踊りませんか?』の作文集

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踊りませんか?』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

10/5/2023, 4:28:12 AM

は、と目が覚めた。

仕事終わりで疲れて、眠ってしまっていた。
地方の終電一時間前の車両は空きに空いていて、自分一人しかいないというのも特段珍しいことでは無い。

たたんたたん、と軽快に走る車内。

たたんたたん、と軽快な足音。

ん?足音?と顔をそちらにやった。

———踊っている。

靴が、踊っている。

空っぽの靴だけがひとりでにステップを踏み、踊っている。

思わず息を潜めて周囲を見渡すが、やはり自分以外にこの奇妙な光景を見るものは居ないらしい。

寝ぼけたままなのか、不思議と恐怖はなく。ただ一心不乱に踊り続ける靴を食い入るように眺め、観察する。

あれは、赤みがかったダークブラウンの革靴だ。しかもそれなりに大きい人のもので、よく磨かれていることからも、持ち主はそれなりにマメであることが分かる。

身なりの良い男性が脳裏に浮かぶが、そんな人が非常識に電車内で踊ることは無いと頭を振った。

次の駅に止まった車両、開いた扉に新たな客が現れた。

空っぽの、赤いヒール。

そのヒールもまた、ひとりでに動いている。
いよいよ慣れてきた目で見ていると、踊る革靴に戸惑っている様子だ。

それはそうだろう。いや、こちらからすると革靴もヒールも似たようなものだが、気持ちはよくわかった。

微かに後ずさったヒールを閉じ込めるようにして扉は閉まり、運転が再開された。

革靴は、ヒールの存在に気づいた様子で、足は見えないが、足を止めてそちらに向かう。
また少し、ヒールは後ろに後ずさる。

そうして傍から見ればつま先を向けあった革靴とヒールという、なんともカオスな光景が誕生した。

なんだこれは。もう眠気などある訳もなく、息を飲んで二人?二足?の行く末を見守る。

透明人間同士の対話をしているから静かに沈黙しているのか、それとも全て終わってしまったのか、そう考える程の時間が経った。

一歩。

革靴は後ろ向きに歩き出す。
それに釣られて、ヒールも前へ足が出た。

手を引かれているように、先程まで革靴が踊っていた広い場所に出ると、ゆったりと二足はステップを踏み出す。

これは……ワルツだろうか?

