『通り雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
通り雨
あー…こんなに降るとは…
たしかに兼用傘だけど
日傘よりなので小型
こんな時に劇的に細く
なれれば濡れないのにね
ブーン
バシャッ
わーッ…車の水はね
どのみちびしょ濡れか
✴️163✴️通り雨
いつものように電車に乗っていた
学校に向かういつもの道
もう見飽きたよ。
何百回も見たこの景色も綺麗に見える時がある
それは友達と見るこの景色だ
友達はもういない
しんじゃったとか悲しいお話じゃあなくて
嫌われて減っていっただけ
それでも友達がいる時はあった
短い間だった
減っていった理由は僕にあるんだけどね
お題は通り雨、
通り雨ってパラパラしててちょっとしか降らないから
傘を刺すか刺さないか迷う
でもすぐに刺さないと
後々びしょ濡れになってることに気づく、
僕はすぐに傘をさせずに
びちょびちょになってる側の人間だ
気づいたら友達なんか0人で
心に雨が降ってる
通り雨のようにすぐに止んでくれたらよかったのに
通り雨って言わないで
狐の嫁入りって
教わって来たのは私だけ??
ザー!
ぎりぎり
間に合うと思ったのに
降られてしまった。
わたしたちの
旅行は
よく
雨に降られる。
多分
すぐにやむから
あそこで
休憩しよう。
それも含めて
旅行の
思い出。
#通り雨
通り雨だっの?もう晴れた?
布団が少し湿っぽかったから
窓辺の日に当てていたの
君はそこに寝るの?
君がそこに寝たら布団が…
君が気持ちいいなら
そこで寝るといいよ
その彼は、ひどく濡れた目をしていた。
日差しが眩しいバス停のベンチ。
先に座っていた彼は、力のない手足を伸ばしたまま空を見上げていた。
私は少し離れてベンチに腰掛けた。お気に入りのワンピースがふわりと広がる。
「こんにちは」
「…こんにちは」
私に気づいた彼が、ゆっくりと挨拶を投げかけてきた。
濡れた目と穏やかな微笑みのアンバランスさが、私の警戒心を解く。
「いいお天気ですね」
持っていた日傘を少し、彼に被るように傾ける。
彼の微笑みが影ると、また濡れた瞳を空へ向けた。
「そうやって、逃げてもいいんですよ」
彼の笑みが消え、どこか遠くを見つめるような、真剣な横顔になる。
えっ?と聞き返す私にまた、彼は微笑みを向けた。
「たまには雨を降らせることも、大事ってこと」
ね。と立ち上がった彼は、小さく手を振ると気怠げに去っていった。
だんだん小さくなる彼の背中を、私はぼんやり見つめていた。心の中の、堅く焼き付いた部分が、解けていくのを感じながら。
背後から、バスが向かってくる音がした。
『通り雨』
在宅ワークでフレックスタイムだから、仕事はいつ始めてもオッケー。だけど始まったら集中する。スマホで出勤ボタンを押したらそこからはお仕事モード。
午前中は一気に作業を進めた。デザインの仕事も今はPCでほぼ完結する。でも細かい部分にはこだわりたいから、根を詰めてリタッチをしていると時間を忘れてしまう。お昼前になんとか初稿を上げて、会社のクラウドにアップする。上司にメールを送って、念のため電話もしておく。
出ない。
そっか午前中は会議だ。ま、着信履歴があればアリバイは成立するので、気にせずお昼にしよう。んー、疲れたからコンビニで済ませよっかなー。
靴下を履くのも面倒で、つっかけを履いて家を出る。コンビニで適当にカップ麺と豆乳を買ってタッチ決済を済ませる。お湯も借りちゃおう。カップ麺を開けて熱湯を注いでいる時に、スマホを見ると、パートナーからLINEが入っていた。
「そっち雨降ってる?」
え?まさか。コンビニを出ると小雨ながらサラサラと確実な雨粒が見えた。
「もぉ〜、なんでこんな時間に!」
天気に時間は関係ない。濡れるのは気にせず、かと言って熱湯がこぼれぬように早足で帰宅して、すぐにベランダに向かう。二人分の一日分の洗濯物なんてすぐに取り込める。
ひと息着いたところでパートナーに「ありがとう」と連絡を入れた。
あ、お昼!
