『逆さま』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
幸せ薄く、淡々と写るその眼に宿した世。
君の眼がその光景をさらに歪ませ、暗くさせ、痛みの棘を光らせる。
空を飛ぶ鳥のように、自由に見えた私等は疲れ果てていく。
ただ何事も厄介事が人を悩ませる。
自由なのに移りゆく曇り空ばかりに気を煩わされて。
これからは別の角度から空を眺めてみたい。
この大空に尋ねて、心にうかがう。
逆さまに描いた世はきっと我が志しに溢れている。
おそらくそれはその理論やこの暗い何かを突き抜けていく。
己に抗いたい、この帳を超えて。
だから、嘆くことをやめて、明るい方を見てみよう。
ほら、空が開ける、君の想像の中にそれは宿り、佇む。
逆さま(2023.12.6)
冬の朝の空気は肌を刺すほどに冷たいが、どこまでも澄み切っているようで、私は好きだ。冷たい空気を胸いっぱいに吸い込んで、大きく吐き出すと、白い息がさらさらと流れていく。太陽はまだ地平線から少し顔を出したところで、白っぽい朱色の光が世界を照らしている。
あぁ、綺麗だな。最後にそう思えたことに満足して、私は虚空へ一歩を踏み出した。
冷たい空気を切って落ちていく中で、大好きなあの人の顔が逆さまに見えた気がして、私はふっと微笑んで目を閉じた。
逆さま
iPhone逆さまにして打ってみてる
いつもと反対方向にフリックするから最初はとても混乱する
でも少しずつ早くなってる
出来たところで何の意味も無いけどね
ずっと逆さまの文字見てると気持ち悪くなってくる
隣の人に見られたら嫌だしそろそろやめよう
ちゃんと文章になってるかな
読み返す時のお楽しみ
逆さま
iPhone逆さまにして打ってみてる
いつもと反対方向にフリックするから最初はとても混乱する
でも少しずつ早くなってる
出来たところで何の意味も無いけどね
ずっと逆さまの文字見てると気持ち悪くなってくる
隣の人に見られたら嫌だしそろそろやめよう
ちゃんと文章になってるかな
読み返す時のお楽しみ
🔔あの人の言ってる事、この人言ってる事
逆さまです👂️
🔔逆立ちしたら、
あの子見つけて友だち見つけた‼️
ある日、思ったことと逆さまなことを言ってしまう世界になっていた。
先生は朝「さようなら」と言っていて、
昼食時は「ごちそうさま」と言っていた。
僕の好きな子は僕に「好きだよ」と言ってきて、
周りの人からは「凄い」「かっこいい」と
たくさん言われた。
次の日から僕は不登校になった。
感情が、重たく固く育っていく。
おまえは、いつもどこか寂しそうで、放っておけなくて。どこかに閉じ込めてしまいたくなる。
この“好き”は、隠さなくちゃならない。
今日も、本音は言わずに、おまえに優しい言葉をかける。
おまえが無垢に笑うから、俺はそれを噛み締めた。
あの世とこの世が。
逆ならば、逆さまならば。
僕は幸せを知れるのだろうか。
〝逆さま〟
王宮の使者が来たんです。王様がお呼びだって。
行きたいわけないじゃないですか!今度はどんな無理難題を吹っ掛けられるんだろうって、馬車の中で冷や汗を一斗もかきながら、急に痛み出した腹を撫でて我慢してましたよ。
控えの間で召使いの話を聞くに、先日献上したお召し物の着心地が悪くて仕方ないと。襟ぐりがチクチクするし、ボタンもうまく留められないと。私だっていっぱしの腕前を認められて御用職人を務めているんです。自分の作った服が出来損ないだと言われたら腹が痛いだのいっちゃいられない。
ドレスルームで王様のお越しを待つ間、何が問題だったか悩んでいましたね。素材か採寸か縫製か、あるいは型紙のひきかたに間違いがあったのか。必死で考えを巡らせながら控えてたもんですから王様の御前で頭を上げた瞬間、鼻から変な声が出ましたね。ぐふ、って。
確かに私の作った服を御召しではいらっしゃったけれども、それが前後どころか表裏も、おまけに上下も逆さまで身に着けていらっしゃる。
……これ、正直に話していいんですか?
