『遠くの空へ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
いつか、届くんじゃないかって、思ってた。
伸ばした手は相変わらず空を掴むばかりで、何も残ってなかったけれど。
届かないなりに、掴めるような気がするだけでも良かった。
届かないことを嘆いたこともある。
伸ばした手を下ろしたこともある。
空を掴むことを諦めたこともある。
それでも、願って、伸ばして、抗って。
そうしてやっと、見つけたんだ。
ずっと憧れていた”遠くの空へ”、あと少し。
遠くの空へ
クラスの男の子と話せないな、あの子たちは一緒に話して帰ってたりするのに
もう絶対彼氏作れる自信が無いな、
先生だったら話したいことたくさんあるのに
いつになったら
あと...
どれだけ待てば
逢えるのかな
夢の中では
逢えるのに
近いようで遠い
貴方との再会
暮れゆく
夕日を見つめ
遠い空へ
貴方を想う
ときどき、莫大な死の恐怖に襲われることがある。
寝る前、散歩中。ふと「死」について考えてしまう。
生があればいつかは死が来ることは誰もが知っているだろう。
しかし、死んだ後のことは死んだことがある人しか知りえない。つまり、誰も知らないのだ。
死後の世界があるのか、ないのか。
心臓の鼓動が完全に止まったら、人はどうなってしまうのか。
何も考えられなくなってしまうのか。
そう考えていくと、恐怖に襲われ思考を停止してしまいたくなる。
だから私は、死の向こうには空が広がっていると考えているようにしている。
もし身近な人が亡くなってしまって、悲壮な思いを抱えている人は「死」というものをポジティブに捉えて欲しい。そうすれば故人との思い出がもっと輝くだろう。
いつかいく、遠くの空を想像して…
遠くの空へ連れてって
君となら
この世界の果ての果てまでだって
飛んで行けると思うから
【遠くの空へ】
遠くの空へ行った君
でも、体は......肉体は残ってるから
僕は、ちっとも寂しくない
でもちょっと嬉しいな
だって君自身、君の体を貰えたし
綺麗なまんまだし、とっても嬉しい
今の方が可憐で僕は好きだよ。
どこまでも果てしなく遠い空
常に変わり続ける空模様
同じ空は二度となくて
見た瞬間は私だけの景色
どこまでも果てしなく続く空
離れていても同じ月を見ていたりするのかな?
空は広いな大きいな
見てみたいな宇宙からの地球
『遠くの空へ』
海辺に座って上を見上げる。
「あいつ...元気かなぁ」
あの日突然、俺の隣から消えたあの子を今でも想う。
【 拝啓 , 親愛なる君へ 】
やぁ、ワトスン。前までの暖かい季節が嘘のように去っていってしまったね。今はもう肌寒いほどだ。
コートを買ったんだ。茶色の暖かそうなコートをね。
君が居なくなってから、君が好きそうなものばかり選んでしまっているよ。食べ物も、雑誌も、服装も。
君が隣にいないとやっぱり変な気分だ。
椅子が一つ空いてるだけなのにな。全くおかしなことだ。
ワトスン、もし君がこの手紙を読んでいるのなら、笑ってくれるかい?
