迫ってくるあれは何か。
そう、雨。
壁のようになっていて、どんどん自分のいる方に迫ってくる。
「くそっ」
必死に自転車を漕いでその壁から逃げようとするが、やはり追いつかれた。
終わった。
服がびちょぬれじゃないか。
帰ったら母親に怒られる。
そもそも時間的に遅い時間だし、雨がなくたって、怒られる。
今日はついてないなぁ。
諦めて、自転車を漕ぐのをやめる。
折り畳み傘を開いて、自転車を押しながら帰ることにした。
怒られるなら、もういいや。
いつも自転車だったから、歩いてみると、景色が違うように思える。
この看板、初めて見た気がする。
いや、今まで気づかなかっただけだ。
いつも早く家に帰りたいという一心で自転車を漕いでいたから、周りをきちんと見れていなかったのだろう。
明日は歩いて行くのもいいかもしれない。
通り雨
9/28/2023, 6:56:33 AM