はい、馬鹿には見えない服を作れとの仰せでしたので。
ええそりゃ縫った本人には見えますよ。でなけりゃ針も通せない。けれどそれを着せた召使いも、お召しになった王様も実は見えてはいらっしゃらなかったんでしょう。見えないだけで触れられますし、着られます。それがあだになってしまったんですな。
もう喉が震えてふるえて、気を抜くと吹き出してしまいそうなのを全力でおさえつつ王様からお服をお預かりして、あちこち縫い直してるフリをしながらこっそり袖をつまんで表裏を元に戻してお返しした訳です。
え?じゃあ王宮の皆も国民も王様の裸を見たのかって?
そんな畏れ多いことさせるわけないじゃないですか!
私が一緒に仕立てて王宮にお納めした下着は全て「馬鹿には盛装に見える下着」ですからね。
************
「逆さま」
************
所感:
才能も忠義心もある職人を召し抱えた、幸せな王様。
逆さま
幾ら待っても
君からの通知は無い。
だからネットで
親しい人ができるのは嫌なんだ
君の訃報をTwitterでしか
知れないから。
彼は「自分」だ。
鏡写しとは違うけれども、彼は確かに私だ。ネクタイとリボン、スラックスとスカート、性別が違うだけで、顔立ちは一緒だ。
どう話を切り出せばいいか悩んでいたら、彼の方から口を開いた。
「驚くのも当然だろうね、僕もそうだし。とにかく、僕がここに来たのもなにか理由があるかもしれないし……なかったらなかったで、その時に考えようか」
「そう……だね」
よく口が回る。とめどない思考の渦を彼は口に出して整理するタイプなのだろう。私は書き出す方が好きだ。
「それはそうと、性別が違う自分を見てどう?僕は面白いと思うけど」
「ええ……?まぁ、同じかな」
「ね、そう思うでしょ?」
楽しそうに笑う彼は、部屋の主のようにくつろぎ始めた。当たり前のように振る舞うせいで気が付かなかったが、流石に見逃せなかった。
「仮にも初対面の女の子の部屋なんだよ?こう、もうちょっとさ、ね?」
「四捨五入したら同一人物でしょ?ほら、課題片付けてあげるから許してよ」
「ゔっ……理系教科を人質に取るのは卑怯でしょ」
結局任せてしまった。
慣れてくればちょっと癖のある自分として見られるようになったし、悪くないと思えてきた。得意教科とか、利き手は正反対。性格はそこまで極端に反転していなかった。
得意なことがはっきりしてるから分担もうまく行ったし、互いの意見をすり合わせるのも割と楽だった。
「手伝ってくれてありがとう。助かったよ」
「いいよ、僕は君でもあるし」
自室で二人で好き勝手してた。
話の続きを書いていると、背後になにか気配がする。
「!?」
「進捗はどう?僕はいい感じ。ほら」
「綺麗だね……って、ねぇ、これ、何かの小説とか参考にした?」
「うん、ちょっと君の話を借りたよ。題材として面白かったし」
「まって、これ、おもてにだしてない」
掠れて汚くなるのが嫌だからボールペンで書いた。よく間違えるから修正も追いつかなくて……しかも自分がわかればいいからと、かなり癖字で書いていたやつ。
「記憶のかなり奥にしまってたみたいだもんねぇ。どんな媒体にも打ち込まれてないし」
字の時点で終わりを悟ったのに、しっかりと内容まで読まれている。
ちょっと、いや、かなり刺激の強い内容だから恥ずかしいどころの話じゃない。
「……嫌じゃないの?自分がこんなことの題材に使われて」
「僕は平気だよ……それより、申し訳ないことをしたね」
「え?」
「君の世界に土足で上がり込むようなマネをした……と言えばいいかな」
ゴミ箱という文字が、彼の作品に重なるように出てきた。触れようとした瞬間に、手首を掴んでいた。
「え?」
「その……消さないでほしい。絵柄も動きがあって綺麗だし、自分の話がこうやって描いてもらえることないから、とても嬉しいよ」
「そっか……ありがとう。でも、怖い思いをさせたことは謝らせてほしい。本当にごめんね」
「大丈夫だよ、だから、気にしないで」
重たい沈黙が流れる。互いの作品が、存在が同時にあることが不思議に思えてきた。
彼と私は同じ存在なのかもしれない。
だけどそこに互換性はないし流れる血も歩んできた歴史も全く違う。
「あぁ、わかった」
