『鋭い眼差し』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
鋭い眼差し
雪山に銃声が鳴り響く。あと何人殺せば、この地獄から抜け出せるのだろうか。
鋭い眼差しで睨み合い
視線を合わせたまま二人は
リングの中央を静かにぐるぐると回る
いよいよデスマッチの様相を呈してきた
時間無制限一本勝負
台所に今、ゴングが鳴り響く
端から見れば
そんなの些細な事だろ、と見えるのかもしれない
単独での罪の重さでは軽微だが
罪が重なるケースでは、時として重罪となる
発端はカレーであった
母は先に家に帰っていた父にLINEを送る
お米炊いといてねハート(スタンプ)
米は洗って仕込んでるから、スイッチポン(スタンプ)と
父は、OKでござる(スタンプ)と返信した、のだが、
仕事から帰った母が台所に立った瞬間
会場の照明が暗転した
米、炊けてないじゃない
リングにスポットライトが当てられ、母が呟く
マジでこれ、何度目だよ、と
察した父は慌ててマイクを持つとロープをくぐりリングに上がる
あー、ごめん
忙しくて忘れてたわ
スマンスマン
母は父からマイクを奪い取り
いやあ、さぞかし忙しかったんでしょうね、今夜はカレーなのに、
炊飯器のスイッチをポチッと入れるの忘れるくらいYouTubeのショート動画見るが忙しかったんですよね
ほんとご苦労様です、YouTuberは大変ですね
って、お前、宮迫かコラ
そもそもお前YouTuberじゃねえだろ
YouTuberなめとんかワレ、HIKAKINに謝れよ、バカヤロウ
米なしのカレーとか、なめやがって
と、ブチ切れた
これで勝負あり、と思われたが
あろうことか父はやめときゃいいのにモゴモゴと言い訳を始める
なんのプライドか充満した油にさらに熱々の火がくべられる
リング中央で
鋭い眼差しで睨み合う二人
カレーの香る台所は今宵
灼熱のリングへと変わり
いよいよデスマッチの様相を呈してきた
早くご飯が食べたいのに
『鋭い眼差し』
鋭い眼差しだった
屈強で明らかに俺よりも強い。
それでも、
どうせ高校は終わる
そして人生も終わる
いずれ俺は死ぬし世界も死ぬ時が来る
誰も俺を、俺の生きた世界を、知らない日が来る
だから俺は気にせず好きなようにやりたいことをやる
グーパンで殴ってやった
倍にされた
痛い。
それでもまた明日も、
糞共に頭を下げるような価値はない明日だから
繰り返し俺はそうやって生きていく。
それなのに、
それでも、
小さな事で
俺のしたことは無駄じゃなかったって思える、
明日だから
世界だから。
終わりがくることを、知りながらも
俺は今日を歩む。
ねこ耳さん🎵
私は、ねこ耳さんに絵の描き方を教わっています🎵
🍎があると、太陽☀️があたる位置とか、もともとりんご🍎が持っていた物質的な陰とか、色々と教わっています🤔
私は、その度に、深く頷く。
人体のポーズとか、超、難しいのなんの。ねこ耳さんは、普段なかなかそんなポーズしないよなぁ〰️wwwと、笑いながら教えてくれる🎵
