『部屋の片隅で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
部屋の片隅で#18
気づけば季節はもう冬らしい。私はまた一日という時間を無駄にする。あの別れから4ヶ月が経つけれどまだ心の整理がつかずに休職させてもらっている。会社の人に迷惑だと思ったから退職してもいいかなとも思ったけど、友達が「一旦休職して心と部屋の整理をしなさい」って足の踏み場もない部屋に目を落としながら優しく言ってくれて一応延命できている。
私は8月の初旬に突然別れを告げられて、連絡手段も全て絶たれた。私の話なんて聞いてくれなかった。いつだって自由な彼は私のくだらない話も聞いてくれた。すごく安心できる時間でなんとなく無くならない時間だと思っていた。期待しちゃいけないと思っていたけれど私はいつからか彼に期待をしてしまっていた。私のことなんて興味ないことわかっていたのに。本当に愚かな話だよね。
私は部屋の片隅で涙を堪えながらあの日の思いを吐き出していく。
後悔なんてもうごめんだよ。
過去に縋って生きるのはもうやめよう。
ありがとう、さようなら。
僕の家、今は使われていない暗い部屋の片隅に
それはあった。
形や色は見えない。
ライトの光を当てると、逃げるように去って行く。
出ていったと思ってあかりを消すと、姿はない。
だけどその部屋にいると、じっとりと見つめられるような視線を感じる。
まだいるのだろう。
そんな薄気味悪さを抱えながらも、年末の家の掃除があるので僕は仕方なくその部屋の扉を開けたのだ。
部屋の片隅で体育座りしながら泣く。そんな光景を漫画かアニメで見たような気がするけど実際にはやる奴いないか。
しかし今日のお題も中々難しいな。隅っこか。なにかあるかな。
考えたけど何もないや。今日も普通の日記にするか。
昨日もそうだったけど今日も暖かい。昨日なんて昼間はちょっと暑いくらいだった。これで冬なのか。
部屋の中でも暖房をつける必要がない。寝る時に電気毛布はいるけどそのくらいだ。
今年はまだ吐く息が白くなるくらいの寒さは数えるくらいだな。涼しくて過ごしやすい。
夏が異常に暑かったからその代わりに冬が暖かいのかね。なら酷暑もそうわるくないのかもしれない。
とはいえ慣れちゃったけど今の夏はエアコン必須なのが普通に嫌だな。一年中春ならいいのに。
部屋の片隅で。
溜まったホコリ。
残された虫の死骸。
玩具の破片。
主観的にも客観的にもなり得る。
1人暮らしを始めて不安だったから
部屋の四隅にお守りの塩を置いた
僕には
僕には出来ないことがたくさんあって
もちろん飛行機で遠いどこかへ旅することも
出来ません
でも僕はこの場所から空を見上げて
青空の中のひこうき雲を見ることが出来ます
僕はその瞬間とても幸せで
僕より優れた誰かを羨むこともないし
僕より劣った誰かを蔑むこともありません
その幸せは誰かの基準ではなく
僕自身の基準で
誰かに承認や許可を得たりすることもなく
ただそこにあるものです
幸せはいつもただそこにある瞬間であり空間です
あなたの幸せは何ですか?
そんな話を誰かとたくさんしたくなる日が
僕にはあります
それは確認ではなく共有であり
強制ではなく解放であり自由なのです
『部屋の片隅で』
部屋の隅に半分透けたような人影が見えた気がして目を凝らすと、確かになにかがそこにいた。おまえはなんだと尋ねるとそれは死神だと言った。私に引導を渡しに来たのだという。死神とあろうものがそんな部屋の隅っこからなにができるのかとひとしきり笑った次の日、死神は部屋の隅から離れたところに現れた。その距離わずか一歩ほど。気の長い話だとまた笑って、これは無害なものだと位置づけたのがずいぶんと前のこと。
そういえばあれはどうなったのかと部屋を見回してみる。半分透けたような人影が見えた気がして目を凝らすと、それは数を増やして私を四方から取り囲んでいた。眼の前にいたそれに肩を掴まれてようやく理解する。なるほど確かに死神だったと。
部屋の片隅であの男は何をしているんだ。
悪戦苦闘しているのが見えた。ダンボールに何かを入れてたのか。
「何してんだよ。……もしかしてビニールテープ、つけられねぇの?」
そいつは顔を真っ赤にしながら「そうだよ!」と怒り気味で言ってきた。
何怒ってんだか、そう思いながら俺はそいつのダンボールの方へ近づいて代わりにビニールテープをつけてあげた。
「お、おう。ありがとう」
歯切れの悪い返事をしていたが、俺は気にすんなと手を振ってソファーの方へ座りテレビを見ていた。
あとはそいつがダンボールを玄関において、ソファーにきて一緒に話していたのは覚えている。
……今にして思えばあの中身を見てなくてよかったとほっとしている。
だってあのダンボールに死体が入ってたなんて夢にも思わない。
(パッと出てきたものなので続きはないです)
「部屋の片隅で」
じいっとしてる
部屋の片隅で
不安ごと抱え込むように
ふっと目が覚めて ここはどこ?
