『逆さま』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【逆さま】
お日様の光が届く世界で独り影を伸ばすけど
創られた光が届く場所で1人ただ輝く存在を見つけた
暗い場所を見つけるのが、作るのが上手だと思ってた
それが孤独だと寂しいと思ったことは無かったけど
指さされて居場所が無かった僕の陰は
きみのそばにある為に必要だったんだ
逆さまで一生きみに触れられないのだとしても
初めて必要とされ
初めて見つけた僕の場所
2024-12-06
逆立ちをすると私の見ている全てのものが反転する。
見る方向が変わるとイメージがガラッと変わる。
イメージが変わったところで特に何かが変わるわけでもないけど。
【逆さま】
「ねーぇ、イザナミ様ー?」
朝の廊下。冷えた空気の中、未だ幼い少女の声が響く。とてとてと1つだけ響く音は本人の気質を表しているかのように能天気で自由気まま。
しかし、それでも自分の役割というものを果たすのが彼女の芯であり
「隠れてないで出て来てくださーい?」
それを果たすために必要な人物を探している途中だった。肝心の当人は実はその辺のダンボールの影に身を潜めてやり過ごそうとしている。彼女はあえてそれを見て見ぬふりをしていた。躾というものは自分から出てきてくれるのが一番効果がある、彼女の持論はそうだったのでなるべく自分から出てきてもらうようにしている。あまり結果は芳しくないが。
今もそう。彼女の温情に頭隠して尻隠さず。でかめのひとえが隠れずの宮のパーリナイ。十二単ってかくれんぼに向かないのよね。
「イ、ザ、ナ、ミ、さ、ま?」
バレバレのかくれんぼにマジギレする見た目は13歳、中身は高校生の女児が1人。ちなみに怒られてる方も10歳程度の幼女である。文だけで見るなら、それは女児喧嘩だが場の雰囲気は零点のテストを隠した時のおかん並みの覇気だった。
「なんじゃなんじゃ、妾はこの神社の主なんじゃぞ!」
しかし、幼女はただの幼女では無い。そう、祭神として奉られたる偉大なる神……の分霊なのである。例え分霊であろうと神であり、主たるのでたかが人間に遅れは取らない。だが。
「巫女たる私が主の不出来を治さないと、主様が恥をかくでしょう!それとも夕飯抜きになりたいですか?」
一筋縄では行かないのはこちらもおなじ。しかもこいつは胃袋を掴んでいる勝敗がどちらへ傾くかなど一目瞭然。
「雛人形全部逆さまにして置いたのイザナミ様ですよね!?」
「プリンを食べたのは妾……ん?」
胃袋だけに食い違いがあった。だが致命的でもある。この神社には2人しか住人はいないのだから。
「妾はやってないぞ」
「隠したって後で泣きをみますよ」
「ほんとにやってないんだって!!!」
焦ったのか半ベソをかく神様。あまりに威厳がないがその様子から本気であると察した彼女。
はてと首を捻る。
「であれば誰が……それはそれとしてプリン食べたんですね?」
「あっ」
天誅は正しく下った。
この話において一つだけ訂正しよう。
逆になった雛人形はそれ自体が目的では無い。
逆なのだ。
あくまでただの副作用。であるならば、果たしてそれが起こす本作用とはどれだけ不気味なものなのだろうか。
そして。
「妾の城に手を出す不届き者がおるとはな」
ぐちっ。
幼い手に黒い染みが残り、幾分もしないうちに消える。
そう、いくら分霊であろうと、ここは黄泉の国の主が居城。勝手な真似など許されない。
巫女は彼女を慕っている。であれば主が守るのが役目。それも気付かれずに。だから。
「プリンぐらいは許してくれよォ」
「だーめーでーすー!」
彼女は弱りきった顔で、それでも嬉しそうに笑うのだった。
【逆さま】
「何それ、タロットの解説?」
たまたま友人が見ていたスマホの画面が見えて、それが意外なものだったので思わず声が出た。
「そういうの興味あったっけ?」
「いや、全然」
「じゃあなんで調べてんの」
「んー、ちょっとね」
これだよ、と見せられた画面には『吊られた男』のカードがあった。なんとも古めかしい絵柄だ。
「これさあ、足が上なんだね」
「え?」
