虹子

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しんどい夜だった。

友人の華々しい活躍ぶりを実家の母に話したら

「うちには誰一人そんな人はいないねぇ」とため息をつかれた。

いつものセリフなんだけど、もう長年の口グセみたいなもんだけど。

でもやっぱりこころに針がちくりと刺さる。

針が増え続けたトラウマの塊は、今では剣山のようになってしまった。

この夜は眩暈で寝付なくて、ベッドに横たわったまま、自分の存在を保つのに必死だったよ。

浴びてきたのがそんな言葉たちじゃなかったら。

私は自分の存在も、他人の存在も、

もっとこころから本当に祝えたのかもしれない。

月も星もない真夜中、ざぁっと音がしてきた。

暗闇に確かな雨の存在感。

ひととき、ぼうっとその存在感と一体になって

私はようやく眠りに落ちた。

9/27/2024, 11:37:14 PM