「大丈夫?」
心配そうな目であなたは私を見ている。
青い信号の前でいきなり止まったからだろう。
「あ、うん。ちょっとボーってしちゃって」
「風邪?具合悪いの?」
心配そうな声で聞きながら私の頬に触れた。
「風邪は無さそうだけど…」
深刻そうに眉間に皺を寄せる。
「また、遅くまでゲームした?
ちゃんと寝ないと体に悪いよ」
口を尖らしながら言う。
「キリが良くないとやめられないんだよね」
前を見るととっくに信号は赤になっていた。
早く寝ないといけない理由を
並べているあなたは気づいてないだろう。
青は進め、赤は止まれ。
歩道の信号機の様にシンプルだったら良いのに。
あなたはいつも車道の信号機。
青、黄、赤。
私も黄色なんだよね?
あなたはあなたを好きだから。
見返りを求める言葉だと知っている
私ではなくあなたのための心だと知っている
誰でもいいのを知っている
あなたと居ても私は一人。
あなたも誰といても一人。
#距離
12/1/2022, 5:46:55 PM