『貝殻』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
この世界に湖はあるが、果たして海はあるのだろうか? 湖を越えた先に僕は行くことができない。まぁ正確にもできないというか、彼女に止められてしまったので、それ以上の道を進むつもりがないということだ。
だがしかし、知的好奇心なんてものはある。海はあるのか? ここよりも発展している町があるのか? 意志を持っている住人はいるのか?
でも、それを確かめたいとは思うけれど権力者に聞こうとは思わなかった。
聞いてはいけない気がしたのだ、なんとなく。それは僕が踏み込んではいけないタブーのようで聞いたことにより、知られる真実は僕にとって伏せられなくてはならない事実なのかもしれない、なんて、そんなことを思ってしまったんだ。
なんでそう思ったかは分からない。でもなんとなく。
だから、僕はただ想像をするだけにとどめておくことにしたのだ。
寄せては返す波の残滓。
吹き鳴らせば開戦を告げる笛の音が木霊するかもしれない。
wip……?
「no titile」
貝殻
炭酸カルシウム。どのくらいの種類があるのか分からないが、世界中の海岸にある。全世界の海岸にはおなじような貝殻があるのかな。
・1『貝殻』
子供の頃は貝殻の1つ1つに誰かが住んでると思ってた。
私はとびきりキレイな遊色の光り輝く巻き貝に妖精を住まわせて飼いたいと思っていた。
実際にはヤドカリを眺めていたけれど
【続く】
昔、貴女が幼かった頃、ご家族で海に行ったことがありました。貝殻に耳を当てた貴女は、波の音がする、と不思議そうに、けれどきらきらと輝く目で母君に言いました。貴女の母君は、そうだね、不思議だね、と返し、貴女を慈愛に満ちた目で見つめていました。
俺の中にある、ただそれだけの記憶です。
それ以上、何が起きた訳でもありません。
けれど俺は、今の貴女の母君がどれだけ貴女を愛しているか、改めて分かった気がしたのです。
「貝殻」
潮風に酔ったふりして
夜空に浮かぶ貝殻すくう
〈貝殻〉
海と光る貝殻
明日は、どう光るかな?
光が反射して交差する。
明日は、どう光るかな?
貝殻
バケツに集めた貝殻を、大切に抱きしめながら笑うあなたの無垢さが眩しい。
日々家
貝殻を拾った、少し不思議な貝殻だ 可愛いね、愛おしいね、 愛らしいね、 好きではないでしょうね、貴方は此を忌み嫌うのでしょう、
波の音を聞きたがった貴方は今私を恨むのでしょ
見たかった様々な貝を私が今拾っていたら、
もし…… 少しでも貴方と舞踊れたのなら花の様に彼落ちましょう
「貝殻」
ヤドカリのように
新しい貝殻を見つけてやり直したい
ああ、きっとできるさ!!
後は今の古い貝殻を
脱ぎ捨てる勇気があるかどうかだけ
目の前の新しいキレイな貝殻に入るまで
裸なんだもの、それは怖い事...
だけど、勇気を出して一歩前へ!!
数年前の初夏の頃、俺は淡い桃色の貝殻を砕いてその粉を飲み込んだ。
彼奴と過ごしたひと夏の思い出の品であるそれは、口の中でジャリジャリとした砂とほんのりと夕暮れの海風の香りを遺しただけであった。
貝殻を飲み込んでから今に至るまで、彼奴の事を思い出す事はなくなっていた。ずるずると女々しく彼奴の事を引き摺っていたのが嘘のように。
形に残る思い出が無くなるだけで、こんなにも苦痛から開放されるのか。そう驚くばかりである。
あの頃を思い返そうとしても、彼奴の声も、顔も、香水の香りも、体温も、仕草も、何もかも記憶がぼやけてしまう。
ただ、何処かから聴こえる波の音が記憶の中で響くだけ。
『貝殻』
❋貝殻❋
おこづかいを握りしめて
ショッピングモールに行った日
ママと弟にプレゼントを買った残りのお金で
叔母の私にプレゼントを買ってくれたね
貝殻形のネックレス
まだ子供の君がくれたプレゼント
この上なく嬉しかったよ
子供のいない私には
経験する事がないと思ってた 子供からのプレゼント
こんな形で 君が叶えてくれるなんてね
ありがとう
君が集めている貝殻はすべてごみになる。
砂浜を歩く君は、目についた貝殻をかばんにしまい込む。
空色の貝殻、真珠色の貝殻。
平べったい貝殻、渦を巻く貝殻。
かわいいとかきれいとか言う君に僕は頷く。
君が集めた貝殻は、部屋の小箱にしまわれて、翌日には忘れられている。
同じように、君が集めたきれいなものは、部屋のどこかにしまわれたまま、思い出した頃には感情を失っている。
そうして無感情にゴミ捨て場の肥やしになる。
僕が君にとって貝殻ではありませんように。
題:貝殻
耳の奥で、波音が響く。暗くて静かで深い夜の海。
私の頭の中にある海は、誰にも見えないし感じられない。私だけの居場所。嫌なことがあったら私はここに来る。独りで波音を聴きながら、海に漂う。私だけの時間。誰にも邪魔なんかさせてやらない。
#貝殻
現代日本は、あらゆる娯楽が存在する!
