中の"俺"はリアルの俺とは違う。
誰かの上に立つ事が出来るのだ!
──ジャーー
用を足し終え洗面所で手を洗う途中、視線を感じて前を見る。
……手を洗う自分の姿が見える。
当たり前だ、そこには鏡があるのだから。
──キュッ
蛇口を捻り部屋に戻ろうとした所で、どうにも違和感を感じ足が止まる。
少しの間を空けて……気付く。
手を洗う途中、俺は手元を見ていた筈だ。
それなのに鏡の方から視線を感じるのはおかしいだろう。
そう思って鏡を見れば、ニヤニヤと嫌らしい笑みを浮かべながら此方を見ている"俺"がいた。
"俺"が言う。
『リアルのお前はこんなにも醜いのになwww』
「……うるさい」
『ネットでイキる事しか出来ないチー牛www』
「……うるさいっ!」
『外見も中身も醜い弱者wwwそれがリアルのお前だろう?wwwwww』
「……っ黙れぇっつ!!」
──バリィンッッ
気が付くと"俺"は何処にも居ない。
残された鏡には……鮮血に染められ粉々になった、誰かの顔だけが写っていた。
鏡の中の自分
妙齢の女性が、鏡を覗き込む姿は
なんとも言えず美しい。
日本画に、浴衣姿の女性が片肌脱いで鏡に向かい、櫛を入れる作品がある。その女性は、自分の美しさに納得しているであろう。
自室には、壁掛けの姿見がある。ベッドの上でのストレッチの時、ちょうどいいように映る。
鏡の中の自分を見ながら、ストレッチ。鏡は、美しくない姿のストレッチを映してくれる。
妙齢の女性の湯上がりも、おばさんのストレッチも、
平等に写してくれる鏡。
鏡は平等だ。
鏡は平等でも、神様は平等じゃない。
一部の人は、皆がうっとりする美人だし、そうではない人もたーくさん居る。
神様は平等じゃないのだ。
わたしを含め、ほとんどの人は平等じゃないのをやり過ごしながら、
他のことで何とか補填しながら生きているのだと思う。
鏡の中の自分
あれ?
こんなに太ってたっけ?
洗面台の前に立ち思い出す。
あー、イライラする。
怒鳴り声を上げ私を注意する上司。
ひたすら陰口を叩く嫌味な奴ら。
年収や結婚の話をする同級生達。
全部、全部ムカつく。
私は顔を上げ目の前を指差し呟いた。
「でも、私を一番イライラさせるのはお前だからな」
お題 鏡の中の自分
鏡の中
鏡の中の自分は本当を映し出す醜い存在
だから首に力を入れて微笑んであげるの
あなたを誰よりも愛しているよって
泣かなくていいんだよ、私がそばにいるでしょ
鏡の中の自分は偽物だ
偽物のはずなのに
何故、隠したものが映っている
隠し方が悪かったのか
いや
まさか
そんなはずはない
本物が入れ替わるなんてそんなこと……
見えていない素敵なところを映し出す
目に見えない不思議を映し出す
あれ、こんなに。
そんな小さな幸せを映し出す
バランスのいい人と言われた
自分ではピンとこない
ただの八方美人なだけだよ
顔にめっちゃ出てるし、私
態度にも盛大に出てるし、笑
自分の過ごしやすいように過ごして、接して
楽しいか、楽しくないかの2択みたいな人生
バランスがよく見えるだけ
「ちゃんと笑えてますか?」
鏡の中の自分
#25 完結。
鏡の中の自分は、いつも泣いていた。
本当の自分はいつも悲しくて泣いていたのに、みんなにはずーっと、明るい笑顔を見せていた。平気なふりをするために、何も考えていないかのように笑っていた。
自分が何かを抱えているということを
知られたくなかったから。
ずっと隠してきた事。
_________病気。そして、長い命ではない、ということを。
平気なふりをして、病気だということを感じさせたくなかった。普通の中学生でいたかった。
"沢山の人生がある場所"。それは、学校で、みんな未来があって、その未来が輝いているということが羨ましくて……。
