『通り雨』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「うわ、雨結構降ってるなー、、、」
今から帰るとこなのに、なんで降ってくるんだろ、、、
そんなことを思いながら柱にもたれて
外を見ていると
「どうしたん?傘持ってないん?」
と先輩に話しかけられた。
「そうなんです、、、
けど最悪濡れて帰ったらいいので(苦笑」
「そうなん!俺も持ってなくて、、、
一緒に止むの待ってていい?」
それから数分間先輩といろんな話をしていたら突然ピタリと雨が止んだ。
「お、止んだな。通り雨やったな笑
んじゃ、ばいばーい気をつけて帰りーやー」
「はい!さようなら」
ほんの数分だけどすごく嬉しかった
その時だけ通り雨に感謝した
#5
一瞬で通り過ぎていくこと。
例えるなら恋。
好きだと思う気持ちが一瞬に高まる時もあるけれど少し経てばまた戻ったり。通り過ぎていくものなら少し待てばまた日常に戻れる。けど恋をしているうちはそんな事思えずただ打ちのめされる。後々から振り返れば大した事なくてもその時は大変で悲しくて。前の日常に戻りたいとも思うけど、なんだかんだ悪くないこともあるし、通り過ぎた後に見た虹は綺麗な半円でも雲に隠れた虹でもなんかいいと思えるだろう。
通り雨
薄青のルリマツリの花が満開だ。
その花の群れを雨が濡らしている。
刺激に弱い花だから、いくつかは地面に落ちてしまうかもしれない。
通り雨が上がって外に出ると、夕方の空は綺麗に澄んでいて、
空を切り取ったような薄青の花と緑の葉が艶々と雫に光っていた。
#40
『冷たっ』
見上げると、どんよりとした雲があった。
よく見てみると、ポツポツと雨が降りはじめている。
家まで10分もしないくらい。
このくらいの雨であれば、傘がなくても少し濡れる程度で帰れるだろう。
そう思った矢先、
ザァー。
急に雨脚が強くなる。
さすがにこの雨の強さでは傘をささないときつい。
だが、荷物の中に傘など入っていなかった。
傘無しで家まで走らなければならないか......と覚悟を決めかけたその時、建物が見えた。
よく見るとログハウスで、何か店をやっているのか “open” の小さな板だけ扉にかかっている。
普段なら、得体の知れない建物に入りはしないが、今は緊急事態。目の前のログハウスが店であれば、傘を置いてあるかもしれない。
最悪傘だけ買うか、雨宿りだけでもさせて貰おうと、ログハウスに近寄る。
すると、ドアの上にかけてあるランタンに、ポワっと明かりが灯った。
よく、人を感知してつくライトが防犯のために取り付けてある家は見るが、それとはまた違い、ふわっとゆっくり明るくなった。
オレンジ色のどこか暖かいランタンの明かりに吸い込まれるように、気づけば扉のすぐ側まで来ていた。
ガチャ......
扉の開く音にハッとすると、すぐそばの扉がゆっくり開く。少し開いたところでひょこっと、小さな女の子が顔を出した。
小学校低学年くらいだろうか、自分の半分位の身長に茶色のロングヘア。緑色の綺麗な目をした少女だった。
拍子抜けしたせいか、彼女を見つめる形で固まってしまった。
「......お客さん......?」
少女がキョトンと首を傾げる。
客......客といえばそうかもしれないが、望んできた訳でもないのでなんとも言い淀んでいると、彼女が空を見上げてあぁ、と納得した。
「お兄さん、降られちゃったんだね。」
事情がわかったからなのか、ニコッと笑いながら扉を開ける。
「どうぞ。中に入って。」
不思議な少女に招かれるままに、その店に足を踏み入れたのだ。
中はとてもシンプルで、テーブル席、カウンター席とあり、他に誰もいなかったのでテーブル席に通された。
玄関のランタンと同じ、暖かい明かりで、優しく照らされている室内。
心地よくて、眠気を誘う空間だった。
『(まずい......眠ってしまう......)』
そう船を漕ぎ始めた時、
「どうぞ。」
カチャリ、と目の前にカップが置かれた。
その音と中に入ってるであろう、コーヒーの香りで目が覚める。
『えっ。あの、頼んでな』
「ここからのサービスなんです。お代は受けとりません。」
女の子はニコッと目を細める。
コーヒーサービスのお店は最近見ないが、全く無いわけじゃない。
それに彼女は自分がこの店に来た事情も察している。