ゲーム、漫画、アイドル、美食、芸術!!
かつて昔の人々が手を伸ばそうとしたきらめき!!!
それが今、誰の手にも手に届く時代!!!!
だが何事にも例外は存在する。
きらめきを求めながら、きらめきを手に入れられない者たちがいる。
誰もが手を伸ばし、しかし多くの人が取りこぼすきらめき。
それは『恋愛』。
これは、自分だけのきらめきを求めて足掻いた少年の物語である
◆
ここは懺悔室。
悩める者たちが訪れる場所。
きらめきが溢れるこの時代にも、この施設は消えることは無かった。
この物語の主人公である少年も、悩みを抱えていた。
彼がその悩みを解消するため、ここに訪れた事から話が始まる。
「すいません、懺悔してもいいですか?」
「構いませんよ
どうぞ、お座りください」
少年が慣れない様子で懺悔室に入って来る。
神父はそんな不慣れな少年を優しい口調で迎え入れる。
「ここでの話は口外いたしません。
ほかに聞いている者は神以外にいません。
ですから安心して話してくださいね」
神父の優しい言葉に少年はホッと胸を撫で踊る。
今から懺悔することは、他の誰か知られたくなかったからだ。
「実は僕、好きな人がいるんです」
「すぐに告白しなさい」
「神父様?」
「神父ジョークです。
続きをどうぞ」
「はあ」
少年は訝しみながらも話を続ける。
「今日席替えがあって、幸運なことに彼女と席が隣になったんです。
でも勇気が無くて話しかけられません……
どうしたらいいでしょうか?」
「勇気を出して話しなさい」
「それが出来たら苦労はしません。
そしてそれを手伝ってもらうため、僕はここに来ました」
少年はその場に立ち上がる。
彼は布一枚を隔てたところにいる神父を睨みつけた。
「僕、知っているんですよ。
この教会の懺悔室で懺悔すれば、願いを叶えてもらえるって。
違うんですか?」
「そちらのお客様でしたか……」
神父の声のトーンが一段下がる。
今まで優しかった声が、まるでこちらを値踏みするような声色……
少年は少しだけ怖気を感じたが、悟られないよう虚勢を張る。
「願いには対価が必要だって事も知ってる。
なんでも言え!」
「素晴らしい!
では懺悔室の外に出てください。
詳しい話はそこで」
少年は、神父の言葉に従い外に出る。
懺悔室から出ると、すでに神父が出て待っていた。
神父は屈託のない笑みを浮かべ、少年を見ている。
少年はその笑顔にうすら寒い物を感じた。
「出てきましたね。
これを見てください」
「これはバナナの皮?
これがどうしたんだ?」
「これを使ってボケてください」
「はあ!?」
少年は驚きのあまり大声で叫ぶ。
彼が想像していた対価と、全く違っていたからだ。
少年の頭の中はハテナマークで埋め尽くされます
「お金とかじゃないの?」
「神父がお金とか持っても意味ありませんよ」
「バナナの皮、どっから出てきた?」
「私のおやつです。
懺悔室で食べてました」
「ボケろって何?」
「お笑い好きなんですよ」
神父は、少年の怒涛の質問にも動じず、涼しい顔をして答える。
少年は若干のいらだちを覚えるも、それを飲み込んで次の質問をする。
「あのさ、からかって楽しい?」
「楽しいですよ、これ以上なく」
「趣味悪い……」
「悪くて結構。
質問は以上ですか?
ボケますか、ボケませんか?」
「……本当にやったら願いを叶えてくれるんだな?」
「神に誓って」
少年は考える。
モノボケなんてやったことは無い。
というか漫才そのものをしたことが無い。
間違いなく滑るだろう……
つまらないボケをして、この話しが無かったことになるかもしれない。
けれど、ここで引き下がっても何も始まらないことだけは確かだった。
彼は自分だけのきらめきを手に入れるため、モノマネをする覚悟を決める。
少年は息を大きく吸います
「いくぞ。
モノマネ『オラウータン』――」
「あれー、こんなところで何してるのー?」
少年はすぐさまモノマネを中断し、声の方へとぎこちなく振り向く。
声を間違えるはずもない。
視線の先には、少年が好きな少女がいた。
彼は動揺を悟られないように、顔に笑顔を浮かべる。
「僕?