誰にも分からないように、明るい笑顔な自分を演じてた。
でも、自分の心には嘘はつけない。自分だけが見える鏡の中の自分は泣いていた。崩れ落ちて、ただ孤独で泣いていた。
助けてほしい、という思いさえも誰にも届かずに。
苦しみを見せて、一人で抱え込まなければ、助けてくれる人がいる、ということも気づかないで。
___鏡の中の自分
腹筋を割りたい。
休職して出勤が無くなり、顔に日焼け塗り以外塗らなくなると、鏡の中の顔にはほとんど構わなくなった。代わりにじろじろ見ているのは己の腹だ。
今日こそは綺麗にへそを通る縦筋ができていないか。精一杯腹をへこませて兆候を探す。もともと私の腹には横筋が3本通っているが、これはおそらく筋肉によるものではない。むしろ贅肉というか肌のたるみが顕現したものだと思う(思春期の頃は「なぜここに線が」と悩んでいたが、ヤマシタトモコの漫画で私と同じく腹に横線を持つ女性が登場し、私だけではないと知って安心してから原因を追究しないでいる)。
なぜそんなに筋肉を鍛えたいのかと言うと、休職中の日々でほとんど唯一続いている生産的なことが毎日75分ほどの運動だからだ。仕事をしていない無力感を補うために、せめて少しでも運動で成果を出したいのである。
毎日75分とはいえ、30分はただ単に近所を歩いているだけ。残りの45分で、YouTubeのトレーニング動画を観ながら有酸素運動と筋トレをしている。スポーツテストの成績万年最下位だった自分が、みずから再生した動画に合わせて体を動かしているなんて、中学生の頃の自分が見たら悪夢だと思うだろう。だが、体を動かしている間は仕事をしていない自分を忘れられるので好きだ。何をするかは画面の向こうのトレーナーにゆだねればいい。休職してから、運動を終え、全身ほかほかになりながら汗を流し、早くも痛み始めている太ももを伸ばしながら地面に倒れ込むよさを知った。
とはいえYouTubeを流し始めるまでは身体が動かない。しんどいしだるいし。だが運動後の気持ちよさは忘れがたい。葛藤の中で、私の脳みそが見いだした解決法が、鏡の中の自分に筋肉の兆候を見出し、モチベーションを高める方法だったのだと思う。
できるならば腹筋を6つに割りたい。少なくとも縦線まではいきたい。毎日祈るような気持ちで鏡を見つめている。
死にたいとは思わない。消えてしまいとも、自分以外が消えてほしいとも思わない。でも鏡の中の自分になりたいとは思う時がある。鏡の中の世界はただこの鏡に映る景色が同じであるだけで、その他は何か違うのでないかと。この坦々とした世界は退屈で刺激が欲しくて、鏡の中の世界に行けたならソレだけで非日常で刺激になると思って。そして鏡の中の自分も同じ事を考えているのではないかと、そう思えた瞬間鏡の中の自分と入れ代わっているとではないかと考えて。振り返ってこの目に映る全てを注意深く観察する。何か違和感がないかと、何か不思議な事はないかと、何か違うところはないかと。あぁ今までの退屈が嘘のようだ。
伸ばしっぱなしの不揃いな黒髪、その隙間から睨みつけてくる虚ろな瞳。男版貞子が白くぼやけた鏡の中にいた。
あぁ、これは、俺か。
髪を掻き上げ、後ろで適当に結ぶと、見慣れた自分が額縁の中に帰ってくる。
何もかもを悟ったかのように凛々しい切れ目に対し、何もかもを恐れているかのように弱々しく下がる太めの眉毛。
鼻は小さくて、唇は薄いが薄すぎない。そして、それらのパーツ総てが何の感情も抱いていないかのように凝り固まっている。
その顔は、綺麗だと言われれば綺麗で、普通だと言われれば普通で、怖いと言われれば怖い。そんな、なんとも言い表し難い顔立ちではあるが、ものすごく美人ではなく、ものすごく不細工でもない、ある意味丁度良いバランスだとは思う。