あ、私の部屋か
誰も来ない 誰もいない
逃げるための私の居場所
逃げる?何から?
どうして?
わからない
もう寝よう。考えることすら疲れた
…ここはどこ?
#部屋の片隅で
膝を抱えて、俯いて
あの日とこの日を数えてる
思い出は
キレイで
辛くて
頬を染めて
少しバカな自分を含羞む
逃げれない日々も、歩めたあの日も
醜い自分を写す鏡は、そばにあって
決して逃げられない
逃がしてくれない
罪悪感で埋まっても、幸福感で満たされても
近いのに、果てしなく遠い
決して手には入らないもの
いっそ、壊してみようか?
そんな勇気もないくせに
部屋の片隅で、佇んでたホコリ。
1日の締めくくり。1年の締めくくり。
「ありがとう」を形に込めて、綺麗にしよう。
たくさん、たくさん、部屋の隅で泣いた
何か有ると毎回部屋の隅で泣いてしまう
でもそれが一番落ち着く
# 15
【部屋の片隅で】
ふつーの人が見えない「何か」が見えちゃうんだよ、おれ。
オバケ?ユーレイ?なんか、そういうやつね。
子どもの頃からだから、あんまり怖いとも思わないよ。
母ちゃんや姉ちゃんも「見える」って言うし。
でね、おれの恋人はそういうの、ぜんぜん見えないし、感じない。
劇場とかスタジオってけっこうオバケがいるんだけど、アイツは気づきもしないから、「何か」をスニーカーで踏んじゃってたもん。
そんでもって平気なの。
オバケも逃げちゃうくらいの陽キャ。
逆にすごくない?さすがだよね、カッコイイ。
あ、でね、今日も仕事場の控え室の隅っこにオバケがいたの。
可愛い男の子。目がくりっとして、八重歯で。
ちょこんと隅っこに座って膝を抱えて、真面目な顔でおれたちを見てる。
悪いことはしそうになかったから、おれは気にしないようにしてた。
そしたら、急にアイツが変な顔しておれにいった。
「あそこに、ちびっ子の頃のおまえがいるんだけど」
ドキリとして部屋の片隅を見た。
男の子はジッとおれとアイツを見つめているの。
その時、突然おれの脳裏に何十年も前の出来事が蘇った。
この同じ控え室で、中学生のアイツが“彼女が出来た!”って、仲間に自慢してたこと。
それを聞いたおれは悲しくて、何故悲しいのか分からなくて、部屋の隅っこで膝を抱えて座っていたんだ──。
色んなことがあって、オトナになって、おれもアイツも苦しんだ時もあった。
でも今はおれたち、めちゃ仲の良い恋人だよ。
心配しなくていいよ、子どもの頃の“おれ”。
隣に立つアイツの手を握ると、“おれ”は安心したように八重歯を見せて笑い、そしてすうっと消えた。
「──オバケ、見えたんだ?」
隅っこを見つめたままの恋人をからかうと、アイツは息を飲んでおれを見つめて、「オバケなんか見てない」って強がる。
「だってオバケが見えたんだろ?」
「オバケは見てない。初恋の相手を見ただけ」
ギュッと繋いだ手を、子どもの頃の“おれ”に見せてあげたい。
赤ちゃん泣いて、私も泣く。部屋の片隅、心の片隅、私は今日も焦ってる
伏せて
丸くなる。
息が
苦しい。
こういう時って
どうすれば
いいんだろう?
思い出したり
考え始めたりすると
どんどん
息が
浅くなるから
なるべく
イヤなことは
置いとくようにして
楽しいこと
ワクワクすることだけ
思い浮かべて。
息が
出来るように
これからも
生きていけるように。
#部屋の片隅で
部屋の片隅で踞る
独りぼっちな僕は
誰にも気ずかれず
塵となる
私の心の安住の地は、
部屋の片隅で、隅っこだ。
過去の失敗、後悔等負の感情に
振り回されている今の私には、
丁度よくフィットとし程よく落ち着く。
そうしていると、忘れられて、落ち着く。
小さな部屋の片隅で。
部屋の片隅で
素早い動きを見せたクモさん
急に明るくなってうるさくなってビックリしたよね
珍しく部屋の隅々まで掃除しようとしてただけだから
驚かせてごめんね
ちょっと別のところへご案内しようとしたけど
あっという間に姿を消してしまった
次はいつお目にかかれるかしら?
私の気まぐれ掃除次第ってことで
またいつか部屋の片隅で会いましょう
僕は家の中では邪魔者扱い。
部屋の片隅で僕は音楽を聴いた。
イヤホンをして自分の世界に入る。
画面に映るたくさんの観客とペンライト
僕も歌いたい。聞いてもらいたい。
部屋の片隅で僕は夢を持った。
そして今僕の目の前には
数万人の観客とカラフルなペンライト
あの日夢を見た景色が僕の目の前にある
夢が叶うなんて嘘みたいだ
─────『部屋の片隅で』