『踊りませんか?』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
踊りませんか?
年代を当てようクイズ、だだん♪
踊りませんか? で一番最初に出てくるのが
Shall we dance?
2番目に出てくるのが
それより僕と踊りませんか?
の場合、回答者の年代はいつでしょうか。
ショーウィンドウに飾られた赤いヒールの靴を見ると、いつもあの童話を思い出す。
一度履いたら、ずっと踊り続けることを強要されるあのお話。
足を木こりに切ってもらうまで、どれだけ体が疲れていても足はタップダンスを続けるのだ。
あの話は一体、なにを私たちに伝えたかったのか、おぼろげにしか覚えていない私には全く検討もつかない。
玄関の戸棚に仕舞われているヒールは、元彼が誕生日にくれたものだ。
恋に溺れ、彼をちゃんと見れていなかったのだろうか。
自分の理想を見てしまっていたのだろうか。
後悔はあるとも知れず。
恋を愛をどこかに探して、その夢を醒まさないでくれたらよかったのに。
ずっと、ずっと踊れていたなら
私は幸せだったのかしら
はかない恋だった。
きっと良くないことを言っているのでしょう、
でも言わせてください
あなたも踊りませんか?
同窓会の終盤
高校の体育祭でフォークダンスをもう一度踊る
みんなが相手決める中
私は1人だった
すると私の前でかがみ
「私と……」
題名「踊りませんか?」
《踊りませんか?》
王子からのその声かけが、オデットとシンデレラの今後の人生を決定づけたのであった。
今夜だけは何もかも忘れて踊ろうよ
自分を開放するなんて何年ぶりだろう
ドキドキ、ワクワク、
この高鳴と共に彼の手をキュッと握った
(目が合う)
洗濯も終わったことだし正午まで踊りませんか、異議は認める。
Shall we dance?
って格好つけて誘おうと思ったけど、勇気が出ずに結局誘えなかった、そんな舞踏会の思い出。
なんて、そんな洒落た思い出あるわけねぇだろ!!
曲に合わせゆっくり体を揺らすしか
出来ないけれど良ければお手を
スローな曲に合わせ揺れるぐらいしか
できないけど宜しければお手を
#踊りませんか?
踊りませんか?
仮面をつけたピエロたちの
ダンスパーティーで踊りましょ、
興奮してお手を取るのが
遅れてしまいます。
運命的な出逢いを希求します。
踊りませんか?
──さあ、周りの目なんて気にせずに!
あちこちに吊るされた魔法灯が、広いホールをきらびやかに演出する。
少し離れた場所にある人だかりを眺めて、小さく溜息をついた。中心にいる人さえ見えないほどの人数だけれど、誰が囲まれているかは知っている。だって、自分の恋人その人だ。
「……お前も大変だな」
隣でジュースの入ったグラスを傾ける友人に話しかけられて、思わず苦い笑いを浮かべる。何を隠そう、友人の恋人もあの集団の中心にいるのだ。
「そっちこそ」
「ここまで来ると笑いさえ込み上げてくるものだ」
「まあ、予想通りだよね。こうなるのも」
友人からは小さな頷きが返ってきた。
なんてったって今日はプロムナードだ。卒業を間近に控えた生徒たちに最後の思い出を、と学校側が主催する盛大なダンスパーティー。今日ばかりは魔法学園生たちも堅苦しい制服とローブを脱ぎ捨てて、華やかな装いに身を包んで。友人を、恋人を、はたまた気になる人を誘って、この日のために延長された寮の門限ギリギリまで音楽に体を任せる。そんな特別な日に、フォーマルな衣装を纏った憧れの人に声をかけたくなるのも、当然なわけで。
「……いやでもムカつくと言えばムカつくじゃん?」
「なんだいきなり」
「えー、君は違うの?」
「あいつの手を取るのは私だけだから、問題ない」
「仲良しで嬉しいよ。でもさ、そろそろブラックコーヒーにも飽きてきたんだよね」
「なんの話だ」
「君たちの周りに砂糖の山ができそうって話」
水色の瞳に怪訝そうな色を浮かべる友人に呆れつつ、人だかりからちらりと覗いた金髪から目を逸らした。鮮やかなテーブルクロスが彩る長机には、いくつものグラスが並べられている。もちろん全てノンアルコールのドリンクだ。教職員用のものは別の机にまとまって置いてある。見覚えのある魔法植物学の教師が酔っ払っているのが視界の端に映って、思わず二度見する。生徒より羽目を外してるでしょ、あれ。
「そろそろ演奏が始まるな」
「戻ってこられそうにないねえ、二人とも」
「ファーストダンスはパートナーと踊るのがマナーだが」
「……妨害されてたりして」
「あいつらが踊ることをか?」
「ううん、逆」
「……成程。私たちが向こうと踊ることを、か」
肯定の意味を込めてグラスを揺らす。
「あいつ以外と踊る気はさらさら無いが」
こちらを窺っている生徒たちには貴族の家の人間も多い。たぶん、繋がりを作るように言われているんだろう。あわよくばダンスの相手になって社交界での噂を……ってところ?