ラインで、考えるとイイかも〰️🤔とも教えてくれた。
羽生結弦君のようなポーズもしているお人形、すごいなぁ〰️✨️
そんなのを描くのは、とても至難だなぁ〰️(^_^;)
ねこ耳さんのリスナーさんもすごいなぁ〰️✨️色々とアドバイスされていた。✨️ よく理解出来ない単語が私を通り過ぎていた😱
斜め45度も、アッサリと描くねこ耳さん✨️
うわぁ~、✨️すごいしか勝たん✨️
何時か、夏音ちゃんに、活かせられたらイイなぁ〰️✨️🎵文化祭のシーズンは、もうちょっとだネ、ヤバい(^_^;)
頑張って、構図とか夏音ちゃんが、描きたい被写体とか、ーー蒼さんじゃぁないけれどもゾーンに入らないとなぁ〰️🤔
ねこ耳さんと、ずっと好きの定義を話して来たの✨️
ずっと好きって、環境や、いる立場がが変わったり、すると理解らなくなるヨ🤔と、ねこ耳さんは、言われた。
ーーで、何処が好きだったの?!と、訊かれたら理解らなくなるよねぇ〰️🤔と、言われた。
リスナーさんが、『訴定力』と、言われた。お〰️(*_*)凄すぎる✨️ちょっと漢字違うかもです🙏(^_^;)
私は、精一杯で、ヒゲダンのプリテンダーの話しをしたの。『無責任に好きと言えたらいいなぁ〰️💧』、でも、ねこ耳さんは、
其処は素直に好きでもいいと想うヨ🎵✨️と、言ってくれた。うれしかった〰️✨️
でも、そのヒゲダンの歌のサビに入る前は、やっぱり、『グッバイ✋️』だったよなぁ……。絵を教わる時も熱くなり、
物語の話しをする時は、胸がいっぱいになった……✨️
#まだ、夏ですネ✨️
今、色々と方向性や、物語を描く上についての勉強中の私メです_φ(・_・
なんせ、私メは、未熟ですから。(^_^;)
今日は、ヘルパーさんに、ハロウィーン🎃メイクをしてもらった🎵プリクラ🎵✨️
何時も、衣装のコスプレをする所が止めていた。😱!!こういうことなのかな~??環境の変化とは??仕方ないですよね(^_^;)
でも、ヘルパーさんに、ナイトメアビフォークリスマスの女のコのメイクをしてもらったの。
口👄を窄めてと言われてドキドキしながら、半笑いになりつつメイクをしてもらった🎵✨️
シニカルな母には、ウケなかった(;´д`)トホホ…この口👄のメイク💄も、三つ編みも、私なりのハロウィーン🎃👻なんだ✨️🎵🎵🎵✌️
終わり
恒星の、瞳に灼かれ、tandaradei
春も夜も無し、夜鳴鶯
「高く高く」
「鋭い眼差し」
【鋭い眼差し】
いつも遠くから見ているだけ
窓際に座るあなたの横顔
涼やかな目元が憂いを帯びていて美しい
その眼差しがいつか私に向くことをいつも夢想する
たとえそれがどんな眼差しでも構わない
虫ケラを見るような眼差しだろと私は歓喜に震えるだろう
鋭い眼差しは、貴女にはあまり似合いません。
その温かく優しい瞳で、人を癒して生きている貴女に、それは必要ないのです。
「鋭い眼差し」
目は口ほどにものを言う
どんなに笑顔でも目が笑っていないと
真顔よりも怖く感じる時もある
今の私はちゃんと笑っているのだろうか?
自分の心に鋭い眼差しは向けていないだろうか?