『吊られた男』は男性が不自然な姿勢で足首に紐をつけられ木にぶら下げられた絵柄のカードである。
「私これ、逆だと思ってたんだよ」
「頭が上ってこと?」
それではカードは逆位置だけど。
「だって……人を吊るすって、ねぇ」
「いやいやいや、怖い怖い」
「でもほら、ここに『死刑囚』って別名もあるって書いてあるし?」
「それじゃあ逆さまだから。ちゃんと足に紐あるから。首にはないから。よく見て」
「おかしいなーとは思ったんだよ? 流石に物騒すぎるもんね」
占いとか興味ないから知らなくて、と言って友人は「あはは」と苦笑した。
「だったらなんで調べようと?」
「ん? なんかSNSで画像が流れてきたから気になっただけ」
「ふぅん」
「でも、こういうのは背中を押してくれるものだと思えば悪くないね」
「珍しいこと言うじゃない」
「占い師はほとんどカウンセラーと同じって言ってる人がいてさ、なるほどなーって思ったわけよ」
「……アンタは何か後押しして欲しいことでもあるの?」
「別にないかな。今はね」
私もタロットに詳しいわけじゃないけれど。『吊られた男』は試練を表すと同時に『試練を受け入れる強さ』や『困難があっても大丈夫』というような意味もある……らしい。興味を持つにしてもこの子らしいかもしれないなぁと私は思った。
この際、上下逆さまだと思っていたことについては気にしないでおこう。
逆さま
アメリカンドッグにかけるケチャップを探して冷蔵庫開けたら、上下逆さまじゃなかっか。
あとちょっとしか入ってないのに!
いつもケチャップ、マスタード往復って決めてるのに上手くかけれないじゃん!
振っても降りてこない。 仕方なくギャップを外してレトルトカレーみたいに絞り出す。
いつもより多く付いたケチャップのアメリカンドッグ ん~うまい!
逆さま
棒付きアイスの袋を、棒じゃない方から開けてしまった。
そしたら、袋ごと棒を握って食べたら、アイスが溶けて垂れてきても汚れないよ……だって。
両開きカーテンは、両端に分けて開けるものだと思っていた。
でも、両方ともを片端に寄せると、ベランダの開け締めでカーテンが邪魔にならないよ……だって。
固定観念を逆さまにすると、なんだか生きやすくなった。
悩み事は逆立ちしたら解決するって言うしね。
私、逆立ちできないや……
逆さまに月が出ていた。
おかしいな、おかしいなと思っていたら、お月様もそう思ってたみたいだった。
くるっと回転した。
「逆さま」
年齢一桁の頃。
近所の友達といけない事だが
崖で遊んでいた。
後はご想像通り。
友達の1人が
真っ逆さまに落ちていった。
正確には若干の
側転も交えながら。
昔の子供は丈夫に出来ているのか
その友達は自力で這い上がってきた。
確実に50mは落ちたのだが。
私の布団シーツの柄は黄緑色の生地に、青と黄色と白の草花が自由に花を咲かせ葉を生やし実を付けている。
本当は、植物が頭に向かって上と伸びていくように布団を被せるのだろう。けれども、私は足先へ降っていくように見せたいから逆さまにしている。
朝布団から身体を起こすと、草花たちがゆらゆらと天に向かって伸びている様をちょうど良く庭のように眺められる。
芸術はただまっすぐに立てば良いものではないと、ふらふらと寝ぼけた足で今日も私は起き上がった。
(241206 逆さま)
逆さま
ぐるっとひっくり返して
何が見えるかな
鉄棒にぶら下がる
空を歩いているみたいだ
息はどんどん苦しくなって
海と変わらないね
しばらく恋愛はいーとか嘘つくなよ
言ってることとやってること全然違って笑う
おかげで好きって感情消えたのだけよかった
幸せになってね
なんてゆーかよ馬鹿
その部屋に入った時からおかしいと思ってはいた。
煌びやかなシャンデリアが床から生え、天井に絨毯が張り付き机と椅子が並んでくっ付いている。
自分はシャンデリアの横に立っている。
天と地が逆さまだ。
ポケットから鍵がスルリと天に向かって落ちていった。しまった、あの鍵はこの部屋のドアの鍵だ。
天に生えた机の上にコトッと鍵が止まる。
ドアに行く為にもあの鍵を取るためにも壁を登って行かなくてはいけない。
いや、床に向かうのだから壁を降りていくのか?
