『距離』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
もっと冷たい人かと思ってた、って言ってたっけ。それって君が僕を知らなかったからで、けれどそう思うに至る理由があって、つまり遠く離れたところにいたからでしょう。今はどう見えているのか、とろけた笑顔を見せてくれる君に聞いてみようかな。
// 距離
距離の脅威
・距離は時々人を騙す。
分かりやすい例えは目的地までの距離だ。駅から5分なんてすぐ着くと思ったら実際15分とかザラにある。
・あと、距離は人の気持ちで左右する。移動が楽しければ短く感じるし、辛ければ長く感じる。その気持ちが強ければ強いほどその傾向が見られる。
その時には駅から5分でさえ、1時間かかることだってあり得る。大袈裟かもしれないが、私は経験したことがあるのだ。
さらに道に迷ってしまえば、解決するまでずっと辿り着かないだろう。
・距離を短くしたいのならば、移動を楽しく感じることが有効だと思う。そして、事前にその土地のことをよく知る。そうすることでその土地との心理的な距離は近づき、目的地までの距離も短く感じれることだろう。
将軍と聖女。騎士と女傑。
彼らは深く結ばれている。では、私と彼はどうなのだろうか。
友人とも恋人とも呼べない、なんとも不思議な関係。けれども、彼のそばにいると安心する。
「いい子だね」
彼の手が頬に伸びてきた。摺り寄ってみると、頭も撫でてくれて、耳と尻尾が動くのを感じる。
「いつも思うけどさ……コレ、そんなに面白い?」
「うん。気持ち良さそうにしてるの見ると嬉しくて」
「そうなんだ……いや、まぁ、ゼルに撫でられるのは嬉しいけども」
確かにサンクタには尻尾も耳もないし、輪や翼から感情は読み取れない。同族間では共鳴で言葉を交わさずとも感情を伝えられるらしいが。便利だとは思うけど、なりたいかと言われればそうでもない。
それに私は彼らが苦手だ。共鳴も一つの理由だが、行く度に珍しいものを見るような目で見られるから。
それでも、彼に会いたいという気持ちは止められず、ラテラーノへ行く理由を探し、彼のことを考える日々が続いていた。
「どうしたの、ナル」
唐突に呼ばれ、真っ直ぐな目で見つめられる。耐えられず目を逸らすが、彼は決して引かない。優しい声だ。でも、この声は他の誰かにも向けられている。私だけのものではない。ならなくていい、なってはいけないんだ。
「どうして逸らすの?嫌だった?」
「違う……違うけど、わかんない、とても苦しい」
彼とこの空間を、時間を共にしているのが嬉しい。知らないところで彼とと笑っている、そんな誰かが憎い。私の周りには誰もいない気がする。
感情が抑えきれない。気が狂う。自分の存在を消し去りたくなる。
「ナル、僕はここにいるよ」
差し出された手を握る。滲むように伝わる暖かさが、胸の中にある苦しみを和らげてくれる。
空いていた手を伸ばし、彼の背中に回す。どうするのかと考えていると、体が浮いた。
抱えられるままに力を抜いて、目を閉じる。彼の足音と鼓動を聞きながら、静かに息をしていた。半ば眠りに落ちていたところで、ドアが開いてベッドに降ろされた。
「ゼル……?」
「輪が眩しいかなって……ごめんね」
背後から抱きつかれたかと思うと、腕で視界を遮られ、彼の声だけが聞こえる。
「頑張っててえらいね」
彼は普通に喋ってるだけだ。それなのに、どうしてこんなに体が反応してしまうのだろう。
「……大好きだよ」
その言葉にどんな意味があるのだろう。彼は何を思ってそういったのか、私はどういう風に受け止めればいいのだろうか。
「ふふ、すごい揺れてる」
「そんな気はしてたけど、改めて言われると恥ずかしい……」
取り繕うことを放棄した尻尾は素直とも言える。彼は気を良くしたのか、髪の毛に隠れていたもう一つの耳を暴いて──
「ナル……愛してるよ」
体が大きく震える。胸の奥が少し苦しくなって、冷えた体は指先まで熱を持ち始めた。
たまに会いに行って、こうやって溶かしてもらう。体を重ねることはないが、言葉や行動の端々からを見れば、恋人だと言われてもおかしくはない。
傍から見たら奇妙な関係だと思うだろう。当事者でもある私ですらそう思っている。
「……私も、ゼルのことが大好きだよ。だから今は、独り占めさせてほしい」
いつもより蕩けた声が喉の奥から出る。返事はなかったが、腰に回されていた手が強くなった。
─
「満ち欠け、満ち引き、繰り返す揺らぎ」
お題
「距離感」
※地名や種族は明日方舟から。
不登校で皆との距離が遠くなるのが怖い
理解出来なくてもいいから、仲良くして。
でも、理解して欲しいのが本心。
距離
世の理のようなものとして、高速化、高密度化という流れがあると思う。
他人との距離においてこれを考えると、親密さが増すにつれ、距離を縮める傾向があると思う。これは、距離が縮まるほど、情報の密度が高まるからではないか。
例えば、
→メールでやり取りするより電話したい
→電話するより直接話したい
→直接話すより触れ合いたい
→触れ合うより、、、
と、最終的にはゼロ距離を超えていく。
遺伝子情報の伝達とおもえば、最も密度の高い情報伝達手段と言えるのかもしれない。
アサギマダラ
海を渡る蝶
風に乗り
波に乗り
小さな体と羽で
長い長い旅をする
もしいつか
僕の背に羽が生えて
君の住む街へ
降り立つ日が来たら
ほんの少しだけ
君の肩で
疲れた羽を
休ませて欲しい
「距離」
「大丈夫?」
心配そうな目であなたは私を見ている。
青い信号の前でいきなり止まったからだろう。
「あ、うん。ちょっとボーってしちゃって」
「風邪?具合悪いの?」
心配そうな声で聞きながら私の頬に触れた。
「風邪は無さそうだけど…」
深刻そうに眉間に皺を寄せる。
「また、遅くまでゲームした?