鏡に映る自分は本当の顔よりも美しく見え、写真の中の自分は本当の顔で映るという話をどこかで聞いたが、俺にはどちらも人形のように無表情な自分が閉じ込められているようにしか見えない。
昔、鏡の中の自分と入れ替わるという都市伝説のような噂が流れていたことをぼんやりと思い出した。
俺が二人もいてたまるか。鏡の中の自分は不満げに眉をひそめる。
まるで、自分こそが本当の俺だと言いたげに、そいつはずっと睨みつけてきた。
静観に飽きた俺が洗面所から離れるまで、ずっと不安げに睨みつけていた。
鏡の中の自分
|鏡の中の自分|
鏡って不思議だ
じぶんなのにじぶんじゃないみたいだ
鏡の中の自分は、心の中を素直に写している
自分では笑顔のつもりが寂しそうな顔をしている
鏡の中の自分は誤魔化せない
鏡の自分は、実に素直だ
鏡の中の世界の全てが
この世界の逆であるなら
私の嫌いな自分は
世界の平均を
どれだけ上回っているのだろうか
私が「嫌い」を放っておくと
その分世界が暗くなるって
教えてくれたよね
きっとカーテンを開けるだけで
そんな単純なことでいいのに
それができないのは
プライドじゃない
反抗期でもない
寝不足だからじゃない
気づいてないだけ
鏡の中が羨ましいって
それだけで終わらそうとしてるから・さ
#鏡の中の自分
*鏡の中の自分
毎日ひとつ何かを書くつもりでいたけれど、2日もサボってしまった。
さて本日のお題は…。
鏡の中の自分。
洋服屋の鏡に映る自分を信じてはいけない!
知ってる?
洋服屋の鏡って、実際の体型よりも細く映るってことを😱😱😱
憧れている人の顔がそこにある。
硝子に、鏡面に、光を反射するすべてが彼を映している。
鏡───ここにいる彼は、私の身体に囚われているらしい。
私の身振りをなぞるようにそっくり同じ動きしかできない。
お題《鏡の中の自分》
これは私。
これはわたし。
これは、ワタシ…………?
認識できなくなってゆく。
真実(ほんもの)の自分がどんどんわからなくなってゆく。
《自分》って、なんだった?
"ねえ"
鏡と向き合って髪を梳かしていると、ふいに鏡の中の私が口を開く。
私は一切口を開けていないのに、だ。
私はまたかとため息を吐いた。
初めこそ驚いたものの、この非現実ももう日常の一部となってしまったのだから、慣れとは恐ろしいものだ。
なんて考えているとまた鏡の中の私が話しかけてくる。
"そろそろこちらに来る気になった?"
「私はそっちには行かない」
口元に笑みを携えて私を見つめる"私"。
…冗談じゃない。鏡の世界になど行けるハズもないし、行きたいとも思わない。
"そう…。まだ来てくれないんだね"
何度も何度もハッキリと断っているにも関わらず、こいつ(私)は諦めていないようだ。
何故私をそちらの世界に誘うのかも分からないが、毎日のようにこうして声を掛けられる。
幻覚なんじゃないかと耳を塞いだり、見ないようにしたりと色々してみたが、世の中には鏡が多すぎる。
嫌でも"私"が視界に入る、声が聞こえる。
最近では日常生活にまで支障をきたしている。
私はとうとう我慢の限界に達して声を荒げた。
「いい加減にしてよ!行かないって何度言われれば気が済むの!?」
"はぁ、本当は同意を得てから連れて行くつもりだったんだけどなぁ。ふふ、まあ良いや。頃合いだし、明日迎えに行くね"
それだけ言うとあいつはスッと消えていき、鏡は正常に私を映す。
明日迎えに行くとはどう言う事だろう。
その言葉の意味するところを考えて私は恐怖に震えた。
すぐさま家中の鏡を全て処分して、電話で会社に明日は休むことを伝えて部屋に閉じ籠り布団を頭から被った。
鏡の中の私に怯えながら。
次の日、1人の女性が忽然と姿を消したというニュースが流れたらしい。
#鏡の中の自分