シャンデリアから燭台を2つ外し、勢いよく壁に突き刺す。うん、行けそうだ。
ゆっくりゆっくり壁を進む。
壁から机へは椅子に飛び移って進むしか無いのだろう。体力的にも何回もは出来ない。1度で出来るだろうか?
視界が霞む。息が苦しい。背中が痛い。
飛び移るのに失敗して、天井に落ちたのだ。
シャンデリアが揺れている。
少し休憩したらまた再挑戦する。
この逆さまの部屋を早く出る為に。
(逆さま)
何かの童話で逆さまの部屋ってのがあった記憶だけで書きました。
逆さま
疲れた。
息をすること食事をすること、運動すること
生きること。
今日もまた浴槽の水面に堕ちる
この時間は息も食事も運動もできない。
重力が感じず体が回る
この浮遊感はまるで死人のように思う
私は普通とは違う。常人とは何もかもが逆さまなのだ
あの時だけは本当に本当に、私が生きていると実感させてくれる!!!最高の状況だ!
※意味は特にございません。1つテーマとしては
『胎嚢から逆さまだったのだ』ということ
逆さま
君と私
まるで
逆さま
世界が違う
でも
心は理解してくれない
脳は理解してる
心の話ばかり聞かないように
気をつける
でも
いっや
気をつけなくちゃ
逆さまの世界
僕がいる世界
逆さまの世界
君がいる世界
白でも黒でも何色でもいい
掴めない夢は無い
ムラサキ色の小さな花が
そう呟いた
孤独な夜を超えて昼に孤独に眠り落ちでまた孤独な夜
【逆さま】
逆さまになっている
喜びも悲しみも、
すべてひっくり返してみたらわかる
ほんとうは笑ってなんかない
悲しんでなんかないのに
どうして笑ったり
泣いたりできるんだろう
みんな、表現して生きている。
逆さま
逆さまに逆立ちして…
考えた
逆方向にいっちゃった
それも…
たのしいね
いまの状態が逆さまなのかもしれないよ。
#逆さま
――ぐるぐるまわる。
朝から嫌な予感はあった。
なんとなく、起き上がるのが億劫だとか。湿度を調整する魔法具を設置しているのに、乾燥で喉が痛いとか。いつも飲んでいるコーヒーを淹れる気にならなかったとか。鏡で見た自分の灰色の髪が跳ねているのを直さずに家を出たとか。
昼までは耐えられた。
どうしても外せない会議に出席して、じわじわと思考に靄をかかっていくような頭痛を振り払いながら資料に目を通して。昼食を適当なゼリーで済ませて、どれだけ厚着をしても震える体に気づかないふりをして。
夕方が、限界だった。
座っているだけでインク壺に顔面から突っ込みそうになった。何度か重要な書類を破きかけた。立ち上がると膝から崩れ落ちそうになった。仕事にならなかった。
どうにか医務室に行こうと廊下に出て、手すりにしがみつきながら階段を下りて、目当ての場所の表示が見えたところで――世界がさかさまになった。
***
あたたかな焦茶色が見える。次いで柔らかい橙。くらくらと揺れる視界で、見慣れた二色が動いている。
「……お。起きた?」
(逆さま)
加筆します