君がいなくなったのは、もう随分と前なのに、未だに寂しくなってしまうんだ。
返事は書かなくてもいいぜ、ワトスン。
君が読んでくれたらいいんだ。
僕が、そっちに行った時はまた、
一緒に冒険をしてくれるかい?ワトスン__いや、
青春の 胸がつきん、と痛むのは
いまごろ戻ってきたのかな
幼い日
遠いお空にとばしたきりの
イタイノイタイノ オカエリナサイ
「遠くの空へ」
#74
可哀想な生命を掻き集めて
遠くの空へ送りませう
母なる闇へ身を預け
暗雲の因果を断ちませう
「『空』か。空のお題、意外と多い……?」
カリカリカリ。今日も某所在住物書きは、相変わらず通知画面に届いた題目に四苦八苦。堅揚げポテチを食いながら固い頭をフル稼働させている。
「沈む『夕日』、『星空』の下で、『ところにより雨』、『星』が溢れる。コレは空関係の話を書き溜めとけば、いつか使えるお題が回って来る説?」
夜明け、朝日、日差し、夕暮れ、満月に三日月。
作品投稿のズルをしてやろうと、「空」に関する単語を列挙する物書き。途中でメモの指が止まり、
「……俺、そんな大量にポンポン話書けるっけ?」
そもそもの己の執筆スキルを、再度、確認し直す。
「まぁ、ひとまず今回は昨日のお題の続きで行くか」
――――――
リアリティーガン無視なおはなしです。フィクションマシマシでファンタジーなおはなしです。
最近最近の都内某所、某稲荷神社敷地内の一軒家に、化け狐の末裔の家族が仲良く住んでいて、
そのうちの父狐がなんと漢方医。某病院で、労働して納税して昨今の感染症と花粉症に立ち向かう、40代既婚男性(戸籍上)でありました。
夜勤中、母狐から、子狐が「お気に入りの花畑が消えちゃう」と泣きじゃくっていた、との通報が。
愛しい我が子の心を癒やすため、父狐は子狐の大好きな、星の形のクッキーを、ひと箱買って帰りました。
「お花畑が消えちゃうって、泣いてたんだって?」
家に帰った父狐。子狐にクッキーの箱を渡します。
「来年また芽を出すよ。これを食べて元気をお出し」
子狐の泣いた花畑は、キバナノアマナのことでした。
黄色く小さな、ユリか星のような花を咲かせるそれを、子狐は「お星さまの花」と呼んでいました。
星が大好きなコンコン子狐、星の形の花が消えていくのを、キャンキャン泣いて悲しんだのです。
「泣いてないもん!」
大好きなクッキーをひとくち、ふたくち。子狐は嬉しそうに頬張ります。
「それに、かかさん、教えてくれたもん。お星さまは、消えないの。遠い、遠いお空にのぼったの」
クッキーを1個ぺろり食べ終えて、子狐は青い青い空を見上げて、指さしました。
「かかさん、お星さまは遠いお空にのぼって、遠い涼しい場所に行くって、言ったの」
だから、お星さまは消えないんだよ。
子狐えっへん、得意そうに父狐に言いました。
「そうか。それじゃあ来年は、遠いお空の土産話が聞けるかもしれないなぁ」
母狐の言葉は、半分ウソで、半分本当でした。
キバナノアマナは春を告げる花。東京で花が終わっても、遠い遠い空の下、遠く離れた涼しい雪国では、今まさに咲いて花畑になっていることでしょう。
それを、母狐は「遠い空にのぼって遠い涼しい場所に行く」と、表現したのです。
「お空の旅は、どんな旅だと思う?」
父狐が愛おしく子狐を抱きかかえると、
「雲のおふとんでお昼寝できる旅!」
「お星さまの花」に届くと思ったのでしょう、子狐が遠い空へ向けて、小ちゃな手をうんと伸ばしました。
遠くの空へ
貴方の影を見た
あと少し
前に進めば会える距離
だけど、僕の足は
泥に嵌ったように
動かない
まだ僕は君に会えない
聞くことには、人間サイズの生物が空を飛ぶために必要となる翼の大きさは、15mにも及ぶという。そこからさらに翼を支える筋肉や骨格などを考えると、人間が自力で空を飛ぶことは不可能なのだろう。
だが、御伽話の中ではこじんまりとした可愛らしい白い羽が生えた人間が、天使だなんだと華麗に飛び回っている。それを見て、空を自由に飛びたいという夢を目を輝かせて語る子供にそんな事を伝える程、私は空気の読めない人間ではないつもりだ。
では、かの友人は?彼女は子供ではない。何せ共にランドセルを背負って歩いた頃からの仲である。私のような人間ですら大人なのだから、彼女も大人に決まっている。大人は人間が空を飛べないことを知っている。
「飛べるとも」
だのに彼女はおかしな事を言った。私よりも頭も良くて、なんなら高校の時に生物学の成績も私に勝っていて、現実が見えてないなんて言われたこともなさそうな、あの子が。
