『踊るように』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
学校なんか大っ嫌い。嫌いで嫌いでたまらない。
なんで私があいつの自慢なんか聞かなきゃいけないんだよ
クルクルと世界が回っている。
…いや、揺れているのが正しいか。
曲がっているのかもしれない。
とにかく、そんな感じに世界が動いてる。
体が重くなり、熱くなってきた。
これは、何か起こる気がする。
踏ん張りながら進もう。
自分の家が見えてきた。
もう少し…もう少しだ。
一歩一歩が徐々に重くなっていく。
はぁ…はぁ…
息も荒くなっていく。
ガチャ
玄関を開けた俺は
踊るように、そして気を失うように
ベッドへと倒れ込んだ。
風邪を引いたらしい。
ー踊るようにー
▼ 踊るように
アイツの声は腹に響く
重厚感がありながら軽やかで、喜怒哀楽が乗っている
隣に立っていたあの頃とは違う
経験から、乗り越え、背負うものがある安定感
もう大丈夫と言わんばかりの広く分厚くなった背中
(怯んだり、妬み嫉みがある訳じゃねぇ)
自分だって、環境は変わった
仲間がいて、あの子だけがいない
(アイツと比べてはいる訳だな)
馬鹿馬鹿しいと思考を止めて、こちらへ向かって来る足音に振り返る
表情が綻んでしまうのは一緒にいて楽しいから
それだけはあの頃と変わらない
足取りは軽く、追い風で体も軽い
背負ったものは重くてもこの足で歩いていける
朝の澄み渡った快晴
その真下で、私に怯えて
一斉に逃げていくスズメの群れ
特に驚かすつもりもなかったのだが
一斉に距離を置く彼ら
まるで踊るように
踊るように
踊るように跳ねる。
跳ねて、跳んで、回って。
ひとしきり動いたら休憩。
五秒休んだらもう一度。
跳ねて、跳んで、回って、Arabesque。
今度は身体の軸を糸でピンと吊り下げるように。
アン・ドゥ・トロワ、アン・ドゥ・トロワ。
身体が自然に動くように、動きを習慣として染み込ませる。
今、音楽が途中から鳴ったら?
すぐ行動ができるように足を上げてもう一度。
踊っているのではない、一連の動きを踊りに見せるために流れるように行動するのが踊りなのだ。
踊るように、跳ねて、跳んで、回る。
ふわりと高く跳ね上がり、
くるりと一回転。
トッ、トッ、トッと軽く前に進んでから、
また回る。
あたし、ほんと舞い上がりすぎだと思う。
自分が大好きなケーキ屋さんで、新作ができたと聞いて。
あたしは思わず、踊るようにステップを踏んだ。
もちろん、一人で。
でも学校の帰り道だったから、絶対人に見られてただろうな……
〜踊るように〜
私は思う
花のように着飾って
踊るように健康的で
舞うように個性的で
奏でるように楽観的で
空のように自由な
人生を満喫したい
#9
#踊るように
足がステップを踏む。
流れる曲に合わせて様々なステップを。
ステップを踏んだ所で踊れやしないのに。
車椅子の上で今日も私は踊るようにステップを踏む。
いつかの栄光を、未だに諦めきれずに。
嬉しい時、楽しい時、君はいつも踊っていた。
それで、僕もダンスが好きになったんだっけ。
君は、練習の時いつも言っていたね。
『心の底から楽しそうにしないと、見ている人も楽しくなれない』って。
『踊るように』
踊るように、流れに身を委ねるだけだった。
上手く踊れれば、綺麗に着地できるのだ。
楽に、楽に。ただそのスキルだけ磨けば。
楽しんだ者勝ちだろう。周りに合わせて踊れば楽だろう。
そこに自分の意思は関係ない。合わせて笑って楽しく踊ればいい。
強い者に従って、弱い者を見下して。