息遣いなど一切聞こえないのに、息が合ったのか、ステップを踏みながら、次第に車両の道場を全て使って踊り始めた。

二駅分ほど踊っただろうか、どうやら仲良くなったらしい二足達は、足取り軽やかに開いた扉へと消えていった。

明らかに疲れ目から来る幻覚か、もしくは間違いようもない怪奇現象だった。

どっと疲れたような気がして、目を瞑る。

あの革靴は「一緒に踊りませんか?」とでも言ったのだろうか?それだったなら、面白いなと考えながら、再びやってきた微睡みに意識を沈めた。

10/5/2023, 4:20:19 AM

『踊りませんか?』

ワンツースリーで
あなたとわたし
ふたりのてをからませ
ステップふんで
愛につかれた
おろかなわたしたちを
ここちよいメヌエットにのせ
どこかへ…

ワンツースリーで
あなたとわたし
ふたりのくちびるをからめて
だきあって
愛におぼれた
わかいわたしたちの
ここちよいあのころは
もうどこかへ…

ワンツースリーで
あなたとわたし
ふたりのこころははなれて
ひとことさよならと
さいごの愛はきえて
おんがくもとまる
あたらしいしあわせをさがして
どこかへ…

ワンツースリーで
貴方と私
やっと見つけた本当の王子様
夜が明けるその時まで
私は貴方と踊りたいの…

10/5/2023, 3:52:42 AM

差し出された手を、私は拒否してしまった。あれから、あの人とは会っていない。

10/5/2023, 3:43:54 AM

#踊りませんか


そんなことより僕と踊りませんか

そんな歌詞の歌があったかな
歌詞しか覚えてないけど

10/5/2023, 3:37:39 AM

『踊りませんか?』

至高にして崇高な存在
TKG

太陽のような黄身を
シャカシャカとかき混ぜて
醤油をサッとかける

炊き上がったご飯
モワモワと蒸気があがる

ご飯と醤油をまとった卵は
互いに一緒になりたいと惹かれ合う
出会うべくして出会ったのだ

『Shall we dance?』



完全にして無欠な存在
TKG

出来上がり

口に入れたと同時に
光速の100倍の速さで
旨みが脳髄を駆け抜けて
神経伝達物質がドバドバと噴き出る

俺の胃の中に落ちるまで
情熱的に踊る
ラストタンゴを

10/5/2023, 3:22:43 AM

僕と一緒に踊りませんか?
ここは常世。永遠の泡沫の夢の幕が上がる。
誰も君を嘲笑うものなどいやしない。
俗世なんて忘れてつかの間のひとときを。

10/5/2023, 2:53:45 AM

踊りませんか?


 今日のために仕立ててもらったドレスに身を包み、髪には少女らしい、清楚な飾りをつける。
 今夜は私の社交界デビューの日。お兄様と一緒にパーティに参加するの。
 同世代の中でも大して綺麗だというわけではないし、面白い知識がたくさんあるわけでもない。
 それでも今日くらいは、「踊りませんか?」と言ってくださる方を夢見て。
 馬車に乗り込んでもいいでしょう?

10/5/2023, 2:42:55 AM

今週から始まったNHKの朝ドラ「ブギウギ」

オープニングも昭和生まれには懐かしい人形劇スタイルで

ついつい踊り出したくなる

というか踊っている

けしてダンスは得意では無いけれど

おしりフリフリ腕をパタパタ

夫がそんな私をみて笑う
Youも踊りませんか?と誘うも首を横に振って会社へ

なんだ、つまらん

ああ

なんとなく体が動いちゃうのは母の教育のせいだな

多分実家の母も踊ってると思うんだ

10/5/2023, 2:11:08 AM

【お題:踊りませんか?】

ゾーンに入る
という言葉を
初めて聞いたのは

元 体操選手
内村航平さんの
言葉だったと思う

ゾーンに入ると
集中力、身体、メンタルが
この上ないほど 整い

その能力が極限まで
引き上げられるという

スポーツ選手であれば
競技において
素晴らしいパフォーマンスが
できることになる

元水泳選手
岩崎恭子さんも、
金メダルを獲った
試合について

どんなに泳いでも
体が軽く 疲れは感じられず
非常に気持ちがよい状態だった

オリンピック決勝
ということを忘れて
ずっとこのまま
泳いでいたかった

ということを 後に話していた

今思えば 彼女も
ゾーン状態に
入っていたのだろう

ゾーンは なにも
スポーツ競技にだけ
見られることではないようだ

山岸凉子の
「アラベスク」は
バレエを題材にした漫画だが

最終回の 間際
主人公ノンナが
やはりゾーン状態に入り
この世のものとは思えぬ
踊りを見せる

静寂のなか観客は 

肉体と精神が 
極限まで
研ぎ澄まされたときだけに
到達できる境地へと

ノンナの踊りによって
誘われるのだ

4次元の世界は
肉体や時間の制約を
一切受けないというが

漫画という
2次元の媒体を通じて

私たち読者も
その4次元レベルの
極地の美を 垣間見せられる

ジャンルを問わず
その境地に
立つことができる者は

その技をもって
世の人々に
肉体を超えるような
感動を伝えてくれる、

真の意味での
芸術家なのかもしれない

10/5/2023, 2:02:42 AM

─他人の掌の上で踊らされるくらいなら、死んだ方がマシだ─


昔そんなことを言っていたはずの彼は、再会した私に気づかずこう言った。


─踊りませんか?─






今宵一夜、すべての憂鬱を忘れるために。



(踊りませんか?)

