距離』の作文集

Open App

距離』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

12/1/2023, 2:38:31 PM

"距離"

「みゃあ!」
 居室の扉を開けると、ケージの中の子猫が大きく鳴いて出迎えた。
「おぉ、ただいま。悪い、腹減ったよな?今飯持ってくる」
 飛彩に支えられながらケージに近付く。先程までみゃあみゃあ鳴いていたのに急に大人しくなったと思ったら、目線の先は俺ではなく俺を支えながら入ってきた飛彩だった。
──こいつ、興味津々な目で見てる。
 飛彩を横目で見ると、こいつも子猫を見ていた。子猫と成人男性が見つめ合っているのは、なんだかシュールな絵面だ。
 気付かれないように小さく笑いながらケージの前にしゃがみ、扉を開いて中の皿を取り出す。
「飯作りに行く」と言ってゆっくり立ち上がる。
 子猫と見つめ合っていた飛彩は俺の声に我に返ったのだろう。ぱっ、とこちらに顔を向け「あ、あぁ。分かった」と言って再び俺の体に手を添える。
「あ、や…きょ、今日は猫缶にしよう。部屋に何個か買って置いてあんだ」
 そう言って飛び退くように離れて戸棚を開き、子猫用の猫缶を一つ取って猫缶の封を開け中身を皿の上に乗せる。柔らかなゼリー状の固形物が、皿の上で蛍光灯の光をてらてらと反射する。
「ほーら、ご飯だぞー」
 ケージの中の定位置に猫缶の中身を乗せた皿を置く。
 すると子猫は「みゃあん」と一声鳴いて皿の前に行き、はぐはぐと食べ始めた。
「なんか唸りながら食べているが、大丈夫か?」
「あぁ大丈夫、平気だ。子猫にありがちな事らしい。俺も最初は驚いた」
 救急に連れて行って検査を受けた後、子猫に初めてご飯をあげると「うみゃうみゃ」言いながら食べ始めて、何か病気なんじゃないかと思い慌てて電話で聞いたら、食べながら鳴くのはいわゆる《子猫のあるある》らしい。
「美味しそうに食べているな」
 その言葉に子猫を見る。いつも通りの食べっぷりで、皿の中を見ると、もう半分くらい食べ切っていた。
「そんながっつくなっていつも言ってるだろ。…実は初めてやったんだが、口に合って良かった」
 子猫を見やる。
 本当に美味しそうに食べている。
 すると急に片手で肩を、ぐいっと引き寄せられた。
「っ!?」
 驚いて横を見ると、飛彩の端正な顔がすぐ近くにあった。思わず顔を逸らしてしまう。
 ばくばくと、心臓がうるさい。痛い。
「みゃあ」
 足元から鳴き声がした。驚いて首を動かして目線を下げると、扉を開けっ放しにしていたケージからいつの間にか出てきて、俺の足元に来ていた。
 両手で抱き上げ、胸に抱くと喉を鳴らす。
「本当に貴方に懐いているな」
 そう言いながら子猫に指を伸ばして頭を撫でる。子猫は嬉しそうに「うみゃあ」と小さく鳴いてみせた。
──良かった。獣医の言った通り、あんまり人見知りしないタイプみたいだ。
 実は、居室の扉を開くまで少し心配だった。だから初対面の人間がいても、いつもと変わらぬ子猫の様子を見て安堵に小さく息を吐いた。

──ん?待てよ、この構図…傍から見たら、《親子》じゃ…。

12/1/2023, 2:35:40 PM

距離


物理的な距離ではなく、心理的な距離。
信頼を失わせてしまった人との距離は、絶望的に遠い。その信頼を取り戻すには、並大抵の努力では足りない。

物理的だったら、時間とお金をかければ距離は近づくけど、信頼を取り戻すには、誠心誠意の対応ときめ細やかな心遣い。
それから、相手次第だからご縁もありだと思う。


なんだか、距離の話から、信頼を取り戻す方法の話に代わってしまった。

12/1/2023, 2:30:53 PM

一体何を遠ざけて
安定を求めようとしたのか
そうじゃない
もっと近づきたいよ
会えない時間
離れているときも
そばに感じる

「距離」

12/1/2023, 2:29:49 PM

いつかのきみに愛を込めて


肩が触れ合うくらい近くにいても、
心がいくら通じ合っていても、
奥の方に秘めた想いだけは伝わらない、伝えない。

もしも僕が僕じゃなかったら、
きみと出会えなかっただろうけど。
僕が僕だったからきみとは結ばれないんだね。

笑いかけるその顔も、甘えたようなその声も
ずっとずっと僕のものだったのに。
いつか知らないものなる。

あの日交わした、欲を滲ませた約束は
言葉にできない、永遠の誓い。
先に破ったのは僕だった。

【お題】距離

12/1/2023, 2:24:16 PM

パーソナルスペースに入らないで。

私に近づきたいのなら、もっと親しい関係になってくださりませんこと?

