『貝殻』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
チャレンジ47(貝殻)
貝殻の内側に、虹色に輝く皮膜がある。トコブシのしょうゆ煮を食べた後、淡い虹色を見つけて嬉しくなった。ほかの貝殻にも虹があるだろうか。そう言えば、父が着ていたワイシャツのボタンは貝ボタンで、かすかな虹色の光沢があった。虹色の光沢を持つ貝殻は、トコブシ以外にもあるのかもしれない。
【貝殻】
手の内の白い巻き貝
巻き貝の入り口に
耳を当ててみる
こうすると
波の音がするよ と
誰かに言われた記憶
もちろん
そんなことはなく
閉じた空気の音がして
耳の横を 海の匂いが
ほんのりと かすめた
《聞こえるのは波の音か》
(刀剣乱舞/数珠丸恒次)
「おや、何をされているのですか?」
数珠丸恒次が審神者の部屋の前を通った時、審神者は何かを耳に当てていた。
審神者は、「貝殻を耳に当てると波の音が聞こえるのだ」と答えた。
数珠丸は、ほう。と呟き、自分にも聞かせて欲しいと頼んだ。
審神者は応え、貝殻を数珠丸に渡し、彼も審神者と同じように耳に当てて音を聞いていた。
数珠丸は「なるほど」と感心したような声を出した後、
何処でこれを手に入れたか問いかけた。
審神者は連隊戦で部隊の一振りが持ち帰ってきた物だと答える。
数珠丸はその答えにも「なるほど」と、今度は何かを考えるような様子で反応をし、
「しかし、戦場より持ち帰るのは資材のみ。この様なものを本丸に持ち込むと、時として災いを招くかもしれませんよ」
と続け、この貝殻を自身で処分すると言った。
審神者は納得した様子でそのまま貝殻を彼へ託す事にした。
そして数珠丸はその貝殻を持ったまま、自室へと戻った。
そこには同派のにっかり青江がおり、彼は数珠丸の手元の貝殻を見ると、「おや、そんなものを持ってどうしたんだい?」と、不敵に笑った。
「波の音が聞こえる、と言っていたので預かりまして」
「波の音、ねぇ....」
にっかりも気付いている事は数珠丸も分かっていた。
この貝殻に耳を当てた時、聞こえて来たのは波の音のようなノイズではなかった。
"助けて" "苦しい"
そんな悲鳴のような、怨念のような声が数珠丸には聞こえた。
にっかりも、その逸話の事もあり、この貝殻に内包する"良くないモノ"が見えているようだった。
「正しき道へと導いてあげなくてはなりませんからね」
「優しいねぇ、数珠丸さんは」
そんな夏の日の話。
耳を澄ませば、さざ波の音
脳裏に浮かぶは、凪いだ海岸
あの日、君とみた海は
何時までも、鮮明に
--二作目--
伝えられない
貴方への想い
綺麗な貝殻に
閉じ込めて
波にそっと攫わせた
海に攫われてしまった貴方に
届きますようにと
#貝殻
405作目
「貝殻」
貝殻って不思議。
子供の頃からそう思っている。
どうやってあれが出来るのか?
貝の赤ちゃんはもう貝殻が体に付いているのか?
貝の種類によって形が違うし…。
などなど、分からないことだらけ。
でも食べ物としては好きです。
不思議な生き物だけど、美味しいです。
#貝殻
浅瀬をゆっくり歩くのが楽しかった
踏みしめた土のゆたかな弾力
波にさらわれていく汗や砂粒
きらめく水中で光を放つ貝殻
命がそこにあった奇跡を拾いながら
真っ盛りの夏を生きていた
“貝殻”の外側は所々汚れていて、欠けたりしている。内側は、すごくきらきらしていて、そして何より、太陽の光が当たるともっともっと美しく輝く。誰をも魅了させるような、美しい光を跳ね返す。
今は“貝殻”として魅力を語ったけれど、人間もある意味同じようなものだと思う。見た目が優れていなくとも、内側、つまり内面は優しくあったり、おもしろくあったり、人それぞれの美しさを秘めているのだ。そしてその、誰をも魅了する美しさを放つためには、また他の誰かが必要なのだ。自分の良さを改めて理解させてくれる存在が、必要なのだ。
“貝殻”も私たち人間も含めた全ての生物は、何のために生きてるかも分からず人生を終えていくのが使命だ。けれど今日、何のための人生か、少しだけ分かった。自分ひとりの人生を華やかにするのも目的ひとつだけれども、やはり本当に必要なことは、お互いを照らし合えるような存在を見つけることだったのだろう
貝殻
あの日君と言った思い出
耳を澄ませば波の音が聞こえて来る気がする。
いずれ忘れてしまったとしても、
この貝殻だけは、 永遠に宝物だ。
あの人は、泳げないのに海へ行くのが好きだった。
海に行って、ずうっと、寄せて、返す音を聴くのだそうだ。
彼は海へ行くたびに「思い出」とひとつ、貝殻を拾ってきた。
日が暮れるたびに増える貝殻。巻き貝に、さくら貝。色も形もバラバラだ。テレビ棚の隅っこに置かれた貝殻は、少しずつ、少しずつ増えていった。
いつもは部屋の汚れに無頓着な彼も、貝殻だけは捨てないで、と言っていた。いつの間にかテレビ棚は、ほんとうの海のようになっていった。
ある時、突然貝殻は増えなくなった。
2人だった部屋は半分になり、影を、持った。貝殻はそのまま、少しずつ埃が積もっていった。もう貝殻は増えない。
今まであれだけ一緒にいたのに。
今までずっと一緒だったのに。
私は行き場を失い、海へ沈む。深く、暗く。
深く、暗く。
貝殻
すごくきれいな海岸にあり。
昔はたくさん拾った
今はゴミが海岸にはいっぱい!
