『踊りませんか?』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
たぶん、一生言わないだろうセリフ。
「Shall we ダンス?」だったら、映画のタイトルとして言ったことあるかな。
よく映画なんかで男女が華麗に踊るシーンとかあるけど、よくもまあ恥ずかしげもなく…とか思ってしまう。
いやだって、男の方からは下心が見え隠れしてるし、女の方からは「私キレイでしょ?」オーラが…。
いやまあ偏見でしかないことは分かってるけど、そーゆーシーンは飛ばして見ちゃうな。
あんまりストーリーに関係なかったりするし。
とか言って、中学生の頃のオクラホマミキサー。
ドキドキとワクワクだったピュアな少年はいずこへ。
当時、女の子と手をつなげるチャンスなんてそうはないからね。
つないでみたら同じ皮膚でしかないのに、
でも、少し柔らかくて、スベスベしてたかな。
…これ以上言うと、通報案件になりそーなので自粛。
相変わらずの支離滅裂文章だが、思うのは、この「お題」はホント絶妙なラインを突いてくるなってこと。
物語向きだったりエッセイ向きだったり、口語だったり文語だったり、名詞だったり動詞だったり形容詞だったり。
365種類の言葉を生み出すのは、そんなに容易なことじゃないと思う。
AIの為せる業なのだろうか。
そんなことも気になりつつ、お題にしっかり取り組もうとする真面目な私と、どなたか、一緒に踊りませんか?
Shall we ダンス?
あ、一生言わないつもりのセリフを言ってしまった。
あ…通報はしないで。
踊りませんか?
薄暗いホールにステップが響く。
まるで誰かと踊っているように
宙に手を添えてくるりと回った。
お辞儀をして、ダンスを終えたように見えた。
黒い髪が闇に呑まれて輪郭が溶けている。
赤い目がこちらを見据えた。
「Shall we dance?」
#59『踊りませんか?』
女の子だもん、豪華なパーティーにはやっぱり憧れる。女優鏡の前でキラキラのアイシャドウとツヤツヤのリップを塗って、髪もクルンと巻いて、フワッとレースが上品なドレスを着るの。
会場にはきっと大勢いて、それぞれ談笑してる。私はスイーツなんか頬張りながら1人楽しんで、後ろから声をかけられる。
咥えていたフォークをお皿に乗せて片付ければ、手を取って口づけられて、「どれがお気に召しましたか」と聞かれて答えれば、「きっと貴女との時間のほうがずっと甘いのでしょうね」なんてキザな台詞を言ってくるけれど、悪い気はしないから「試してみる?」なんて悪戯に笑いかけて、相手の反応を試してみる。
流れ始めた音楽にダンスの誘いを受ければ、断る理由もなくて、手を重ねてフロアに向かう。軽く腰に添えられる彼の左手と彼の肩にそっと触れるだけの私の右手。互いにもう一方の手は、初めての恋人同士みたいにキュッと大事に握ったままスッテプを踏む。
トキメキと楽しさとで胸が一杯になって、きっと私、世界で1番美しくて幸せな女の子なんだわ。
踊り終わって髪にキスを落とされればもう、私は彼のことを忘れられなくなるのね。
雪が降る
初雪だ
町が真っ白に
染まる
僕と君の頭も
白く染まり
真っ白だねと
君が笑う
あと少しで
一年が終わる
寒い夜から
守りたくて
君を抱き寄せ
君を暖める
部屋に行ったら
温かいココアを
飲もう
この季節
君に触れる事が
多くなる
明日は
辺り一面
雪景色
「探し物は何ですか?!
見つけにくい物ですか?!