僕は散歩さ。
君は?」
「私はねー、漫画のネタにならないかと思って懺悔室まで来たんだー」
「そうなんだ」
少年が助けを求めるように神父を見る。
だが神父は笑いを必死にこらえているのか、体を小刻みに震わせていた。
少年の慌てっぷりが、神父の心をつかんだらしい。
神父は満足そうに頷くと、少女に近づく。
「お嬢さん、懺悔室を見たいと言いましたね?」
「駄目ですかー?」
「いいえ。
今は人がいないので見てもらって構いませんよ。
そうだ!」
神父は何かを思いついたように、少年に視線をやる。
「神父役としてこの少年を付けましょう。
漫画のリアリティー向上に貢献できるはずです」
「そのアイディア頂きー」
「ちょ、待って」
「入り口はこちらですよ」
「ありがとうございますー」
「無視すんな!」
少年の叫び虚しく、少女は懺悔室に入っていく。
それを見送った神父は、少年を手招きした。
「少年、君はこちらから入るといい。
気にする必要はない。
私を楽しませてくれた礼だ」
「でも心の準備が……」
「残念ながらチャンスというものは、都合のいいときに来てくれるとは限らない。
ここに入って彼女と話したまえ」
「でも……」
「どうしてもと言うなら私がやろう。 だが次の機会は保証しないよ」
「……僕がやる」
「そうでなくては!」
少年は神父に案内されて懺悔室に入る。
懺悔室扉を閉める時、少年は神父の顔を見た。
その顔は、お気に入りのおもちゃを見つけたような、子供のような笑顔だった。
神父は少年より先にきらめきを手に入れたのだ。
少年は神父に怒りを感じつつも、ひとまず心の外に追い出すことにした。
好きな女の子とお話しするのに、邪魔な感情だからだ。
彼は自分だけのきらめきを手に入れるため、負けられない戦いに挑むのだった。
貝殻
貝殻story
子供のころ、海辺でキレイな貝殻をみつけた。
うれしくて、また探す。キレイな貝殻を誰よりも先にみつけるぞーと、必死になっていた。
手のひらいっぱいになるまで。
友達と見せあいこする。
わたしの方がキレイな貝殻をいっぱいとったと、優越感にひたる。宝物にしよっと。
子供のころのそんな出来事、今思うと、微笑ましいなぁと、思う。
いつからか、貝殻を見ても、ときめかなくなった。
どうしてかな?日々の忙しさに追われてかな?
せっかく、奇跡の地球にうまれてきたのだから、壮大な自然を美しいと、キレイな貝殻を素敵だと思える心のゆとりを大切にしたいです。
社不すぎて もうあつ森の世界みたいに
貝殻売って のんびりライフしたい
貝殻
貝殻にあなたは好きと
描いたね
可愛いあなたに
ときめいた
世の中には貝殻と聞いて、海辺で拾ったホネガイとかサザエみたいな巻貝をそっと耳にあてて「波の音が聞こえる...」といったシチュエーションを思い浮かべる人と、アサリの酒蒸しを食べた後の貝殻を思い浮かべる人がいます。
私は後者です。
あまり貝料理は食べませんけどね。
嫌いではないので、例えば何人かで居酒屋へ行った時に誰かがアサリのバター焼きなどを頼めば一緒に食べたりはするけど、自分から率先して注文はしないかなぁ。
そもそも、貝料理って面倒くさくないですか?家で自分で作ろうなんて思ったことすらない。この面倒くさいを超えるほど貝が好きではない、ということですね。
なので、前者のようなファンタジーを思い浮かべても良さそうなんですが...なんかイメージが遠い。
そういえば子供の頃、海で貝殻を拾ったりした事はありました。なんかちっさいの。
お伽話に出てくるような、そっと耳にあてるタイプの貝殻が欲しかったんでしょう。
ああいう巻貝って、土産物屋では見た事あるけど、野良では見かけないよね。
というわけで今日の結論。
貝殻に抱くイメージが、ファンタジーから現実へと変わる頃、人は大人になるのです。
・・・
あ、今思い出したけど、亡くなった祖父は法螺貝持ってましたわ。もしかして山伏だったんでしょうか?
この瓶に集められているのは、片割れが見つからない二枚貝の貝殻たち。
ここ数年、季節関係なく海に行き、その度にこれらを集めている。
片割れが見つからなくて、もしかしたらもう出会えないかも知れなくて、
そうやって寂しい顔をした貝殻に、自分を重ねてしまうから。
【貝殻】