「子のプロムナードを私欲のために使うか」
「それが大抵の貴族でしょ。君の家がおかしいの」
「妨害するなら直接私たちに声をかければ良いものを」
「名門の機嫌を損ねたく無いんだよ」
「面倒なことだ」
そうこうしている間にも楽団が準備をし始める。これは、本当に踊れないかも。
「それか、私たちの結婚に納得がいかないかだな」
「ああ、最近だもんね、変わり始めたの。まだまだ少ないし」
「姉夫妻が継ぐのを嫌がったから、私が継いであいつが婿入りすることになったんだがな」
「身分差もあるしねえ。単純に気に入らないんじゃないの?」
「法改正もとっくに済んでいるだろうに。……もう始まるな」
友人の言葉通り、フロアの中央にぞくぞくとペアを組んだ生徒たちが集まっている。人だかりはダンスの邪魔にならない場所に移動したものの、解散する様子がない。ついでに数人の生徒が緊張した様子でこちらに近づいてくる。
「え、どうする? 逃げる?」
「それは気に食わない」
「ここで負けず嫌い発揮されても」
「いや。私たちが踊らないのは外聞が悪いだろう」
「あー……」
名門の家の者がファーストダンスを踊らずに見ているだけ、というのは下手な噂が立ちかねない。婚約が上手くいっていないとか、他に相手を見つけたとか有る事無い事を騒がれる。それなら、と良いことを思いついてグラスを置いた。
「じゃあ、踊る?」
「だから相手がいないと──」
友人が言い終わるのを待たず、その手を掴む。楽団の指揮者が台へ歩み寄るのを横目に、粗雑にならない程度の早足でフロアへ進めば、友人も意図を理解したらしい。適当なテーブルにジュースを置いて足を早めた。
「話題を提供してやるなら、これくらいでなければな」
「ま、同性で踊ってる人たちもいるから目立たないでしょ」
「本気で言っているのか、お前」
「ふふ、戻ってきてくれない二人への当て付けも込めてね」
周りから驚きと困惑の視線を浴びながら目指すのはフロアのど真ん中。自分も友人もダンスの腕には覚えがある。想定の相手と違ってもどうにかなる、はずだ。
「どっちがリード役やる?」
「私が。何度か姉の相手をしたことがある」
「了解、身長差は大丈夫?」
「問題ない。……足を踏むなよ」
「誰に言ってるの」
明るい照明を浴びながら本来のパートナーをちらりと見て、小さく笑い合う。思った通り、とても驚いた顔をしていた。踊ってる最中に突っ込んでこないと良いな、怪我しそう。
「後が怖いな」
「ラストダンスで踊ればどうにかなるよ、きっと」
「また適当なことを言って」
「その適当なことに乗ってきたのはそっちでしょ?」
最初のダンスを恋人と踊れないのは残念だ。でも、親友と馬鹿をやるのも悪くない。付き合いの年数で言えば無表情に楽しさを滲ませるこの親友の方が長いのだし、きっとこれも良い思い出になる。
「あいつらがどんな反応をするのか見ものだな」
「性格悪いよ?」
「提案者はお前だ」
「たしかに」
指揮者が手を挙げるのに合わせて最初のポーズを取れば、ざわめきは一層大きくなる。まあ、こんなのも慣れたものだ。
「一緒に怒られてね」
「逃げるのは手伝え」
同じようなことを同時に言って、思わず吹き出す。初対面のときは自分と正反対なんて思ったのに、案外似た者同士だよね。
「ふふ」
「は、」
堪えきれなかった笑い声が騒々しいホールに落ちて、指揮者が手を振って。
呼吸を合わせて、笑顔のままに足を踏み出した。
──結局、曲が終わった途端に途轍もない速さで駆け寄ってきた恋人たちから逃げ回ることになるのだけれど。それはまた、別のお話。
***
昨日で二十作品になりました。いつも読んでいただきありがとうございます。
踊りませんか?
今だけでも、全て忘れてバカやろうよ。
チャレンジ75(踊りませんか?)
小学校のPTA活動が縮小している。保護者が学校に集まることが難しいため、仕方ないことかもしれない。
私の子供時代には、運動会や授業参観に、父親が参加することは少なかった。そこで父の日に設けられた行事が、父子のフォークダンスだ。恥ずかしさもあって、運動会よりも参加者が少なかった。子供会の役員とPTA会長は、かなり困っていたらしい。昔も今も、保護者の協力を得るのは難題のようだ。
『踊りませんか?』
「それじゃあ、今日のところはこれで頼むよ」
王宮内のとある一室。
王族派の領主貴族から麻袋を受け取った。
中身は、麻袋にはとても似合わない、銀貨が数枚。
「ええ。ありがとうございます」
僕はそう言って、宮廷道化師らしく、にやりと笑った。
この生活は3年前から続いている。
王族派と貴族派に分裂した貴族社会で、ほどよく情報を流して、いい感じにバランスを取る。
王宮に出入りし、王家とも関係を持つ、宮廷道化師だからこそできること。
王も知っている。
今の政治情勢の肝は、僕が握っているのだと。
王が不利にならないように調整する代わりに、それを見逃してもらっている。
情報を統制して、人を動かしてバランスを取るのって、とっても楽しいんだ。
みんな、僕の思う通りに踊ってくれるんだ。
……あぁ、そういえばそこの柱の裏でずっといる貴女。
どこかのご令嬢かな?