それより僕と
踊りませんか?!」
こんなセリフを言われたら、
たとえ、大切な物が
見つからなくても
踊るでしょう。
ルンルンで…。
「星空の下で、
ワルツでも
踊りませんか?!」
「踊りませんか?」
笑顔は世界共通言語、とはよく言うが、私は世界共通言語は踊りだと思っている。
正しく言えば音楽か。
世界各地で独自の音楽が生まれ、皆がそれに合わせて身体を動かす。
踊ったり、またはそれを見ていたりすると、自然と笑顔がこぼれる、感動する、泣けてくる。
身体の動きとリズムだけで喜怒哀楽が表せるんだから、すごいものだ。
私は小さい頃、クラシックバレエを習っていた。
趣味程度の簡単なものだったが、多くのことを学んだと思う。
ところで、クラシックバレエには“バレエ語”なるものが存在する。
バレエでは言葉を発さずに物語を演じなければならない。
そのため、そこには独自言語が確立されている。
『白鳥の湖』で、白鳥にされてしまっていることを説明するシーンなどは分かりやすい。
指をさして“あそこの”、両腕を曲げて“悪魔が”、自分を抱きしめ“私を”、羽ばたいて“白鳥にしたの”、、、と先生が教えていたのをよく覚えている。
そんなバレエ語の中でも、多く使われるのが“踊りましょう”だ。
パーティーシーンがある物語はもれなくこれを使う。
両手を上にあげ頭の上でくるくると回す。
そして開けば“踊りましょう”。
私はバレエ語が大好きだ。
踊りだけで、どの国の人でも、バレエをやっていればお話ができる。
私は言語学が好きで、よく色々な国の言葉や、手話などを学んでいる。
理由を聞かれることもあるが、“かっこいいから”ただそれだけだ。
道端で英語の喋れない外国人に声をかけられる。
意味がわからず慌ててる横で、さらっと答える。
かっこいい。
中学生の頃英語研修で観光地に行くことになった時に、各国の“良い旅を!”を調べまくったのはいい思い出だ。
話は飛んだが、やはり私は世界共通言語は踊りだと思う。
この後の人生で使うことがあるかどうかは分からないが、どこかの公園で広場で踊っている人がいた日には、“踊りませんか?”と踊りかけてみたいものだ。
強気な子供が怯えて布団にくるまるような時間帯に、公園の敷地を跨いだ。目的は某キラキラフェイスブックモドキアプリで流行っているらしい新作のアイスを、とことん寒いところで食べたいなと、なんとなく思ったから。左手によっかけたコンビニの袋から感じる、ひんやりとした冷気。
「へへ」
唇の端から垂れ落ちそうになる唾液をぐい、と押し込んだ。給食前のわんぱくボーイか、俺は。いい年した成人男性が何をしているんだと正気に戻りかけたそのとき、すっかり通り過ぎた入り口の方から足音が聞こえてきた。こんな時間にランニングとはご苦労なことで、と徐々に増え始めた体重を知らんふりしている己の体に乾いた笑いをこぼして、すぐ。トタタタッ、と近づいてきたその音は、共犯か否か。
「ひっ、……〜〜〜〜〜〜ぅ"ぇ〜〜〜〜〜」
かわいらしいふんわりと下半身を覆う花柄のスカート、きらめく目元のアイシャドウ。上半身に纏っている、秋らしい半袖とカーディガンという組み合わせ。まず間違いなく、共犯ではない。そして恐らく、学生時代を三人の友人とだけで過ごした俺とは、確実に別の人種だろうと。てか泣きながら深夜の公園駆け込み寺ってなんだ、ジブリかよ。ただのアイス好きな小心者の俺がそんなことを言えるわけもなく、かといって今、コンビニの袋をわさわさとかき回すような真似すらできず。
「っく、ぅ、ひっ、っう、ぅ"〜〜〜〜〜」
ひっくひっくと子どものように泣く女性。ここまできれいにおめかししてそんな泣くことある?マジでどうしたんだと本気で心配になってきた俺が、行き場のない手のひらをくるくるとかき回していれば、まるでそこが予約席でしたよ、と言わんばかりの貫禄で、彼女はブランコの座席に腰掛ける。怪我が治って自分の足で歩けそうな風景だな、と金曜ロードショーに感化された脳でそう述べていれば、彼女はナイアガラのように流れ行く涙を留めることもなく、いきなり鉄臭い持ち手を掴み、小さな白色のパンプスをぐり、と地面に擦り付けながら、思い切りブランコを漕ぎ始めた。編み込みのやわい栗色の髪の毛が宙を舞う。
自分の腕の関節に飾られたままの袋が擦れる音は、しっとりとした水音を含んでいる。もうきっと溶け出したこれは、食べ頃なのだろう。スプーンは、入れていたっけか。そもそもこのアイス、何味なんだっけ?