地球が汚れていくのはなんだかな?
貝殻も寂しそう
未来はきれいになりますように!
貝殻というと真っ先に
砂浜で埋れかかったものや
アクセサリーとかに使われている姿を想像するけど
たぶん、ほとんどの人は
貝を調理して中身を食べたあとのそれを
貝殻という言葉を聞いて最初に想像しないだろう
だって食べる中身がメインなわけだし
残った殻は用が済んだあとのものなわけだし
かく言う私も貝殻と聞いて
食べたあとの貝は想像しないわけだけど
砂浜で埋れかかったものを想像するわけだけど
中身を食べたあとの貝を想像する人は
他人が思いもよらない
おもしろい発想とかができそうな
そんな気がする
ただの勝手なイメージだけどね
頬を撫でた、潮風。
連れてくるのは、あの日の記憶だ。
きみの無邪気な笑顔に誘われて、初めて海に触れたあの日。
忘れてない。
俺が見つけた綺麗な貝殻を、きみは割れないように慎重に持っていたっけ。
割れないように加工して、ネックレスにして手渡したときの、きらきらした表情が今でも胸を締め付ける。
一生大事にする、って。
ありがとう、って。
その細くて、壊れちゃいそうな首に通して、泣きながら笑ったんだ。
でもそのネックレスは今、俺の首にかかっている。
今年も一緒に海来ようね、って言っただろ。
僕の分まで生きて、じゃないだろ。
忘れていいよ、じゃないんだってば。
海から来る冷たい潮風は、頬の涙を拐っていった。
─貝殻─ #55
貝殻
ビーチコーミングがしてみたい
キミが欲しいと言った貝殻は
実はタコの仲間なんだね
検索して驚いたよ……
いつかキレイなそれに
出会えるといいね
人影のない砂浜
そんなことを思い出す夕暮れ
『貝殻』
海に行って、
貝殻を拾ってきた。
そんな事もあったなぁ、と
古くなった貝殻に耳を傾けてみた。
海の音がする。
全てを受け流してくれそうな、
落ち着くような音が聞こえた。
【貝殻】
ホラ貝を吹く音が聞こえる。祭りには欠かせないものなのだがこれが海という場所に生息する生き物の殻だという事をつい最近知った。あれは精巧に作られたものじゃないのか。自然界であんなものが作られるとは驚きだ。それとあれを楽器にしようなどとよく考えたな、と改めて思った。人間の発想力は凄まじいものだ。
【海辺】
2001/07/30
久しぶりに、遥とデートをした。
車で港町に行って、海沿いのカフェでランチをしたり、浜辺を歩いたりした。
3ヶ月ぶりに会ったものだから、何だか緊張して、胸の鼓動がやけにうるさくて、とてもむず痒いような感覚だった。
浜辺を歩きながら話をした。
これまでのこととか、これからのこととか。
どうやって出会ったんだっけ、とか。
これからどんな風に過ごそう、とか。
思い出を振り返る度に懐かしさや寂しさが込み上げてきて、
未来のことを話すと期待と不安が押し寄せた。
正直な話、僕は遥と結婚したいと思っている。
こんなに素敵な女性は、もう僕には見つけ
ることができない。
それくらいに愛おしい存在になっていると感じる。
遥は山が好きらしい。
僕はしまった!と思った。
山派だと分かっていれば、海辺でデートなんかせずに山登りすれば良かった。
僕はなんて馬鹿なのだろうと思い、自分を責めた。
だけど、遥は楽しそうだった。
「見て、貝殻!可愛いでしょ?」だなんて言って、はしゃいでいるのだ。
そんな彼女の姿を見ていると、海辺のデートも悪く無かったと思える。
海水で貝殻を洗う彼女は、何だか嬉しそうな顔をしていた。
またいつか、海辺のデートをしたいと思う今日この頃。
貝殻
私は必死に貝殻を掘った。貝殻の中から聞こえる波の音を聞きたくて必死に掘った。
しかし、いくら掘っても見つからない。でもどうしても聞きたくて必死に探した。しばらくしてやっと見つけた。「やったー!私は小さな歓声を上げた。早速耳に当ててみた。しっかりと波の音が聞こえた。嬉しかった。
頑張って掘った会があったなと我ながら思った。
胸のトキメキを…
貴女に…
baby baby baby
stay with me
貴女さえいれば
baby baby baby
stay with me
何もいらないさ…
…♪
ミーちゃんが居れば…♪
『貝殻』
私を背負って。
私を纏って。
ねえ、叶えて。
私にもう一度、海を見せて。
あなたは私の願い。
あなたは私のもの。
貝殻
カタツムリも貝の仲間ということで
しんだカタツムリのカラもまた
貝殻なのですね
個人的には
手に入れたいとは思わない物
海の貝殻だって
生き物の名残です
どうせならヤドカリさんに
うまく再利用してもらいましょう