もしよろしければ貴女も、僕の手の平で
……踊りませんか?
#踊りませんか
時代というステージ
遠目に眺めながら
他人事のように
自分を今日も生きてる
だから羨んだり妬んだり
嫌いな自分に膝を抱えているだけ
時間の無駄使いばかりさ
せっかく人生というステージ
キミだけのステージ
立ち上がって叫び声あげて
誰かを巻き込むこと怖がらないで
踊りませんか?
下手くそでもいい
笑われてもいい
時代はいつかキミに追いつくから
追いかけなくていい
時代を踊れ!
男だ。
男がいた。
男はどうやら道行く人々に避けられている。
男は道行く人に何か尋ねている。
男はなにを尋ねているのだろう。
もう少し近ずいてみよう
「踊りませんか?」
「お願いします。踊りませんか?」
「踊りませんか?」
男は道行く人に踊らないかと尋ねているようだ。
男はなぜそんなことをしているんだろうか。
この調子だと私のところにも来そうだ。
私は暇だった。
私は暇だった。
私は何も無いのに街にでては人間観察をしている。
私は何か面白いことが起きることを望んでいた。
男の問いに肯定的な答えを示したら
面白いことが起きるのではないか。
男が私の前にきた。
「踊りませんか?」
私は心臓の高鳴りを覚えた。
私は焦っていた。
私はさっと
目を
逸らした。
男は私の前にはもう居ない。
私は心臓が痛い。
鼓動が脈打つ度に痛い。
また尋ねられた時。
私は自分の気持ちを発せるだろうか。
また、会えるだろうか。
《共に踊りましょう》
(刀剣乱舞/加州清光)
「今の世界が幸せとか不幸とか分かんないけど、例え地獄のような日々だったとしても、俺はその地獄の業火の上で踊ってやるんだよ」
加州はそう言うといたずらっ子のような笑みを浮かべる。
例えこの戦いに終わりなくても、心が折れるくらいなら
いっそ笑い飛ばして地獄の中で踊ってやるのだと。
「あるじは一緒に踊ってくれる?」
血のような赤い瞳に微笑まれ、審神者は何と答えたか。
貴方なら、なんと答えましたか?
テーマ 巡り逢えたら
あなたもあたしも量産品
それでもあなたと出会った一期一会
巡り逢えた喜びに
希少性などどうでもいい
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テーマ 踊りませんか
うちの母ちゃんは、目立ってナンボの精神でできている。
ピンクの髪に派手なピアス。重そうなつけまつ毛に武器みたいな付け爪。笑えば喉の奥が見えるし、怒って近づいてくる時は地面が揺れる。参観に来たら廊下の端から俺を呼ぶし、運動会では誰よりも声を出して垂れ幕と団扇で応援してくるし、文化祭の劇では俺が悪役で高笑いしてるシーンなのに号泣してる。
さて、今日は夏祭りだ。老人会のじいちゃん、ばあちゃんが静々と踊る中、ピンクの半被に鉢巻きで勢いよく柏手を打って踊っているのは……うちの母ちゃんだろう。
半ば強引に踊りに誘う姿に恥ずかしさを覚えながらも、踊り始めた人々は案外楽しそうにしている。
あれは実は踊りたかった小さい子を連れた親子だな。
あ、めっちゃアレンジした踊りで若い子にダンスバトル挑んでる?
ビール片手のオッサンズの踊りはあまりに陽気だ。
巻き込む姿に感心していると、母ちゃんと目が合ってしまった。
「何傍観者のカシコのフリしてんだい!ほらほら同じ阿呆なら踊らにゃソンソン!」
ウチの盆踊りは阿波踊りじゃないけどな。
ま、俺がどんな対応をしたって「お前の母ちゃん強烈だな」と笑われる未来は変わらないだろう。
俺はひと息つくと、母ちゃんに見つからないよう被った狐の仮面を脱ぎ捨てて、隣の同級生に差し出した。
「コレ被っててでいいので、良かったら一緒に踊りませんか。」
後日、どちらかが仮面を被って盆踊りを一緒に踊ると恋が成就するなんてまことしやかな噂が出来上がっていた。
ついにうちの母ちゃんは恋のキューピッドの異名まで手に入れたらしい。
ふふん。流石は俺の母ちゃんだ。
踊りませんか?
ShallVie dance
踊って舞って良い晩、良い音頭!
踊って最高!
その輪郭に
まとった虚しさが
いつかあなたを
連れ去ってしまうなら
どうか
この手をとって
今夜僕と踊っておくれ
去年も断ったね。
今年もお断りです。
今、24時間心電図ホルターを装着中。
【踊りませんか?】