随分と長引いた夏の陽気に叱られたかわいらしい秋が流した風が、包み込むような風が、真紅な頬を撫ぜる。秋だというのに。熱を持った身体とやけに耳を打つ鼓動の音に、どう言い訳をしたら良いんだろう。
たぶん、諦める他にないのだけれど。
彼女のスカートの透けた向こうで笑いを携えているお月さまに笑顔を返して、一生分の勇気と少しばかりの期待を持ちながら、左手の行く先を探しに、季節外れないちご味のアイスをかかえながら、僕は空から降ってきたような彼女の元へ駆けていった。さて、まずはどう声をかけようか。
踊りませんか?
踊りませんか?
うーんちょっと…
御飯の支度があるから
え~一緒に踊ろうよ~
踊りがわからないから
見せて~
じゃ踊るから真似して
はぃ🥹
毎年お馴染みの運動会前の会話
✴️170✴️踊りませんか?
踊りませんか?…
探し物見つけに夢の中へ連れてって♡
踊りませんか?
その誘いに乗るということは、あたしにとってはただ一度だけのこと。あなたにとっては数多くの適当なお誘いのひとつ。それくらいあたしだってわかっているわ、だけどあたしはあなたにそれを言わない。だってそんなこと言ってもこれっぽっちもいいことないし、よく考えたらあたし、あたしの身の上にいま何が起きてるかわかってないのだわ。夢かおとぎ話でないのならいま起きていることはなんなのかしら。あなたがツァーリと呼ばれているのをあたしは聞いてしまった。でもあなたにどんな立場の誰だとしても、あなたが「踊りませんか?」と言ったら断れるわけがないのよ。あなたがツァーリであっても、なくても、あたしの気持ちは偽れないのだもの。
※※※※
元ネタは映画「会議は踊る」です。よくある男爵令嬢や平民の女の子が王太子をたらしこむ話を書いたんじゃありません。そうした話の元ネタの一つとして「会議は踊る」を見てほしいかなと思いました。最近の異世界恋愛ものでは悪役になりがちな平民ヒロインの愛らしさを、たまには堪能してみてください。
踊りませんか?
年代を当てようクイズ、だだん♪
踊りませんか? で一番最初に出てくるのが
Shall we dance?
2番目に出てくるのが
それより僕と踊りませんか?
の場合、回答者の年代はいつでしょうか。
ショーウィンドウに飾られた赤いヒールの靴を見ると、いつもあの童話を思い出す。
一度履いたら、ずっと踊り続けることを強要されるあのお話。
足を木こりに切ってもらうまで、どれだけ体が疲れていても足はタップダンスを続けるのだ。
あの話は一体、なにを私たちに伝えたかったのか、おぼろげにしか覚えていない私には全く検討もつかない。
玄関の戸棚に仕舞われているヒールは、元彼が誕生日にくれたものだ。
恋に溺れ、彼をちゃんと見れていなかったのだろうか。
自分の理想を見てしまっていたのだろうか。
後悔はあるとも知れず。
恋を愛をどこかに探して、その夢を醒まさないでくれたらよかったのに。
ずっと、ずっと踊れていたなら
私は幸せだったのかしら
はかない恋だった。
きっと良くないことを言っているのでしょう、
でも言わせてください
あなたも踊りませんか?