「鳥人間コンテストの話じゃあないよ?滑空するだけだなんて飛ぶって言わないもの。私達人類は地に足を付けて生きているけれど、でもいつかこの大地からも縛られない時が来る。いつか人間は遥か遠く空すらも開拓していくのでしょう。」
正直何を言ってるのか全然分からなかった。国語の成績だって良かったくせに、全然話すの下手くそじゃん、まるで教祖みたいな喋り方で格好つけて。
そう、それからずっと分からなかった、あの時の言葉。理解もしないまま記憶の深く底で眠っていた。つい今までは。
1人用の小さめのテレビ。そこには膨大な量の煙を撒き散らして天へと舞い上がる円錐形の影。お昼のワイドショーはスタジオで事の解説を始めた。ある星への人類初の有人星間飛行。次にテレビは宇宙服を着た笑顔の女性を映し出した。とても見覚えのある顔。
あの言葉の後、言っていた一言。それが私の頭で再生される。
「私はね、遠いソラへ飛び立ちたいんだ。」
学生の頃、ある日、空に心を奪われた事がある。
真っ青で、雲ひとつ無い空だった。
なんて広くて青いんだろう。
その頃の私は、いろんな事を悩んでいた。
だけど、その空を見た時、一瞬悩みを忘れた。
そのくらい綺麗だった。
その時の感覚を、朧げながら覚えている。
遠くまで鮮やかな青が続いていた。
「遠くの空へ」
どこまでも青くて大きい
手を伸ばしても
辿り着けるはずがなくて
あぁ、
遠いなぁ
*遠くの空へ
手をつないで一緒に歩いていた
気づけば君は先を歩いて、僕はあとを追いかけた
君が走らせる自転車の後ろに乗って、大声で歌を歌っていた
発進する電車を追いかけて、僕は一秒でも近くの空間に居ようとした
いつの間にか別の道を歩むと決めた君が、見えないくらい遠くの空へと飛び去っていくのを僕は見ていた
(遠くの空へ)
『超蝶飛躍(ちょうちょうひやく)』
ここはどこだろ。
暖かい……
歩き進めば見えてくるのは、なんだろこれ。心臓?
心臓は宝石のように輝いて周りの血液を赤々と照らしている。
もうすこし、奥に進めば見えてくるのは、うーん?羽かな?
真っ白に塗られた羽。少しだけ黒色が見えるような。
奥に、奥に奥に奥に奥に、
落ちている羽をたどって行けば、着くのは背中?
白いペンキが垂れ落ちる。
嗚呼、この翼、本当は黒色なんだ。
可哀想に。わざわざペンキで塗られたのね。
「正しい」と言う言葉に溺れ自我を失ったのね。
「善」「悪」そして「偽善」
自らの正しさそれが善。他人の正しさそれが悪。
そして他人の正しさに溺れてしまったのが偽善。
他人から見たら貴方の羽は黒なのでしょう。
だから白に塗り替えられている。
善に見せようたって結局は偽善。見せかけだけ。
でも、貴方にとってはこの羽は白色なんでしょう?
それなら間違っていない。ペンキのせいで羽が重くなって飛べなくなっている。
大多数には黒に見えても、必ず貴方の羽を白色だと気づく人はいる。
あぁ……足にだって重りがついている。
「親」「友達」「先生」「社会」「個性」「恩人」
ゾンビのように何度倒しても沸いてくるこの言葉。
切っても切り離せない。
だったら私が切ってみせましょう。
何を言われたのかしら。「不細工」?「死ね」?「生きてる価値なし」?
……大丈夫よ。貴方は貴方。誰も理解してくれなくたって。恥かいて生きてたっていい
「「生きるか死ぬかは自分で決める」」……だったら死ぬ?それも自分で決めていい。
そろそろ飛ぶ準備はオーケー? ……後はその背中を少し押すだけ。
お題『遠くの空へ』
※偽善=見せかけの善行。まやかし。
僕は今日も紙飛行機に文字をつらねる。
いつもこれを拾ってくれる君のために。
『僕はもうそろそろ死にます。』
自分で描いていても何も感じない。
『だからこの手紙が最後になります。』
…
『君にはいろいろと感謝してるよ。君のおかげで残りわずかな人生を楽しめた。』
『名前も年齢も性別も分からないけど、』
『話したことすらないけど、』
僕は書く手をとめて病院の窓を見つめる。
『今まで支えてくれてありがとう。』
「少し、照れくさいや」
僕はつぶやいた。
『来世で友達になってほしい。』
そう書いてから鉛筆を置く。
丁寧に紙飛行機を折って窓から空へと飛ばした。
「結構飛ぶようになったなぁ」
けどこんなものじゃ足りない。
もっともっと遠くの空へ届くように。
遠くの空へより。
遠くの空を見る時は、もう会えない人とまた会いたい人を思い浮かべている