ご厚意を無駄にするのも......と思い、頂くことにした。
『......いただきます。』
「めしあがれ。」
ズッとひと口啜ると、深いコーヒーの味。
普段喫茶店に行く訳でもないので、詳しい銘柄や味の善し悪しはよく分からないが、少なくとも普通に美味しく感じるコーヒーだった。
そして何より、優しく感じる味だった。
コーヒーを半分ほど飲み終わった頃、ふと近くの窓から空を眺める。
雨は先程よりは止んだが、まだ傘をささずに帰るには厳しい程度。
時計を見るとこのお店にはもう15分くらい居座っている。店主が優しいとはいえ長く居座るのも申し訳ない。程々で店を出たいところではあるが、ここまで来たらもう濡れずに帰りたい。
さて......どうしたものかな、と息をつく。
「雨......止みませんね。」
声に振り返ると、少女もとい店主様がいた。
困った顔で一緒に窓を見ている。
『そうですね......早く止んでくれると、ありがたいんですが......あはは。』
同じく困った顔で返すと、少女は間髪入れずに答える。
「止みますよ。」
『えっ。』
「止まない雨はないので、必ず晴れます。」
彼女はまっすぐ目を見て言い切る。
綺麗な緑色の瞳が、キラリと光ったように見えた。
十数分後、コーヒーを飲み終わると同じタイミングくらいで雨はあがっていた。
『晴れた......』
「ねっ。言ったでしょう。」
ふふっと笑いながら、彼女は飲み終えたカップを片付けてくれた。
『はい。......でも、今度は晴れている時にここに来たいものだなぁ。』
歩いて10分しないくらいの場所に、こんな喫茶店があるなんて気づかなかった。今度からは周りをよく見ながら歩いてみようと思っていると、彼女は答えた。
「あー、それは出来ないんです。雨の日にしかここには来れないので。」
『え?』
「でも良かったですね。すぐに止んで。通り雨だったんですかね。」
『え、あ、あぁ。そう、かな?』
「またのご来店、お待ちしてますね。」
彼女はお盆を抱えてにっこりと笑っていた。
気づけば出口に足が向いていた。
立った記憶もないのに、まるで魔法にでもかかって誰かに操られているかのような、そんな感覚だった。
急いで振り返り、店主である彼女を見る。
『あの!また、来ます!!』
店を出ていこうとする足に抗いながらも、必死に伝える。
しかし無情にも抗いきれず店を出てしまい、言い終わったかそれくらいで扉がパタリと閉まった。
彼女は驚いたような顔をしていたから、きっと届いたとは思う。
気づいた時には、最初の雨に降られた場所に戻っていた。
同じ道を辿っても、先程のログハウス......喫茶店はどこにも見当たらない。そもそも、この道が合っているのかさえ不安になってくるほど曖昧になってきた。
彼女の言っていた、“雨の日にしかここに来られない”と言うのは、本当なのかもしれない。
狐に化かされたような気持ちであったが、不思議と嫌な気はしなかった。
道もお店の内装も徐々に曖昧になっていくが、コーヒーの味だけは鮮明に覚えている。
今まで雨なんて嫌な思いしかしなかったが、たまにはこういった不思議な経験をするのかもと思うと、雨の日も悪くは無い。
またいつか、可愛らしい店主と心の温まるコーヒーが飲めたらいいなと願うことにした。
#通り雨
変わったことなんてなにもない。でも強いていうなら、少しだけ欲ばりになった。本当に少しだけ、頭にフッと浮かんで次の瞬間には消えてしまう程度のもの。
生まれもった飽き性と気まぐれな性格の延長線のようなものなんだ。
「お願いしてもいいかな」
ハの字に眉を下げて困ったような表情をしているのに、ぴったりと視線を合わせて逃さないと目で訴える女。
周りからは友だちに頼み事をする女の子に見えているのだろう。ここで断ればどうなるかなんて考えるまでもない。
私が悪者で、この女は被害者になる。
「わかった」
ヘラリと笑い、持っていた傘を広げて女の方へ大きく傾けた。機嫌よく軽やかな足取りで歩く女の隣、私だけ右肩とそこにかけたカバンが濡れて、冷たく、重くなっていく。
一歩進む。女が喋る。雨水が腕を伝う。たったそれだけのことで内側からドロリとした黒いものが染み出してくる。
私は偽善を、この女は得をした。
「あ、雨やんだね」
パッと女は飛び出した。立ち止まった私に気づかず、軽やかに、身勝手に、飛び出した。