同窓会の終盤
高校の体育祭でフォークダンスをもう一度踊る
みんなが相手決める中
私は1人だった
すると私の前でかがみ
「私と……」
題名「踊りませんか?」
《踊りませんか?》
王子からのその声かけが、オデットとシンデレラの今後の人生を決定づけたのであった。
今夜だけは何もかも忘れて踊ろうよ
自分を開放するなんて何年ぶりだろう
ドキドキ、ワクワク、
この高鳴と共に彼の手をキュッと握った
(目が合う)
洗濯も終わったことだし正午まで踊りませんか、異議は認める。
Shall we dance?
って格好つけて誘おうと思ったけど、勇気が出ずに結局誘えなかった、そんな舞踏会の思い出。
なんて、そんな洒落た思い出あるわけねぇだろ!!
曲に合わせゆっくり体を揺らすしか
出来ないけれど良ければお手を
スローな曲に合わせ揺れるぐらいしか
できないけど宜しければお手を
#踊りませんか?
踊りませんか?
仮面をつけたピエロたちの
ダンスパーティーで踊りましょ、
興奮してお手を取るのが
遅れてしまいます。
運命的な出逢いを希求します。
踊りませんか?
──さあ、周りの目なんて気にせずに!
あちこちに吊るされた魔法灯が、広いホールをきらびやかに演出する。
少し離れた場所にある人だかりを眺めて、小さく溜息をついた。中心にいる人さえ見えないほどの人数だけれど、誰が囲まれているかは知っている。だって、自分の恋人その人だ。
「……お前も大変だな」
隣でジュースの入ったグラスを傾ける友人に話しかけられて、思わず苦い笑いを浮かべる。何を隠そう、友人の恋人もあの集団の中心にいるのだ。
「そっちこそ」
「ここまで来ると笑いさえ込み上げてくるものだ」
「まあ、予想通りだよね。こうなるのも」
友人からは小さな頷きが返ってきた。
なんてったって今日はプロムナードだ。卒業を間近に控えた生徒たちに最後の思い出を、と学校側が主催する盛大なダンスパーティー。今日ばかりは魔法学園生たちも堅苦しい制服とローブを脱ぎ捨てて、華やかな装いに身を包んで。友人を、恋人を、はたまた気になる人を誘って、この日のために延長された寮の門限ギリギリまで音楽に体を任せる。そんな特別な日に、フォーマルな衣装を纏った憧れの人に声をかけたくなるのも、当然なわけで。
「……いやでもムカつくと言えばムカつくじゃん?」
「なんだいきなり」
「えー、君は違うの?」
「あいつの手を取るのは私だけだから、問題ない」
「仲良しで嬉しいよ。でもさ、そろそろブラックコーヒーにも飽きてきたんだよね」
「なんの話だ」
「君たちの周りに砂糖の山ができそうって話」
水色の瞳に怪訝そうな色を浮かべる友人に呆れつつ、人だかりからちらりと覗いた金髪から目を逸らした。鮮やかなテーブルクロスが彩る長机には、いくつものグラスが並べられている。もちろん全てノンアルコールのドリンクだ。教職員用のものは別の机にまとまって置いてある。見覚えのある魔法植物学の教師が酔っ払っているのが視界の端に映って、思わず二度見する。生徒より羽目を外してるでしょ、あれ。
「そろそろ演奏が始まるな」
「戻ってこられそうにないねえ、二人とも」
「ファーストダンスはパートナーと踊るのがマナーだが」
「……妨害されてたりして」
「あいつらが踊ることをか?」
「ううん、逆」
「……成程。私たちが向こうと踊ることを、か」
肯定の意味を込めてグラスを揺らす。
「あいつ以外と踊る気はさらさら無いが」
こちらを窺っている生徒たちには貴族の家の人間も多い。たぶん、繋がりを作るように言われているんだろう。あわよくばダンスの相手になって社交界での噂を……ってところ?