ちゃんと寝ないと体に悪いよ」
口を尖らしながら言う。
「キリが良くないとやめられないんだよね」
前を見るととっくに信号は赤になっていた。
早く寝ないといけない理由を
並べているあなたは気づいてないだろう。
青は進め、赤は止まれ。
歩道の信号機の様にシンプルだったら良いのに。
あなたはいつも車道の信号機。
青、黄、赤。
私も黄色なんだよね?
あなたはあなたを好きだから。
見返りを求める言葉だと知っている
私ではなくあなたのための心だと知っている
誰でもいいのを知っている
あなたと居ても私は一人。
あなたも誰といても一人。
#距離
「距離」
私は学生の頃、勉強とは距離をおいていた。嘘だ。できなかっただけだ。
いや別に東京卍会に入るような、荒くれ者では決してなかったが、かと言って、いじめられっ子だけどボクシングが強いみたいな子でもなかった。
もちろん、見ず知らずの人が紫のバラをくれるような、ある種の天才でもなかったし、ヤンクミのような、実は実家がすごい家でもない。
普通の子が、普通に勉強しなかったら、普通にできない子になりましたというお話だ。そこには、できない子を東大に入れるようにしてくれる桜木弁護士も、登場しない。
そんな子が、やがて大人になり、親になったものだから、その子供は大変だ。
なんせ勉強でわからないところがあっても、私には聞けない。なんとか一緒に解こうと頑張ってはみるが、分からない者同士、解けたためしがない。
教えてくれるのは、学校をサボって機動戦士ガンダムを観に行ったら補導された話とか、家にこもって村上春樹をずっと読んでる間に、大学の前期試験が終わっていた話とか、役には立たないことばかりだ。
そんな情けない親なものだから、世の中知らないことだらけだ。でもこの歳になって、知らなかったことを知った時、わからなかったことが、わかるようになった時、なんとも言えない満足感を感じるようになってきた。遅いけど。
今流行りの「リラーニング」(学び直し)ではないが、今まで手を出さなかった宗教や哲学、経済、金融、地政学など、Kindle Unlimited で読める本を、片っ端から読んでいる
例えば、宇宙の果てについてのネット記事を読んだのも、つい最近だ。こんな面白そうなことを真面目に研究することが仕事だなんて、なんと楽しそうなことか。
宇宙の果てまでの距離が、138億光年という、一体どうしたらそんな数値が出てくるのかは、よくわからないが、なんかとてもロマンのある仕事のように思うのだ。
もちろん当の学者や研究者から言わせれば、国からの補助金やら研究開発費は削られるわ、そのくせ成果は求められるわ、薄給で非正規だわと、実際は大変な仕事なんだろうけれども。ロマンで、飯は食えないと言うことか。高給で中国企業に再就職する技術者も、多いとか。
ちなみに娘の、今就きたい職業は、市役所事務員だそうだ。とても現実的な娘に育っているのだが、もう少し夢があってもいいのではないだろうか。
昔は、プリキュアだったのにな。
人との距離・心の距離・物理的な距離
色々な距離があるけど
この距離はなんとも言えない。もどかしいけど、
なんかそれがいいっていうか…。私たちの距離って感じ?
ねっ。いいよねこの距離。
「距離」
程よく距離を置くことも時には必要である
どんなに仲睦まじくとも互いの時間というのは必要である。
同じ人など居ない。みんな個々の個性や好み特徴があり、それを誰かに決めつけられる権利は無い
それと同じく、相性の合うものどうしでも、どうしても意見の食い違いや好みの違いは出てくるだろう。
どんなに愛し合おうとそこは揺るがないだろう。
一人一人違う人間なのだから、当たり前のことだろう。
だからこそ、程よい距離感が大切だ。
近すぎれば、様々な問題や、ストレス、些細な縺れなどトラブルが起きやすくなり、
遠過ぎれば、やがて飽いてしまったり、気持ちが薄れやすくなる。
近すぎず遠すぎず、お互いが自分らしく、それでいてお互いを愛し合える位置関係が1番理想的である。
個々の個性や好みを否定せず、お互いに理解し、認め合い、愛し合える。
とても理想的だと私は思う。
距離感ってよく分からないの
ちょうどいいと思っていても
皆には不快みたいだったみたい
ねぇ!