そして、令和の世の中はほかの人に
鋭い眼差しを向けている人が多い様に感じる
「 」
あっ、そんな事言っちゃだめ
それ、言霊にならないといいね
ほら、口は災いの元っていうし
まあ、いつか反省するならいいよ
でも、私はずっと見てるからね
鋭い眼差し
夜。1日続く雨で足元に水溜りが出来ている。路地裏は更に暗く、街灯が青くちらちらと光り点滅を繰り返す。
「どうした?」
「いや、大したことじゃない」
街灯の先にいる黒い彼は息が上がったような、何かに怯えてるような印象を感じた。
「待ってくれ!」「見て驚くなよ?」
そういった彼は、街灯の下に歩き全ての姿が見えた。
その姿はまるで
小説『鋭い眼差し』より
集中している時は
目つきがわるくなる
元々一重の目は
かわいいとは対極にある
近ごろは目も悪くなったが
メガネを掛けずにすますので
きっと目に力が入っていることだろう
鋭い眼差し コワイと
周りを怖がらせてはいけないので
集中して人の顔を見るのは
やめておこう
いつものんびりな彼女が
珍しく俊敏に動いていた
鋭い眼差しの先には
黒いダイヤモンド
彼女以上に俊敏に動くそれは
棚の隙間へと移動
それを逃すまいと
彼女もスプレーで臨戦態勢
次の瞬間
彼女の強力なスプレー攻撃
逃げようと方向を変えるそれ
素早くもう1度攻撃
逃げ切れなかったそれは
しばらく暴れていたが
動きを止めた
それを見て彼女はいつもの
のんびりな表情に戻った
鋭い眼差しに目を貫かれると怖くなる。声が出なくなる。違う。違うんだよ。そんな事じゃあない。そんなこと言わないから怒らないで。
死にたい訳じゃあないよ。ただ、生きたい訳でもない。皆が大切にする家族も、これからの決まってる未来も、全部僕からすれば簡単に捨てられるもので、同じく。死ぬことも簡単に出来る。ただ、大切にすべきものが見当たらない。生きることは経験を積むと言うよりも苦しみを積むに等しい。それを詰んだとして、一体その奥には何がある。
家族も恋人も、愛していない訳では無い。ただ、生きる理由が見当たらないだけだ。
死にたい訳じゃないから、だからどうか、怒らないで。
鋭い眼差し
あなたの刺すような眼差しは
私にとっては至上の贈り物
その視線で
私の全部に触れて頂戴
鋭い眼差しの奥には、丸い瞳が揺れている。
怖くないよ。目は心の窓、ともいうからね。
【鋭い眼差し】
鋭い眼差し
鋭い眼差しで買い物をしている
私が欲しいと思うものがあるのか?
はじからはじまで鋭い眼差しで物色
ああ世の中は物がたくさんあるけど
買えるものは少しだから
しっかりいるものを見分けて選んで
買いたい
だから鋭い眼差しで私は買い物をするのである
野犬と飼犬の目つきは違う。
ちょっと犬を飼った経験がある人間であれば、犬の瞳を覗けばすぐに飼犬か野犬か判断できるだろう。
野犬や野生動物はみな、鋭い眼差しをしている。
その鋭さは、あらゆる無いものによるものだ。
安全、絶対的な信頼、生活の余裕。
それらを持たないからこそ、彼らの眼差しは鋭い。
視線の鋭さは、彼らの生い立ちの過酷さと、期待などしない警戒から来ている。
それは人間とて例外ではない。
私は今、鋭い眼差しに晒されている。
お父様と私の前に傅いているのは、我が国の仇敵を打ち滅ぼし、世界に平和をもたらした救国の勇士だ。
彼はおとなしく、お父様の長々しい激励の言葉を聞いている。
空気が張り詰めている。
そのうち、お父様は言うだろう。
救国の褒美にうちの娘を娶ってくれぬか、と。有無を言わさぬ形で。
お父様のその判断に異論はない。
一国の主人として当たり前の選択だ。
国を上げても倒せなかった仇敵を打ち滅ぼすほどの力を持った人間。
この国の英雄。
今から始まる平和な時代を治世していくためには、そんな危険因子に手綱をつける必要がある。
個人にとって、一番強力な鎖は絆だ。
お父様は国のために、言うだろう。
「わしの娘を娶ってくれ」と。
勇士もそれを断らないだろう。
戦闘力によって貴族や王族に目をつけられ、勇士に半強制的に任命され、自分の戦いの実力一本でここまでの偉業を成し遂げた叩き上げの彼は、これからの平和な時代で、同じ生活を保つのは難しいだろう。
彼には、文臣に必要な基礎学力も常識も持ち合わせておらず、また、貴族のような育ちの良さも立ち回り方も身につけていない。
そう、どちらもそうせざるを得ないのだ。
いくら鋭い眼差しを私に刺そうと、私は貴方を伴侶にするしかなく、貴方もまた、私を娶る以外に選択肢はないのだ。
たとえ、私が、貴方と貴方の仲間を死地に追いやった憎き王の娘でも。
たとえ、私が、貴方たちの日常を突然崩していった貴族たちの頂点にいる人間だとしても。
たとえ、私が、貴方だけに犠牲を強いて、これから貴方の犠牲によって訪れた平和を、何の犠牲も払わず享受する国民達の象徴だったとしても。
私たちは、一緒に生きていくしかないのだ。
鋭い眼差しが私の肌に突き刺さる。
憎しみや怒りや悲しみや警戒心が、深く深く絡み付いた鋭い眼差しが。
それでも、私たちは一緒に生きていくしかないのだ。
彼をじっと、真っ直ぐ見つめ返す。
私の視線は、何を語っているだろうか?