10/5/2023, 1:53:03 AM

「なんてツラしてんだ」
頭上から声が降ってきた。見上げると思った通りの人物。私の機嫌が悪いことにはとっくに気づいていたようで。いつまでも仏頂面をしてると周りが気を使うからやめろ、と言われた。
「……誰のせいよ」
「お前の親父さんも、本心はそういうつもりじゃないんだろうさ」
「でも、だからってひどい」 
今日は私の15歳の誕生日。それを祝うために父が、隣国の要人を呼んで盛大にパーティを催そうと言い出した。けれど蓋を開けてみれば目的は外交関係を深くするための集いにしかすぎなかった。証拠にケーキもプレゼントもない。とりあえず私は正面台座に座らされてるけど、お祝いムードなんてこれっぽっちもない。控えめに流れている音楽にのって踊っている人たちもいるけど、かたやホールの一角では気難しい顔した大人たちが肩を寄せて何やら話をしていた。
「私をだしに使ってまで、そんなに他のお国と仲良くなりたいのかしらね。これじゃ何のためにおめかししたのか分からない」
「まぁそう言うなよ。身分のある人には色々事情がある。仕方ないだろ」
「それは大層な事情ですこと」
皮肉を並べる私の頭に何かが乗った。彼の手だ。幼い頃からずっと私の用心棒をしてくれている。1日のうちで1番行動を共にするのは親でもなく彼だから、私が今どんな気持ちかなんてすぐに読まれてしまう。
「少なくとも、俺はお前の誕生日だと思って今ここにいる」
「ほんと?」
「あぁ。だが申し訳ないことに何も贈れるものがない。お姫様に、個人的なものを贈るのは許されていないからな」
彼は両手を広げて肩を竦める。
「別にいーよ。欲しいものなんて何もないから」
「品物は贈れないが、少しばかり楽しい時間を提供することはできる」
「……どうやって?」
ふ、と笑った後、彼は私の前に跪き手を差し伸べてきた。
「せっかくのダンスフロアーだ。こんなところでじっとしてるのも勿体ないと思わないか?」
ちょうど流れていた曲が終わった。次の曲はわりとゆったりしたテンポだった。わらわらと、男女のカップルがホール中心に集まりだす。
「Devrions-nous danser?」
「……Avec plaisir!」
右手で彼の手を、左手はドレスの裾を持ち立ち上がる。優雅なワルツは不思議と私を祝福してくれるように耳に響いてくる。彼の隙のないエスコートを受けながら私は体を揺らせた。はしゃぐ私を見て彼が目を細めていたことには気づかなかった。

「Bon anniversaire., mignonne」

10/5/2023, 1:32:48 AM

踊りませんか?なにかのCMを思い出しそうなフレーズなんだけどなんのCMかまったく思い出せない。

 喉まで出かかっているんだけどそれがなんなのかわからない。思い出だと思っているだけで単なる気のせいかもしれないな。

 全然思い出せないしCMのことはもういいや。しかし踊りなんてしたことないかもしれない。学校でなにか踊った記憶もない。

 踊りというと真っ先に思い付くのはコサックダンスかな。あれほど個性的な踊りは中々ないだろう。名前も覚えやすいし。

 そろそろ終わりが見えてきたけど最近ゲームにはまりすぎて疲れている。久しぶりにゲームにはまったけど面白いものだ。

 ゲームが終わったら小説を書かないと。でもゲームを終わらせて小説書く時間ができても小説を書く気力が出てくるかはまた別の話なんだよな。

10/5/2023, 1:12:54 AM

桜色の彼は綺麗に舞います
私には追いつけないほどの
スピードで
誰にも真似出来ない
舞をします

彼はそれを
"踊ひ''と言いました。

お姉さん
私と いっしょに踊りましょう

【踊りませんか】

10/5/2023, 1:00:04 AM

「踊りませんか?」

 手に手を取ってステップ踏んで
 人生のリズムをあなたと

10/5/2023, 12:59:41 AM

何十年か先、ふとこの瞬間を思い出す日が来るだろう。そしてきっと、それが私の青春だったと……そう思う日が来るのだろう。
 何となくそんな気がした。そんな日の出来事だった。