無情にもカップ麺はふやけてグズグズになっていた。
「もう!雨のばかぁ!」
セルフ増量した麺をすすりながら、またも天気に悪態を吐いた。すると、声が届いたのか、空はにわかに明るくなって、陽光がのぞきはじめた。
「あーあ、もっかい洗濯干さなきゃか」
ぽたぽたと黒雲が涙を零していた
どうしたのと問えば逸れたのと言う
数時間前の豪雨を齎した雲は
とうに風で流されており
一応と方向だけ指し示せば
ありがとうの言葉を置いて
青空を遅々と流れていく
果たして追い付けるだろうか
水溜りを狭く叩く大粒は
もって二時間だろうけど
‹通り雨›
「絵文字って何なん、スタンプで良くね?」
「それな。読み文字は単色で良いんだわ」
「まじほんと……ねえまじで出てこないんだけど
これ何で変換するの」
「何?……『こうよう』とか『もみじ』とか?」
「どっちも駄目だったんだわ既に」
「えええ、あと何あるの難易度鬼じゃん」
「まじ無理」
‹秋🍁›
#通り雨
わたしのこころは通り雨のようで
突然崩れ落ちてしまう
かと思えば
次の瞬間晴れたりもする
天気とこころは意志では変えられないのだろうか
こころを変えようと努力するだけ無駄なのだろうか
通り雨
良かった、秋雨じゃなくて💦
通り雨みたいな 人たちだ
ワタシもぉ ワタシもぉ
俺様はぁ 俺様はぁ
実は 独りぼっちの複数系
だと気づいているよ
自分の我の雨を降らす時 仲間が欲しくて
友達が欲しくて月に祈って 独りぼっちの複数系なんだろ 分かっているよ
騙されてあげるよ いちにさんし…ほら友達百人
愛情不足のアダルトチルドレン
独り善がりは自分だと気づけない
みんな 自分とおなじでないといけない
幸せも不幸も それは一人ひとりの
心が決めるものと気づけない
みどりの雨なら 通り雨でも
草木を花を森を育てるが
アダルトチルドレンの我が儘な
我の雨は 君をいつまでも
港に留めるよ そのことに気づけ
「井の中の蛙大海を知らず」
それが 今の君だよ
しかし これには下の句がある
「されど 天の高さを知る」
池の中にしかおらず 海の広さを知らない
蛙は それでも空の天の高さを知ることが出来るという意味だ
親のこしらえてくれた巣のなかにしかおらず
世間の広さを知らない
子供は それでもせめて親が与えてくれる今の暮らしの高さくらいは知ることが出来なければ
いちにんまえの口をきくな
腫れ物にでも触るように育てられたから
好きなものを与えてもらわなきゃ
不幸だと思うのか?