私には分からないの!教えてよ!!
どうやって距離感って測るの、教えってってば!
ミンナノ イッテル
キョリカンッテ ナンナノヨ……
距離
人との距離を保つことは、とても難しいことだ。
上司、先生、友達…
一番楽なのは…やっぱり家族かな
距離は関係ない。
伝わる人へは伝わってるはず。
心があるものなら尚更。
「成田空港からシンチトセ空港まで歩いて6日だって」
「なかなか かかるねぇ…飛行機は?」
「飛行機なら2時間ぐらいじゃない?」
「文明の利器ってすげぇ」
距離
そうだ、いっそあの人に頼ってしまおうか。
なんて、甘えたことを溢しそうになった。
いつも強がる私を
ゆるやかに弱らせるあなたは
いつも、隣にはいないね。
「距離」
あなたとの距離は どんどんと離れていく もう戻れない
距離
病院勤務、今日も不安を覚えながら仕事をしている。
『辞めたい』の感情止まらない。
ここ3ヶ月間40時間以上の残業時間が3回を超えた。
40時間、75時間、95時間。
土曜の出勤は抜きにしての残業時間である。
イカれた労働環境。
どう控えめに見てもブラック企業だ。
このまま続けていたら体を壊しかねない。
前の会社は1年で辞めた。
SES(システムエンジニアリングサービス)の会社に入り契約を切られた。
給料6割にするぞと脅され嫌気が差して辞めた。
現在の会社は2年続いている
入った当初、あまりにも使え無さすぎて毎日のように罵声を浴びせられた。そもそも入る気すら無かった。親に言われたから仕方なく入った。面接でも嘘めっちゃ付いたと思う。正直当初何言ったか覚えてない。
辞めろとは直接言われなかったが近いような発言を何度もされた。
根性で耐えた。ひたすら耐えた。覚えが悪い私の面倒を見てくれた。毎日のように罵声は浴びせられたが見捨てられなかった。使えないなりにも根性はあったからそれを気に入られたのだろう。
1週間前に面接を受けた別会社からの内定通知が出た。
前々の会社に所属を無かったことにする履歴書を出した。
所謂経歴詐称をした。
私は最低な人間だ。
待遇は明らかに現在の会社より良い。
ただ今の会社に居たことで私は「知識と経験」は得られることが出来た。
「知識と経験」
今の会社に居ればまだまだ会得することは出来る。
会社は糞ブラックだが私の直属の上司の知識は凄い。
沢山の勉強をさせてくれる。というかしないと付いて行けない。
今の会社を辞めるのは誰が見ても逃げになる。
逃げにはなるが先の会社も入っても良い未来があるか怪しい。
私は転職すべきなのか
心と会社と繋ぐ距離感
私は布団に入り悩み続ける。
飛行機で海を越えて
大切な友人に会いに行った。
距離は気にならない。
会いたいから会いに行く。
そんな風に思える友人がいることは
きっととんでもなく幸せなことなのだろう。
距離
距離
距離と言うよりは、距離感と言った方がいい話なのですが‥。
長い付き合いの友人との距離感のことです。
互いに、大人になりいろいろ問題を抱えながら生きてます。
だから、と言うのではありませんが踏み込んで良いライン、悪いラインがあるのがわかってきました。
金銭的な問題に関してだったり、家族間の関係についてだつたり。
結構センシティブな話の部分。
最近は時間の余裕もあって細かいことを話せるようになった。それがきっかけでしょう。お互いに、自分で話す気持ちになった時に話せば良いことです。
互いを尊重する付き合いをするつもりです。
このまま友情が続くことを願っています。
人生で学ぶべき重要なことのひとつに、『距離感』がある。
家の中を歩くにしても、距離感がないと足の小指を家具の角にぶつけてしまう。あれはツラい。
車の運転時は、ガードレールに車の塗料をこすりつけるだけならまだしも、人命にも関わることにもなる。
もちろん、物理的な事に限らない。
仕事、遊び、
そして人付き合いにも距離感は不可欠だ。近づき過ぎれば痛い目にあい、離れ過ぎれば孤独という、ヒトとして危機的状況になる。
では、どうやって『距離感』を学べばいいのか。
まあ、いろいろ試して失敗を繰り返すしかないな。そのうち、適当な距離が分かってくる。
試す事なしに、最初からあきらめない方がいい。
コツがわかれば、いろいろと楽しい。
#距離
48 730