自分は上手く踊れているんだ。ここまで順風満帆にやれてこれたんだと、そう思っていた。
踊るように、生きてきた。
思っていたよりも、形になってはいなかったようだ。
『踊るように』
踊るように
踊るように跳躍した
舞うように腕を旋回して
歩くように宙を飛んだ
記録は💃8 m💃を超えていた
砂場には、くっきり足跡👣が
尻餅も着くことなく残っていた
高校の🏃陸上部に所属してたら
オリンピックに行っていたのに
オリンピックで8m飛んでたら
銀メダルぐらいは取れたのに🇯🇵
当時(三年生)、僕は🏈ラグビー同好会に殆ど席だけ置いていて
たまに練習に行った他
🤾ハンドボール部に呼ばれ高校日本一のチームと練習試合して一点差の接戦で負けたり
🏸バトミントンの大会で優勝した体育の教師と練習試合して優勢だったり
二年生の夏休みは🏊水泳部で学校のプールで朝から夕方まで泳いでいた
卒業間際、体育の担任教師に体育授業休まなかったらお前が一番だと言われた休むと体育だけ減点された
卒業試合は⚽サッカー部の後輩とした
体育万能なんでも倶楽部員で
近くの🥤喫茶店が倶楽部会議室だった
二十二作目 踊るような本当の話
徳博
沈む夕陽が
隠しきれない
ひとつの想いを
ほのかに
染め上げていく
わたし
つかの間の紅葉
涼風に煽られ
踊るように
舞い落ちる
# 踊るように (270)
消えたかった。なんてのはただの嘘で、わたしはあの人をブロックしたかった。人差し指で。どうせ彼女も私をブロックしているのだから、こんなのはお互い様だ。いつか彼女が言っていた。「じゃあ引き分けでいいじゃん」
あぁもう、だったらここは私が負けるわけにはいかない。最後の最後だしね。思いっきり煽ってからブロックしてあげようか。君には感情がない。他に依存先が見つかったんだろう。普通に君、詐欺師だよね。
フリックで打った罵倒は、自分ではいい出来だった。これなら秒速でブロックしてくれる。私はそれを望んでいる。しばらく未読が続いた。恐らく、ブロックされたのだ。さよなら、友達だった人。
……既読なんでいらないから、お金、返してくれないかな。なんでブロックしないかな。行動力あるんじゃなかったの?
結局、私は彼女をブロックしないまま、できないまま、彼女からの連絡を待っている。あぁ、どうでもいいや。踊るように消えていきたい。やっぱり、なぁ。
嫌な事があったら踊ると私はそう決めている。
踊りは良い。動けば動くほど嫌な記憶は頭の中から遠ざかり、体の中に溜まった鬱憤が吐き出され浄化されていく。
振付?ステップ?そんなものはない。沸き起こった衝動に身を任せ、勢いよく燃え盛る炎のようにただひたすらに体を動かす。
踊れ、狂え、そして忘れろ。
嫌な記憶など消し去ってしまえ。
この身が燃え尽きるまで私は踊り続ける。
テストで学年2位になった
嬉しくて踊るように家に帰り
親に報告した
けれど、親は1位になりなさいと言い
部屋に戻った
さっきまでの気分が一気に沈んだ
# 116
最近DVDを久しぶりに買った
すごく好きなアーティストで
嬉しすぎてDVDを手にした時は
踊るようにテレビの前に向かってた
毎日画面に釘付けになり観ている
そして一緒に歌い踊ってる
この幸せが続きますように
踊るようにクルッと回転しながら躱すと、そのまま回転力を乗せた肘が脇腹に突き刺さった。
とめて、止めて……
ねぇ、お願い! 誰か止めて!
わたしの足はワルツを、ステップを踏むように
あちらへ こちらへ ひとりでに動いていく
わたしが悪いの?
こんなことになるのなら、こんなステキな靴なんて望まなかった
お願い、止めて
わたしの足を止めて!