鈍い衝突音と甲高いブレーキ音が目の前を通り過ぎていく。一気にざわめきだした周囲に対して自分の感情が静かになっていった。
女の方へ駆け寄ってその顔を覗き込む。お前のせいだと言わんばかりに睨まれた。きっと無意識だったはずだ。
ぴったりと視線を合わせて困ったような表情のまま、女の名前を連呼し続けた。
あのとき、私は少しだけ欲ばりになった。
【題:通り雨】
通り雨。
案外好きだったりする。
ざーっと降って来る雨に当たることで、自分の罪を流してくれるような気がする。
本当の罪は、そんな雨では流されないって、知っているのに。
#通り雨#
ソフィア
「ね、雨が明けたね」
「えぇ、そうね」
モダンな内装をした喫茶店。
控えめにジャズ音楽が流れている空間には、二人の男女の姿。
男はブラック、女はお冷。
二人とも窓の外をじっと見つめたまま、そう呟いた。
その後もずっと無言のまま、窓の外を見つめている。
お前らの恋人は、窓の外か。
――俺の惚れた女。
そいつが駄目なら戻ってこい。
俺の元でまた笑ってくれ。
〜通り雨〜
「あなたって本当に変わらないのね」
秋の冷たい通り雨は私の罪を露見した
ー
「まさか、こんなことが、悪かったよ」
声の端々がぶれる
今までろくでもない大嘘を
山ほど平坦についてきたはずだが、
今回ばかりは動揺が隠せなかった
「別に、どうせ
こういうことしてるんだろうなって思っていたもの」
差し出した傘を持つ手を握られていては
容易に逃げることも出来ない
力ずくで振り切れば良い話だが
力を使っても切れないものが私たちの間には既にあった
私は逃げるのも隠れるのも諦めて
ひとつため息をつき
何年かぶりの彼女の顔をまじまじと見つめた
「相変わらず良い女だね、惚れ惚れする
また間違えて声をかけちゃうから、
今度からはその美貌控えめにしてくれる?」
「どうもありがとう、でもそれは無理なお願いかな
悪い男と離れて身も心も磨きがかかっちゃったの……おかげさまでね」
「あはは…そりゃあ…」
失言
この感じは久しぶりだった
女たらしの私の口車に乗らない
高貴な様に私はいつも黙らされていたっけ
「あなたは変わったわね、
痩せて、前より男っぽくなった
まだまだモテるでしょう
こんな感じで声をかけられたら大体の女の子がなびく」
「勘弁してくださいよ」
彼女から目をそらそうとする度に
挑戦的に視界の中に入ってくるものだからたまらない
そろそろ手だって離していただきたいのに
彼女の指は意思が強かった
「そろそろ、いい?次の予定があるからさ」
「嘘つき、私じゃなかったら今頃良い思いしてたくせに」
私は2つ目のため息をついた
この通り雨の中、
傘をささずにいる淑やかな見返り美人に声をかけたら
かつての大恋愛の相手だったなんて
「…ねえ、今もひとりでいるの?」
途端に
勝気だった声が弱くなった
雨に濡れた肌が真珠のように輝いて見える
私は口を固く閉じて
その宝石から目を逸らした
それが
だらしのない私が唯一できる
小さな復讐であった
何があっても言うまい
どれだけ心が浮つこうとも
私の思いは未だあなたの元から
逃げられずにいるのだと
私は彼女の
美しい薬指に煌めく指輪に誓って押し黙り
ひたすらに通り雨の音に耳をすましていた
通り雨
わたしの心も通り雨みたいに早く晴れてくれないかなあ
面接の帰り道、くさくさして寄り道したくなった。
どうせ、この道を通ることは二度とないだろうし。
などと思ってしまったのが運の尽き。
完全に道に迷ってしまった。
どこの住宅街?そんなに適当に歩いた?
何やってるんだか、全く分からない。
たまらずその辺の人に聞いて、最寄り駅を目指すも
ぜんぜん見えてこない。15分程で駅な筈だよね?
かれこれ一時間、歩き通し。
泣きたくなってきたところにポツポツと雨があたる。
傘無いよ、足痛いよ、降ってきたよ、最悪だよ、あ~もう。
いいよ、濡れますよ。今日は濡れたくなりましたよ。
とぼとぼ歩く。惨め…
あれ、止んだ。さすがに神様も気の毒に思ったのか
雨が止んだ。急に日も差してきた。
そして目の前にちょっとした公園が。
あ~、助かった。足痛い、痛い。とにかく座らせて~。
公園に入りベンチに近づき、はたと気付く。
ベンチは濡れていた…はぁ。
突然の雨に、傘を探そうとしたが、見当たらない。朝持って出たはず。
黒い傘。前月に買ったばかり。黒い傘で?
この色、男性用。?
