彩士

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ショーウィンドウに飾られた赤いヒールの靴を見ると、いつもあの童話を思い出す。

一度履いたら、ずっと踊り続けることを強要されるあのお話。

足を木こりに切ってもらうまで、どれだけ体が疲れていても足はタップダンスを続けるのだ。

あの話は一体、なにを私たちに伝えたかったのか、おぼろげにしか覚えていない私には全く検討もつかない。

玄関の戸棚に仕舞われているヒールは、元彼が誕生日にくれたものだ。

恋に溺れ、彼をちゃんと見れていなかったのだろうか。
自分の理想を見てしまっていたのだろうか。

後悔はあるとも知れず。

恋を愛をどこかに探して、その夢を醒まさないでくれたらよかったのに。


ずっと、ずっと踊れていたなら

私は幸せだったのかしら


はかない恋だった。

きっと良くないことを言っているのでしょう、
でも言わせてください

あなたも踊りませんか?

10/4/2024, 10:46:59 AM