「んん?」
いつの間にか手を繋がれていたが、それは気にしない。勝手にマッサージし始めてるし。
彼と私は、形や方法は違えど創作に関わっている。表に出すことはあまりないが、自分だけの世界を持っている。
「文と絵だけでも違うからね。全部同じになるわけない。というか手が冷たすぎる……暖かくしときな?」
「ありがとう、と言いたいけど勝手に触るなんて……」
「いやだって我ながらもちもちだし、描くときの参考になるかなって」
好きにさせていたら保湿クリーム塗り込み始めた。
「楽しい?」
「うん。すごく楽しい、興奮する。冷たい目で見てるけどさ、次の作品の構想練ってるでしょ?」
「まぁそうだけどさ、もう少しこう、異性に対する配慮というものをね……うわっ!?」
「指先冷たかったのに、こんな温かいとか……しかも全身やわらかいし」
セルフハグの定義には当てはまらないだろうけど、彼の言葉を借りるなら四捨五入したら自分だ。
「大丈夫だよ。君はこのままでいい」
雨の音と、彼の声が耳に優しく馴染んでいく。撫でる手が心地よくて、自分のすべてが溶けていく。
手放したくはないけど、それは叶わないこと。いつか終わりが来るからこそ、この関係が甘美なものになる。
「帰らなきゃダメなんだよね……寂しいね」
「僕もだよ。君と会えて本当に良かった。楽しい時間を過ごせた……ありがとう」
自分と自分が交わる。まだ想像力に現実的という枷がなかった、幼いときに書いていた話。
元のシナリオとは大きく変わってしまったけど、「自分」にとって満足がいくものになることは間違いない。
「……僕はまた来るよ。君と一緒に、良い作品を生み出したいから。おやすみ、ゆっくり休んでね」
鏡の向こうに吸い込まれた彼は、微笑み、手を振ってくれた。
『ウロボロスの輪』
お題
「逆さま」
水の入ったコップを逆さまにすると水がこぼれてしまう。
人間も悲しいことがあった時、逆立ちをすれば水(涙)はこぼれるのだろうか。
どうしようもなく泣きたい時、逆立ちをすれば泣けるのだろうか。
辛いことがあった時、どうしようもなく泣きたい時、イライラが度を超えてしまった時、人が泣きたくなる理由や瞬間は沢山ある。
そんな時逆立ちをすれば泣くことよりもその状況の可笑しさに笑ってしまうかもしれない。
【逆さま】
逆さま
不思議な夢を見た。
そこはお祭りが行われていた。
道行く人の多くが浴衣や甚平を着ている。勿論、洋服を着ている人もいる。
とても、楽しそうな雰囲気だ。
だが、どうもおかしい。
空気が少し肌寒い。
周囲の木々は枯れかかっている。
誰も彼も皆、お面を被っている。屋台で良く見かけるようなキャラクターものだっだり、ひょっとこやおかめのようなお面も。
しかも、歩いている人達はなぜか後ろ歩きしている。
そして、良く見ると浴衣や甚平はあわせが逆で死装束となっている。洋服も前後ろ逆だ。
だけれど、何事も無さそうにお祭りを楽しんでいる。
私は違和感を覚えてしまっていた。
そして、自分の姿を確認しようとして目が覚めた。
逆さまな世界だった。
一体、あの夢は…???
逆さま
コウモリなどの動物を見ていると
頭が痛くならないのだろうかと
いつも疑問に思ってしまう。
あの子達には普通のことなんだろうけど
自分がやったら頭が痛くなる前に落ちてしまうだろうから。
当たり前のように思っていたけれど
考えてみるとそもそも逆さまになって生きられるように進化したことが不思議なことだと思った。
いつの頃からか
逆立ちができなくなったので
世界を逆さまに見ることが
できなくなりました。
今は寝転がって
横にばかり見ています。
逆さま
逆さまに見ると、知らない世界みたいだよね。
逆さま
私の性格を逆さまにして、明るくしてみようかな
私の髪色を逆さまにして、淡い色にしようかな
私の体型を逆さまにして、スリムになろうかな
君なんか
大嫌いだから
もう知らない
遠くへ行っちゃえ!
逆さまの言葉…😢
逆さまの世界を楽しむのもたまにはいいって
悩んでいることがバカバカしくなってくるって
みんな言ってるよ
でもみんなって誰?
逆さま
正しさも、悪さもひっくり返してしまえばどちらがどちらだったかなんて分からない。
逆さまになった正しさは、悪さと何も変わらない。