中宮雷火

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【海辺】

2001/07/30
久しぶりに、遥とデートをした。
車で港町に行って、海沿いのカフェでランチをしたり、浜辺を歩いたりした。
3ヶ月ぶりに会ったものだから、何だか緊張して、胸の鼓動がやけにうるさくて、とてもむず痒いような感覚だった。
浜辺を歩きながら話をした。
これまでのこととか、これからのこととか。
どうやって出会ったんだっけ、とか。
これからどんな風に過ごそう、とか。
思い出を振り返る度に懐かしさや寂しさが込み上げてきて、
未来のことを話すと期待と不安が押し寄せた。
正直な話、僕は遥と結婚したいと思っている。
こんなに素敵な女性は、もう僕には見つけ
ることができない。
それくらいに愛おしい存在になっていると感じる。

遥は山が好きらしい。
僕はしまった!と思った。
山派だと分かっていれば、海辺でデートなんかせずに山登りすれば良かった。
僕はなんて馬鹿なのだろうと思い、自分を責めた。
だけど、遥は楽しそうだった。
「見て、貝殻!可愛いでしょ?」だなんて言って、はしゃいでいるのだ。
そんな彼女の姿を見ていると、海辺のデートも悪く無かったと思える。
海水で貝殻を洗う彼女は、何だか嬉しそうな顔をしていた。
またいつか、海辺のデートをしたいと思う今日この頃。

9/5/2024, 11:28:18 AM