パステル色は、売れてすでにない。
通り雨。雨が止むのを待とうか。
母の赤い模様の傘を思いだすが、このスタイルの傘は、どこを探してもない。
ブランド名を思い出した。
デザイナーの傘は、目立ちすぎる。
透明のビニル傘を何度か買うが、探してもない。
靴にいたっては、ハイヒールをはじめて買ったときは、ご婦人にでもなったように感じた。
赤いハイヒール。歌に出てきそうだが、一般的な黒にした。
通り雨
君は傘を貸してくれたね
通り雨だからすぐ止むのにね
ちょっとドキドキしちゃったよ
帰り道君のことで頭がいっぱいだったよ
傘を返そうと思って君のクラスに行ったよ
でも君の姿が見当たらない
風邪ひいちゃったのかな悪いことしちゃったな
今日も君はいない
噂で聞いたよ
君は病気だったんだね
通り雨の日倒れたんだって
良くなってよ絶対
君が死んだって
朝からずっとその話題だけが教室を飛び回っている
今日に限ってずっと奥の方まで青い空
どうしてだろう
目の前が滲んで見えない
雨は降ってないのに
君は通り雨みたいだね
君から借りた傘はいつかまた逢えたら返すね
だから今は私が持ってるね
大好きだよ
窓の外を、降ったり止んだり
通り雨は気まぐれ
傘をさして歩くひと、濡れたままで走るひと
私はただ眺め、見送る
見知った顔が降られてくるのを
今が今かと待ちながら
(通り雨)
深夜1人の少女がベッドで眠っていた。長い黒髪が顔を縁取る。
それを見守るのは3人。1人はアンドロイド。銀髪に銀のボディだった。
「起こすなよ。姫は眠ったところだ」
外は姫の存在を隠すような雨。
アンドロイドの隣にいる男の子が言った。
「寝なきゃだめなんだ?」
「だめだ。もう夜中だ」
反対側の女の子が言った。
「私たち眠くないわ」
お前達は昼間たくさん眠ったからな。こんな夜中まで起きているとは軽く誤算だったぜ。
「オレは戦うほうが得意なんだが……たまには守るのも悪くないか」
姫を守ろう。眠りを妨げるこの世の全てから。
-通り雨
上からぽつぽつと雨が降ってきた。
私は雨が嫌いではなかった。
作物は育ち、熱を持ったコンクリートも冷やしてくれる。
それに傘があれば自身が濡れることはないし。
ただ、君がいない日は少し憂鬱で
天すらも君がいないと泣いてしまうらしい。
明日は会えるといいね、私のお天道様。
通り雨
わたしは何となく気持ちが暗かった。
雨が降り出した。
傘はある。
でも、この雨が止むまでここでいたい。
小さな雨粒が、集まり、大きな水溜まりになって-
わたしは自然と笑顔になった。
悔やんでいたことが吹き飛ばされるように。
小さな雨粒では敵わないことがあるけど、大きくなればそれは違う。
誰にも負けない。
そんな気持ちをわたしは味わった。
Small raindrops are a big ocean -I can become stronger too.
小さな雨粒は大きな海-私も強くなれる
ポツリ。。。落ちる、雫。
肩に当たって、じわり
歩く速度は変えない。
ポツポツ。。。。
産毛に捉えられた水の玉は、底に留まる。
ぽたぽたポツポツ。。。。。
増えて、まとまる 音。
駆け足
ピタリ。 止まる、午後4時28分
通り雨に打たれながら暖簾をくぐると温かな笑顔の店員さんがこちらに会釈をした。
するとさっきまで降っていた雨がやみ、光がさした。通り雨ってこんなに綺麗だったんだとその時ふと思った。ここで働きたいと
思える前向きになれた一日だった。
#通り雨
迫ってくるあれは何か。
そう、雨。
壁のようになっていて、どんどん自分のいる方に迫ってくる。
「くそっ」
必死に自転車を漕いでその壁から逃げようとするが、やはり追いつかれた。
終わった。
服がびちょぬれじゃないか。
帰ったら母親に怒られる。
そもそも時間的に遅い時間だし、雨がなくたって、怒られる。
今日はついてないなぁ。
諦めて、自転車を漕ぐのをやめる。
折り畳み傘を開いて、自転車を押しながら帰ることにした。
怒られるなら、もういいや。
いつも自転車だったから、歩いてみると、景色が違うように思える。
この看板、初めて見た気がする。
いや、今まで気づかなかっただけだ。
いつも早く家に帰りたいという一心で自転車を漕いでいたから、周りをきちんと見れていなかったのだろう。
明日は歩いて行くのもいいかもしれない。
通り雨
通り雨
サーッと降って、あっと言う前に上がる雨〜通り雨。
上がればその場の空気までも綺麗にしてくれる。
今どきのは通り雨ではなく、スコールよね。降り方がすさまじいし、上がってもムッとしてたり、
ベトっとしてたりする。
止んだ後、さわやかな通り雨〜
もう無いのかなぁ。