「子のプロムナードを私欲のために使うか」
「それが大抵の貴族でしょ。君の家がおかしいの」
「妨害するなら直接私たちに声をかければ良いものを」
「名門の機嫌を損ねたく無いんだよ」
「面倒なことだ」
そうこうしている間にも楽団が準備をし始める。これは、本当に踊れないかも。
「それか、私たちの結婚に納得がいかないかだな」
「ああ、最近だもんね、変わり始めたの。まだまだ少ないし」
「姉夫妻が継ぐのを嫌がったから、私が継いであいつが婿入りすることになったんだがな」
「身分差もあるしねえ。単純に気に入らないんじゃないの?」
「法改正もとっくに済んでいるだろうに。……もう始まるな」
友人の言葉通り、フロアの中央にぞくぞくとペアを組んだ生徒たちが集まっている。人だかりはダンスの邪魔にならない場所に移動したものの、解散する様子がない。ついでに数人の生徒が緊張した様子でこちらに近づいてくる。
「え、どうする? 逃げる?」
「それは気に食わない」
「ここで負けず嫌い発揮されても」
「いや。私たちが踊らないのは外聞が悪いだろう」
「あー……」
名門の家の者がファーストダンスを踊らずに見ているだけ、というのは下手な噂が立ちかねない。婚約が上手くいっていないとか、他に相手を見つけたとか有る事無い事を騒がれる。それなら、と良いことを思いついてグラスを置いた。
「じゃあ、踊る?」
「だから相手がいないと──」
友人が言い終わるのを待たず、その手を掴む。楽団の指揮者が台へ歩み寄るのを横目に、粗雑にならない程度の早足でフロアへ進めば、友人も意図を理解したらしい。適当なテーブルにジュースを置いて足を早めた。
「話題を提供してやるなら、これくらいでなければな」
「ま、同性で踊ってる人たちもいるから目立たないでしょ」
「本気で言っているのか、お前」
「ふふ、戻ってきてくれない二人への当て付けも込めてね」
周りから驚きと困惑の視線を浴びながら目指すのはフロアのど真ん中。自分も友人もダンスの腕には覚えがある。想定の相手と違ってもどうにかなる、はずだ。
「どっちがリード役やる?」
「私が。何度か姉の相手をしたことがある」
「了解、身長差は大丈夫?」
「問題ない。……足を踏むなよ」
「誰に言ってるの」
明るい照明を浴びながら本来のパートナーをちらりと見て、小さく笑い合う。思った通り、とても驚いた顔をしていた。踊ってる最中に突っ込んでこないと良いな、怪我しそう。
「後が怖いな」
「ラストダンスで踊ればどうにかなるよ、きっと」
「また適当なことを言って」
「その適当なことに乗ってきたのはそっちでしょ?」
最初のダンスを恋人と踊れないのは残念だ。でも、親友と馬鹿をやるのも悪くない。付き合いの年数で言えば無表情に楽しさを滲ませるこの親友の方が長いのだし、きっとこれも良い思い出になる。
「あいつらがどんな反応をするのか見ものだな」
「性格悪いよ?」
「提案者はお前だ」
「たしかに」
指揮者が手を挙げるのに合わせて最初のポーズを取れば、ざわめきは一層大きくなる。まあ、こんなのも慣れたものだ。
「一緒に怒られてね」
「逃げるのは手伝え」
同じようなことを同時に言って、思わず吹き出す。初対面のときは自分と正反対なんて思ったのに、案外似た者同士だよね。
「ふふ」
「は、」
堪えきれなかった笑い声が騒々しいホールに落ちて、指揮者が手を振って。
呼吸を合わせて、笑顔のままに足を踏み出した。
──結局、曲が終わった途端に途轍もない速さで駆け寄ってきた恋人たちから逃げ回ることになるのだけれど。それはまた、別のお話。
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昨日で二十作品になりました。いつも読んでいただきありがとうございます。