…自分では分からない。
それでも、彼を正面から受け止めなくてはいけないと思う。
この国の姫として。
彼の妻として。
鋭い眼差しが、やや斜に穿った角度から、こちらを刺している。
私はそれを受け止める。
真っ直ぐ、角度を変えずに返す。
それが私にできる唯一のことだから。
お父様が一息置いて、ちょっと口をくぐもらせてから切り出す。
「そこで、其方には…」
窓から差し込んだ日の光が、鋭い眼差しを湛えた勇士を照らし出していた。
「おかあさん、なんで泣いてるの?」
私の涙に勘づいた、5歳息子の鋭い眼差し。
とっさに
「〇〇くんといられて嬉しいからだよ」
と言った。
立派な嘘だ。
本当は、障害のある息子の激しい癇癪に疲れ切って、思わず涙した。
「お母さんが嬉しくて泣くのは初めてだね」
そう言って不思議そうに笑うので、私の感情は更にぐちゃぐちゃになった。
子供のせいにしたくない母親の私と、それを隠しきれなかった幼い私。そのどちらをも、息子が交互に見つめてくる。
ーーお母さん、隠しても僕にはわかるよ。
我が子の純粋な眼差しが、さっきよりずっと鋭く、心の奥に刺さってくる気がした。
鋭い眼差し
なんなんだお前は
なんでそんな目で見てくるんだ
お前だってさっきまで話してただろ‼︎
なんで俺だけ
なんで俺だけ…
鋭い眼差し
普段はなんとも思わない他人の目。
だがしかしやましいことがあれば異様に気になる他人の目。
まぁ世の中には何にもしていないのに他人からどう見えているか気になってるやつばっかりな所があるがまぁそれはそれ。
他人からの目線をどう受け止めるかは自分自身である、そう言うことが言いたいわけだよ俺は。
「それが今生最後の言葉、という事でよろしいですか?」
「だから俺じゃないって…絶対俺じゃないって…」
「私の名前が書いてある大福食べちゃうのは貴方以外ここにいませんー!!第二容疑者の矢車殿は3日前から出張で熱海です!」
「くっそあのオヤジこう言う時だけなんで遠くにいるんだよ…」
「楽しみにしてましたのに…!!笹本が買ってきてくれた大福、あれを楽しみに試験がんばりましたのに…!!」
「あー、大福はねぇけどさ、代わりの奴買ってくるのは?」
「……そりゃ、あればまぁ、いいんですけど。でもあれ、限定なんですよ、駅前の和菓子屋さんの、開店1時間で売り切れる、やつ…」
「あぁあぁあ泣くななくな」
「泣いてませんけど!?」
泣いてる。鼻鳴らしてるもん。お嬢の目尻に大粒の涙が光る。
こすると赤くなるからダメなんだっけ、お嬢肌白いから余計痛そうなんだよな。ぽんぽんとあてるようにハンカチを出す。
幼児の世話でもしてんのか俺は。
「帰ってきたら朝から楽しみにしてた、大福がなくて、ショックで呆けたりしてませんし!?」
「やっべ結構重症だ」
「朝見た時は確かに、ありましたもん!」
「あった、俺も見たそれ、朝は絶対あった!」
「ありましたもんね!?」
「夕方はちょっとわからん!」
「ううーー!うう、うー、でも、もういいです、あたってすみません、もしかしたら食べちゃったの忘れてるのかもしれません、美味しいですからね、一個ってすぐなんですよ、笹本に入れてもらったお茶と一緒にいただくのが、美味しくて」
えぐえぐとしゃくりあげる姿に普段の凛々しさは微塵もない。
最近凛々しさ出てないけど。凛々しさ出てる時大体対おばけの時だから俺的には平和でいいんだけど。
「つか笹本さんはどうしたんだよ、あの人に聞けばすぐじゃねぇの」
「それが姿が見えなくて、石蕗もいませんし、私どうしたら、えへへ1人じゃダメですねぇ私、大福一つでこんな……」
やばいやばいもう誰でもいいから帰って来てマジで。泣いてるお嬢とかどうしたらいいんだお菓子何かないか大福ないんだよな!!