例えば、ほら。

私が恋する人になってみる、とか。

12/1/2023, 2:22:11 PM

#距離

"君ってさ、人との距離近いよね"

そう、男友達に言われた。

そうだよ、わざとだもん。
でも、それあなただけ特別近い事知ってる?

小学校からの幼馴染で、私の初恋の人。
頭の良いあなたと同じ高校に行きたくて、
勉強頑張っていた事知らないでしょ?

無事に同じ高校に入学できたけれど、
変わらない私たちの距離。

色んな人にくっつくふりをして、
あなただけにくっついてドキッとしてくれれば
いいのになんて思っていたけれど、変わらないあなた。

むしろ、嫌われちゃったかも…。

でも、今年で卒業だから告白する事にした。

友達として隣で歩くのはもう飽きたから。
次は恋人として隣を歩きたいな。

12/1/2023, 2:18:56 PM

ピンチのときに

差し伸べられた手があった。


すごくその手に頼りたいのに、

力加減も掴み方も今度こそ

失敗したくなくて

強度を、試してしまった。


そのうちに手は弱くなって

引っ込んでいった。


#距離

12/1/2023, 2:11:14 PM

【126,お題:距離】

早朝のカフェ、おうちご飯も良いけどたまには外食したいじゃん!
という彼からの提案で、近場のカフェで眠気を覚ます、初冬の朝の日

隣に居るのに、貴方の視線はいつも遠くの誰かを見つめている
ここには居ない誰か、私以外の誰か
付き合ってしばらくした後、彼からぽそっと話してくれた

きっと、前の彼女さんを見ているんだろうなぁ

彼がとても良い人なのは知っているし、私もそこが好きで「付き合って」なんて言ったんだ
でも、付き合ってもずっとどこか上の空で、「どうしたの」って聞いたら、おもむろに話してくれた

前の彼女さんは、病気で亡くなってしまったこと

突然の発作で「貴方は、絶対に幸せになるのよ」って言い残して、彼の腕のなかで冷たくなったこと

話を聞かされた後、彼は困ったように笑って柔く涙をこぼした

私は、少しは同情してたんだと思う
だって最愛の人を失うなんて、悲しいし辛い
でもね、それと同じくらい嫉妬もしてた

もう居ないなんて、ずるい

そんなの、勝ち目ないじゃない

彼の心と前の彼女さんの心は、きっと私よりも強い絆で繋がってたんだね

彼は彼女さんの話をするとき、いっつも楽しそうで悲しそうな顔をする
それだけ心の距離が近かったんだ、私以上に

もう死んじゃっているなら、どうしたって勝てやしない

彼の心を拐うだけ拐って、もうこの世に居ないなんて

正直者で優しい彼が、ずっと一途に思い続けている人なんだ
悪い人なんかじゃないのは、彼が話す表情で伝わってくる

私じゃ勝てないくらい、良い人だってことも

どんなに私が見つめても、貴方の心の距離は前の彼女さんの方が近い
そんなこと分かりきっている、でも

頼んだホットココアを口に運ぶ、思ったより熱くて火傷したのか、舌先がジリジリと痛んだ
どろどろとした感情もまとめて、喉の奥に流し込む

「私だって、諦めたくないの」

ぽそりと発した言葉は、温かなため息と共に空に溶けた

12/1/2023, 2:10:36 PM

「まぁさ、強い思いってさ、歪むよね。」
そう零す彼を横目に、私は雲高く何も言えぬ静寂が感じられる秋と共に、ひんやりと冷えたベランダに軽く持たれつつ夜の街を見渡した。

12/1/2023, 2:07:39 PM

『距離』2023.12.01


 近すぎず遠すぎないこの距離感がいい。
 この距離感をなんと形容すればいいか分からないが、オレの先を行くその背中を追うのが好きだ。
 十年という年齢の差、板の上に立った経験の差、身長の差、歩幅の差。どれもあの人が先を行って、オレがそのあとを追う。
 オレが進んで距離が近くなったと思ったら、あの人はさらに進むからその差は埋まらない。
 焦りがないわけじゃない。はやくあの人の隣に立ちたいと思ってしまう。
 あの人と同じ景色が見たい。
 だから、オレは急ぐ。あの人に追いつくために。でもあの人はその分、先に進む。
 縮まらない距離。
 だけど、それがいい。
 十年という年齢の差、板の上に立った経験の差、身長の差、歩幅の差。このどれもがかけても、オレたちはここまでの距離感を築けなかった。
 差があることで得られるものもある。
 あの人が与えてくれる言葉の数々。そのどれもがオレが前へ進むための活力になる。
 だから、あの人には先に立っていてほしい。
 あとから追いかけるから。