 ***

「引越し?」
「……うん。夏休み明けからは違う学校」

 親友の由佳から出たのは、思いがけない言葉だった。
 同じアパートのお隣さん。幼稚園からの付き合いの由香とは幼馴染であり、親友だった。何をするのも何処へ行くのもいつでも一緒。だから、同じ習い事をするのだって必然だった。
 小学校に上がって始めたダンス教室。子供の運動能力とリズム感を上げる事を基礎としていて、ジャンルに囚われない様々なダンスを教えてくれた。
 その中でも私達が特にハマったのは社交ダンスだった。本来は男女のペアになるものだが、女子ばかりのダンス教室では、必然的に同性同士のペアとなる。大会に出る訳ではない。せいぜい街のお祭りや発表会で披露する程度。その為、私はダンスを習い始めてからこれまで、ずっと由佳とペアを組んできた。中学に上がり、本格的に社交ダンスを始めても尚それは変わらない。私にとっての由佳は幼馴染であり、親友であり、そしてパートナーだった。

「引越し……急だね」
「うん。でもお父さんはもう来月にでも引越しするって。お父さんのお母さんが病気になっちゃって……それで、お父さん実家のお店継ぐ事にしたから、家族みんなでお引越しするんだって」
「由佳のおじさんの実家って確か……」
「九州だよ」
「九州……遠いね」
「そうだね」

 ここは関東。日本地図では真ん中辺りに位置してはいるが、やはり九州となると遥か遠いものに感じる。ましてや中学生の私にとって、九州なんてのは未知の領域だった。行き方もわからない、遠い遠い国に行ってしまうような感覚。
 まだ6月が始まったばかりなので、夏休みの終わりとは言っても時間はある。そうは言っても2ヶ月もすれば由佳は居なくなってしまうのか。そう思うと次第に悲しくなる。いつも当たり前に隣に居た親友に会えなくなってしまうのだ。
 気付けば溢れ出した涙が頬を伝っていた。

「泣かないでよ〜。まだ先だよ?」
「そうだけど……そうだけどさ、もう2ヶ月もないんだよ」
「知ってるよ…。私だって、本当は行きたくないし……昨日言われて、まだ自分の中でも整理出来てないんだから」
「ずっと……ずっと一緒だと思ってた。高校も、東校一緒に行こうねって、言ってたのに」
「行きたかったよ!私だって、莉乃と東校行きたかった!修学旅行だって行きたかったし、学祭も今年は発表で金賞目指したかった。体育祭……今年こそは優勝しようねって……」

 話しながら、次第に由佳の瞳にも涙が溜まっていく。2人でやりたかった事、やろうとしていた事、2人一緒だからできた事、未来の話も思い出話も…話始めたらキリが無かった。この先の未来にお互いが居る事が、当たり前だと思って過ごしていたから。

 どれ位泣いただろうか。ポケットティッシュは底をつき、泣き疲れて声も涙も枯れ果てた頃徐に立ち上がった由佳は袖で涙を拭いてこちらに手を差し伸べた。

「踊ろ」
「踊る?」
「うん」
「ここで?」
「ここで」
「……」
「踊ろう。思い出だよ。うちらって言ったらやっぱこれしかないじゃん」
「確かに」

 由佳の言葉に、私も涙でぐちゃぐちゃの顔をタオルで拭く。もう拭いているのが涙なのか鼻水なのかわからない。
 
「私と踊ってくれませんか?」

 改めて差し伸べられていたその手に、私は自分の手を重ねた。
 
「喜んで」

 浜辺の公園。学校帰りの放課後。帰宅部の2人が夕日をバックに踊っていた。
 音楽なんてオシャレなものはない。6時を知らせるチャイムがけたたましくなっていて、カラスの鳴き声が歌声だった。
 笑いながら、しかし涙は溢れていた。きっとこれが青春なのだと、この瞬間を忘れる事はこの先も無いと思いながら、私達は示し合わせもなく大好きなあの曲を踊ったのだった。

 いつか見た映画のワンシーンの様に。
 

#いつかの思い出 【踊りませんか?】

10/5/2023, 12:48:06 AM

踊りませんか?

あなたの様な身分で?

