#25 完結。
鏡の中の自分は、いつも泣いていた。
本当の自分はいつも悲しくて泣いていたのに、みんなにはずーっと、明るい笑顔を見せていた。平気なふりをするために、何も考えていないかのように笑っていた。
自分が何かを抱えているということを
知られたくなかったから。
ずっと隠してきた事。
_________病気。そして、長い命ではない、ということを。
平気なふりをして、病気だということを感じさせたくなかった。普通の中学生でいたかった。
"沢山の人生がある場所"。それは、学校で、みんな未来があって、その未来が輝いているということが羨ましくて……。
誰にも分からないように、明るい笑顔な自分を演じてた。
でも、自分の心には嘘はつけない。自分だけが見える鏡の中の自分は泣いていた。崩れ落ちて、ただ孤独で泣いていた。
助けてほしい、という思いさえも誰にも届かずに。
苦しみを見せて、一人で抱え込まなければ、助けてくれる人がいる、ということも気づかないで。
___鏡の中の自分
11/3/2022, 1:14:31 PM