12/1/2023, 1:53:30 PM

距離

遠くなり過ぎて
パキッと割れて
近づき過ぎて
メッキリ折られる
適度ってどこ?
バリアだけが
強くなるだけ

いつでも逃げられる
間合いを探して
近づきたい時の
無防備さを嗤う
いつだって
数字で計りながら
最後は無視して失敗

他の誰でもなく
0距離射程の自分にすら
距離間にとまどってる
隙間とか余白とか
そんな部分に
居場所を感じて
誰にも気づかれない
そこの方が気疲れない

全ての目線を消して
全ての言葉を失くして
全ての思いを気づかせない
全てを完璧にしてくれる
そんな場所までの距離を
いつまでも探している

12/1/2023, 1:53:01 PM

_______________

君の席は近いのに

心の距離は遠く感じて凄く痛い
_______________

Theme:距離

12/1/2023, 1:52:47 PM

∮距離

これはすごく個人的な、私の考えになっちゃうけど

よく恋バナで「どんな人が好き?」って聞かれるやつ

いつも私の答えは決まってて

「一緒に居て無言が気まずくない人」

「ただお互いがそこにいるだけで気楽な人」

多分みんなが欲しい答えとはズレてるんだろうけど

好きなタイプとかよりも、そういう距離感の方が大切に思うのは私だけなのかな

12/1/2023, 1:49:40 PM

恋の距離感

離れても近づきすぎても関係が悪化する。ちょうどいい距離というものがあったらいいね。「距離を置こう=別れ」になる時もある。恋の距離感は難しくそして悲しいものだ。でも恋する貴方は美しく素敵です。恋をしていなくてもあなたは美しい。いつか運命の人があなたに出会うことを心よりお祈り申し上げます。

12/1/2023, 1:48:41 PM

距離

君と私の距離はどのくらいだろう。
ただのクラスメイトの私たちの距離は。

いつになったらこの距離を縮めることが出来るのだろう。
いつになったら君の隣を歩けるのだろう。

この距離を縮めたい。
君の温かさを感じとれるくらいに。

12/1/2023, 1:47:12 PM

遠ざかる距離に

もうこれ以上近付くのは許されなかった。

12/1/2023, 1:43:35 PM

距離

距離を感じるとか、距離を置くとか。

日本人って距離をとても便利に使う。

私はと言うと、
人との距離感には敏感な方だ。
ついつい距離を取り過ぎてしまう。

距離なしさんはちょっと苦手だが、
ちょっと羨ましく思うところもある。

結局、正解の距離ってどれくらいなんだろ?
それこそ、人それぞれか。
paki

12/1/2023, 1:40:50 PM

距離

パソコンの電源入れてクリックすれば
いつでもすぐに君のそば
楽しそうに話す君の声に
相づち打ちながら明日の用意をする

僕たちはこんなに離れているのに
いつも近くに感じる

電車と飛行機を乗り継いで
降り立てば迎えてくれるのは君
久しぶりの君は緊張気味で
僕も緊張して会話が続かない

僕たちはこんなに近くにいるのに
なかなか距離が詰められない

案内されて扉を開ければ君の部屋
君が用意してくれたご飯を食べて
二人で後片付けしたらあとはリラックス
お互い好きなことをしていても
お互いの気配を感じるのが嬉しい

僕たちは離れていても繋がれるけれど
やっぱり近くにいるのが一番いい

12/1/2023, 1:39:32 PM

私は距離を測るのが好きだ。
何故ならば距離を測ると
これと私にはこのぐらい間が空いていてこれぐらいの距離感なんだ。
と少し物との理解が広まった気がするからだ。
だけど地球では実際の距離が測れないものがある。

それは人との距離だ。
人との距離は本当に存在するわけでもなく
人間が勝手に考えた空想だ。
だからこの世に存在しないものは測れない。
だけど昔、私は人との距離を完璧に測ろうとしていた。

でも人との距離なんて測らなくてもいいんだと最近知った。
人との距離なんて測らなくても心と心が通い合えば
それはその人との距離が短くなったということだろうと
分かったからだ。
だから私は今日もまた小学生の頃から使っている
15センチものさしを片手に持ち学校に登校する。
「今日はどんな出会いがあるかな」

12/1/2023, 1:37:38 PM

距離は、縮まらない。

遠くに住む あの人に
会うには 動かなければならない。

画面越しに話すのは
容易いのに
きっと、飛行機に飛び乗って
会いに行くことだって
本当は、簡単なことなはずなのに。

私たちは、この距離感が
好きなんだな。

見えない壁に隔たれているからこそ
成り立つ関係は
どこまで、続くのかな。


【お題:距離】

Next