にっちもさっちもいかず右往左往してたら玄関に来客。
救世主!!!
「おい戻ったぞ少年!!!同じじゃねぇけどデパ地下の大福買って来たから包み紙に名前書いておいといてくれー!!!」
「馬鹿野郎あんた大声で叫ぶな!!」
「……矢車殿、出張は?」
「ん、終わったから帰って来て、次博多いってくらぁ」
「その手にあるものは?」
「デパ地下で買って来たフルーツ大福。中身生クリームだから今日中に食ってくれ」
「……矢車殿、なぜそれを買って来たんですか?」
「お嬢チャンが楽しみにしてた大福俺が少年と一緒に食べちゃったからすり替え作戦」
「おい矢車殿、おい必死に時間稼ぎをしていた俺の努力を返せ」
「やん少年、幼気な女の子を泣かすなんてサイテー!」
「しなをつくるなァ!!」
「君も知ってたんですかー!!」
「俺は被害者です!!手を洗った後台所から手招きされて「一口あーげる!はいあーん」ってされました!拒否権ありませんでした!」
「言ってくださいよー!許したのに!!」
「だってこのオッサンが黙っててくれたら俺にも大福更にくれるって言うからっていや許したのかよ大丈夫かお前、あんだけ楽しみにしてたじゃん!?!?怒れ!怒っていい!ごめんなさい!」
「食べちゃったならもう仕方ありませんよ、今回は縁が無かったのです」
「なんでそんなに割り切れんの…怖…」
「何故今私は気味悪がられているのでしょう……」
「もっとワガママに生きていいって事だぜ、お嬢チャン…」
「貴方に対しては怒ります!!!名前書いてあったでしょう!!」
「半分食った後だったんだよな、気づいたの」
「前も同じ事言ってました!!もう専用冷蔵庫考えます…猫を追うより皿を引きます!大体無実の高校生巻き込んで何考えてんですか!いい大人が情けない、今回という今回は許しません!」
「許してお嬢チャン、ほれ生クリーム大福苺にキウイにみかん、ほれほれ綺麗でしょ〜」
「騙されません!すぐそうやって子供扱いする!嫌いです!」
「ほらほらブルーベリー!ほらガトーショコラ!ラムレーズン!」
「………流石に全部は無理なんじゃ」
「シッ!後ちょっとなんだ邪魔するな」
「何が後ちょっとですか!許しません!食べ物は勿体無いので捨てたらもっと許しません!でも私が受け取ると許したと同義と教わったので………………………受け取れません…………うう」
「葛藤がすごい」
「今ならフォンダンショコラもつけちゃいますよ〜!!」
いやもう可哀想だからやめてやれ。
俺が口を出す前にあの人が帰ってきた。
「さて矢車殿、全て聞いていたので言い訳は結構、弁明も聞きません釈明も無効です、とっとと次のお仕事にいきましょうね」
「オワッやべ殺される」
「反応が悪戯バレたクソガキ」
「つわぶきー!!お仕事お疲れ様です!矢車殿連れてってください!早く!」
「言われずとも。お嬢様、良いお知らせがあります」
「良いおしらせ?」
「はい」
はて、と首を傾げるお嬢に優しく微笑みかける石蕗さん。この流れで?