死んでるね君の感性
生きているのに死んでいるよ
もう いい加減目を覚ませ
通り雨は その池の蛙にも降る
「井の中の蛙大海を知らず されど天の高さを知る」通り雨のひと粒が君の頭に当たったなら
腹を立てる前に 天を空を仰ぐがいい
君は まだまだ青い雨蛙なんだよ
天の高さを知りたまえ
名前無しは便利だね
名前無し 顔無しの世界で
愛情不足で育ったと 丸出しの
我の雨を降らす前に
名前無しの君へ
令和6年9月28日
心幸
#通り雨
通り雨に降られて、立ち寄る予定のなかった小さなお寺に逃げ込んだ。
レンタル自転車を停めて中に入ると、狭い畳の部屋に古い古い仏様。
火災で酷く損傷したというお姿は黒く大きく、あちこち補修されて少し歪だ。
雨のせいかそれともあまり人気がないのか、他に参拝者もおらず仏様と私の二人きり。
向い合わせで話すみたいに、間近に座って傷のあるお顔を眺めていると、悠久の時に呑み込まれたような、とても静かな気持ちになる。
通り雨のおかげで、素敵な仏様に出会えてしまった。
ここに1400年も動かず鎮座しているという日本最古の仏像、奈良の飛鳥大仏。
また来ますね…とご挨拶して、雨の上がった外に出た。
南国の夏が、北国の秋に恋をしたんだ。
もし彼らが大人だったなら、決して交わることのない恋だと分かって、はじめから諦めてしまっただろうね。
でも、彼らはまだ若かった。
多感な時期で、いろんな想いに揺れ動いていて、このまま中途半端に恋に悩んでいるんだ。
せつないけど、それでいいんだよ。きっとね。
だって、自分の経験からじゃないと分からないことがいっぱいあるんだから。
「秋恋」
☆☆☆☆☆☆☆
その日の僕はモヤモヤした気持ちでいっぱいだった。
見えないものの重さで喉が詰まりそうだった。
そんな気分で部活をサボって学校から帰る途中、通り雨に遭った。
雨は空気の密度を変え、僕の蓄積したモヤモヤは、やわらかくまとめられ整理されていく。
しばらくして雨があがると、心の霧は晴れ軽くなる感覚を覚える。
空を見上げると、虹が弧を描いて浮かび上がっていた。
特別なプレゼントのような気がした。
「通り雨」
☆創作
通り雨
さっきまで降ってなかったのに
外を歩き始めた途端、雨が降ってきた
駅から10分の帰り道
傘は持ってない
走るしかない
家に着いたら雨は止んだ
私を濡らすための雨みたいだった
通り雨
急ぎ足の人の波間
雨に濡れながら歩く
今はまだ濡れた頬が
誰にもわからぬように
通り雨に隠れて
あの人は気まぐれな人でした
ふと姿が消えたと思えば
またサァと帰ってくるのです
いつ帰ってくるかは分からないけれど
帰ってくる事への自信はいつもあったのです
貴方の消えた後に残る、霧のような足跡が
うっとおしくも愛おしく思えたの
まだ貴方が通るのをどこか祈りのように
神にまで縋ってしまうほど
どうしようもなく期待してしまう
通り雨だね。
君と居られる時間が増えたから
今日は通り雨に感謝しないとね。
─────『通り雨』
題 通り雨
あ、雨だ
そう言ったのは誰なのか。先ほどまで晴れていたはずなのに、急に降り出した。
どうせいつか晴れる……それよりそろそろ敵が来るだろうから、此処を守り切ることだけ考えていろ。
部下たちは「りょーかーい」とか適当に返事をして、自分たちの配置につく。自分は別にそんな適当な返事の事は気にしない。
この戦争は三年間も続いている、此処まできたらベテランの兵士ですら疲弊しているのだから。
勿論、その日数の中には雨が降っている日があるのだから今更な事である。
おや?
戦っていた間に雨が止んでいたようだ。
通り雨など珍しい。
まあ、どうでもいいや。
しんどい夜だった。
友人の華々しい活躍ぶりを実家の母に話したら
「うちには誰一人そんな人はいないねぇ」とため息をつかれた。
いつものセリフなんだけど、もう長年の口グセみたいなもんだけど。
でもやっぱりこころに針がちくりと刺さる。
針が増え続けたトラウマの塊は、今では剣山のようになってしまった。
この夜は眩暈で寝付なくて、ベッドに横たわったまま、自分の存在を保つのに必死だったよ。
浴びてきたのがそんな言葉たちじゃなかったら。
私は自分の存在も、他人の存在も、
もっとこころから本当に祝えたのかもしれない。
月も星もない真夜中、ざぁっと音がしてきた。
暗闇に確かな雨の存在感。
ひととき、ぼうっとその存在感と一体になって
私はようやく眠りに落ちた。
あなたは
私に降りかかった
通り雨
ずぶ濡れになって
忘れられない
雨が一粒頬を濡らす
急に降ってくる雨に
周りは慌てて傘を出したり
雨宿りできる場所を探し駆け出したり
一瞬で慌ただしくなっている
だけど私はそのまま歩く
空を見上げ神様にお礼を言った
涙を隠してくれてありがとう
この雨が止む頃には
いつもの私に戻れてるだろう
「通り雨」