踊りたくなったのです。

一人で踊りなさいな。

一人ではいつでも踊れます。
でも、あなたと踊るなら、あなたがいないと駄目なのです。

身分不相応よ。

身分と踊りたいのではないのです。
ただ、あなたと踊りたいのです。

生意気ね。

子供のようなわがままを言うのだからそうでしょう。

失礼ね。

あなたの言う事を聞かず、自分の願いだけを通そうとしているのだからそうでしょう。

馬鹿なの?

聞き分けも無いのだからそうでしょう。

私と踊って自慢したい?

誇りにしたい事をそういうならそうでしょう。

愚か者。この夜会で私はあなたと踊りません。

そうですか。それでは、私は去りましょう。

ただし、この後、私はこの後、一人になります。その時、あなたが誘うなら。

誘うなら?

ちゃんと、エスコートしてくださいな。
私、踊りに自信がないの。

10/5/2023, 12:36:17 AM

咲き乱れる花々の上で美しい蝶が飛び回るように
蜜という歓喜に震えて踊りませんか?

あなたとだから踊りたい
あなたとこそ喜びあえる

優雅でなくとも踊り始めれば
ほら、怖くないでしょう?





#踊りませんか?

10/5/2023, 12:10:39 AM

いいですよ、踊りましょう。と返せたら
自分も少しは変われるんじゃないかと思うけれど、恥ずかしくて出来ないです。だから他の方法を考えます。でも別に変わる必要もないのかな。個性ってことにします。

10/5/2023, 12:10:05 AM

『踊りませんか?』
テレビの画面の中で、王子様がヒロインに、吹き替えられたイケボでダンスに誘っていた。
たまたまそのタイミングで口を付けていた缶ビールが、タプンと揺れる。はあぁ、とため息をついた。
金ローで、私の好きな声優さんが昔の洋画に吹き替えをするというニュースを見て録画してみたが、ストーリーも良いし、声も良い。いつの間にか感情移入してしまって、健気なヒロインを応援していた。
一人の女として、いわゆるシンデレラストーリーというものは、幼い頃から憧れてきた。ただ大きくなってくると、自分は恋愛物語の中でいう主人公の恋敵にすらなれない友達役なのだと思うようになった。異性から愛されたことなんて一度もないし、臆病だから積極的に行動するのを恐れる。気弱だから、ずっと動けないで結局主人公の良い友達ポジションでとまってしまう。そのくせ性根はあまり良くない。
私もいつか、こんな風に迎えに来てくれる王子様と出会えるのだろうか。

10/5/2023, 12:04:24 AM

10/4「踊りませんか?」

「伯父さんも踊ろ!」
 姪が手を伸ばしてくる。
 ディスコは人でごった返し、チカチカと色とりどりの明かりに照らされ、大音声で曲が流れている。
「馬鹿馬鹿しい。こんな大人を捕まえて何を言ってるんだ」
「あたし、知ってるよ。伯父さんて昔、踊る人だったんでしょ?」
 言葉に詰まる。
「楽しんだもの勝ちだよ! 踊ろ! ほら!」
 姪に手を引かれてホールの中央に出る。
「…馬鹿馬鹿しい」
 呟きながら、30年ぶりのステップを踏み始めた。

(所要時間:6分)


10/3「巡り会えたら」

「どうしても、行くんですか?」
「何言ってんだ。依頼が解決したら次の土地に行くのが冒険者ってやつのあり方だろ」
 マントを羽織り、荷物を持つ。宿を出た所だけでなく、村のはずれまで、その小僧は見送りについてきた。
 ここまででいい、と言うと、小僧は思い切ったように声を張り上げた。
「あの、僕、冒険者になります!」
 思わずきょとんとする。小僧は続けた。
「冒険者になって、お姉さんの助けになります。…いつか、必ず!」
 ははっ、と口から笑いが出た。こんなひょろっとした小僧が何言ってるんだか。
「そうかい。精々鍛えな」
「はい!」
 嬉しそうに答える小僧。悪くない表情だ。期待しないで待っておこう。
 まあ、この広い世界でもしまた巡り会えたら、な。

(所要時間:10分)

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