「まず矢車殿、博多にどうぞ」
「アッはい」
そのまま玄関まで追い立てられるようにして矢車殿は去った。車の音がしたからマジでそのまま博多コースかな。
博多ってなにがあるの?通りもん?他知らない。
閑話休題。
「お嬢様、試験お疲れ様でした。苦手な教科を集中的に取り組んでおられる姿を石蕗はしっかり見ていましたよ。結果がとても楽しみですね。きっと以前より良い成績が残せると信じております。そして例え思うような点数が取れなかったとしても、お嬢様の頑張りがなくなってしまうわけではありません、学んだことは全てお嬢様の中に積み重なっております、それを忘れないでください」
「はい、ありがとうございます、石蕗!これからもはげみます!」
「石蕗はずっと応援しております」
「で、石蕗さんいいお知らせってなんだよ?」
「こちらに大福がもう一つあります」
「それ石蕗のでしょう、嘘はダメです」
「そうです、笹本が一つずつ買ってきたものを避けておりました。これを半分こしましょう。一つには足りませんが。」
「……いいですよ、石蕗だっていつもお仕事頑張ってるじゃありませんか、とっても美味しいんですからその大福!一つ食べなきゃ勿体無いですよ!」
「お嬢様、私はお嬢様と半分こして食べたいのですよ」
「……減っちゃいますよ、半分に」
「2人で食べれば2倍、美味しいですから」
「……うふふ!美味しいお茶を合わせないとですね」
「笹本がもうすぐ帰ってくると思いますよ、ほら」
玄関の方から引き戸の音がした。次いでただいま戻りました、の声。がさがさと大きな買い物の気配。
「お嬢様、試験お疲れ様でした。私の目が届かなかったばかりにの失態でございます、お許しを」
「笹本のせいではないですよ本当に」
「買い出しにでたばかりにこの始末。先ほど熊を狩ってきまして、本日熊鍋にございます」
「豪華ですねぇ……まだ試験結果でてないですよ、試験終わっただけですよ笹本、ちょっと気が早いですよ落第してたらどうしましょう」
「そんな心配する成績してないでしょお嬢、大丈夫だよ」
「その熊から快く譲っていただいた戦利品がこちらに」
そうして広げられたのは、ついさっき目の前で見た生クリーム大福各種、ガトーショコラ、フォンダンショコラとその他色々。
「あの、ひょっとしてさっき狩ってきた熊って」
「人里に降りて来た熊はちゃんと猟友会の決まりに従って捌きますので大丈夫ですよお嬢様」
「や、矢車どのは…」
「さっき博多に向かいましたよ、大丈夫大丈夫」
「この戦利品は我々が熊から譲り受けたものですから、お嬢様は気にせず許さずでいいんですよ……我々も許しておりませんので」
「お嬢、これ別もんだよ、印字の擦れがちょっと違う」
「それ何レベルの違いです!?タイミング!?」
「何にせよ、貴方は気にせずお食べになっていいんですよ」
「次に矢車殿が敷居を跨いだらとっちめますので。我々が」
「いえ矢車殿もお土産買って来てくれますし私のお饅頭食べたりとかしますけどお仕事頑張ってますし」
「一回こりなきゃダメです、彼奴は」
「石抱きの刑に処します」
「焼き鳥食わせます」
「うーん、ほどほどで…ショックは癒えましたので」
それに、と続けるお嬢にさっきまでの憂鬱は見られない。
「みんなで食べるおやつは100倍美味しいので、大丈夫です!」
後日談。
柳谷邸に轟いた悲鳴。それはたっぷり芥子が仕込まれた饅頭を、口一杯に頬張った矢車殿のものでした。
「や、ほら……小腹がへって……一個あるじゃん饅頭が……食べるでしょ……よく見たら普通に注意書きだこれ、読んでたら避けれたのか……いや本当すみません……気をつけます…」
お嬢曰く。「悪い人では、いや悪巧みや悪知恵は働く方ですので注意は要りますけど。悪人では無いです。いい人ですよ。疲れてるとお腹減るのと周りが見えなくなるのが困りものですけど。」
前何も気づかずビー玉飲み込んだりしてましたし。
これくらいのお灸なら、まぁちょうど良い薬と思って。