もう靴の色なのか 私の足に流れる色なのか
わからないの
赤い靴をはいた足は、踊るように止まることを知らない――
/『踊るように』9/7
時計の針が頂点を指した。
それにぴったりと寄り添うように短針が重なった。
「ぴったりと針が重なり合う時。それは始まりを告げる。もしくは終わりかもしれないね」
パチンと懐中時計の蓋を閉じて、男は傍らの子どもに微笑んだ。
「なにクサいこと言ってんですか。劇のセリフでもあるまいに。そんなこと言ってるヒマあるならさっさと仕事行きますよ」
傍らの子どもは冷たくあしらうと、ハンチング帽を目深にずらした。
いつしか行動を共にするようになったこの子どもは、彼の相棒だ。
だが相棒と呼ぶほど、仕事の片棒を担がせるのは良心が痛む。
「今日の獲物は絵画『彗星の美女』。まっすぐ12時の方向、南の窓の鍵が開けやすいですよ」
早々に留守番係になってもらいたいのだが、いかんせん優秀なので口実を作れずにいる。
「よし、じゃあ行こうか」
彼はマントを翻すと、仕事――怪盗となり、闇夜に消えた。
/9/6『時を告げる』
書き上げた直後に消えた悲しみ……。
色々消えてしまって不完全燃焼気味。戻らない言葉たち。
昔、小学校の運動場で貝がらを拾っていた。
わたしはあまり活発な子ではなかった。
同じように仲のいい子たちと静かに(わたしたちの中では活発に)遊んでいた。
その頃のわたしたちは、砂場で貝がらを拾うのがブームだった。
どこかから運ばれてきた砂にまぎれる貝がらはロマンがある。
この限られた空間から拾えるキレイなものは、宝物だった。
「ねぇ、しってる?」
ある日いつものように貝がらを拾っていると、ある女の子がつぶやいた。
「ぴったりくっついた二枚貝を拾うとね、願いが叶うんだよ」
女の子は砂をさらいながら続ける。
「こんなふうに開きかけとか割れてるのとかじゃだめ。ちゃんとぴったりくっついてるの」
ひとつ拾ってみせたその貝がらは、二枚貝ではあるものの、少し口が開いていた。
「見つけよう!願い事が叶う貝!」
わたしたちは、それから砂場をひっくり返す勢いで、それこそ隅から隅まで探したと思う。
一週間も経った頃、見つからなかったのか飽きたのか新しいブームが来たのか、どれが原因だったか覚えていないが、ひっそりとわたしたちは貝がら探しをやめた。
結局、誰ひとり二枚貝を見つけることは出来なかったのだ。
――たぶん。
実は、わたしはこっそり見つけていた。
白いぴったりとくっついた二枚貝。
「宝物を見つけた!」と思った。
あの時は、海沿いで結婚式を挙げる花嫁のウェディングドレスのような白だと思った。
そう思ったのは、年の離れたはとこからのハガキが原因だろう。今ならそう思う。
キレイにぴったりと口を閉じ、あんなに砂にまみれていたのに汚れもなく、まっしろな二枚貝だった。
これは願い事も叶えてくれる。そう思えるほどのものだった。
これは大事に仕舞わなければと思い、引き出しの宝物箱になっている菓子缶から、小瓶を取り出した。
この小瓶は、両親が結婚祝いを贈ったはとこからのお返しの中に入っていた、幼い私宛のお土産。あちらの願いが叶うと言われる砂を入れた小瓶。
誰にも見られないように、ゆっくりと小瓶を開け、そーっと貝がらを入れた。そして願い事が叶う空気のようなものが抜けないように、さっと瓶のコルクを閉じた。
もしかしたら、みんな言わないだけで、ひとつくらいは見つけていたのかもしれない。
だけど自分だけが見つけて和を乱すのも嫌だったから、こっそりとポケットにしまった。
「ふふ、願い事、まだ叶えてくれるかしら?」
あれから20年は経った。
引き出しの整理をしていたら出てきた小瓶。
懐かしくて、手のひらに出してみた。
未だにぴったりと口を閉じている。
(あの頃はあんなに手のひらの上で輝いていたのに――)
もう小指の爪くらいになった小さな白い二枚貝。
色褪せることのない白を汚すまいと、持っていた指先から小瓶に大事にしまった。
/9/5『貝殻』
踊るように
踊るように生きるのね、と言ったら、彼女は違うよと笑った。
私は泣きたくなった。泣き顔が不細工だから泣けなかった。
負けている、笑顔も泣き顔も。何もかも全て負けていた。彼女はよく泣く子だった。きっと死にたいと思ったことのない大衆側の人間だ。毎日死にたいと思いながら、よく泣くあの子のとなりで泣けなかった。泣き顔を気にしてだった。
彼女はいつも舞踏会にいるかのように輝いていて、嫉妬も何も知らず、美しかった。スタート地点の違う人生で、私は、私は。
踊るように生きていくのでしょ。と言ったら、彼女は困った顔をした。彼女にそんな顔をさせたことを申し訳なく思った。そう思わせるような子だった。
「踊るように」
黙って歩く
ふたり並ぶ影は
まるでスキップするかのよう。
私の長い髪が左右に揺れて
「うれしい」「たのしい」と
私の気持ちをバラしてしまう。
あなたはその独特の歩き方で
ゆっくりとリズムを刻む。
二人の影に目を留めると
「まるで踊っているようだ」
と、つぶやいた。
そう
躍るようにあなたと並ぶ長い影
私の長い髪は
あなたの方へ行きたがっている。
何も言わなくとも伝わっている
秋の夕暮れ
「踊るように」